ニムト

 ドイツゲームを知っている人に、カードゲームの決定版はと聞いたら、おそらく半数の人はこの「ニムト」と答えるだろう。
それくらいよくできたゲームである。
正しくは「6ニムト」と言い、フルスケールの陣取りゲームで有名なクラマーの作品である。
化夢宇留仁は、ごついゲームをたくさん作っているクラマーだが、この「ニムト」が実は最高傑作だと思っている(笑)。


 誰でも楽しめる気軽なカードゲームという条件を完璧にクリアしているこの「ニムト」は、ルールはもちろん超シンプルである。
 まず手札を10枚ずつ配る。
そして場に4枚カードをオープンする。
その4枚のカードの横に、数字が大きくなるようにカードを配置してゆく。
1つの列の6枚目のカードを出したらその列を回収し、ペナルティとなる。
ちなみに「ニムト」は10人までプレイできる。
結果10人×10枚+場の4枚で、カードの合計は104枚。カードの内容は1から104までの数字が1枚ずつである。



 手札の例。
5と11の倍数のカードには、派手な色がつけられている。と言うのも、そのカードは回収してしまった時のペナルティが大きいのだ。
カードの上下に書かれている牛の頭のシルエットがペナルティの数で、33はペナルティ5である。
 手番には各プレイヤーが手札から1枚、カードを裏向きに出して、全員が同時に表向ける。


 4人プレイで全員がカードを出した様子。
カードを列に配置する場合、2つのルールがある。

1.一番小さい数字のカードから処理する。
2.場のカードよりも大きく、一番近い数字という条件の場所に配置する。

 画像の例では、21が一番小さいので最初に処理される。
そして21よりも小さい場のカードは一番下の1しか無いので、1の隣に配置される。


 こういうことになる。
次は43のカードが処理され、更に69、94と続く。


 最初に出されたカードを、ルールに従って全て配置した状態。
まだ何事も起こらず、平和である。
ただし最も低い数字である1で始まった列も、すでに43という数字になっており、次からはそれを上回る数字を出さなければ、ペナルティを被ることになる。


 次にこんな状況になった。
一番下の列はすでに5枚並んでおり、ここに6枚目を出してしまうとそれまでの5枚を回収しなければならない。
その場合のペナルティは8点。
そんなことになってはたまらない。

 そこで85を出した。
一番上の列は最後が84なので、余程のことが無ければその次に置けて、6枚目になることはないのだ。
 余程のことというのはどういうことかと言うと・・・
他のプレイヤーが出したカードの中に、14というのが混じっている。
14は場のどの列よりも低い数字である。
すると14を出したプレイヤーは、列のどれかを回収し、その後に今出した14のカードを配置することになる。
普通は最も点数の低い上から2番目の列(2点)を回収するが、もしそれがなにかの間違いで1番上の列を回収したりすると・・・
出したカードの数値よりも小さくて最も近い数値はと言うと、65。つまり4列目に6枚目として配置することになるのだ。
こんな感じで手札10枚を出し切ったら1ゲーム終了。
これを繰り返して、誰かが-66点以下になったらその人の負けで終了である。



 という感じで、シンプルだけど考えるところはちゃんとあり、しかも運にも振り回されるというまさにツボを突いたシステムのゲームである。
2人から10人までできるというのもよくて、人数が少ないと読み合いになり、多いと運に翻弄されて爆笑を生む。
一家に1つは常備すべきである。

それにしても洗濯用洗剤みたいなパッケージだ(笑)

気楽さ 5
言語依存 0

ソロプレイのしやすさ 1
 数字の不思議を楽しめるので、できないことはない(笑)。
化夢宇留仁の好き度 5

20100518