パレ ロワイヤル

 高貴なような、へんてこなような、なんとも言えないパッケージの本ゲーム。内容はとぼけた雰囲気の手順構築系ゲームである。
 プレイヤーは召使い長?のような立場になり、中庭で走り回っている貴族たち(説明書にそう書いてある/汗)を、召使いたちを駆使して屋敷に連れ戻すというもの。
次々と雇われてはどんどんクビになっていく召使いたちが愉快(笑)で、化夢宇留仁が大変気に入っているゲームである。


 ゲーム開始時のゲーム盤。
上半分が中庭で、大量の貴族たちが走り回っている(笑)。
下半分は9枚のタイルで構成されており、並び方は説明書おすすめの基本状態。
好きなように並べ替えて遊んでもいい。
 下の方にいる3色のコマが召使いたちである。
画像では3人分だが、ゲームは4人まで対応している。

 ゲーム序盤の中庭の様子。
貴族タイルが1枚赤のプレイヤーに確保されたところで、代わりに召使いが1人がんばっている。
中庭の外周にいる貴族を確保すると、このように召使いを置いておき、ゲーム終了時にその数に応じてボーナスポイントをとることができるのだ。
イメージとしては、ひたすら開始時間を待っている花見の場所取りか(笑)。


 屋敷タイル。
9枚のタイル上に、召使いたちがちょこまか走り回っている。
このゲームでは様々な要素の多くを召使いの人数で表す。
要するに召使いが大勢で頼めば、色々な融通が利くのだ(笑)。
 タイルは左上から右へ、地下室、事務室、枢機卿の部屋、鋳造所、門、ポンバドール夫人の部屋、階段室、王の執務室、名誉の庭。
それぞれのタイルの影響力を駆使し、まどろっこしい手順を踏んで中庭の貴族の確保につなげてゆくことになる。
そのまどろっこしさが、なんだかそれっぽくて楽しい(笑)
以下ではその手順にそって、各タイルを紹介してみる。


 枢機卿の部屋。
この後の各タイルで、そこに最も多くの召使いを配置しているプレイヤーにはボーナスが入る。しかし他のプレイヤーと同人数だとボーナスがつかない。
枢機卿の部屋に最も多く召使いを配置しているプレイヤーは、上記の同人数の場合に最多ボーナスを獲得できる。
ここでも同人数だったらやはりボーナス無し。

 画を見てみると、枢機卿と使者らしき者の会話を召使いが盗み聞きしている。
どうやらここで裏情報を盗み聞きして各タイルの偉い人の弱みを握り、融通を利かせてもらうということらしい(笑)。
「なんと、パトリック様にはそんなご趣味が・・・これは利用させていただかねば。」

 名誉の庭。
ここに配置した召使いの数だけ、新たな召使いを雇うことになる。
一番多く召使いを配置しているプレイヤーは、追加で更に1人の召使いを雇うことができる。
 偉い人たちに人手不足を訴えまくる召使いたちという感じ(笑)。

 門。
雇われた召使いたちがぞろぞろとここにやってくる。
プレイ時にはぜひ召使いの数だけ「ごめんください」と言ってほしい(笑)。


 階段室。
ここに配置してある召使いの数だけ、召使いを上下左右のタイルに移動させることができる。
一番多く配置していたプレイヤーは1つ多く移動できる。
「サンチョはどこへ行った?ヘクターは?」
「今すぐ呼んでまいります!ヘクターは名誉の庭へ請願に行っております!」
どたばたどたばた(笑)。


 鋳造所。
ここに配置してある召使いの数だけ、コインをもらえる。
一番多く配置していたプレイヤーはコインを1つ多くもらえる。
「ミネルヴァ様は戻ってほしいなら誠意を示せとおっしゃっておられるのです。あの方の言う誠意はお金です!それもたくさんの!」
「分かってるから待ってろ。順番が詰まってるんだよ。」
新たな召使いが入ってくる。「急いでコインを!」
「また来たよ。あ〜〜〜うるさい。」


 ポンバドール夫人の部屋。
ここに配置してある召使いの数だけ、紫の封蝋付の書簡を持っているものとする。
一番多く配置していたプレイヤーは、更にもう1人の召使いを配置できる。

 封蝋付の書簡は、中庭の貴族を確保するときに必要になる場合がある。
要するに夫人のお墨付きをいただくということである。


 王の執務室。
夫人の部屋と同じだが、ここでは青色の封蝋になる。
王と夫人で影響できる貴族が異なるのだ。
色々な大人の事情がうかがえる(笑)。


 事務室。
ここに配置した召使いの数だけ、中庭の貴族を連れてくるチャンスがもらえる。

 なんらかの手続きをしているようだが、どうやら召使いの誰が行くのかを確認しているらしい。
なぜならここに配置された召使いは(おそらく中庭の貴族の怒りを買い)、クビになってしまうのだ(笑)。
 ちなみに夫人の部屋と王の執務室に配置されていた召使いも、その書簡を利用された分クビになる。
色々大変である(笑)。


 地下室。
ここに配置してある召使いの数だけ、特権カードを引くことができる。
ただしカードを手に入れると、配置してあった召使いはクビになる。
取るものは取って、責任をおっかぶせるのだ(笑)。
 このタイルの処理だけ貴族確保アクションの後というのも、闇夜に紛れた感があって面白い。

 特権カードには様々な効果があり、王や夫人の書簡を手に入れたり、移動力を増したり、お金をもらったり、そのまま勝利ポイントになるものもある。
ただし使う場合にはカードに応じたコインを支払わなければならない。

 以上9枚のタイル上を、大量の召使いがうろちょろしまくってゲームは進んでゆくわけである。


 中庭で貴族を確保すると勝利ポイントになるのだが、それ以外にも様々な能力がある。
 左はその貴族を確保するためのコストで、例えば左下の夫人であれば、コイン2、ポンバドール夫人の書簡2、王の書簡2が必要である。
貴族を確保するときに、その貴族の周りに空きマスがあると、その分必要コインが少なくなる。どうやら周りに人がいなくなると、寂しくなって帰りたくなってくるようである(笑)。
 右はその貴族から得られる得点で、さっきの夫人であれば勝利ポイント4に加えて召使いを3人手持ちコマに追加できる。
なにしろ召使いはそこら中に必要なので、最初の手持ちコマでは全然足らないので、結構強力な貴族と言える。
他にも召使いを斜めに移動できるようにしたり、特権カードを手に入れたりなど、色々な能力があり、勝利ポイントをとるか、能力をとるかのジレンマが発生する。

 ゲーム終了時の中庭。
中庭に残った貴族タイルが12枚以下になったら、そのラウンドの最後までやって終了である。
 貴族を確保した後に残された召使いたちがぞろぞろ。
ここに人手を取られるので、ゲームが進むほど人手不足になる。


 中庭の勝利ポイントを計算。
端の4辺それぞれについて、がんばっている召使いの数を比べ、1位と2位にはボーナスポイントがつく。
画像はそのボーナス表示をしている状態である。
4辺の中央のへこみにいた召使いは2人分と数える。

 てなわけで、なにしろ召使いがたくさんいてそれぞれ全然違う効果を表すので、手順を覚えるまで少しとまどうが、覚えてしまえば愉快で考えどころもある好ゲームである。
中庭の配置ボーナスは少々蛇足感もあるが、そんな余計なところがまた貴族っぽくて楽しかったりする(笑)。

気楽さ 3
言語依存 1
 カードなどに文章は一切無いが、貴族や特権カードの能力を表したアイコンの意味を覚えるまでは説明書を読まなくてはならない。
ソロプレイのしやすさ 4
 システム的にはソロプレイに問題になる部分はないが、なにしろ召使いの数が多いので混乱しがち(笑)。
化夢宇留仁の好き度 5

20091101