サムライ



 「サムライ」はクニツィアのタイル配置型陣取りゲームで、一定の条件を満たして「仏像」「兜」「田」を手に入れてゆく。
例によって勝利ポイントの計算方法に一ひねりしてあって、色々な方面に頭を使わされる。



 2人プレイのゲーム開始直後の状態。
見ての通り日本の本州が舞台である。
実は4人でプレイする時には北海道と四国九州も登場する。人数に応じてボードを変化させるようになっているのだ。
 ボード上に点在する黒いコマが上記「仏像」「兜」「田」で、それぞれ日本の支配権の一面を表している・・・のだが、そこはクニツィア先生の作品なので、それ以上のディテールは皆無(笑)。


 こちらは3人プレイのゲーム開始状態。
四国と九州が追加されている。


 手番には5枚の自分のタイル場から選んだタイルを配置して「仏像」「兜」「田」の周囲を固めてゆく。それらと隣接した陸上のマスが埋まったら、最も影響力(タイルに書かれた数字の合計)を行使しているプレイヤーの手に入る。
もし同点だったら誰も獲得できず、そのコマは盤外に置かれる。
 タイルには「仏像」や「兜」など専用のものと、侍、船のどのコマにも影響を及ぼすもの、それに位置の入れ替えをする特殊タイルがある。
タイルの中には「侍」と記されたものがあり、そのタイルのみ1手番中に複数枚配置できる。
手番の最後には、自分の裏返しにしたタイル山から、手元のタイル場が5枚になるように補充する。
 画像は熱き江戸の争奪戦の様子。
江戸には3種類のコマが置かれているので、やはり最重要ポイントなのだ。


 この時は前半は本州で激戦が繰り広げられた。
 江戸の攻防は痛み分けのような結果となり、その間に赤のプレイヤーがフリーでタイルを配置して、美味しいところを確保している。

 「サムライ」はコンボが熱いゲームでもある。
赤と青のプレイヤーが、今で言う兵庫県あたりの兜を狙って、合計12の戦力を投入している(点線で囲まれたタイルと瀬戸内海の船)。
四国では緑のタイルが愛媛の兜を狙っているが、反対側の香川県の仏像には影響できていない。
もし兵庫の★マークのスペースに緑が仏像に影響できるタイルを配置し、兵庫の兜と香川県の仏像が入れ替わったらどうなるか。
どっちのコマも緑が取った上に、赤と青が投入している11戦力は無駄に終わるのだ。

 その後緑はしばらく目的のタイルが引けなくてやきもきするも、なんとか赤丸で囲んだ左のタイルを配置。
こいつを配置すると任意のコマの場所を入れ替えた上、更にタイルを配置することができる。
緑は兵庫に仏像に3影響力を持つタイルを配置。
結果点線部分のコマを3つ手に入れた上、赤と青のタイルの多くを無駄にすることに成功♪


 どれか1種類のコマがボード上から無くなるか、 同点で獲得されなかったコマが4つになったらゲーム終了。
 そして勝利条件だが、まず2種類以上のコマの獲得数が単独トップのプレイヤーがいれば、その人の勝利となる。
そうでなkれば、1種類のコマで獲得数が単独トップになっているプレイヤー同士で、単独トップにならなかったコマの数が多いプレイヤーの勝利となる。
例えば「田」と「仏像」の数が単独トップだったら勝利。
また「田」だけが単独トップであれば、残りの「兜」「仏像」の合計数が勝敗を決める。
つまり同じコマばかり大量にとっても勝利は出来ず、バランスよく獲得してゆかなければならないのだ。



 というわけで、歴史ロマンは一切味わえないが(笑)、緻密な戦略と微妙な運がバランスよくミックスされた好ゲームである。
実際クニツィアの作品の中では、最も場が盛り上がるゲームの1つだと思う。
プレイタイムもいい感じで、負けると思わず「もう1回!」と言ってしまう中毒性も。
持っていて損のないゲーム。

気楽さ 4
言語依存 0
ソロプレイのしやすさ 3

 ついたての存在と、タイルの引き運が絡む。
化夢宇留仁の好き度 5

20120421