ゲームブックってなんだ?
一応説明しておきましょうかね。
ご存じない方、または聞いたことはあるけどまともにやったことがないという方のために、ゲームブックというものを説明します。
要するにゲームブックってなに?
基本は選択肢のある小説ということになるでしょうか。
選択肢というのは、読者に質問をして、その答えによって次に読む部分が変わるというもので、よく雑誌に載っている「あなたはなにタイプ?」とかいう診断企画でよく見かけます。
あれを1冊の本全体まで広げて、選択肢の行き先を番号で表し、ゲームとして楽しめるようにしたものが代表的なゲームブックということになるでしょう。
例えばよくあるファンタジー世界の地下迷宮を舞台にしたゲームブックでは、主人公がT字路にさしかかったら、左右どちらに行くかという選択肢になり、選んだ方向によって次に読む文章(パラグラフ)の番号が示される訳です。
ゲームルールは?
ゲームと言えば普通ルールが欠かせません。
まず第一に必要なのが勝利条件ですが、ゲームブックでの基本的な勝利は、用意されたエンディングのパラグラフにたどり着くことです。
ただしこれは絶対ではなく、エンディングが多数用意されているものもありますし、バッドエンディングになってしまっても楽しければいいという考え方もあります。
この辺はRPGと似ているのですが、何度も繰り返して遊ぶということを考えると、やはり用意された最高のエンディングにたどり着くのが第一勝利条件と言えるでしょう。
またファンタジー世界と言えばモンスターとの戦いが欠かせませんが、多くのゲームブックでは戦闘に簡単なルールとランダム性を加えることで、ゲームとしての面
白さを演出しています。
代表的ファンタジー・ゲームブックシリーズの1つであるファイティング・ファンタジーでは、ゲーム開始時に主人公の能力値3種類をサイコロを振って決めます。
戦闘になると、サイコロを2個振って出た数の合計と、能力値の内の技術点を加算。同じことを敵モンスターも行い、合計数が大きかった方が相手にダメージを与えたということになり、負けた方の体力点を減らします。体力点が無くなった方がその戦闘で敗北するわけです。
単純なルールですが、描写の文章と相まって手に汗握るゲーム性を実現しています。
ゲームブックには、まったくルールの無いものもあれば、シミュレーションウォーゲーム並の複雑なルールを備えたものまで様々。
ルールと聞いただけで面倒と思われる方もいるかもしれませんが、描写とルールがうまく機能すると、他では味わえない面
白さが味わえるので、機会があったらぜひプレイしてみて欲しいです。
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化夢宇留仁が今までやったファンタジー・ゲームブックでお勧めのもの
●火吹山の魔法使い(社会思想社)・・・まさにスタンダードにして名作。
●バルサスの要塞(社会思想社)・・・個性あふれるモンスター達が楽しい。
●ソーサリー・シリーズ(創元推理文庫)・・・魔法のルールが楽しい超大作。
ゲームシステムはそれだけ?
ゲームブックの代表的なシステムである一人でプレイするパラグラフ選択システムを紹介しましたが、それに当てはまらないものもあります。
例えば選択肢を選ぶ代わりに、用意された地図の好きな場所を選び、そこに書かれている番号のパラグラフを読むシステムや、一人一冊本を持って、互いに対戦できるものも。
要は表現したい内容を的確に伝えた上で、ゲームとして面白ければどんなシステムでもゲームブックと言えるわけです。
また普通のパラグラフ選択システムと基本的な戦闘システム以外に、新たなルールを付け加えて特徴つけているゲームブックも多数あります。
「ソーサリー!」シリーズでは魔法の呪文(アルファベット3文字で表される)を実際に読者が覚えなければならないというルールがあり、覚えるのは少し苦労しますが、実際使ってみるといかにも自分が魔法を使っているような気分が味わえます。
「魔法使いディノン」シリーズでは、魔法はイメージの組み合わせで発現するようになっており、ソーサリー!とはひと味違った魔法使い気分を楽しめます。
「海賊船バンシー号」はレース要素があり、日数の経過を記録するシステムがあって、ライバルと競い合う面
白さがあります。
他にも実に様々な工夫を凝らしたルールが考案されて、ゲームブックを彩
っています。
どんなジャンルがあるの?
ゲームブックが扱う内容は、ファンタジーが多いのですが、それ以外も数え切れないくらいの様々な種類があります。
SF、ハードボイルド、戦争アクション、恋愛、ミステリー、スラップスティック、ホラー、近未来カーアクション、スーパーヒーロー、ロボット戦闘、秘境探検、コンピュータゲームのゲームブック化、社会問題・・・などなど。
魔法や戦い、地下迷宮など、ファンタジーがゲームブックにピッタリの世界なのは間違いないのですが、もちろん他の内容でも面
白い作品はたくさんあります。
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化夢宇留仁が今までやったファンタジー以外のゲームブックでお勧めのもの
●ファルコン(ホビージャパン)・・・SF。時間犯罪を防止する時制官の活躍。
●フリー・ウェイの戦士(社会思想社)・・・荒廃した近未来でのカーアクション。
お勧めゲームブックはこれからもちょこちょこ増やしてゆく予定です。
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