レーベンヘルツ


 カタンのトイバー作の陣取りゲーム。
カードをプレイして境界線を引いていく。
2〜4人用。



 3人プレイのゲーム中盤の様子。
赤青黄のコマはプレイヤーのもので、黒い境界線コマは共有で、領土の境界を示す。
例えば左下の13マスは赤プレイヤーの領土になっている。


 ゲーム開始状態。
左下のおっさんは国王で、ゲーム終了になる得点を示している。3人プレイの場合は誰かが40点に到達した時点でゲームが終了する。
右の岩場みたいなエリアはカードの市場である。
枠の中は4×4の16マスのタイル9枚で構成されており、中央に王の城を含むタイルは必ず中央に配置するが、それ以外は任意に配置する。
 このゲームは基本システムは囲碁とほぼ同じである。
したがって初期配置(各プレイヤーが城と騎士を4個ずつ配置する)が非常に重要で、いくらかのランダム要素はあるにせよ、初期配置は教えてもらわないと初心者に勝ち目はないだろう。


 初期配置が終わった状態。
年長のプレイヤーから順番に城と騎士を1個ずつ配置し、全員がそれぞれを4個ずつ配置する。
手番はその逆で行うのである程度のフォローはあるが、やはり初期配置で失敗すると厳しいゲームになる。
ちなみに同じ色の城は6マス以上離して配置しなければならないため、最後の方は置きたい場所に置けないケースもある。
 地形は平地、森、村、鉱山(4種類)、王の城があり、領地にしたときに森は1、村は3、王の城は5点になり、鉱山は同じ種類の鉱山を3つ以上確保すれば5点になる。


 序盤、少しずつ境界線が配置されている。
右下では赤と黄を区切るラインができている。
また右上の2つの境界線は黄が置いたもので、青との境界線を作りつつ自分の領地を大きくしようとする意図が見える。
逆に青から見たらすぐ隣に境界線ができてしまったが、結果右上のエリアはほぼ確保したも同然ということになる。
ちなみに境界線は、同じ色のコマを分断するような場所や、すでに誰かの領地になっているエリアには置けないが、この2つの条件以外のところならどこにでも置ける。

 手番にはまず鉱山からの報酬がある。
すでに自分の領地になっているエリアの鉱山の種類分ドゥカート(このゲームのお金の単位)をもらえるのだ。
ちなみにゲーム開始時には全員7ドゥカートとパワーカード3枚を持ってスタートする。
次に手札をプレイするか、手札を売却するかのどちらかを選ぶ。
手番の最後には手札が3枚になるように補充するが、その場合山札か売却されたカードかのどちらかを選ぶことができる。


 パワーカードの一部。
左上の赤い数字はそのカードをプレイするときに支払うドゥカートで、右のカッコの青い数字はそのカードを売却したときに得られるドュカートである。
内容は左から境界線の配置カード。3ドゥカート支払ってこのカードをプレイすれば、境界線を2つ配置できる。
その右は騎士の配置カードで、このカードでは騎士を2つ配置できる(1つだけ配置できるカードもある)。
騎士を配置するマスが森の場合は更に+1ドゥカートが必要。
赤い盾は領地の拡張カードで、1または2マスの領地を拡張できる。
領地を拡張させる場合は自分の領地を拡張するように境界線を置く。その時拡張先がすでに他のプレイヤーの領地になっていたら、自分の領地にある騎士の数が相手の騎士の数を上回っている場合のみ拡張が可能。
紫の盾は騎士の裏切りカードで、自分の領地に騎士を1つ追加し、隣接している相手の騎士を1つ取り除ける。
青緑の盾は同盟カードで、隣接している他プレイヤーの領地との境界線の1箇所を90度回転させ、それ以降はお互いに領地の拡張ができなくなる。
一番右のカードは2種類の効果のどちらかを選ぶもので、他にも種類がある。


 右下で黄が騎士を2個配置した上で「領地の拡張」で得点になるマスを次々に自分の領地に組み入れている。


 ゲーム終了時。
結局黄がぶっちぎりの勝利を収めた。
通常鉱山は得点にはならないが、毎手番開始時に獲得できるドゥカートのボーナスによってカードをプレイするテンポが上がるので、狭くても鉱山を含む領地を早い段階で確保するのが重要である。
なので化夢宇留仁の初期配置は囲碁の影響もあって少々内側に寄りすぎだったと思う。
囲碁の場合は最終的に広いエリアを確保できればいいのだが、このゲームの場合はスピードも重要なのだ。
 化夢宇留仁自身が慣れていないので極端な結果になったが、やはり初期配置といい、ゲームが始まってからの戦略といい、なかなかうまくプレイするにはハードルの高いゲームと言えると思う。


 ちうわけで難しそうなことばかり書いたが、プレイ自体はとても面白く、慣れた者どうしでプレイすれば病みつきになる面白さがあると思う。
それにしてもカタンのバリエーションばかり作っているイメージのトイバーだが、ねんどをこねてみたり、トイレが大事な都市計画だったり、この囲碁みたいなレーベンヘルツだったりとか、カタンバリエーション以外ではなかなか尖った面白いゲームを作っているやはり才能のあるデザイナーだと再認識させられた。

気楽さ 4
言語依存 0

ソロプレイのしやすさ 4

化夢宇留仁の好き度 5

20250623