ZOMBICIDE FRIENS AND FOES


 協力型ハクスラ系ホラーファンタジーゲーム。「ゾンビサイド 黒疫禍」の拡張セット。
新たな生存者4人と、新たな要素である「使い魔」6匹。
それに新たな屍者である「堕落オークウォーカー」と「堕落オークアボミネーション」が追加され、両面マップ5枚とシナリオも10個ついている。
日本語版は出ていない。



 プレイの様子の例。
いろいろな拡張が混じり合ってもうなにがなにやらわからなくなってるが(汗)


 今回追加された生存者の皆さん。全員塗りかけ。
左から魔法攻撃のサイの目が+1されるDoranさん、彼女と同じゾーンにいれば他の生存者の攻撃時のダイスが+1されるKatelyn、毎ターン他の生存者1人のアクション数を+1できるSolveig、それに体当たりができるKabral。
4人共非常に強力だが、後述するがこのセットでは体当たり技能が必須と言えるので、Kabralのそれは非常にありがたい。

 お待ちかね?の使い魔だが、2匹ずつ3種類の合計6匹である。
まずは犬。ほんとはそれぞれ名前もついている。化夢宇留仁が塗りかけ。
 使い魔はゲーム的には装備カードである。そのカードをバックパックに入れることで、その使い魔のハンドラーであることを示すわけである。
共通ルールとしては、まず使い魔は生存者としてカウントされる。なので騒音としても数える。
ダメージ1で死亡し、使い魔が死ぬとそのハンドラーもダメージ1を受ける。
特別にアクションを使用しなければ、使い魔はハンドラーの生存者と一緒に行動し、その場合の移動にはアクションを消費しない。
そうしているだけでも使い魔独自の技能がハンドラーに追加される。
例えばこの犬の場合は近接攻撃時のダイスが+1される。一緒に襲いかかっているイメージ。
使い魔の代わりにハンドラーがアクションを消費することで、使い魔のみを別行動させることもできる。
その場合は1アクションで3ゾーン移動し、同じく1アクションで1回攻撃できる。
独自の技能も持っている。
横臥(誤射の対象にならない)、探索(一時的に装備を1個所持可能)、すり抜け
あとは個別の攻撃力と、「騒ぐ」こともできる(笑)
犬の攻撃力は距離0、ダイス3、命中4+、ダメージ1。
例えば3ゾーンの範囲内に屍者をぞろぞろ引き連れたネクロマンサーがいる場合、使い魔をそのゾーンに突入させ、ネクロマンサーだけを殺して戻ってくることも可能である。

 狼。化夢宇留仁が塗りかけ。
横臥、すり抜けの技能を持ち、攻撃力は距離0、ダイス1、命中3+、ダメージ2
犬と比べるとダメージは増えているがダイスが1個だけなので遠隔攻撃は少々やりにくく、探索技能も無い。
狼の最大の売りは、なんと言ってもハンドラーと一緒にいるときのボーナス近接攻撃ダイス+2である。
このゲームで攻撃ダイスを2個増やせるというのは非常に強く、仲間になったときの心強さはひとしおである。


 猫?なんで翼が?化夢宇留仁が塗りかけ。
猫の技能は犬や狼とは全然傾向が異なり、鳥瞰(障害物越しに街路の目標を攻撃できる)、横臥、探索、すり抜けで、攻撃力は距離0、ダイス2個、命中3+、ダメージ1
同行ボーナスは射程+1と鳥瞰。
猫自身の攻撃射程が0なのに鳥瞰技能があるのは謎だが、生垣のあるマップでは大活躍する使い魔である。
更に上記のネクロマンサー暗殺(笑)では(化夢宇留仁は空を飛んで移動できると解釈しているので)、まさにネクロマンサーの天敵と言える活躍を見せる。

 使い魔のゲームへの導入方法としては各生存者が1匹ずつ所持してスタートしてもよいと書かれているが、それでは単に強化しているだけで面白くないので、化夢宇留仁はもっぱら装備カードの山に混ぜている。
偶然仲間が見つかるととても嬉しい(笑)


 Tainted Walker。
直訳だと「汚染された歩くもの」となるが、オークの中の堕落したものたちが裏切って立ち回ろうとしたが結局黒疫禍に感染し、特殊な屍者となったという設定なので、化夢宇留仁は「堕落オークウォーカー」と訳している。全員塗りかけ。
パッと見オークウォーカーと見分けにくいが、触るとすぐわかる。
こいつらはマジでトゲトゲなので触ると痛いのだ(笑)
 こいつらの能力はオークウォーカーと全く同じで1アクション&2ダメージだが、同じゾーンで殺すと殺した生存者にトゲトゲパンチ連打を食らわして2ダメージを与えてくる。
ウォーカーを殺すごとに2ダメージなどやってられないので、当然遠距離射撃か魔法で倒すことになる。
またこいつらは大群ルールにも対応しており、盤外に溜まって一気に押し寄せてくる場合も。
もし遠距離で倒すのに失敗したりして、なんらかの事情で同じゾーンに大量に入られたりすると、体当たり技能がなければほぼ積みである(汗)

 堕落オークアボミネーション。化夢宇留仁が塗りかけ。
やはりオークアボミネーションと同じ能力で、1アクション3ダメージ。
同じゾーンで殺すと汚染された血を吹き出し、殺した者に3ダメージを与える。しかもこのダメージも防具が効かない。つまり同じソーンでこいつを殺した者は100%即死するのだ(笑)
一応こいつ専用の防毒マスクという装備もあるがそう都合よく見つかるわけもなく、やはり遠距離攻撃かドラゴンファイアで倒すことになる。


シナリオの解説。
シナリオ1 忍びよる災厄
 高原にある屍者のいない人里離れた村にしばらく滞在していたが、ある日村から煙が上がるのが見えた。
急いで村に戻ったが、もはや手遅れだった。
もはややれることはかつての村人たちを休ませ、復讐することだけだ。

 黒疫禍が必要。
今までにない特殊なルールが多くて少々戸惑ったが、そんなに難しいシナリオではない。
ただし本セットに含まれている両面マップタイル5枚はどれも緑鬼軍に準拠した生垣と水路だらけなので、見落としに注意。

シナリオ2 スヴァルガの誇り
 サムソンの異母妹のスヴァルガはドワーフには珍しい魔法使いで、様々な武器や呪文を作っていたらしい。
彼は3年に一度彼女に会いに行っているのだが、もちろん我々も同行する。


 黒疫禍が必要。
やたらに強いアイテムが手に入るので楽。
結局サムソンはスヴァルガに会えたのだろうか・・・

シナリオ3 溺れた街の物語
 バルドリックが水没した都市に不思議な遺物が眠っているという夢を見た。
それは明らかにネクロマンサーの魔術による罠だったが、その罠を確かめるために行ってみることに。

 黒疫禍が必要。
シナリオの冒頭ストーリーにキャラクター名が出てくるのが雰囲気があって面白い。
内容はタイトルの通り水路だらけの街が舞台で、化夢宇留仁はゾンビウルフを入れているのでなかなかきつい(水路ではこっちは2アクションで1ゾーン進むのに、ゾンビウルフは普通に3ゾーン進んで迫ってくる/汗)が、必要な目的トークンは2つなので運がよければそんなに難しくない。

シナリオ4 感染の潮流
 屍者の大群に追い詰められてしまった。唯一の脱出ポイントはタウンホールの向こうだが、そこにたどり着くまでには延々と水路を進まなければならない・・・。

 黒疫禍が必要。
シナリオ3に輪をかけて水路だらけのシナリオで、移動がままならないのが厳しい。
またマップ右上の出現ポイント2つが4ゾーンしか離れていないので早急に片方を削除する必要も。
ちなみに東西を二分する形で縦に伸びている建物だが、パッと見はよくわからないが3区画に分かれている。北の扉から入ると脱出口までたどり着けないので注意が必要。
また勝利条件に「脱出口に屍者がいなければ」とあるが、たどり着くまでの道を2ゾーン戻ったところに屍者には越えられない段差があるので、生存者が脱出口に全員たどりついたら勝利で問題ない。

シナリオ5 儚いシェルター
 最後のシェルターも屍者に見つけられ、最後のシェルター候補地に。
ここにも屍者がいるのなら掃除する以外にない。


 緑鬼軍が必要。
ここから緑鬼軍と組み合わせるシナリオで、その結果(?)道ほぼ全てが水路に(汗)
水路は移動もきついが、ドラゴンファイアが使えないのが非常に厳しい。
 またこのシナリオで前から悩まされていた文言にまた悩まされることに。
それは「そのゾーンに屍者がいなければターン終了時に脱出できる」というもので、ターンと言うからには屍者出現フェイズが終わったところがそうだろうと思っていたのだが、このシナリオでは活性化した出現ポイント自体が脱出口なので、上記の解釈だと終了時直前にそこに屍者が出現するのでほぼ永遠に終わらない(汗)
やはりフェイズとターンの言葉の違いはあるが、生存者の各フェイズ終了時に脱出できるという解釈でいいのかしら?
ちうかこのゲームはやたらにそういう解釈に困る文章が多い(汗)

シナリオ6 ネコ科の翼について
 村人たちを屍者の群れの襲撃から逃れさせた直後、1匹の猫が村に戻り、それを追って飼い主の少年が、さらにその父親までも村に戻ってしまった。
こうなったら探し出して救出するしかない。
とりあえず猫は見つかった。


 緑鬼軍が必要。
というわけで猫の使い魔が最初から1匹いる状態でスタート。
久しぶりに陸路が多いマップで動きやすいし、村人2人を発見して救出すればクリアなので、運がよければあっという間に終わる。
運が悪いともちろん泥沼に(汗)
投石機も登場。

シナリオ7 朽ちた庭
 ネクロマンサーの招待状を受け取り、罠と知りつつ行ってみたらやはり罠だった。
しかし村中に宝の武器が・・・。

 宝の武器はいいのだが、このシナリオでは屍者が視界に入るまでは目的トークンで表されるというなかなかドキドキする仕掛けがあるのだが、問題は目的トークンの数が少ないことで、すぐに追加アクションが発生してどんどん迫ってくる上に、見えたときには致命傷(例えば同じゾーンに進入されて初めてそれがゾンビウルフの群れだと気づくとか/汗)なケースも多く、やがてわけがわからなくなる(汗)

シナリオ8 グリーン・レディ
 長い屍者との戦いの結果、悪夢を見続け、心が病んでいる。
屍者に対抗する力を持つという「森の緑の美女」の噂を聞きつけ、会いに行くことに。
それはもちろん簡単な道ではない。


 マップ4枚と独立した1枚の合計5枚という変則的な設定。
というのも4枚のマップの中で5枚目のマップにつながる隠し通路を見つけるというシナリオなのだ。
水路もあるがいくつか屍者が接近しにくい段差があり、まあまあ簡単なシナリオ。
グリーン・レディに会えた・・・ような感じのところで終わるのだが、果たして彼女の正体は???

シナリオ9 ヘルリバー・マンション
 ヘルリバー・マンションは屋敷の周りから熱湯が湧き出て水路になっている。
こここそが避難所にうってつけだと行ってみたが・・・。

 マップ6枚で、上記の通り水路には熱湯が流れており、そこで移動を終えるとアーマー無視のダメージを1食らう。
面白いのはそれが屍者にも当てはまるところで、飛行しているやつか亡霊以外は全て1ダメージを受ける。
要するに上記に加えてファッティー、アボミネーション、それに特別にネクロマンサー以外の屍者は水路に入った途端に死ぬのだ。
なので他と比べると圧倒的に群がってくる屍者が少ないシナリオとなっている。
ただし熱湯風呂で死んだ屍者はなぜか群団待機所に行くので、出現しては水路で死んでゆくのを放置しておくとそのうちものすごい群団が押し寄せてくるか、早々にフィギュアが足りなくなる可能性がある。
まあフィギュアが足りなくなっても追加アクションを得た屍者たちもどんどん熱湯風呂に突っ込んでいくのだが(笑)
・・・ちうか前のシナリオで結局グリーン・レディに会えたのか、会えたのならどうなったのかが一切書かれていないのが気になりすぎる(汗)

シナリオ10 不公平な取引
 ネクロマンサーのスパイから黒魔術師が異界への扉を開いた地点を特定した。
ただちにネクロマンサーを倒し、扉を閉じなければ。

 マップ4枚で水路はどうやら異界への入口になっているらしく、生存者は立入禁止で、屍者は種類を問わずに群団待機所へ(汗)
おかげでものすごい規模の群団が現れたりフィギュアがすぐ足りなくなったりする・・・のだが、宝の武器は手に入りまくるし、現れた群団も半分はすぐに池にはまって群団待機所に行ってしまう(笑)のでそんなに難しい訳では無い。

 ちうわけで安定して面白い要素がそろった好拡張だった。
やはり特に大きいのは使い魔で、これまでだったら諦めざるを得ないような位置に現れたネクロマンサーもサクッと暗殺(笑)できたりして楽しい♪
翻訳ボリュームも大したことないので日本語版を全部持っている人はこれも追加した方がいいと思う。

化夢宇留仁作のカード日本語化シール

気楽さ 4
言語依存 3
 大した量は無い。
ソロプレイのしやすさ 5

完全協力型ゲームなので全く問題ない
化夢宇留仁の好き度 5

20231216