地球の静止する日
ロバート・ワイズ監督

を観た。去年。リメイクの方ではなく、1951年作のオリジナルモノクロ作品。
 ワシントンD.C.に銀色の円盤が着陸し、奇妙な服を着た男が出てくる。
彼はクラトゥと名乗り、地球は恒星間文明の中で監視されており、このまま戦争に明け暮れていたら滅ぼされてしまうと警告する。
しかし冷戦のまっただ中であった各国は取り合わず、彼を拘束しようとし・・・・。

 この前に「地球最後の男」を観ていてあまりの演出&脚本のお粗末さにくらくらしていて、やっぱり古い映画にリアリティを求めるのは無理があるのかと思っていたが、この映画は違った。
全体的にほぼ納得のいく展開で、思考も論理的で気持ちがいい。
見せ場の宇宙船内部やロボット「ゴート」の活躍シーンも古いながらに工夫されていてちゃんと見せ場になっている。
宇宙船の開口部とせり出してくる傾斜部の描写などは映像的にも今観てもびっくりするくらいの出来。
流石は名作と名高い作品だった。
それにしてもこのオリジナルに対して、どうしてあんなリメイクが・・・・・(汗)

20140202(mixi日記より)
20240414


ウルトラQ 第7話

第7話 SOS富士山
 

を観た。昨日。飯島敏宏監督。
 富士山周辺で一見関係なさそうな変化が認められ、それらを総合すると富士山の噴火が近いと考えられた。
取材に向かった江戸川由利子と戸川一平は、そこでペンシルロケットの発射実験を行う子どもたちを見、更には「樹海のターザン」という謎めいたワードを耳にし・・・。

 
 興味深い内容ではあるのだが、脚本が支離滅裂すぎてせっかくの魅力ある要素を活かしきれていない。
そもそも要素が多すぎるのだ。
まず富士山という舞台を表現するのにある程度の尺がいる上に、冒頭富士山の噴火を心配する博士っぽい人が出てきてこの人がメインゲストかと思えば全然関係ないし(笑)、上記のペンシルロケット実験をしている少年たちに加え、「樹海のターザン」はもちろんその姉も出てきて、そこに自己評価は低いけど頑張っている警官も出てきて、更にもちろん怪獣ゴルゴス(本編内では名前は出てこない)も登場するのだから、30分のテレビドラマ枠に押し込むのには無理がある(笑)
結果少年たちのロケットがラストを飾るもドラマと乖離したままで意味不明だし、「樹海のターザン」と怪獣の一騎打ちという山場も悪夢みたいになってしまっている。
対して特撮は非常に頑張っており、ゴルゴスの存在感、巨大感は実に見事で(立ち上がった画以外/笑)、組み合わさったドラマ部分がヘロヘロなのが非常にもったいない。
まあ当時の円谷脚本はだいたいこんな感じだが(汗)

20240415(mixi日記より)
20240415


ダイ・ハード/ラスト・デイ
ジョン・ムーア監督

を観た。去年12月31日。
 実はその前日にダイハードマラソンをやって、1〜4までを続けて観ていた(笑)
で、5作目にして最新作である本作は、ジョンの息子のジャックが、ロシアで裁判にかけられ、下手をすると死刑になるという情報が。
急遽ロシアにわたったジョンだったが、突然裁判所が爆破され、銃撃戦に。
混乱の中息子と再会したジョンは、ジャックがCIAのエージェントとして活動していたことを知る。
謎の襲撃の鍵を握っているのはジャックが保護したユーリ・コマノフだと思われたが・・・。

 とりあえず先に結論から書くと、あまり出来はよくない。
とにかく致命的なのはダイハードでは無くなってしまっているというところ。
親子で手と手を取り合って戦うというのは、このシリーズの魂とも言える要素を完璧に崩し去ってしまっている。
基本的に1人で巨大な敵に立ち向かう。そうでなければダイハードとは言えないのだ。
これまでの作品でもそうではなかったとも言えるだろうが、やはり根本の要素は残していたと思う。
ほんとにアメリカ人は親子で助け合うのが好きみたい。
 化夢宇留仁が脚本を書いていたら、息子は息子で頑張っていて、おやじとは合流せず、しかしおやじは息子には気付かれないところで死ぬほど頑張っていて、その結果息子を助けているという展開にする。
そして最後に息子に「あんたはのんびりしていただけじゃないか」と言われて苦笑いみたいな(笑)
絶対この方がダイハードらしいし、息子も活躍できて面白い。
次作の脚本は化夢宇留仁にオファーするように(笑)

20140202(mixi日記より)
20240416


バトル・オブ・アトランティス(アトランティック・リム)
ジャレッド・コーン監督

を観た。1月1日。
 タイトルの通り「パシフィック・リム」の丸パクリ映画(笑)
どうしようもないバカ映画だというのは覚悟していたが、中学生(レベルの脳みそ)が作った映画だとは思わなかった(汗)
とにかく演出脚本が完全に死亡していて、なにがどうなっているのか、誰が何を考えているのか、状況がどうなっているのか、なにもかもさっぱり分からない(笑)
だいたい「レールガン発射」とか言っておいて、ビーッてビームが出るのだから子供だましにも程がある。
メインであるロボットと怪獣に関しては、その造形と画面効果はこのレベルの映画にしては頑張っている方だが、ウィッカーマンみたいなロボットのデザインとか、そもそもなんのためのロボットなのか分からないとか、勿論突っ込みどころは満載。ちうか突っ込みどころしかない(汗)
化夢宇留仁ともあろうものが、このテーマのばっちもん映画で途中で寝てしまうくらいなのだから、その酷さは折り紙付きである。
ぜひ観てください(笑)

20140216(mixi日記より)
20240417


ローダンシリーズ30
アトランティス要塞
松谷健二訳

無からの帰還
クルト・マール著
 ミルサル3でやれることは尽き、調査は宇宙開発を始めたばかりのミルサル2に移った。
送り込まれたフェルマー・ロイド、マルセル・ルゥ少尉、ロジータ・ペレスの3人は、そこが今まさに生物消失現象が発生しつつある状況なのを知る。
原住民と協力体制を構築し、腰を据えて調査を行うが・・・。

 調査の結果ある程度の進展を見たローダンはとうとうアルコンへ向かい、直接ロボット摂政との会見に臨む。
1時間を越える会見の結果、ローダンはアルコン艦隊の75%までを指揮下に・・・って、おい(汗)!
現状では謎の消失事件も重要ではあるが、化夢宇留仁的にはローダンとロボット摂政との今後の関係が最も気になるところで、その会見での駆け引きこそが一番の盛り上がりポイントだというのに、そこを飛ばしてどうする(汗)!
化夢宇留仁的にはその会見だけで丸々1エピソード使ってもいいくらいなのに(汗)
さてはややこしい内容になりそうだったから逃げたな(笑)?

アトランティス要塞
K・H・シェール著
 様々な証拠を見せ、とうとうアトランに現在のアルコンは彼の帰るべき場所ではないと納得させる。
そして次の話題は問題の生物消失だったが、それを聞いた途端にアトランに変化が。
彼は遠い昔にその現象と遭遇していたのだ。

 相変わらずアトランが主役だと一人称になるおもしろ構成(笑)
この話ではアトランティス文明がどうやって興ったのかの説明にもなっており、それはこれまで聞いたり読んだりした様々な説の中では一番納得のいくものだった(笑)
滅亡の方は説明が無かったが、今後出てくるんだろうか???
それと金星のロボット脳と要塞がどうやってできたかも説明され、このへんは実に明解でスッキリした(笑)
 また忘れてならないのが全盛期のアルコン帝国のやる気満々感と、その帝国を劣勢に追い込む謎のメタン呼吸生物との大戦争の件で、このへんはスピンアウトで銀河英雄伝説みたいなノリのシリーズで読んでみたい(笑)
 この話でも気になったのがロボット摂政に関する部分で、例えばローダンがアトランに語った台詞の一部は以下の通り。
「いまやロボット摂政の権力は固められ、ひとりの男によって破られることはない。一部は自動、一部は補助種族が操る戦艦は、多数植民惑星での反乱を文字どおり根絶した。ロボット脳がこれ以上権力の座にとどまれば、大帝国は崩壊するだろう。」
なんでこの内容で最後の一文の結論に至るのか、全く理解できない。
退廃の極みであとは自滅するのを待つだけになっていたアルコン帝国を、こんなにアグレッシブに維持拡大して過去の栄光を取り戻し、反乱は芽の内に根絶して憂いを除いている。
更には自分だけの力では帝国臣民の安全を守れないと判断した場合は部外者であるローダンに救援を求めるなど、必要なときには人間特有の権威へのこだわりなども無く正しい選択ができている。
ロボット摂政の仕事はどう考えても完璧である。もっと評価してやってくれ(笑)

20240418(mixi日記より)
20240418


デスパレートな妻たち シーズン6

を観た。1月8日で最終話。
 今回のメインはマイクと別れて頭がおかしくなったキャサリンの動向、新たに引っ越してきたスパニッシュ一家の謎、ブリーの離婚騒動、ガブリエルが引き取ったカルロスの姪とのいざこざ、リネットの双子妊娠、更にはスーザンの娘が首を絞められるという事件が発生し・・・・と相変わらずの盛りだくさんぶり。
中でもよかったのはスパニッシュ一家の肝っ玉母さんっぽいアンジーで、いいキャラだった。
それにしてもよくもまあこんな濃い内容で延々と続けられると感心する。
観る方も(笑)

20140216(mixi日記より)
20240419


リチャード・ブレイド10 不老不死の世界
ジェフリー・ロード著/厚木淳訳

を読んだ。去年。
 今回ブレイドが目覚めた世界は、高度な科学力によって生み出された人型生命体の街・・・・だったが、そこでは全てが動きを止めていた。
とにかく動くものを探すブレイドだったが、彼の耳にかすかに物音が聞こえた。
音のしたところに行ってみると、そこには下水口への入り口が・・・。

 今回のブレイドは久しぶりの超科学文明世界が舞台と、これまでと違う展開を期待したが、結局地下に降りてからはいつもの通り(笑)
とりあえず種馬にされる(笑)ブレイドだが、いつしか戦いの中心に。
結果としては、地下世界、地上世界、月世界の3大勢力の戦いに巻き込まれ、世界の滅びに立ち会うことになる。
 超科学世界らしい説得力があったのは、ブレイドがこの世界にやってきた方法を知っていたところで、これはシリーズ始まって以来の危機感を生じさせていて楽しい。
中途半端で置き去りになった感はあるが(笑)

20140216(mixi日記より)
20240420


魔界水滸伝2
栗本薫著/角川文庫

を読んだ。去年。
 炎上する藤原家から命からがら逃げ出した一行。
とりあえず安西の家に転がり込む涼。そこには安西雄介の弟で、人間離れした筋肉の固まりである竜二もいた。
このままやられっぱなしというわけにもいかないので、情報を仕入れるために安西の友人のオカルトに詳しい岡田という男に会いに行くことに。
岡田は妖怪の実在を唱え、似たような中でもクトゥルフの怪物達は特殊な存在だと説明した。
妖怪達が民間伝承として語り継がれてきたのに比べ、クトゥルフは1920年代のアメリカで突如として生み出されたあだ花なのだと。
また岡田は調査の役に立ちそうな存在として加賀四郎という男を紹介しようと言った。
 岡田の家を出たところで、なんと涼の弟である風太と遭遇した。
彼は家族の様子がおかしくなって不安になり、電話で竜二に行き先を聞いて来たのだ。
話を聞けば、どうも風太の家族だけではなく、マンション全体が奇妙な変化を見せているらしかった。
 竜二も連れてマンションに向かう。
そしてマンションで一行の見たものは、人間に変身した半漁人のような怪物達だった。
襲い来る怪物達の群の中から脱出できたのは安西兄弟のみ。
しかし帰り道でなぜか道に倒れていた涼を拾う。
更に走ると、車はいつの間にか見慣れない景色の中を走っていた。
薄暗い視界に入ってきたのはモアイ像。
更に奇妙な形の神像をあがめる怪物達。
いつの間にか異世界に入り込んでしまったのだ。
しかしそこで近代的な装備を持った軍隊のような人間達が怪物と戦うのを目撃し、彼らに同行することに。
その軍隊は葛城家の私設軍隊だった。
安西は葛城家で、たった1人愛し崇拝している女性、葛城あき子と再会し、身体を合わせる。
翌日一行は、葛城家が遙か昔から日本の怪奇現象に対するレーダーのような役割を担ってきたのだと説明される。
そして今日本は「古き者たち」の脅威にさらされているのだとも。
今までは妖怪つまり「先住者」たちが日本を守ってきたのだが、今回もそれを当てにできるかどうかは分からない。
そこで一緒に戦おうと誘われるのだが、組織に属するのを嫌う安西は独自に戦うと応えるだった。
姿を見せない葛城家の当主、葛城天童からも説得されるが、あき子ともう一度話したいと言う安西。
しかし次に安西が見たあき子は、引き裂かれて惨殺された無惨な姿だった・・・。

 ちうわけで第2巻のあらすじを書いてみた。
1巻で主人公かと思われた涼は、早くもその存在感を希薄にし、代わりに安西雄介が主人公っぽく描かれだしている。
「水滸伝」を読んだことがないのではっきりしないのだが、どうも主人公不在の群像劇という形をとるようだ。
物語としてはようやく序章が動き出したという感じで、前振りをばらまいているが、あとの展開を考えると無視されたものや覆されたものがほとんど(笑)
とりあえず相変わらず著者の「読ませる力」だけで引っ張っている印象。
 クトゥルフ神話関連で考えると、まだ気になるほどおかしいと思われるところは無い。

20140420(mixi日記より)
20240421


時砂の王
小川一水著/ハヤカワ文庫

を読んだ。AKI氏に借りて。1月15日。
 西暦248年の日本。
邪馬台国は栄え、諸外国とも一定の交友関係が築かれていた。
と言うのも各国に使令(ツカイノオキテ)という書物が伝わっており、それには各国が争いをやめ、力を合わせて大いなる脅威に挑むだろうと書かれていたのだ。
それ以外にも治水技術など、本来の歴史では考えられなかったほど文明レベルが上がっていたが、それには理由があった。
西暦2600年頃、人類は異星からの侵略にさらされており、人類の滅亡が確実視されていた。
最後の手段としてとられたのは、人間そっくりの知性をもったロボットで過去に干渉して、異星からの侵略に立ち向かえるだけの戦力を準備するというものだった。
しかし侵略者たちも過去に干渉をはじめ、戦いは過去にさかのぼりつつ続いていたのだ・・・。

 主にロボット「オーヴィル」の視点を通して歴史にまたがった侵略者との戦いが描かれる。
オーヴィルの知性は完全に人間と同等以上で、彼の生まれた時代に残してきた恋人との思い出を胸に秘めつつ任務に邁進する様が感動的。
物語としても非常によくできていて、最初から最後まで興味深く楽しめた。
ただやはりタイムパラドックス要素で首をかしげたくなるところはたくさんあった。
例えば2600年頃にこのままだと人類が滅亡するという判断は、「未来から援軍が来ないのがその証拠」とされているのだが、それは「タイムマシンが発明されていない証拠」であって、それ以外の「証拠」にはなり得ないと思う。
ただし時間の流れを過去から未来にかけて枝分かれする世界としてとらえた場合(実際この作品中ではそうとらえられている)、侵略者との戦いで勝利した世界の枝分かれがその時点よりも過去にあるという解釈であれば、確かに援軍が来ないのは敗北の証拠ととれなくもないが、敗北した未来であっても過去に援軍は送れるし、他にも可能性はいろいろと考えられる。
また過去に送られた部隊が「因果効果」によって消滅してしまうというというのも、文中でも説明はされているが、どうもしっくりこない。
そもそもタイムパラドックスというのはそういうものだと言ってしまえばそれまでだが(笑)
 ちうわけで気になるところが無いわけではないが、SF的描写にもあふれ、実に面白い作品だったのは確かである。

20140505(mixi日記より)
20240422


多元宇宙の帝国
キース・ローマー著/矢野徹訳

を読んだ。
 アメリカの外交官であるブライオン・ベイヤードは、ストックホルムの街角で誘拐され、気がつけばそこは奇妙な乗り物の中だった。
それは彼の多元宇宙を股にかけた冒険の始まりだった・・・。

 「多元宇宙SOS」を読んでそれが本作の続編だと気づいて慌てて読んだ次第。と言ってもハヤカワ文庫での発売もこっちの方がずっとあとなのだが(汗)
「多元宇宙SOS」で疑問に思ったことは勿論すべて説明されてスッキリ(笑)
 そして実はこっちの方が面白かった。
続編には人類とは異なる種が進化した世界も出てきて、その内の1人がベイヤードの相棒みたいになるのが楽しいのだが、本作はもっとストレートなアクション&サスペンスという感じで、ややこしい超SF的な状態描写も無いので読みやすい。
それにしても意外に思ったのは、続編もそうだがバイオレンス度の高さで、描写も結構生々しくてちょっとプリンス・マルコシリーズみたいだと思った(笑)
 で、一番気になったのは・・・・表紙のえらい特徴的な「なにか」が出てこなかった気がするんですけど(汗)

20240423(mixi日記より)
20240423


ヒトクイマジカル 殺戮奇術の匂宮兄妹
西尾維新著/講談社ノベルズ

を読んだ。AKI氏に借りて。1月23日。
 「死なない研究」のモニターという怪しいアルバイトをすることになった「いーちゃん」
その前に偶然(?)出会った殺し屋「匂宮」は、拘束衣に黒マントで二重人格の少女という常軌を逸したキャラクターだった。
そして怪しいキツネのお面の男。
そしてアルバイトの現場である古い研究所で、やはり匂宮と再会。
 いーちゃんが目を覚ますと、そこは血の海だった。
そしてそこには最強の殺し屋「曲絃糸遣い」であり、いーちゃんの保護下にあった「姫ちゃん」の無惨な姿も・・・。

 ちうわけで粗筋を書こうと思ったけど途中で諦めた(笑)
とりあえず相変わらずの理屈っぽく、血まみれの、ミステリーじみた物語で、今回は特に極端なキャラクターが集まった上に事件らしい事件が起きる前に大混乱になってしまい、1つの物語としてはとらえにくい内容。
しかしそういうのこそ本シリーズらしいとも言え、悪くなかったと思う。
そして本作で初めて「敵」と呼べるキャラクターが登場。
これからは「敵」との戦いを通じてエンディングになだれ込んでいくのだが、それってこのシリーズっぽくないと思ったら、やはり一筋縄ではいかない展開が用意されていた。
その辺は続刊の感想で。

20140506(mixi日記より)
20240424


剣客商売八 狂乱
池波正太郎著

毒婦
 かつて不二楼に働いていたおきよという座敷女中は、大工の由次郎と夫婦となって落ち着いた・・・と思われていたが、その由次郎が元長で飲んだくれており、しかも女房を殺すなどと口走っていると元長のおもとから聞いた小兵衛は・・・。

 ちっちゃい話かと思ったら終盤に意外な展開が。
なかなか奥行きのある話である。
ラストはホームズっぽくもある(笑)

狐雨
 才能はないが剣術への情熱は人一倍強い杉本又太郎という男が道場主をしている杉本道場に向かう大治郎。
大治郎が到着したちょうどその時、又太郎は刺客にとどめを刺されようとしていた。
大治郎に助けられた又太郎は流石に自分の剣術の才能の無さを認め、あとは想い詰めた女のためだけに生きようとするが・・・。

 いきなりファンタジーになって超びっくりした(笑)
剣客商売はこういう展開もありなのかと、ますますラノベっぽくなってきたぞと思っていたら実に渋い終わり方でこれまたびっくり。
この展開であれのあの話し方で最後をこんなにしっとり終わらせるなんて、ほとんど人間業とは思えない(汗)
 この世界で悩めるキャラクターと言えば三冬ちゃんだったが、結婚してすっかり肝が座り、小兵衛が「夫婦おそろいで御入来か。してみると、わしがところで腹ごしらえをするつもりじゃな」という問いに「父上。おっしゃるとおりでございます」とすかさずこたえるのがおかしい。

狂乱
 2年ほど無沙汰をしている牛堀道場に顔を出してみた小兵衛だったが、ちょうどその時牛堀道場では石山甚市という恐ろしく腕の立つ剣客が、道場の古参を次々に打ち倒しているところだった。
道場主である牛堀九万之助との立会を断られ、渋々立ち去った石山をもう二度と会うこともあるまいと思っていた小兵衛だったが、予想外の状況で再び顔を合わすことになり・・・。

 たまに挟まる凶暴な剣客の出てくる話だが、今回も趣向を凝らしてあって実に切ない読後感を与えてくれる。
いやはやほんとにキャラクターを活かすのがうまい。

仁三郎の顔
 熱が出て寝込んでいた徳次郎だったが、手下の繁蔵から仁三郎が帰ってきたと聞かされて飛び起きる。
仁三郎はかつて同じく弥七の手下だった佐平の手引で獄門に送った一味の生き残りで、今では隠居している佐平への復讐を誓っているに違いなかったのだ。
 その仁三郎だが、かつて腹を壊して身動きもままならないところを強盗に襲われ、抵抗もできないままに殺されそうなところを大治郎に救われた過去があった。
敵の佐平のところへ向かっている途中で偶然大治郎と出会った仁三郎はその時の恩を返そうと大治郎を誘い・・・。

 実に凝った構成の物語で、様々な出来事や人間関係が絡み合った末にビッグバンのような衝撃的な瞬間に幕を閉じる。
すごすぎる(汗)
先生終わらせ方がかっこよすぎます(笑)!

女と男
 おはるが操る舟で大治郎のところへ向かった小兵衛だったが、途中船上で男が突き落とされ、女が連れ去られそうになっているのを目撃し、助太刀に入る。
その後援交専門店(笑)みたいな茶屋から出てきた同じ女と、彼女につきまとうどうやら病魔に侵されているらしい浪人を見た小兵衛は・・・。

 ラストのおはるが痛快(笑)
またこの話では久しぶりに三冬ちゃんのかっこいい活劇シーンが拝めるのも嬉しい。
気のせいか先生の筆も三冬の活劇シーンは他のキャラクターよりも気合が入っているように感じる(笑)
 またこの話では明文化されたものでは初めておはるが小兵衛の活劇を目撃したのだと思うのだが、その信頼感が印象的だった。
この調子だと明文化されていないところで様々な修羅場を目撃しているっぽい。

秋の炬燵
 手裏剣の遣い手である杉原秀は、父の墓のある押上村の長竜寺で一泊した後、小兵衛の隠宅へ向かうが、道中幼い子供が殺されそうになっているのに相対し、それを防いで子供を担いで隠宅へ。
話を聞いた小兵衛は子供を匿いつつ刺客が来るのを待つのだが・・・。

 ちばてつや風(笑)剣客女子杉原秀の再登場が嬉しい。
ここぞというところでのまさに手裏剣の遣い手という活躍がまたかっこいいんだこれが(笑)。

 ちうわけで安定して相変わらず超面白い本シリーズだが、本書では「狐雨」と「仁三郎の顔」の終わり方でまさに度肝を抜かれた。
いや〜〜〜池波先生マジすごいわ(笑)

20240425(mixi日記より)
20240426


ネコソギラジカル(上・中・下)
西尾維新著/講談社ノベルズ

を読んだ。AKI氏に借りて。1月26日。
 シリーズ完結編3部作。
サブタイトルは順に「十三階段」「赤き制裁vs.橙なる種」「青色サヴァンと戯言遣い」となっている。
上巻である「十三階段」では、「最凶の敵」である「狐面の男」が率いる「十三階段」と呼ばれる幹部級の部下達との遭遇が描かれる。
行方不明だと思われていた「人類最強」である哀川潤も合流するが、実は「狐面の男」は哀川潤の父親だという。
そして最終決戦の地である学校に進入するが、そこで待ち受けていたのは「いーちゃん」の幼なじみで死んだと思われていた・・・。
 で、中巻。
「人類最強」をも圧倒する「橙なる種」
更には「殺し名」の序列1位と2位である「匂宮」「闇口」の連携も相手にならない。
なんとか脱出するも、匂宮出夢は命を落とし、哀川潤は狐面の男にさらわれてしまった。
ところがその後、件の「橙なる種」想影真心がいーちゃんの部屋に転がり込んでくる。
それはさておき、「狐面の男」を敵と定めたいーちゃんは、十三階段に接触して寝返らせる作戦を開始。
しかし十三階段の面々もくせ者揃いで、なかなか予定通りには事が進まず、それどころか敵である狐面の男の完全敗北宣言によって全てが無に。
狐面の男は白旗を揚げることでいーちゃんの裏切り工作をかわしたが、それを不服とする者たちもおり、その中の双子の殺し屋に殺されそうになる。そこに現れた零崎人識に助けられ・・・。
 どんどんわけが分からなくなる(汗)
そして最終巻である下巻。
 もはや「敵」は敗北宣言しているし、事後処理的な展開なのだが、どれもすっきりせず、変な妥協となれあいの始まり。
しかし流石にそれで終わるわけにもいかず、最終的には「人類最強」と「人類最終」の再戦というイベントが。
そしてやはりと言うか、決着は曖昧になり、やたらに長かった物語も曖昧に終結する・・・。

 ちうわけでシリーズ完結である。
上の粗筋を読んでもなにがなにやら分からないと思うが、なにしろストーリーは希薄なのに要素はてんこ盛りという異常な作品なのでそういうものだと受け止めてほしい。
結論としてはとても面白く、様々な点で興味深いところも多かった。
最終的には全てがまるで1冊の本だったかのようにまとまり、ずいぶん昔のキャラクターやイベントも絡んでくるので一筋縄ではいかない。
またこれはおそらく作者のいたずらだと思うが、あえて小唄というキャラクターと「人類最強」と変装の名人を絡ませることで、読者に違和感を覚えさせ続けるのは面白い試み。
ちなみに化夢宇留仁は最終上中下巻に出てきた「人類最強」は全部変装の名人だと思っている(笑)
こんな小説もありなのか〜〜〜〜〜〜〜っと思った(笑)

20140517(mixi日記より)
20240426


神様のパズル
機本伸司著/角川春樹事務所

を読んだ。AKI氏に借りて。1月28日。
 ほんのちょっと近未来?
主人公は理系の大学で、就職活動を控えた身だったが、それよりも前に卒業のための単位が足りていなかった。
そんな状況なら普通とにかく単位を取りやすい授業を履修するはずだが、片想いの「保積さん」が選んだことを知り、後を追って素粒子物理研究室に入った。
ところが教授から天才としてもてはやされ、飛び級して入学したが成果を残せず引きこもっている穂瑞沙羅華という女の子をゼミに呼び戻すように依頼され、仕方なく沙羅華の家へ。
会うのにも一苦労したが、沙羅華は自宅で独自の研究に没頭していた。
様々な研究があったが、その中でも世界創造のシミュレーションには力を入れているようだった。
 ところでその大学は、超巨大な加速器である「むげん」計画の中心でもあった。
「むげん」は2重の巨大なリング型加速器で、重ヒッグス粒子発見の秘密兵器と目されていた。その基礎設計を行ったのが沙羅華なのだ。
「むげん」の見学や近くの畑の手伝いなどをしつつ、沙羅華となんとなく友達になる主人公だが、やがて彼女のシミュレーション世界で惑星規模の超巨大加速器実験が行われてその世界は自滅。
それをきっかけに沙羅華の様子がおかしくなってゆき・・・・・。

 ちうわけでうろ覚えで粗筋を書いた。うろおぼえなので間違ってるかも(汗)
とりあえず興味深いがさっぱり分からない、しかしその分からないところが魅力的でもあるコテコテの理数系物語である。
どうも作者が異常にコテコテの理数系頭らしく、読んでいて小説とは思えず、なにかの論文を読んでいるような気分にさせられる。
物語としてはあっさりしたものなのだが、その辺のコテコテな部分が深みを作っているのは作者の個性が光っていると言えるだろう。
結果化夢宇留仁的にはまあまあ面白い佳作。

20140527(mixi日記より)
20240427


レンズマン・シリーズ1
銀河パトロール隊
E・E・スミス著/小隅黎訳/創元SF文庫

を読んだ。バイトのOKさんに借りて。4月10日。 新訳新装版の方。
 晴れて銀河パトロール隊に入隊したキムボール・キニスンはレンズマンとしてのスタートを切る。
レンズマンのレンズとは、絶対複製できない身分証であり、テレパシーによってどんな知的生命体とも会話が交わせる翻訳機でもあり、銀河パトロール隊のエリートだと示すものであり、彼らが刑事であり裁判官であり死刑執行人だということも示していた。
レンズマンが活躍し始めてからは銀河系の犯罪はめっきり減っていたが、まだボスコーンと呼ばれる存在が立ちふさがっていた。
当初は海賊だと言われていたボスコーンだったが、やがて彼らは海賊などと言う生やさしいものではなく、銀河文明に肩を並べるほどの巨大組織であり、どちらかが死に絶えるまで戦わなければならない宿敵だと分かってくる。
 いきなり最新鋭艦ブリタニア号の指揮を任されることになるキニスン。ブリタニア号には最新の秘密兵器Q砲が搭載されており、その実戦テストがその使命だった。
というのも最近ボスコーンの艦が銀河文明よりも進んだ装備を施し、銀河パトロールの艦が次々に犠牲になっていたのだ。
この状況を打ち破る楔として作られたのがブリタニア号なのだった。
 出港したブリタニア号は早速ボスコーンの海賊船と遭遇。
必殺のQ砲で撃破に成功し、敵の新技術の秘密も手に入れた。だが問題はその後敵の包囲からどうやって逃げだし、情報を本部に届けるかということだった。
キニスンはブリタニア号を捨てる決心をする。情報をコピーして2人一組のチームそれぞれに持たせ、全員救命艇で脱出するのだ。
 大男のオランダ人ヴァンバスカークと共に出発したキニスンは、その後恐ろしい偶然で無人でランダム航行していたブリタニア号が敵に発見されたところに出くわし、ブリタニア号の自動反撃で無力化した敵艦に乗り込み、更なる逃避行を進める。
しかしその先にはまだまだ多くの苦難と冒険が待ち受けていた・・・・・・・。

 ちうわけで今頃になってようやくレンズマン第1巻読了。
いや〜〜〜〜〜面白かった。
読む前は昔の真鍋博画伯のドさっぱりした表紙のイメージが強くて、古風でのんびりした内容を想像していたのだが、全然逆で、とにかくハイテンポで過激で派手派手だった。
今回の生頼大先生のゴチャゴチャした表紙の方が断然内容に合っている。
上で長々と粗筋を書いたが、実は全然序の口で、やっとプロローグが終わったくらいのもの。
あの後ジャングル惑星で遭難しかかったところをウォーゼルというドラゴンのようなヴェランシア人レンズマンに助けられ、そのウォーゼルの一族を苦しめているデルゴン上帝族と戦い、ヴェランシアでボスコーンの海賊船を待ち伏せして捕獲し、惑星トレンコでリゲル第4惑星のレンズマン、トレゴンシーと出会い、トレンコで生産されている麻薬シオナイトのことを知る。
その後基地に帰ってボスコーンの技術を調査し、それを打ち破る新兵器を作り上げ、ボスコーンの基地を攻撃。
しかし今度はボスコーンの方がパトロール隊の牽引ビームを断ち切る手段を開発し、逆襲。
全ての任務から解放され、全ての権限を持つ独立レンズマンに指名されたキニスンは、ボスコーンを一網打尽にするため、おとりの貿易船を用意し、罠を掛ける。逃走し始めたボスコーン船を追い、敵の基地を突き止めたキニスンはそこに潜入するが、基地内にいた車輪のような姿の奇妙なエイリアンに所在をつかまれ、重傷を負って逃げ出す羽目になる。
回復したキニスンはレンズの供給元であるアリシアに向かい、そこで究極の精神修行を積み、強力なテレパシー能力を身につける。
キニスンはその能力を使って裁判官のまねごとをした後、新たなボスコーン基地に潜入。ボスコーンがパトロール隊の病院船を襲ったことを知り、襲撃メンバーの1人の心を乗っ取り、救出に成功。
更にボスコーンの代表者であるヘルマスの秘密基地を発見し、これを殲滅する・・・・
と言った感じで、とにかくぎゅうぎゅう詰めのてんこ盛りなのだ。
 その中でも印象的なのは、この世界の宇宙戦が防御力優勢というところで、とにかく船が固い。
この世界の敵船を撃破する一般的な手順は、まず牽引ビームで捕獲して動きを止め、近距離まで近寄ってから強力な砲を撃ち続けて敵の防御を突破して撃破するというもの。
普通に考えたら宇宙戦闘での一番の難問は索敵と照準で、何十万キロも離れた亜光速の目標に射撃を当てるなど、どうしたらいいのか見当もつかない。
命中した後は原則として、破壊力が防御力を上回るのが普通である。
なのにこの世界ではそれが真逆なのだ。
この辺はとにかく古い作品だということは勿論だが、それがかえって独特の戦闘描写を生み出していて面白い。
 他には銀河パトロール隊が血も涙もないところも昔の作品らしい。
敵にまつわるものは、全て殲滅すべしで、例えば敵基地があればその惑星ごと吹っ飛ばしてもOKなのだ(笑)
 またレンズマンのあまりの万能ぶりにも驚かされる。
シリーズ第1巻の中盤ですでに強力なテレパシー能力と遠視能力、更には敵の心を意のままに支配する能力までも身につけてしまうのだ。
こんなやつを相手にしなければならないボスコーンの方が気の毒になるが、こっちはこっちで無尽蔵の戦力で対抗する。
 てな感じで血湧き肉躍るアクション大作という感じの作品である。
ほんとに想像していたのとずいぶん違った(笑)

2014.9.28

20141018(mixi日記より)
20240428


レンズマン・シリーズ2
グレー・レンズマン
E・E・スミス著/小隅黎訳/創元SF文庫

を読んだ。バイトのOKさんに借りて。4月23日。新訳新装版の方。
 ボスコーンの代表者だと思われていたヘルマスの拠点が破壊される直前、一本の通信ビームが発せられていた。
これによりボスコーンにはヘルマスより更に上位の存在がいることが判明。しかもそのビームは銀河系外に向けて放たれていた・・・。

 ますます過激さを増す銀河パトロール隊とボスコーンの戦いを描く。
1巻でやるだけやってもうネタバレかと思いきや、更にたたみかける大風呂敷(笑)
独立レンズマン(グレー・レンズマン)であるキムボール・キニスンは、ある時は変装して麻薬のルートを追い、それでボスコーンの基地を見つければ巨大戦艦に乗って一大決戦を繰り広げる。
変装というとルパン三世みたいな展開が想像されるかもしれないが、レンズマンの場合はそこにも手を抜かない。
宇宙工夫に変装すれば、実際に長期間にわたって小惑星での発掘作業を行い、麻薬漬けになり、売人の信用を得る。
小説家になれば実際に長編小説を書き上げて大ヒット(笑)
超大スケールの宇宙戦もますますパワーアップし、最後のシメは敵の基地がある惑星を挟むように2つの惑星をぶつけて、惑星ごと粉砕(笑)というデタラメさ。
素晴らしいの一言だ(笑)

2014.10.5

20141018(mixi日記より)
20240430


レンズマン・シリーズ3
第二段階レンズマン
E・E・スミス著/小隅黎訳/創元SF文庫

を読んだ。バイトのOKさんに借りて。4月30日。新訳新装版の方。
 第2銀河系のボスコーンの基地は惑星ごと木っ端微塵になった。
しかしボスコーンは滅んではおらず、それどころか超空間から魔の手を伸ばし、不気味な活動を続けていた。
更には大艦隊と7つの惑星(笑)が地球圏に現れ、銀河パトロール隊と激烈な戦闘を行う。
決着をつけたのは究極の迎撃兵器である太陽ビームだった。
太陽ビームは太陽系全体を真空管のようにして太陽のエネルギーを1点に収束してビームとして放つというもので、発射時には一瞬だが太陽が真っ暗になるほどのもの。
 その後も女だらけの惑星に行ってみたり、ギャングもどきの宝石商に変装してみたり、いろいろとあるのだが、結局は毎度の超大規模超大風呂敷の一大決戦で、今度は惑星のみならずブラックホールまでぶつけ始める(笑)
そしてキニスンはついにボスコーンの背後に存在するエッドア人と遭遇し、これを倒す。
しかしそれもまたアリシア人の大いなる計画の一端でしかない・・・。

 ちうわけでもはや形容詞も思いつかない有様である(笑)

2014.10.5

20141018(mixi日記より)
20240501


レンズマン・シリーズ7
渦動破壊者
E・E・スミス著/小隅黎訳/創元SF文庫

を読んだ。バイトのOKさんに借りて。5月16日。
 原子力には「渦動」がつきものである。この世界では(笑)
それは不安定なエネルギーの固まりで、無作為に移動して周囲に被害をもたらす。
最愛の妻子を渦動によって失った核物理学者のニール・クラウドは、宇宙で唯一の「渦動破壊者」としての人生をスタートさせる。
なにしろ渦動は危険な上に、クラウドは唯一の渦動を破壊できる存在なので、引く手あまたで大忙し。
そうこうする内彼には様々な人種の仲間ができ、専用の宇宙船で旅をしながら渦動を破壊する生活は充実したものに。
様々な事件を経て、やがては渦動の原因でもある想像を絶する生命体が彼の前に・・・。

 レンズマン番外編。
レンズマンや御大キニスンもちらりと登場するが、基本的には全く異なる物語。
戦い一色のレンズマンシリーズと違い、様々な要素がちりばめられていて飽きずに楽しめる。
しかしそもそもの「渦動」の説明だけはどうにも納得しかねる(笑)
とりあえずスミス大先生が戦闘バカの単純野郎ではなく、実に奥の深いストーリーテラーだということがよく分かる作品である。

2014.10.8

20141018(mixi日記より)
20240502


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