スモールワールド
SMALL WORLD
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狭い土地にひしめくファンタジックなものどもが、とにかく領土を増やそうと邪魔するものは滅ぼしながら進軍していくが、やがて彼らにも終末の日がやってくる。
しかしそれはまた新たな種族の誕生をも意味するのだ。
2〜5人用のファンタジーバトルボードゲーム。 |

3人プレイの1ターン目が終わった状態の例。
手前にあるのが各プレイヤーの種族だが、面白いのがこれがそれぞれ2つのパーツでできているということ。
例えば左の「英雄のアマゾネス」は、「英雄の」(特殊パワーバッジ)と「アマゾネス」(種族バナー)が別パーツなのだ。
そしてそれぞれに特殊能力がある。
「英雄の」は手番終了時に好きな自分の支配エリア2つに英雄マーカーを置くことができ、そのエリアは攻撃されなくなる。
「アマゾネス」は進軍時のみ追加で4ユニットを使用できる。
こういうタイルがランダムに組み合わさることによって、膨大な数のバリエーションを生み出しているのだ。
ゲーム開始時にはこれらが組み合わさった6種類の種族から自分の種族を選ぶことになる。
上の画像の左上に並んでいるのがそれで、一番上のものを選べばただだが、2番目なら1コイン、3番目なら2コインを払わなければならない。
支払われたコインは1つずつ飛ばされた種族の上に置かれ、次に選ぶ人はコインが載っている種族を選べばコインもついてくる。 |
画面の状態なら一番上の種族を選べばコイン4枚がついてくる。
2番目の種族を選んだ場合は、1番目の種族のところに1コイン置かなければならないが、やはり2番目の種族に置かれているコイン4枚は手に入る。
3番目の種族を選んだ場合は1番目と2番目にコインを追加する。
最初のターンには各プレイヤーが盤外または外海からマップに進入する。
使用できるユニットは2枚の自分の種族パーツに書かれた数字の合計である。
1つのエリアを占領するのに最低2ユニットが必要で、そこに敵ユニットも含めた障害物があればその分追加で必要になる。 |
進軍の最後に進みたいエリアに対してユニット数が足らない場合のみ、この増援部隊ダイスを振ることができる。
3面は空白(0)、他の3面は1〜3の目になっており、これによってその時のみの増援を得てそのエリアを征服できる場合があるのだ。
進軍が終わると自分のユニットを好きなように支配エリア内で再配置できる。
これによって次の自分のターンまでの間の防御を固めるわけである。
ターン終了時には自分が支配しているエリアと同数のコインを入手する。
このコインはそのまま勝利ポイントでもある。 |

3ターン目が終わったところ。
アマゾネスと右のラットマンが大きく版図を増している。左上のウィザードは苦戦しているように見えるが、特殊能力によってエリア数よりも多くの勝利ポイントを得ているのでそんなに差はついていない。
2ターン目以降は自分の各エリアに1ユニットを残してユニットを引き上げ、引き上げたユニットを使用してさらなる進軍を行う。
進軍の結果敗れたプレイヤーのユニットは、そのエリアにいたユニットの内1枚が廃棄され、残りは再配備される。
こうして少しずつ使用できるユニットが減っていくのと、支配エリアが増えるとそこに置いて置かなければならないユニットの数が増え、それ以上の領土拡張が難しくなってくる。
そうなってきたら検討すべきなのが「衰退」である。
衰退したアマゾネス。
衰退を選ぶと、各支配エリアに1ユニットのみを残し、それらを裏返して配置してから勝利ポイントを得るだけで手番が終了する。
今後アマゾネスは一切のアクションが行えず、特殊能力もほとんども消失するが、勝利点は得ることができる。
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そして次ターンの手番開始時に新たな種族をお迎えする。
画像は「要塞を設けるソーサラー」をお迎えしたところ。
「要塞を設ける」は各ターンに1つ自分の支配地域に要塞マーカーを配置でき、そのエリアは防御力+1の上に勝利点も追加で1コインついてくる。
「ソーサラー」は対戦相手1人につき1ターンに一度、隣接エリアの衰退していない単独で存在している敵ユニットをソーサラーの追加ユニットと入れ替えてしまうというソーサラーというより吸血鬼みたいな能力を持っている。 |

こちらは4人プレイの様子。
このゲームはリバーシブルのゲーム盤が2つはいっており、片方は2、3人用、もう1つは4、5人用となっている豪華な仕様なのだ。
化夢宇留仁の印象ではこのゲームはプレイ人数が多い方が楽しい。
規定ターンをプレイしたら勝利コインを一番多く持っているプレイヤーの勝利となる。

てな感じでガチャガチャとしたゲームである。
このゲームは非常に面白く、人気もあって拡張セットも山ほど発売された。
化夢宇留仁的にはこのウォーゲームの面白さも内包したゲームがボードゲーム市場でも人気を得たのに大きな意義を感じる。
とか小難しいことを考えなくても、最初のとっつきはもう1つだが慣れてしまえば非常にシンプルなシステムで、何も考えずに遊んでも盛り上がって楽しい。
というのも攻撃しないという選択肢はよほどのことが無ければ損になるので、とにかく攻撃しまくるというのが普通になって、この手のゲームにありがちな膠着状態になりようがないのだ。
なので毎ターン盤面は大きく様相を変え、とにかく選択肢の中でできる限りのことをがむしゃらに頑張るという遊び方になるのが素晴らしい。
見ての通りコンポーネントも超最高だし、これはもっと世の中に広めたいゲームである。
気楽さ 4
言語依存 2
表面的にはほとんど無いのだが、慣れないうちは能力一覧表はしょっちゅう読むことに。
ソロプレイのしやすさ 5
所有コインは一応隠蔽情報だが、そんなもの数えなければわからない。
化夢宇留仁の好き度 5
20250613 |