3人プレイの初期配置の例。
最初に言っておくが、人類が発明した最も面白いゲームシステムを10個選んだらおそらく入るであろうパンデミックのシステムを流用しているのであるから、そのへんのゲームは蹴散らすくらいに面白いゲームである。
それを前提に話を進めたい。
まずはプレイヤー・キャラクター紹介。
左から隠秘学者、探偵、ドライバー、記者、医師、魔術師、ハンター。
全て化夢宇留仁がペイントしている。
材質が明記されていないのではっきりしないが、どうもPPに近いらしく塗料のノリは良くなく、溶剤を使うとちょっとベタつく感じもある。
ちなみにこのゲームの勝利条件は盤上の4つのゲートを封印することで、その方法は勿論パンデミックのワクチンと同じ。
ところで探偵は通常手がかりカードが5枚必要なところを、4枚だけでゲートを封印できる。
また医師は通常4アクションを使用できるところを5アクション使用できる。
・・・・・・・・・・なんで?
パンデミックをやったことがある人はわかると思うが、パンデミックの感染者を邪教の信徒に置き換えている。これには意外性は一切なく、おそらく誰が作ってもそうなるだろう。
それがこちら。26体ある。もちろん全部塗った(汗)
ただしアウトブレイクのルールは無く、1つの場所に4人目の邪教の信徒を置くことになったら後述する「覚醒の儀式」が発生する。
こちらはショゴス。化夢宇留仁のペイント済。
これはこのゲームのオリジナル要素で、ゲーム開始時から1体配置されており、「邪悪の胎動」(パンデミックでいうところのエピデミック)が発生すると追加で配置される。
4体目を配置することになったら即座にプレイヤーの敗北になるのと、引いた召喚カード(パンデミックでいうところの感染カード)にショゴスのマークがあると一番近い封印されていないゲートに1歩進む。
ショゴスがすでに封印されていないゲートにいる状態でそれが起きると、そのショゴスはゲートに吸い込まれてやっぱり「覚醒の儀式」が発生する。
そうそうこのゲームには正気度という概念もある。
キャラクターは全員4の正気度を持ってスタートし、様々な正気度チェックを行う機会があり、失敗すると1〜2の正気度を失う。
もし正気度が0になったらカードを裏返し、発狂状態でゲームを続行するのだ(笑)
上記の「機会」の1つがショゴスとの遭遇である。
何度か出てきた「覚醒の儀式」がどんなものかというと、このようにボード上部に並べられた7枚のカードを左から1枚ずつめくっていくというもの。
どれも旧支配者とかが描かれていて、もちろんめくられると悪いことが起きる。
最後の7枚目は固定でクトゥルフであり、これがめくられたらプレイヤーの敗北である。
ちなみにクトゥルフがめくられるまでのランダム部分にはハスター、ニャルラトテップ、ヨグ・ソトース、アザトースなど、洒落にならないビッグネームも入っている。
この皆さんが一般イベントで、クトゥルフが全てを終わらせるラスボス?
・・・・・・・・・・・・・なんで?
パンデミックと比べると、細かい処理が多いのが目立つ。
ゲートを封印したらその街の邪教の信徒を場所ごとに1体ずつ除去するとか、上記ショゴスの移動ルールと正気度チェック、ショゴスを倒した時の遺物カード(パンデミックでいうところのイベントカード)の取得とか、なれていないと処理し忘れが発生しやすいルールが多い。
だいたいなにを言いたいのかはわかったと思うが、一言で言えば中途半端なのである。
上でも書いたがパンデミックはアホみたいに面白いゲームなのでこのゲームも面白いのだが、上記キャラクターの能力とか無理やり当てはめたっぽいのもあるし、細かい処理も多いしで、スマートじゃない。
その分クトゥルフ神話関連の描写で面白くなっているかと言うと、「覚醒の儀式」のところが顕著だが、練り込みが甘い。
知っているものからすれば、クトゥルフはアザトースやヨグ・ソトースと比べたら雑魚同然の存在のはずなのに、その扱いは適当に名前を並べているとしか思えない。
ここはちゃんと作るならそれぞれの旧支配者ごとにシナリオを用意すべきである。
街の名前も上の画像にキングスポートとあるように、ダンウィッチやインスマスなど有名所はおさえているが、名前がそうなだけ。
ちうわけでパンデミックもクトゥルフ神話もどちらも大好きな化夢宇留仁からすると、逆に不満点が目立つ結果となった。
何度も言うがメチャメチャ面白いゲームではあるのだ。
しかし不満なのだ(汗)
気楽さ 4
言語依存 3
テキストは少なく、それも完全日本語版が出回っているので問題ない。
ソロプレイのしやすさ 5
化夢宇留仁の好き度 3
20230308 |