日記

1881年3月15日
 「暗黒の兄弟」の記念すべき最初の集会が開かれた。
今後会の活動を、書記に任命された私、ルパート・メリウェザーがこの日記に記録してゆく

 多数決により、リーダーは最も深い知識を持つマリオン・アレンに決まった。
他のメンバーは以下の通り。
ロバート・マーキン
ハロルド・コプレー
クロフォード・ハリス
セシル・ジョーンズ
そしてこの私である。

1881年6月21日
 本日をもって、ロスの辻の近くの古い農家が、正式に我々「暗黒の兄弟」の本拠地となり、同時に研究所となった。
ここでなら周りの目も気にすることなく実験を行うことが出来るだろう。
マリオンはドアや窓に、防護の印だと言って奇妙な印を刻んでいた。
効果はともあれ、それらしい雰囲気の演出には役立ったと思う。

1881年7月〜1882年1月
 何度も行われた実験のことが記録されている。
霊的な存在とコンタクトしようとしたものが主だが、無邪気な遊びの域を出ておらず、もちろん何の効果も得られていない。

1882年2月4日
 マリオンがエジプト製らしい黄金の箱を手に入れてきた。
中には琥珀の大きな塊が入っている。
その琥珀の中には未知の類人猿が閉じこめられているということだったが、私には単なるゴミか、虫の死骸にしか見えなかった。
しかしマリオンは興奮しており、その箱はミスカトニック大学図書館で見つけた資料の記述と一致すると話していたが、どういう資料なのかはよく分からなかった。

1882年2月12日
 マリオンは「妖蛆の秘密」というラテン語の本の中に、琥珀の中の生物とコンタクトする方法が書かれていたと話していた。
琥珀の中に閉じこめられている生物は友好的な霊魂を持っており、我々を霊の世界に導いてくれるのだそうだ。

1882年2月24日
 琥珀の生き物とコンタクトをとる実験を行うのは、来月11日の土曜日に決定された。