2015年10月4〜6日 エルドリッチホラーをソロプレイ7



 そしてまだやる(笑)。
この日4プレイ目(笑)※前日からプレイしていた分含む。



 僕の名はジム・カルヴァー。
しがないトランペット吹きだが、少し変わった特技がある。
僕はトランペットの音色を通じて、精霊に語りかけ、そして精霊からもイメージという形でメッセージを得ることができるのだ。
人は死んだら霊的存在になるのだろう。同じく死者とも語り合うことができる。
嘘だと思うのは自由だが、あなたはこの後に起こることを体験した後でもそう言えるか訊いてみたいものだ。
 すこし前、郊外の墓場でトランペットを吹いていたら、死者達のメッセージが流れ込んできた。
彼らはなんと恐怖を訴えていた。
いったいすでに死んでいる者がなにに恐怖を覚えるというのか?
僕は死者の送ってくるイメージに意識を集中し、その中にあらゆる時空にまたがる強大な存在の示唆を見つけ出した。
その名はヨグ・ソトース。
死者達はヨグ・ソトースがこの世界に現れる前兆を感じ取り、恐怖していたのだ。


 実は僕はその名に聞き覚えがあった。
前々から連絡を取り合っていた政治家のチャーリーは世界を揺るがす不吉なものの復活が近いという情報を得て、その真偽を確かめるために僕にも協力を頼んできたことがあるのだが、その情報の中にその名があったのだ。
また影を背負い、神秘的でもある女性ダイアナは、彼女が過去に属していた組織の目的が邪悪なものだと知り、その妨害を行おうとしていた。
そしてその組織の中で繰り返し唱えられる名前がヨグ・ソトースだった。
 僕は彼らにあらためて連絡を取り、この事態に協力しあって対処することにした。


 早速ダイアナから返答があった。
ヨグ・ソトースはあらゆる魔術の根元でもあり、魔術を研究することがヨグ・ソトースを研究することにも繋がると。
僕たちは彼女の言葉に従い、まずはこの世に存在する魔術の研究を進めることにした。

 実は僕自身、すでに魔術と言える能力があった。
トランペットの音色を利用し、邪悪な存在にダメージを与えることができるのだ。
しかしその能力を研究するためにはそれを使用できる対象、つまり邪悪な存在と相対しなければならず、そうなったらなったでトランペットだけでは流石に心許ない。
そこで僕は手始めにサンフランシスコに行き、借金して45口径オートマチックを手に入れた。

 「霊的トランペット奏者」として、少しは名の売れている僕のところに、エグザミナー紙からの依頼があった。
超自然現象を感知する専門家達と共に、幽霊屋敷と言われているウィンチェスター屋敷で一夜を明かしてレポートを書いてほしいというもので、お金も無いところだったし、引き受けることにした。
結果幽霊屋敷には確かに不吉ななにかが存在していることは感じたものの、それ以上に詳しいことは分からなかった。
しかし僕にとっては専門家達の視点や考え方など、新たな視界が開けるような参考になることも多く、それがお金よりも大きな報酬となった。
※観察力+1

 夜の街を歩いていると、突然目の前に帽子を目深に被り、茶色のトレンチコートを着た大男が立ちふさがった。
「おまえに貸したものを返してもらいに来た」
どうやら借金取りらしい。
僕が返事をする前に、男は僕ののど元をわしづかみにすると、顔を近づけてきた。
その顔は明らかに生者のものではなかった。
「我々は金が欲しいわけではない」
僕は自分の身体から精気が吸い取られていくのを感じた。
どうも借りてはいけない系列の金貸しから金を借りてしまったらしい。
意志の力を総動員し、男の精神力に対抗する。
やがて精気を吸い取られていく感覚は逆転し、男の方から僕の方に精気が戻ってくるのが分かると、男は慌てて手を離した。
「今支払っておかなかったことを後で後悔することになるぞ」
そう言うと、男の姿はかき消すように見えなくなった。

 ダイアナからは上海に異世界に繋がる門が開いており、そこに彼女が属していたカルト集団達が集まっているという情報を得ていた。
そして今新たにチャーリーからローマに怪物が現れたという情報を得た。どうやらローマにも「門」が開いたらしい。
 日々世界は破滅に向かって確実に進んでいる。
こお災厄を阻止するために、僕はどれだけの代償を支払えるのだろうか?
その結果として人類を1日だけ永らえるとしたら、その代償が高すぎると正直に言えるだろうか?
いや、それでは意味がない。
そんな契約には乗れない。目の前の餌に釣られてはならない。
ふと気付くと、目の前に契約書のようなものを持った黒いスーツ姿の男が立っていた。
しかし男は僕に渡そうとしていたらしいペンを胸ポケットに戻すと、首を振った。
「後悔しなければいいですな」
そう言うと男の姿はかき消えた。
最近は僕に後悔するぞと言い残して消えるのが流行っているらしい。
※破滅トークンを2マス進めた

 僕は上海の様子を探るため、まずは東京に渡った。
ダイアナからはローマの調査に向かい、怪物と遭遇したが襲いかかられ、怪我をしたという連絡があった。
それは「ロイガー」と呼ばれている巨大なヤモリのような怪物だったらしい。
深手ではなかったようだが、無理をしなければいいのだが。

 僕は上海にたどり着いた。
勿論初めての土地だったが、その街を覆う異様な空気、繰的混沌とでも言うべき異常さは感じ取ることができた。
雑踏の中には必ず明らかに完全に発狂していると分かる嬌声が混じり、奇妙な黒っぽいフードを被った人影がやたらに目についた。
彼ら内でも最も異質な霊波を発する顔中に入れ墨をした男の後をつけると、港の倉庫街の使われていない区画にある、ボロボロだが大きな倉庫の中に入っていった。
板が打ち付けられた窓から中に入ってみると、1階はゴミが散乱する単なる空き倉庫だったが、地下へ続く上げ蓋を見つけた。
地下への梯子を降り、煉瓦で補強された通路を進むと、数本の蝋燭で照らされた広間に出た。
中央にはさっきの男が立っており、手前の壁に向かってなにやら詠唱している。
男が向いている壁には回転する光の円盤のようなものがあった。
異界とつながる通路に違いない。
僕はトランペットを吹き、その魔力を解放した。
男はものも言わずに振り返って僕の姿を認めると、懐から禍々しく歪曲した短刀を出すと、襲いかかってきた。
問答無用とはこのことである。
しかしトランペットの音色と共に解放された「衰退」の呪文は確実に男にダメージを与え、彼のナイフが僕に届く前に膝をつき、倒れた。
この時僕は「衰退」呪文の陰にヨグ・ソトースとの大いなる関わりが隠されているのを身近に感じ取り、理解した。
その瞬間、自分の中から「衰退」の呪文が失われるのを感じたが、ヨグ・ソトースの本質の一部を理解できたことは大きな収穫だった。

 壁には未だ光の円盤が回転している。
僕は意を決してその中に足を踏み入れた。

 僕は高い石棚の上で、様々な書物を前に立っていた。
周りを見渡すと、様々な形の、見たこともない建物が建ち並んでいる。
ここは人類とは異質な文明から生み出された街だった。
僕の前に置かれている書物が、遠い過去と遙かなる未来の英知が記された貴重なものだということはなぜか分かっていた。
本の1冊を開いてみると、奇妙な曲線のシンボルの連なりで記されていた。
僕はなんとかその内容を理解できないかと精神を集中した。
やがて奇妙な曲線が動き出し、僕の知っている文字に変化してきたような気がした。
それは気のせいだったと思うのだが、僕は元の世界に戻る方法を読みとっていた。

 ふと気付くと、僕はまたあの壁の前にいた。
目の前で光の円盤が回転しながら小さくなってゆき、やがて消えた。
僕はあの街で見たものを、脳裏に焼き付けた。
※クルートークンを1個得た。


 チャーリーから、オーストラリア中央部で行方不明者が相次ぎ、巨大な蜘蛛の巣を目撃したという証言があるという情報を得た。
僕は霊との会話の中で、「網を紡ぐもの」という巨大な蜘蛛の姿をした怪物のことが語られていたことを思い出した。
それはアトラック・ナチャと呼ばれる神の落とし子で、その怪物が網を紡ぎ終わるとそれが巨大な異世界との通路となり、この世とあの世が繋がって世界は混沌に満たされるのだという。
とにかくほおっておくとろくな事が無さそうなのは確かなので、急いでオーストラリアに渡った。

 シドニーに着くと、ホテルにチャーリーからの荷物が預けられていた。
「聖水」である。
使い方によっては強力な武器となる。
持つべきものは頼りになる友人である。

 昼飯を食べていた店で、ダグラスというアボリジニの若きサッカー選手と知り合いになった。
僕は彼の華麗なフットワークに魅せられ、それを教えてほしいと交渉した。
彼は快く引き受けてくれ、僕は彼ほどではないにしろ、戦闘で役立つ動きのテクニックを手に入れた。
ただしそれなりに時間はかかったが・・・。
※筋力+1

 いよいよオーストラリア奥地へ向かおうという時、すぐ近くで恐怖による精神の爆発のような霊波を感じて総毛立った。
トンネルが崩落し、地下鉄の車両が閉じこめられたらしい。
矢も楯もたまらず僕は現場に急行し、生存者を捜した。
閉所恐怖症を引き起こすような闇に包まれて瓦礫の中を進むのは恐ろしかったが、それよりも僕の頭の中をさいなむ生存者達の恐怖の感覚の方が耐え難かった。
なんとか数名の生存者を助け出した時にその感覚は消え、僕は大きくため息をついた。
※筋力+1

 しかしその後すぐに警察署の1室に放り込まれたのには驚いた。
あろうことか、僕が魔術でトンネル崩落を引き起こしたというデマが流れていたらしい。しかもあり得ないことに多数の目撃者までいるということだった。
 しばらく待たされた後、部屋に入ってきたのはビジネスマンっぽいスーツ姿の男だった。
「警察と税関には話がついています。必要な支払いも、全て終わっています。ここにサインをしていただければ、あなたは義務を受け入れたとみなされ、自由になれます」
誰かが手を回し、僕を罠にはめたのだろう。選択肢は無かった。
サインした後に渡された書類には、記憶にはない多額の債務が記されていた。

 オーストラリアはノーザンテリトリー北部に踏み込み、凶悪な霊波に導かれるように岩山の奧に裂け目を見つけた。
慎重に中に入り、闇の中の洞窟を進む。
やがてぼんやりと奇怪な光に満たされた広場に出た。
そしてその中央に奴はいた。
「聖水」を飲み干し、「網を紡ぐもの」と相対。
45口径で穴だらけにしてやったが、残念ながら息の根を止める前に裂け目の奧に逃げられてしまった。




 そんなことをしている間にも、世界中で異界への門が開き、そこから続々とモンスターが現れ続けていた。
このままでは世界の破滅は近い。
 事態を重く見たチャーリーは彼の全財産を投げ打って奥の手に出た。
彼の強力なコネと指導力により、ローマで強制捜査を行うのに成功したのだ。
結果一部組織の人間達が世界の真の姿を目の当たりにすることになったが、ローマの怪物達は一掃された。

 僕はもちろん「網を紡ぐもの」を追い、今度こそ汚らしい蜘蛛の息の根を止めるのに成功した。
 ダイアナからはローマに開いていたゲートを閉じるのに成功したという報告が届いたが、その直後にチャーリーから南米パナマで奇怪な天文学的実験が行われているというニュースが届けられた。これも不吉な予感がする。
そこで彼らから驚くべき相談を受けた。
ダイアナはチャーリーから虚空を拡張する呪文、すなわちテレポーテーションが可能になる呪文を受け取っていた。
これを使って僕をパナマに跳ばすというのだ。
恐ろしいがそれによってヨグ・ソトースの研究も進み、僕も即座に調査につけるとなれば、断る理由はない。

 約束の日時に荷物の全てを持ってホテルの部屋で立っていた僕は、一瞬目の前に光る門のようなものが現れたと思うと、次の瞬間には夜のパナマの山奥に立っていた。
酷いおう吐感があったが、それくらいですんだ安心感の方が強かった。
あとで聞いたところによると、今回の実験で更にヨグ・ソトースの研究も進んだらしかった。
※クエストカードに2つ目のクルートークンを置いた

 僕は休む間もなく、怪しげな天文学的実験を行っているという山頂部に向かった。
そこでは急造の大きな天体望遠鏡の脇に奇怪な姿の狂信者達が大きな魔法陣を描き、望遠鏡を覗いてはなにやら計算をし、その結果を魔法陣に反映している様子だった。
そして僕は見た。
彼らが魔法陣に細工をした後、彼らの見上げる夜空を見ると、星が動くのを。
それを見た彼らは驚喜し、更に熱中して望遠鏡をのぞき込んだ。
僕には分かった。彼らは正常な星の運行を乱し、この世の滅ぶ時を前倒しにしようとしているのだ。
僕は45口径を乱射し、全員を射殺し、現場を徹底的に破壊してその場を去った。

 パナマの港に着くと、チャーリーの連絡係が人目を避けながら話しかけてきた。
「君を探している奴らがいる。かなりの借金があるそうじゃないか。もちろん知らないと答えたけど、この街から消えたほうがいいんじゃないかね」
テレポーテーションでやって来た僕の行方を追える借金取りとはいったいどういう奴らなのか?
とにかく逃げ出すしかなかった。

 ブエノスアイレスに逃げてきた僕に、またチャーリーからの贈り物が届いた。
今度は「二連式散弾銃」と、ヨグ・ソトース復活阻止に関する重要な情報だった。
彼はとにかく現場には僕を向かわせることにしたらしい。
しかしそんな彼もエジプトのピラミッドを調べているところなのだった。
 そう言えばダイアナが行方不明だとも聞いていたが、いったい彼女はどこへ行ったのだろう?
そう思った直後に、彼女の姿が目の前に現れたのには驚いた。
彼女は時空の迷子となっていたが、ブエノスアイレスに異界への門が開いたのを利用してこの世界に戻ってきたのだそうだった。
また彼女と一緒に狂信者達も多数ブエノスアイレスに現れたらしい。油断ならない。
そこに更に現れたのは、どこか犬のようなシルエットの、しかし犬とは似ても似つかない怪物だった。※ティンダロスの猟犬
自在に姿を現したり消したりするそいつには手を焼いたが、なんとか撃退。
その時恐怖に打ち負かされそうになった僕の精神に勇気を与えてくれたのは、遠くエジプトから呪文を送ってくれたチャーリーだった。
 その後狂信者を蹴散らしつつ、ブエノスアイレスに開いていた異界への門を発見し、その中に踏み込んだ。
 そこは砂漠だった。
変動し続ける砂丘の上で途方に暮れていると、遠方に発狂しているとしか思えない奇妙な動きの男の姿が見えた。
僕は追いかけようとしたがすぐに見失ってしまい、目をこらしてその姿を探した。
すると砂丘の向こうにかすかに尽きだした岩山の洞窟に今の男が入っていくのが見えた。
洞窟の中に入ると、さっきの男が壁画を調べていた。
僕の頭の片隅に、「狂えるアラブ人」という言葉が浮かんだ。
もしやここは過去の世界で、彼は「アル・アジフ」を編纂したアブドル・アルハザードなのではないか?
その可能性を考えたところで、僕の精神は限界に達した。
このままだと正しい判断をできそうにない。僕はいったん洞窟を出てどうするか考えてみることにした。
しかし洞窟から出て振り返ってみると、その入り口は忽然と姿を消していた。
僕は悟った。今引き返したことこそ誤った判断だったのだと。

 気付くとダイアナが心配そうに僕を見下ろしていた。
起きあがって見てみると、門はまだそこにあった。
 次にダイアナが門の中に入り、見事に門を閉じるのに成功した。
彼女が行った先はドリームランドという世界だったらしい。
そんな彼女を見ながら、僕は後悔と自己嫌悪という「呪縛」に捕まっていた。

 チャーリーは呪文「育まれた勇気」の奧に隠されたヨグ・ソトースの時空にまたがる秘密の一部を理解していた。
その結果僕らは新たな目標を得ることになった。
世界のどこか2カ所に、ヨグ・ソトース復活の儀式が行われているストーンサークルが存在している。
それら2つを見つけ出して儀式を止めるのだ。
 チャーリーの情報網からの判断では、件のストーンサークルはアマゾンとシベリアにある可能性が高いということだった。
ダイアナはアマゾンに向かった。
僕はようやく呪縛を克服したものの、記憶喪失などの後遺症が残っていたので、もう少しブエノスアイレスで休息をとることにした。
しかし気分転換にセルバンテス劇場に観に行った「黄衣の王」を観劇中、僕はそれが単なる劇ではないと気付いた。
その劇にはこの世で語られてはいけない物語が秘められており、それが無意識に精神に染みこんでくるようだった。
これ以上観てはいけないと自分に言い聞かせたが、身体が言うことを聞かなかった。
劇が終わると、僕の精神は更に痛めつけられていた。
※正気度-1、パラノイア状態


 その時戦闘の後遺症だと思っていた記憶喪失がすっかり全快した。
なぜそうだと分かるかというと、僕は全てを思い出したからだ。
僕は儀式を行った。
場所は分からない。夢の中かもしれない。
その中で僕は契約を結んでいたのだ。あの断り続けていたやつらとの契約を。
そのあまりの忌まわしい行為への後悔と絶望が、僕の記憶を封印していたのだ。

 しかしそれでかえって僕の迷いは吹っ切られた。
どうせ破滅するのであれば、怯えていても仕方がない。こうなったら破滅するのが世界が先か、それとも僕の方が先か、見極めてやる。

 南アフリカでいったんチャーリーと合流した後、インドに到着。
更に北東に進み、シベリアを目指す。
そこにアマゾンに向かったダイアナが、首尾良くストーンサークルを発見し、それを破壊したという報告が入った。
あと残るはシベリアのストーンサークル1つである。


 シベリアに急ぐ僕の思考は、焦燥感に包まれていた。
チャーリーやダイアナも口をそろえて言うのだが、残り時間が少ないという感覚が強まっているのだ。
果たして間に合うのか。


 シベリアに向かう鉄道の客席で、ぼんやりとそんなことを考えていた僕の背筋に悪寒が走った。
目で見たわけではなかったが、その瞬間この世界と隣接する異なる世界との狭間に揺らぎが起きたのを感じたのだ。
そして世界中に開きつつあった異界への門のいくつかが閉じられ、その代わりに世界の一部が異なる世界と融合したのが分かった。
この世界はさっきまでの世界とはもはや別物になったのだ。
そしてその直後、なにかが実体を持って存在を始めたのも感じた。
それはどこにでもいて、どこにもいない。
全ての呪文の根元である存在。
ヨグ・ソトースが目覚めたのだ。

 しかしまだ終わりではない。
やつを元の場所に戻す方法がきっとあるはずだ。
その証拠にまだ僕は生きている。
僕はストーンサークルについての情報が見つかるかもしれないらしいヒマラヤに寄り、有力な情報を手に入れたが、その間にチャーリーが追い越し、一足先にシベリアに侵入した。
しかし肝心のストーンサークルが見つからずに手詰まり状態に陥ってしまった。



 チャーリーとバトンタッチしてシベリア入り。
ヒマラヤで得た情報を元に、山中をさまよい、とうとうストーンサークルを発見した。
45口径がものを言い、狂信者達を射殺した後、ストーンサークルを破壊した。

 そしてシドニーのダイアナから、これからは異界への門を片っ端から閉じていけばヨグ・ソトースの通ってきた道が分かる筈だという連絡が入った。
まだヨグ・ソトースが目覚めていなければこれで復活を阻止できた筈なのだが、今更悔やんでも遅い。
今となってはヨグ・ソトースと相対してなんとか撃退する方法を探るのみである。



 しかし全ては遅すぎた。
翌日、つまり今、ヨグ・ソトースが完全に復活したのが分かったのだ。
空を見れば全天を虹色の光り輝く雲が覆い尽くしている。
あれこそヨグ・ソトースそのものであり、今世界を覆い尽くして同化しつつあるのだ。
見ている間に、周りの景色も七色に光り出した。
僕の身体も光っている。
全てはヨグ・ソトースの元に。


 

20160501


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