デュマレスト・サーガ13
秘教の惑星ナース

小説/E・C・タブ/鎌田三平訳
創元推理文庫1983年7月22日初版発行

入手方法/古書店など。

　デュマレスト・サーガ第13作。
　惑星トレイダムでしばらく金を稼いでいたデュマレストは、一緒に働いていた少年レオン・ハーヴェイの生まれ故郷の名前を聞いて興味を持った。
ナース。
アースと酷似しており、また今までデュマレストが聞いたことの無い名前でもあった。
彼がレオンの足跡をたどり、たどり着いたのは、風がやむと怖ろしい怪物が現れるという伝説のある惑星シャジョックだった・・・。

　前半のスパイ映画のような展開、後半の山間部の冒険、最後の謎解きとサービス満点で楽しめた。
またレオンという軸になるキャラクターが設定されているのもよかった。
ちょっと種明かしの意味が分からないところがあったのだが、化夢宇留仁の頭が悪いせいか（笑）？

銀河辺境シリーズ(１)
銀河辺境への道

小説/Ａ・バートラム・チャンドラー
早川書房１９７５年３月３１日発行
３００円（昭和５０年の定価です）

入手方法/古書店、オークション
入手困難だけど、一巻は結構古書店で見ます

　銀河連邦監察宇宙軍新任少尉ジョン・グライムズは、辺境の赴任地まで民間商船での移動を命じられた。座乗した商船には、ベテラン船長や美人パーサーが乗り込んでおり、そこでグライムズは宇宙船内での様々な慣習を経験する。
途中、海賊に襲われた宇宙商船に遭遇する。その船には船長の婚約者も乗っていたが、無惨にも命を落としていた。復讐に燃える船長たちに助力を申し出たグライムズは、追撃戦に参加した。

　古き良きスペースオペラ。宇宙船の内部の雰囲気が大変楽しい。

守護者

小説/ジョージ・Ｒ・Ｒ・マーティン
短編集本のタイトル/タフの方舟１
早川書房２００５年４月３０日発行
８８２円

入手方法/現在、書店にあります。

　海洋惑星ナモールは、突如海中から出現した怪生物達と絶望的な戦いを繰り広げていた。戦況はじり貧で、このままでは人類の生存危ない情勢となっていた。この危機を抱えた惑星にタフが救いの手をさしのべた（もちろん無料というわけではないが）。この突如現れた怪生物たちとナモール生態系の謎にタフが迫る。

　このシリーズおなじみの怪生物たちを素直に楽しんだ。オチは少し読めたが、エンターテイメントとして楽しめる。

デュマレスト・サーガ14
虚像惑星バラドーラ

小説/E・C・タブ/佐治弓子訳
創元推理文庫1983年8月26日初版発行

入手方法/古書店など。

　デュマレスト・サーガ第14作。
　デュマレストは惑星テラルデで、食いっぱぐれた者たちと共に、貴重な家畜のケラクを殺して肉を分け合った。
しかし仲間の１人が肉を売ろうとしたために足がつき、追いつめられてしまう。
そんな彼に助け船を出したのはウーサン・ラブリアという女性だった。
彼女はスーファン・ノヨカという老人が探し求めている惑星バラドーラへの旅に協力するように要請する。
しかしバラドーラは実在するかどうかも分からないゴーストワールドと呼ばれる世界だった・・・。

　冒頭から旅の始まり、そのメンバー、旅の内容とどれもよく描かれていて面白い。
しかしバラドーラの秘宝のカラクリ（？）が、フォルゴーンのものと似ていたところだけは残念だった。
その力によってデュマレストが楽園を体験するシーンは感動ものなのだが。

クラッシャージョウ　氷結監獄の罠

映像/原作・高千穂遙　監督・滝沢敏文
サンライズ9800円（定価）

入手方法/古書店、オークション

　キリウス人民共和国は氷の小惑星を政治犯の監獄としていた。しかし、突発的な事故のために、この小惑星が惑星に落下を始めた。キリウス政府は政治犯の救出のためにクラッシャーに任務を依頼した。仕事を受けたジョウのチームは見事な手際で救出作業を進めていくが、突如二次災害が・・・。

　こ気味良いテンポ、流麗な宇宙船の軌道、迫力ある連合宇宙軍軍艦などスベオペの基本が満載。

サンドキングズ

小説/ジョージ・R・R・マーティン
短編集のタイトル/サンドキングズ
早川書房2005年10月10日発行/800円

　爪ぐらいの大きさで６本の手足と３対ノ眼を持ち、集合意識で活動するサンドキングズをペットとして飼いだした、クレスは戦争を引き起こすため、サンドキングズに様々な試練を与えた。しかしその試練がエスカレートするに従ってサンドキングズに変化が見られ始めた。

　テンポの良いホラーSF。オチは読めるが楽しかった。

宇宙空母ギャラクティカ

映画（？）/リチャード・Ａ・コーラ監督
1978年ユニバーサル

入手方法/DVD発売中

　植民惑星に生きる人類と、サイロン帝国との長きにわたった戦争は、サイロンの停戦要請により終止符を打とうとしていた。
人類艦隊は停戦のセレモニーへ向かうが、パトロール機が隠されたタンカーを発見。すぐさまサイロンの戦闘艇の大群に襲われる。
停戦はサイロンの罠だったのだ。
艦隊はギャラクティカを残して全滅し、12の植民星も徹底的な爆撃を受けた。
人類は再起を賭けて、今や伝説となった故郷、地球へ向かった・・・。

　TVシリーズのパイロット版を再編集した劇場版だが、恐らくラストは洋画劇場で放映されたもの（あとのシリーズを考慮した終わり方になっている）。

　スターウォーズの影響で作られた本作だが、化夢宇留仁にとってはスターウォーズの100倍面白かった。
ミニチュアによる特撮は迫力満点で、CGIには無い魅力がある。
戦艦が難民船を引き連れて旅に出ると言う設定も魅力的。
提督以外のキャラクターが少し弱いのと、敵の設定が「悪」なのが残念。

ウィング・コマンダー

映画/クリス・ロバーツ監督
1999年アメリカ映画

入手方法/DVD発売中

　西暦2654年。地球艦隊の前線基地ペガサスが奇襲を受け、ワープの航法計算を行うコンピュータ・ナブコムを奪取されてしまう。
ナブコムには地球の座標が記録されており、敵艦隊は大挙して地球へ。
地球艦隊提督は、現場近くの宙域にいた輸送船に乗っていた2人の新任パイロットに最優先命令を託す・・・。

　同名シューティングゲームの映画化作品で、化夢宇留仁はスーパーファミコン版を少しいじっただけなのだが、雰囲気はまあまあ再現されていたように思う。
内容は色々な戦争映画のシーンを切り張りしたような感じで、なかなか緊迫感があって楽しめるが、キャラクターの魅力に乏しいのとストーリーにひねりがないのは残念。

　戦闘艇がプロペラ機みたいなデザインな上に、機銃やエンジンの音までそれっぽいのは笑える。

　それにしても太陽系のすぐ近くの重力異常（ブラックホール？）っていつ出来たんだ（笑）？

新・宇宙空母ギャラクティカ
地球征服

映画（？）/監督： シドニー・ヘイヤーズ＆ジグムンド・ニューフェルドJr
1980年ユニバーサル

入手方法/中古ビデオ？

　ギャラクティカが地球を目指して出発してから30年後。
とうとうギャラクティカは地球を発見した。
しかし地球のテクノロジーレベルはまだ低く、このまま彼らが接触しては後をつけてきているサイロンの餌食になってしまう。
なんとか地球人に防衛の準備をさせるべく、工作員を潜入させることに。
　その頃サイロンの新型艇がギャラクティカのパトロール艇と交戦の末コントロールを失い、地球への墜落進路に乗ってしまった・・・。

　新テレビシリーズ「ギャラクティカ’80」の劇場用再編集版。

　30年の間にすっかり様変わりしてしまい、最初の壮大な雰囲気はどこへやら。
かっこよかった提督も、天才少年2人の言いなりになってるし（汗）。
F-15の活躍シーンはなかなか燃える。
　化夢宇留仁は墜落したサイロン船で、士官がロボット「センチュリアン（有名なモノアイが左右に動いてるやつ）」の助けで脱出し、仮装パーティーに紛れ込む件は気に入った。
とにかくセンチュリアンがかっちょいい（笑）。
またサイロンの幹部ロボットが、どう見ても食いだおれ人形なのもよかった（笑）。
　シチュエーションからすると「スタートレック4」に似たところが多い。

火を噴く惑星

映画/パーヴェル・クルシャンツェフ監督
1961年ソ連

入手方法/DVD

　ソビエトの有人宇宙船シリウス、ヴェガ、カペラは長い旅の末、金星に接近した。
しかし隕石がカペラ号に衝突し、カペラ号は爆発。
ソビエト政府は人命優先でいかなる時でも計画の中止を認めるとの通信を送ってくるが、責任感の強い隊員達は金星への着陸を決意する。
苦労の末に着陸に成功するが、そこは怪物達の闊歩する危険な世界だった・・・。

　なにしろ古いので突っ込みどころは山のようにあるが、美しく味わい深い画と、想像を絶する金星の様子が楽しい。
ロボット「ジョン」（アメリカ製という設定らしい）の、敬語でないと言うことを聞かなかったり、人間の命よりも自己保存を優先したりするところも愉快。
オチもなかなか味わい深い。
もちろん万人受けな作品ではないのも間違いないが（笑）。