勝利への道

2005年ドイツゲーム大賞ノミネート



 一風変わったすごろくゲーム。
1人が3個のコマを持ち、サイコロを振って進んでゆくが、早くゴールしてもなにもならない。
高得点の「道を取る」のが目的。
6人までプレイできる。


 基本初期配置のゲーム序盤。
こんな感じでタイルを並べて道を作り、その上を進んでゆく。
並べ方はもちろん好きに変えてもいい。

 コマは各プレイヤー毎に色分けされている。
円柱状の木製生成のコマは、番人と呼ばれる誰のものでもないコマで、こいつらは誰かのコマが同じマスにいれば、動かすことができる。
なんでわざわざ自分と関係のないコマを動かさなければならないかと言うと、このゲームは自分のコマを動かしたくない状況が多々あるのだ。

 タイルで出来た道はそのまま勝利ポイントであり、手に入れるためには自分のコマ1つだけがそのマスにいる状態で移動を開始しなければならない。
他に誰か(番人も)がいると、手に入らないのだ。
したがって高い勝利ポイントのタイルの上では、他のコマが出てゆくまで動きたくないコマ達が我慢比べをすることになる。
 また勝利ポイントにマイナスされるタイルもある。
しかしコマが1個しかいないタイルで移動を開始した場合、そのタイルは必ず取らなければならない。
上記とは逆に、マイナスタイルの上では一刻も早く他のコマを残して出て行きたいということになる。


 例えばこんな状況。
赤いタイルは勝利ポイントがマイナスになるので、取りたくない(例外あり。後述)。
そのタイルにコマが1つだけの状態で動くとそのタイルを取らなければならない。
青と緑は、相手より先にこのタイルから出ていけばタイルを取らなくてすむ。


 上記の例外を生むのが画像のベージュのタイル。
このボーナスタイルを取ると、持っている内で一番高いマイナスタイル1枚をプラスに出来る。
つまりマイナスタイルの10、9、8と持っていて、 ボーナスタイルを2枚持っていれば、10と9はプラスになるというわけ。
ボーナスタイルを持っていれば、高いマイナスタイルは最も欲しいタイルになる。
マイナスタイルを取らずにゴールするのは至難の業なので、勝敗を左右する重要なタイルである。
 画像では赤と黄色のコマがボーナスタイルの取り合いをしている。
手に入れるためには自分が最後にこのタイルを出なければならないので、自分の手番にはこのタイル以外のコマを動かすか、動かせる番人コマを動かし、とにかく粘って居続けるようにする。
 画像上の緑のタイルが通常のプラスタイル。


 ボーナスタイルはみんなが欲しいので、こんなことになる(笑)。

 ゲーム終盤。
タイルを取った後は適当に間をつめる。
結果こんなに短いコースに。
 最後に残ったボーナスタイルは赤が取るのが確定している。
また同じく最後のプラスタイルは、まだ4人がしのぎを削っている。


 ゲーム終了。
計算しやすいように並べてみた。
左から赤、青、黄、緑の取ったタイルである。
 赤はプラスタイルが6と5で+11。
ボーナスタイルが1枚で、1番高いマイナスタイルが10なので+10。
残りのマイナスタイルが4と7で-11。
合計10点ということになる。
 以下合計点は青16、黄色-6、緑11。
プラスタイルだけの点数では青が合計+3と最も少ないのだが、ボーナスタイル3枚が効いて勝利。
黄色はマイナスタイルを取りすぎて合計点までマイナスになっている。

 ちうわけで、気楽に楽しめるファミリーゲームである。
運の要素は大きいが、選択肢はそれなりにあって、それも状況によって大きく変化するなど、考えどころもある。
ぜひ一家で楽しんで欲しいゲームである。
 それにしても「ティカル」などの仮面シリーズを代表とするヘビィ級陣取りゲームを作っているキースリング&クラマーコンビの作品とは思えない内容である(笑)。

気楽さ 4
 最初にタイルを並べるのが少しめんどうなので4に。
言語依存 0
ソロプレイのしやすさ 4
 ソロプレイに全く問題はないが、サイコロの目に一喜一憂できる相手がいないと盛り上がりようがない(笑)。
化夢宇留仁の好き度 4

20100314