女悪魔の任務
魔法の国ザンス19
ピアズ・アンソニィ/山田順子訳
2009年2月24日初版

 ザンスシリーズ第19作。
女悪魔のメトリアは、ここ2年にも渡り、精力的にコウノトリに合図を送り続けていた。
それは去年よりも回数の減った今年でも750回に及んでいた。
しかし子供は授けられず、メトリアは仕方なくよき魔法使いハンフリーの助言を聞く。
ハンフリーの答えは「シムルグの任務を果たせ」だった。
シムルグといえば、今までに3回も宇宙の終末と誕生を見てきたという、ザンスで最も古く、最も賢い巨鳥である。
そんなシムルグがメトリアに渡した任務とは、ロク鳥ロクサーヌノ裁判のスタッフを集めることだった。
わかも分からずスタッフ集めに奔走するメトリアだが、それは様々な事件の発生と解決、そしてザンス全体に関わる大事件へと・・・・・。

 女悪魔メトリアは半分魂を持っているとは言え、不死でありほとんど万能に近い能力を持った存在である。
普通ならそんなキャラクターは主人公にはふさわしくない。
なぜなら能力が高すぎて自己完結できてしまうからだ。
しかしそこはザンス。世界はめっちゃくちゃだし、キャラクターの能力もとんでもないのがゴロゴロしているしで、例え悪魔であっても主人公として成立してしまう。いやむしろ丁度いいくらいの能力かも(笑)。
 そんなわけで、本作では瞬間移動できる悪魔の力を利用し、とんでもない距離を隔てたとんでもない数の登場人物が参加してのお祭りのような内容になっている。しかしメトリアの性格と望みがはっきりしているので、かえって読みやすく、大いに楽しめた。
 そして本作ではとうとう第1作の登場人物のひ孫まで登場・・・・・・
ザンスよおまえはどこまで行こうというのだ(汗)?

20100502



魔王とひとしずくの涙
魔法の国ザンス20
ピアズ・アンソニィ/山田順子訳
2009年11月25日初版

 ザンスシリーズ第20作。
ザンスの魔法の源である魔王X(A/N)thは、他の魔王に挑発され、新たなゲームに挑戦することになった。
今までのゲームには連勝してきたX(A/N)thだったが、今回のは勝手が違う。X(A/N)th自身が死すべき生き物となってザンスの地に降り、現地の劣った生き物に魔王のために涙を流させなければならないのだ。
 一方マンダニアの普通の家族であるボールドウィン一家は、キャンピングカーで嵐の中を旅していたが、ふと気づくと奇妙な場所にいた。
そして彼らの目の前にいたのはセントールだった・・・・・・。

 とうとう20作目に突入したザンスシリーズ。その話はあとにするとして、本作では2作目で登場した魔王X(A/N)thが主人公。
2作目でのX(A/N)thの雰囲気からすると主人公どころかサブキャラクターとしても無理があるが、そこはザンス。無理矢理主人公として成立している(笑)。しかしずいぶんと人間くさくなった(笑)。
流石に魔王の視点だけでは苦しいので、魔法の美女クローリンとマンダニアから来た一家の視点がメインで進むのだが。
 物語はマンダニアから来た一家のカルチャーショックと、クローリンのつかの間の夢、ザンスに迫る魔法の嵐の危機、それと魔王のゲームの勝敗の4本の柱で進められる。
化夢宇留仁の好みとしてはもっと要素を絞って進む方が好きなのだが、とりあえずは楽しめた。
しかしラストのオチは、ちょっとひねりが無さすぎるような・・・???
それとハンフリーがほんとに気づいてなかったのかどうか、説明が欲しかった。

 とうとう20巻目となったザンスだが、第1巻の日本版が出たのが1981年5月。20巻は2009年11月。
実に30年近く続いている。
まさかこんなに続くとは夢にも思わなかった。ちうかまだ続いていたとは知らなかった(笑)。
これだけの長寿&人気シリーズともなれば、今まで映画化の話が無かったのが不思議なくらいだが、おそらくザンスのエロ分(笑)がアメリカ映画にできないのだと思う。残念だが、逆に考えればそれがなかったら化夢宇留仁もここまで読んでいないのでまあいいか(笑)。
で、本国のザンスシリーズだが・・・現在34巻まで出てるんだそうな(汗)。

20100516


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