SDガンダム ガシャポンウォーズ(GQ)
バンダイ

 ファミコン・ディスクシステムに始まったガチャポンウォーズシリーズの正当な後継ソフト。
SDガンダムシリーズは様々なものが発売されているが、ガチャポンウォーズシリーズとしてはプレイステーションの「SDガンダムG-CENTURY」以来となる(ワンダースワン版は初期シリーズのリメイク)。
化夢宇留仁はスパロボシリーズのシステムを流用したGジェネシリーズはどうも好きになれず、これを待ち望んでいた。

システム
 自分の所有するユニットから最大12ユニットのセットを組み、ウォーゲーム風のスクエアマップで陣取り。敵ユニットと接触するとアクションバトルに突入する。
 勝利条件は、敵本拠地(ガシャベース)の占領、敵の全滅、マップの70%以上の占領の3つの内のどれかを満たすことである。

 注目すべきは今まで欠かせなかった生産ルールが無いということである。
これは本作が初の任天堂との共同開発であるのが原因らしい。
とにかく遊びやすさを重視する任天堂が、プレイ時間を長くする生産ルールを嫌ったのだ。
実際プレイ時間は1マップにつき20分以内という、今までのシリーズでは考えられない短さになっている。
 これには化夢宇留仁はガッカリしたのだが、しばらく遊んでみるとそう悪くない選択だったように思えてきた。
 使えるユニットを1人用モードで勝って手に入れたものだけとし、使用するために支払うユニット毎に設定されたコストの合計も、1人用モードで少しずつ上げてゆけるようになっている。
つまりは収集欲を刺激するような作りになっているのだ。
このシステムのおかげで、ハウスルールを使わなくても楽しめる時間が延びている。
プレイ時間の短縮も、かえって飽きずに繰り返して遊んでしまう魔力を持っているようだ。

グラフィック
 SDキャラがセルシェーダーで表現されている。
モデリングも気を使っており、プロポーションは絶妙のバランスで、妙なポリゴンの切れ目などもほとんど見あたらない。
シェイドは少しぼかしが入っているが、基本的にははっきりと区切られている。

 グラフィックは文句無しの素晴らしい出来で、プレステのG-CENTURYの時のショボいモデリングとテカテカレンダリング書き出し画像にガッカリしたのを懐かしく思い出した。
 動きも工夫されていて、MSそれぞれの個性が表現されているところはカプコンのガンダム対戦ゲームシリーズに通じるものがある。
あそこまで格闘フェチな動きではないが(しかしパラスアテネのタメ格闘はすごいぞ/笑)。
 ただしフィールドマップの3D表示は、大きなキャラやガシャベースが手前にあると、その奥にあるユニットが見にくい。更にユニットによっては操作が終了しているのかどうか分かりにくい(渋い色で小さいMA形態のガブスレイとか)という問題点もある。
Cスティックでマップを回転して見ることも出来るのだが、時間制限のあるマップではそんな悠長なこともしておられず、ミスを生む原因になっているのは残念だった。
2D表示に切り替えられるとよかったのだが。

 

サウンド
 BGMは当たり障りのないオリジナルと、劇中に流れた曲のアレンジ。
アレンジ曲の方はどれもエレキギターがメインで軽め。
 サウンドプレイヤー機能もある。

 効果音はだいたい劇中と似たようなイメージの音を使用しているが、ほとんどが元よりは軽い音になっている。

 BGMのアレンジ曲は、化夢宇留仁的にはあまり好みではない。
ウォーゲームの時のアレンジはやはりオーケストラ風にしてほしいのだ。
このゲーム自体さほどウォーゲームらしくもないのだが(汗)。
サウンドプレイヤー機能は嬉しいのだが、それでわざわざ聴きたいと思える曲が無いのが切ない(汗)。

 効果音はまあまあいい感じ。

ゲーム展開
 14面ある「シナリオゲーム」でルールとシステムを覚えた後、「カプセルウォーズ」モードでコンピュータと対戦しつつユニットを増やしてゆく。

100問バトル」というのもあり、様々な設定のなされたアクションバトルを行う。こちらも節目節目でユニットが手に入る。

 マルチプレイでは、「マップ対戦」で通常の対戦。
ブルーサイドvsレッドサイド」では2軍に別れたアクションバトル。
バトルロイヤル」ではアクションバトルで文字通りのバトルロイヤル。
サバイバル」ではアクションバトルで何機勝ち抜けるかを競う。

 シナリオゲームはチュートリアルの要素が強く、面倒なばかりでクリアした満足感も特に無い。
せめて一度クリアしたらもっと歯ごたえのあるモードが登場してくれたらよかったのだが。

 カプセルウォーズはこのゲームのメインになるモードで、更に「ふつう」「むずかしい」「ゲキむず」「フリーダム」に別れており、だんだん難しくなり、手に入るユニットも強くなってゆく。
 しかしプレイヤーの所有するユニットとコストが少しずつ増えてゆくので、繰り返す内にどのマップも簡単になってゆく。
例えばシナリオゲームで、「砲撃可能ユニットのみ使用」であるとか、「コスト合計15まで」であるとか、自分のユニットを使いつつ条件付きのゲームが楽しめたらよかったのだが。
パズル性の高いマップも欲しかった。マップ上にはプレイヤーの操るガンキャノンが1機、敵はサイコガンダムで、拠点の占領をうまく利用して倒すとか。

 マップ対戦は選んだキャラクターによって使用するユニットが変化するのだが、ここはオリジナルの編成を使えるようにしてほしかった。
それが出来ないというだけで最初からやる気になれない。

 アクションバトル関係は実に充実していて楽しめるが、やはりマップ上での頭を使った戦いを楽しみたい化夢宇留仁としてはほとんど不要のモードなのが哀しい。
 それでも100問バトルは結構楽しくて、ユニットを手に入れるために頑張ったのだが、最後に問題99だけがどうしてもクリアできない。
修行が必要かも(汗)。

 

 

 総じて任天堂との共同開発が功を成し、完成度の高いゲームになっていると思う。
少々対象年齢が低く設定されているのは、GQのユーザー層からすれば当然だし、そもそもSDガンダムなのだから大人向けに作るのも変な話である。

 個人的に残念なのはSEEDのユニットが入り、そのせいかどうかZZ、F91、0080、0083のユニットがほとんど登場しないというところ。
特にゲーマルクはお気に入りのMSなので登場してほしかった。GP01〜03ももちろん欲しかったし、F91、ラフレシア、それに強力なクロスボーンバンガード軍も。
 あとは多すぎたのか、収録作品でもカットされた機体も多い。
グラブロがいないと寂しいし、ビグロもバーザムも。サイコガンダムMk2もいないし、ガルバルディβも・・・。
 ちなみにSEEDは元作品が嫌いな上に、ガンダムばかりでなにがなにやら分からない(汗)。
遊んでいるときもなるべくSEEDのユニットは使わないようにしている。

 最後にお気に入りのハウスルール。
カプセルウォーズふつうむずかしいゲキむずは、はしばらくやっているとユニットも集まり、コスト合計も上がって物足らなくなってくる。
 そこで化夢宇留仁は、それぞれのモードでコスト合計上限を設定して遊んでいる。
ふつう/20 むずかしい/25 ゲキむず/35
 上限を上記の通りとし、更に必ず戦艦を1隻以上使用し、12ユニット全てを設定するという条件もつける。
こうすると量産型機が量産型機らしく活躍し、数少ない強いユニットのありがたさを噛みしめながら楽しくプレイできる(笑)。
 上記のコスト上限数だが、こちらの取得コストによって相手のコスト合計も変化する可能性もあるので、場合によっては調整が必要かもしれない。

 フリーダムモードでもベストなコスト上限を探してみようと思ってたが、なかなか難しい。
そこで考え方を変えて、コストは自由に使えるけど軍を決めるという方法を試してみたら面白かった。
要するに所有しているユニットの内、これと決めた軍に属するものしか使用できないのだ。
以下が各軍の使用可能ユニット。

連邦
アレックス、マドロック、ガンダムEZ8、ガンダム、ガンキャノン、ガンタンク、ジム、コア・ブースター、ホワイトベース
※最高機種がコスト8のアレックスしかおらず、苦戦を強いられるが、砲撃ユニットが多いので結構戦える。
視界はよくない。

エゥーゴ
Zガンダム、ガンダムMk2、百式、ネモ、ジム、リックディアス、リックディアス(赤)、メタス、ZZガンダム、スーパーガンダム、アーガマ
※水中戦に弱い以外は結構強力な部隊が編成できる。
視界はあまりいいとは言えない。

連邦0093
νガンダム、リ・ガズィ、ジェガン
<ジム、アーガマ>
※ユニット所有数にもよるが、νガンダムが他のコスト9の機体と比べると使いにくいのと(フィンファンネルがいつでも使えれば・・・)、リ・ガズィがそのままでは占領が出来ないのがきつい。
ジェガンの数で難易度が大きく変わる。
視界も苦しい。

ジオン
ジオング、エルメス、ビグザム、ザクレロ、アッガイ、ケンプファー、リック・ドム、ドム、ゾック、シャアズゴック、ズゴック、ギャン、シャアゲルググ、ゲルググ、グフ、グフカスタム、シャアザク、ザク、ムサイ、ザンジバル、グワジン
※戦場を選ばず強力なユニットがそろっている。
地上戦で使いやすいコストの高いユニットが無いのが欠点。
変形ユニットがいないので、視界はあまりよくない。

ティターンズ
ガンダムMk2(黒)、ジム、ハイザック、マラサイ、ハンブラビ、パラス・アテネ、ジ・O、ギャプラン、アッシマー、バウンド・ドック、メッサーラ、サイコガンダム、ガブスレイ、アレキサンドリア、ドゴス・ギア
※SEEDを除けばおそらく最強軍。
海はハンブラビだけでなく、MA形態のバウンド・ドックも強化される。
可変機が多いので視界も良好。

ネオジオン
ガザC、ガザC(白)、キュベレイ、キュベレイMk2(黒)、キュベレイMk2(赤)、量産型キュベレイ、ドライセン、カプール、クイン・マンサ、サダラーン
※量産型のガザCが変形できるのは強みだが、フリーダムの場合はおそらく活躍の場がない。 そうなると視界が苦しくなるので、難しいところ。
水中戦に向いているのがコスト2のカプールのみというのも苦しい。
化夢宇留仁はキュベレイの操作が苦手なようで、どうもコストに見合わないほど弱い(汗)。ファンネル装備機は、スパーキングソウルを取ったらすごく強い分、普通の状態は弱めに設定されてるのかな?

ネオジオン0093
サザビー、ヤクト・ドーガ、α・アジール
<ザク、シャアザク、サダラーン>
※所有ユニット数にもよるが、苦しい。
視界が悪く、移動力も心許ない。

SEED以降は分からない(笑)。
<>の機体は劇中登場していないが、量産型と艦船を埋めるために関連団体から引っ張ってきた。

 またこの使用軍限定を、上記ふつうむずかしいゲキむずのコスト上限に加えても面白い。
今のところやってみた感じでは、コスト上限が低いと砲撃の強力なガンタンクを要した連邦が強いイメージ。
逆にコスト2〜3あたりのユニットがそろっていない軍は実にキビシイので、その場合はユニットを12機全部出すという条件を抜いてもいいと思う(ただしなるべく多く出すようにはする)。

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