ゾンビサイド 緑鬼軍(グリーン・ホード)


 協力型ハクスラ系ホラーファンタジーゲーム。「ゾンビサイド 黒疫禍」の独立型拡張セット。
新たな生存者が6人と、オークとゴブリンからなる屍者軍団、両面マップ9枚、その他地形を表すタイルなどが入っている。
シナリオはチュートリアルを含めて11個。



 プレイの様子の例。
今回は主に田舎が舞台なので、マップの見た目も大きく変わってそれっぽい雰囲気が出ている。
マップの一部は水没した街路になっている。
 この画像もそうだが、プレイ風景の写真には関係ない拡張セットのフィギュアなども混じっている(笑)


 6人の生存者が新たに参入。
左から突撃ロルフ、体当たりベリン、挑発アーシム、便利魔法屋メーガン、アイテム製作ヨハネス、ジャンプが得意なシエリ。
全員塗りかけ。
 攻撃力は普通だが滅茶苦茶役に立つのがベリンの体当たり。手番中に一度、アクションを使わずに同じゾーンにいる敵全員を隣のゾーンに押し出すことができる。
彼のこの技能で今まで何人の命が救われたことか(笑)


 こちらはオークウォーカー。
一部塗りかけ&未塗装。
基本的には普通のウォーカーと同じだが、大きく異なるのが攻撃力で、2ある。
それだけでプレッシャーも倍になった(汗)
やたらに見た目がマッチョなのもプレッシャー(笑)


 オークファッティー。同じく一部のみ塗りかけ。
こいつらも攻撃力以外は元のファッティーと同じ。
攻撃力は3である。1人で食らったら即死(汗)


 オークランナー。一部のみ塗りかけ。
元のランナーと同性能。ランナーは元々強いので、あれ以上強くなられてはかなわない。
ちなみにこんな名前だが、設定上はゴブリンということになっている。攻撃力2にしなかった理由付けだろう。
最大の欠点はちゃんと走っているポーズではないのでオークウォーカーと見分けがつきにくいところで、ここは塗装で見分けやすいようにしたい。

 オークアボミネーション。
未塗装。
元のアボミネーションと同ルールだが、攻撃力はファッティーと同じく3である(汗)
※20240507 完成画像を追加


 ついでにこちらは他の拡張セットにおまけで入っていた同フィギュアも。
2Pカラー(笑)
※20240507 追記


 オークネクロマンサー。
塗りかけ。
元の死霊術師と同じルールだが、やはり攻撃力が2と強化されている。
こいつに殺されるのだけはなんとしても避けたい(笑)

 こいつが出てくるとオークウォーカー、オークランナー、オークファッティが1体ずつ大群(後述)に加えられるルールもあるのを思い出した。
20240723追記。


 ちうわけで全体的に攻撃力が強化されているオークゾンビ軍だが、生存者の方にも強力な兵器が追加されている。
それがこの投石機で、3アクションを消費して1ゾーンの移動か射撃が行える。
射撃した場合は2ゾーン以上離れたところに3種類の弾のどれかを撃ち込むことができ、砂利弾ならダイス6個でダメージ1、葡萄弾ならダイス3個でダメージ2、巨礫弾ならダイス1個でダメージ3を与える。
命中率は出目4以上で、仲間の生存者が標的のゾーンを視界に納めていれば3以上。
ポイントはそのゾーンを誰も視認できていなくても射撃可能というところである。屋根のある建物でさえ標的にできる。
 化夢宇留仁は前々から思っていたのだが、ゾンビサイドはウォーゲームっぽい要素が多い。
武器の性能の表し方もそうだが、黒疫禍シリーズの生産拠点の変更は戦略要素でもある。
そしてこの緑鬼軍ではそれが更に顕著だと思う。
この投石機のルールなど、完全に間接射撃だし、このあとで説明する水路の移動力への影響や、生垣のルールに至ってはここはノルマンディーかと思ったくらいである(笑)

 黒疫禍と異なる部分を説明していく。
まず屍者カードの「2倍出現」カードは無くなった。
その代わりに通常の出現時に盤外に同種の屍者を1個確保してゆき、「大群の侵攻!」カードを引くと確保していたフィギュアが全てそのゾーンに現れるというルールが新設された。
盤外に確保している屍者が増えてくるとプレッシャーなのと、なによりフィギュアが足らなくなる可能性が高まるというのが嫌なところ。
ただし「大群の侵攻!」カードが引かれるとその時点で出現フェイズ(または建物内の出現)が終了するので、盤外に全然いない状態で引くと屍者の出現が無いターンになる場合もある。
やはり脅威という点では「2倍出現」の方が上だろう。
ちなみに上記の投石機は盤外に確保しているフィギュアたちも1ゾーンとして標的にできる。

 先述した地形ルール。
画像は生垣に囲まれた水路である。
生存者が水路から水路に進む場合、その間に白い波(?)がなければアクションを1追加で消費する。
画像では水路の切れ目2箇所と、浅瀬につながる部分に波がある。
水路から段差を越えて上陸する場合も1アクションが追加で消費される。
画像では生垣を越えるところは全て段差になっている。
そして上記ルールはどちらも生存者のみに適用され、屍者は水路から水路に進む場合にも追加アクションは必要なく、段差は越えられないのでそこからは上陸できない。
面白いルールなのだが、うっかり忘れやすいのが残念ポイントだが、かと言って雰囲気をぶち壊すほど見やすくされるのも困るので、痛し痒し。
※あとでこの浅瀬は水路なのか陸上なのかでとても悩んだ。
このシリーズはプレイヤーの判断に任すということだと思うがこういう曖昧なところが非常に多い。
最終的にはここまで表現を変えている以上意味がないというのも変なので、陸上だという結論に達した。20231209追記
 生垣には視線を通さないという特性と、生存者が生垣を越えて他の誰の視界にも入っていないゾーンに入った場合はサイコロを1個振って1が出たらそこにオークゾンビが1体現れるというルールもある。
屍者が隣りにいるのがわかっているのに視線が通らないので射撃できないというのは、相手がランナーだったりゾンビウルフだったりすると非常に危険な状態になる。
上記の水路の移動も生存者は遅くなるのに屍者はそのままなので、ゾンビウルフに追われたりするとマジで怖い(笑)
この辺はほんとにノルマンディーっぽくて面白いのだが、どちらもやはり忘れやすいのが困りもの。

 生垣タイル。
盤上に置いて生垣を増やすことができる。


 その裏面は逆茂木タイルで、視線は遮らないが移動は遮るという生垣と逆の性質を持つ。
基本ルールでは屍者はこれを迂回するが、追加アクションを得ると破壊して通過してしまう。
 どちらも使いようによっては面白いシナリオになりそうである。

シナリオの解説。
チュートリアル 悪しき社
 悪しきドルイドの社を調査せよ!
マップ4枚のチュートリアルだが初めての要素が多く、意外に歯ごたえがある。
特に最初に戸惑うのは浸水ゾーンの移動ルールだろう。

シナリオ1 竜の胆汁を求めて
 竜の胆汁を生産していたらしい農村を捜索する。
マップ6枚で7つもの目的トークンを取らないといけないなかなかヘビィーなシナリオ。
宝物が手に入りやすいのが救いだが、なにより頭を悩ますのがマップ全体に広がる生垣。
すぐ隣にいる敵が実は見えていないというのに慣れず、数え切れないくらい間違えた(汗)

シナリオ2 緑鬼の死霊術師?
 死霊術師の奇妙なアジトを発見。これはもしやオークの死霊術師なのでは・・・。
マップ4枚だが必要な目的トークンがすぐに出てくるとは限らないので運の要素が強く、マップが狭いということは屍者の大群が次から次へと迫ってくるということでもあり、そしてやはり生垣だらけ(汗)
 このシナリオは投石機をうまく使うのがポイント・・・というか使わないと勝てそうにない(汗)

シナリオ3 緑色の研究
 オークの死霊術師のアジトに踏み込め!
マップ6枚で田舎町風の佇まい。
運にもよるが非常にやりごたえのあるシナリオで展開があって面白い。
やはり投石機は早めに確保したい。

シナリオ4 屍者の河
 オークネクロマンサーは屍者の送り出しに川の流れを利用していた。これを阻止する。
マップ6枚で7個ある目的トークンを全て集めるのが勝利条件だが、その内2つのトークンは屍者出現ポイントを異動させる効果があり、結果3つの出現ポイント全てが一箇所に集まるのも勝利条件の1つ。
しかしありそうもないくらい運が悪いと積むことも。
それは化夢宇留仁のように最初に取った2つのトークンが出現ポイントを移動させる効果のあるやつだった場合で、つまりその後現れたネクロマンサーは全て次のターンには逃げ出してしまい、あっという間に出現トークンが6個になって敗北するのだ(汗)!
・・・なのでこのシナリオでは目的トークンを野放図に取ってはいけない(笑)

シナリオ5 洪水の洗礼
 砦の奥に隠されている投石機を発見し、それでダムを破壊して屍者たちを流してしまえ!
マップ6枚。まあまあ普通の内容。久しぶりに投石機が使えないのでその分戦闘は厳しいが。
激戦地となる中央の浸水路の移動力追加消費を忘れまくり(汗)

シナリオ6 城壁の破壊者
 採石場で投石機の練習だ!
マップ6枚。目的トークンを裏向けて配置するので運の要素が低めでスタンダードと言えるシナリオ。
しかし投石機の横の生垣の視線妨害をすぐ忘れる(汗)

シナリオ7 大群崩し!
 投石機の部品を集めて修理し、屍者の大群を壊滅させろ!
マップ6枚。田舎が舞台で、右下は封鎖されているので屍者が溜まりまくるのと、中央の水路が生存者は渡れるが、屍者は段差のせいで渡れないのがミソ。
逆茂木が初登場だがルールはシナリオ専用ルール。

シナリオ8 囲い込み
 逆茂木を移動させて屍者を閉じ込めろ!
マップ4枚でパズル要素が強いシナリオ。
逆茂木のルールはまたシナリオ専用(笑)
出現ポイントが集まってからはネクロマンサーが出た途端に逃げ出すので時間勝負となる。

シナリオ9 陥落した要塞
 陥落した要塞内で出口への鍵を探し出せ!
マップ6枚。
ランダム要素もコース選択もほとんど無い一本道シナリオ。
これだけはっきりしていると移動力の間違いもしにくい(笑)
逆茂木があるがやっぱり特別ルール(笑)

シナリオ10 新たな家
 隠れ家の防備を固めろ!
マップ6枚の少しパズルっぽいシナリオで、カードの引きにもよると思うが驚くほど簡単(汗)
また逆茂木があるがやっぱり特別ルール(笑)
ちうか生垣のタイルはシナリオに出て来きさえしなかった(笑)
20240505追記:シナリオの内容を読み間違えていたことに気づいた。
特別簡単というわけではなく、バランスの取れた面白いシナリオだった。

外伝10 即席弾丸
 アークライトで公開されている追加シナリオを遊んでみた。
投石機を見つけたが、弾が無い。しかしもしかしたら・・・屍緑鬼を弾にできないか?

 マップ6枚で生存者6人。
目的トークンを全て取得してから投石機に屍緑鬼を詰めて青いドアと青い出現ゾーンを破壊すれば勝利なのだが、久しぶりでグリーン・ホードの生け垣マップの恐ろしさを満喫することに。
なにしろ屍者が分裂して増えまくる(汗)
画像の左上がスタートゾーンなのだが、右下の出現ゾーンから現れた屍者は左上に着く頃には数が数倍になってフィギュアが足りなくなる勢いなのだ(汗)
やはりグリーン・ホードは難度高いわ。
20240623追記

外伝11 炎の試練
 ネクロマンサーが村の各所に火を放った。なんとか消化して大元の鍛冶場を破壊しなければならない。

 マップ9枚で生存者6人。
目的トークンは火とみなし、マップ中央付近の水場で水をくんで、現場まで持っていって消さなければならない。またこのシナリオのネクロマンサーはマップ右下の鍛冶場に向かい、たどり着いたらマップ上の火が増える。
少々手がかかるものの、投石機があるのでよほどのヘマをしなければ勝てる。
20240626追記

外伝13 危難の次元門
 闇の力によって次元の裂け目が発生し、街が分断されてしまった!

 マップ4枚で生存者6人。
各マップは中央の目的トークン(次元門)でつながっている。それ以外の目的トークンを全て集めれば勝利。
扉の前に出現トークンがあるのと各出現トークンが全て至近距離で、出てきた屍者がすぐに生存者のゾーンに突っ込んでくるのががやっかいだが、出現トークンを削除するルールがあるので最初さえ乗り越えてしまえばあとは簡単。
20240630追記

外伝14 死霊術師ネイヴォク
 ネイヴォクを倒すためには薬草を集めて特殊な薬を作らなければならない。
マップ4枚で生存者6人。
ネイヴォクのテレポーテーション移動など細かい特別ルールがあるが、記述が足りていなくて解釈によってずいぶん難度が変わる。
化夢宇留仁はなるべく文章通りの解釈でプレイしたが、それだとちょっと簡単すぎる印象。
20240704追記

外伝15 投石器を動かせ!
 オークゾンビ達が壁を壊そうとしている。なんとかそれまでに町の人々に協力してもらい、投石器を射程内に動かさなければならない。

 マップ6枚で生存者6人。
投石器はマップ左端からスタートし、赤い目的トークンを入手すれば右へ1ゾーン進む。
青の目的トークンのゾーンまで進んで同じゾーンに屍者がいなければ勝利だが、投石器もHPの生存者として扱うので、守ってやらなければならない。
屍者たちは逆茂木の向こうにいるが、逆茂木の隣のゾーンに屍者が2体以上いる状態で屍者フェイズが始まると破壊されてしまう。
 基本は投石器を撃ちまくりつつ少数の突撃隊が目的トークンを取りに行けばいいのだが、拡張のスペクトラル・ウォーカーを入れていると難度が跳ね上がる。なにしろやつらには投石器が効かないので、あっとう間に逆茂木が破壊されてしまうのだ。
そうなると出現ゾーン4つはただごとではなく、怒涛のような屍者の波が(汗)
20240714追記

外伝17 緑鬼の罠
 巨大な杭が敷き詰められた壁が迫ってくる!

 マップ4枚を横につなげた細長いマップで生存者6人。
屍者フェイズ開始時に左にある逆茂木マーカーが1ゾーン分進み、そこにあるものは全て破壊される。
脱出口にたどり着けば勝利なので走っていきたいところだが、武器を手に入れないと途中で屍者に足止めを食らってしまう。
最初から強い武器を装備しているキャラクターなら比較的簡単にクリアできるが、そうでなければ最初の部屋で時間をかけずにいい武器を手に入れられるかどうかにかかってくる。
手軽で面白いシナリオ。
20240719追記

外伝18 恐るべき軍団
 屍者に囲まれる前に、死霊術師を始末できる暗殺者を見つけ出して脱出しろ!

 マップ6枚で生存者6人。
ミップ右端から開始して左端で暗殺者(青の目的トークン)を手に入れた生存者が、右下の脱出口にたどりつけば勝利。
非常にパズル性の高いマップで、クリアする道のりはほぼ1つしかない。と言うのも時間制限が厳しいのだ。
システム的に長くても9ターン、早いと4ターンくらいで終了してしまう。
とにかく急いで青の目的トークンを手に入れて、正しい道のりで脱出口に向かわなければならない。
 上記は本セットのみを使用した場合で、拡張セットを入れるとゲームオーバーまでの時間がのびる。
ただし武器を入手できる場所は左上の建物だけなので、結局はスピードを優先することになる。
20240723追記

 上記の通りウォーゲームっぽい要素が強化された拡張で、黒疫禍とはずいぶんプレイ感が異なる。
追加要素はどれも雰囲気があって面白いが、上記の通りうっかり見落としとかが非常に発生しやすいので、そこそこ集中力が必要な分少しヘビィかも。
一番の問題点は、オークの集団は塗っていてあまり楽しくないところ(笑)

気楽さ 3
言語依存 3
 大した量は無い。
ソロプレイのしやすさ 5

完全協力型ゲームなので全く問題ない
化夢宇留仁の好き度 5

20231111