QUEEN1313
（クイーン・ダブルサーティーン）　全2巻

コミック/新谷かおる
秋田書店昭和58年1月15日初版/480円

入手方法/古本屋

　両親を事故で失ったレイは、銀河航空士官学校を中退し、自由貿易船で働くことに。
しかし職業安定所のコンピュータが選んだ就職先は、ただの貿易船ではなかった・・・。

　序盤の自由貿易の描写はワクワクするが、精神寄生体である敵との戦いやESPが絡んでくるとトーンダウン。

星へ行く船

コミック/よしまさこ（原作/新井素子）
白泉社昭和63年11月30日初版/1000円

入手方法/古本屋？

　あまりにも計画性に富みすぎた婚約者と、平穏すぎる家庭から逃げ出したあゆみは、兄のパスポートを使って外宇宙航路の客船に乗り込んだ。
しかし旅行会社の手違いでチケットが2重売りされており、奇妙な2人組と同室に。
彼らは惑星カドゥバの皇太子とそのボディーガードだと分かり・・・。

　新井素子らしい女の子っぽいけどSFらしい物語に、化夢宇留仁の好きなよしまさこの絵と演出でそれなりに満足。
もう少しシリーズが続いてほしかった。

虎口を逃れて

小説/ポール・アンダースン
短編集本のタイトル/地球帝国秘密諜報員
早川書房２００３年１月３１日/６６０円

入手方法/書店にあります

　目が覚めた時、地球帝国No１諜報員ドミニック・フランドリーは反地球帝国の急先鋒スコーサ人達の手中にあった。命と引き替えに情報提供を強要されたフランドリーは、その権謀を巡らせていく。

　帝国侵攻を企てる未開国家群というのは面白いが、展開が読めるのが残念。　

謎の略奪団

小説/ポール・アンダースン
短編集本のタイトル/地球帝国秘密諜報員
早川書房２００３年１月３１日/６６０円

入手方法/書店にあります

　ある惑星が強行略奪される中。皇帝の娘が遊学中に誘拐された。隠密旅行だったはずなのだが、どこかで情報が漏れていたらしい。この略奪団の黒幕は果たして。この事実を皇帝が知る前に解決できるか。

　黒幕の有力貴族の内幕に迫っていく過程が楽しい。

火星縦断

小説/ジェフリー・A・ランディス/小野田和子訳
早川書房2006年5月31日発行/税別940円

入手方法/書店で何気なく購入。

　2028年の第三次有人火探査隊の顛末、リアルさと火星への情熱が感じ取れると私は感じた一冊
登場人物ひとり一人の背景が十分に描かれている事に感心している。

　単純な私はこれを読んでトラベラーのシナリオに使えると思ってしまった。
私の好きなものがほぼ突っ込まれている。
人間の行動は、その背景にあるという事、惑星の具体的な描写、小道具が充実している事
人間の暗部が見え隠れすること（これはいいすぎかな）
オーソドックスに始まりきっちり終わる事は、気持ちよい
ただし細かな章割りはランダムでブログを読んでるような未消化の部分もたまにある。
なにより火星に行きたい人は読むべきかもしれない。

※表紙について
　この小説での大きな山であり転換点であるマリネリス峡谷
こここそが火星縦断の最大の難所であり主人公たちを絶望に
あるいは前進するしかないと考えさせる場所。
彼らはここで大きな心の支えを失うが進むべき道に選択の余地のない事も承知していた。
旅を初めて目的地の3分の1も踏破せぬこの場所で彼らは進む道を見つける
火星を扱う上で火星を印象づけるなら両極の氷冠なのだろう
それに赤い地表
この表紙は赤い地表であるが旅の目的地北極を描いてはいない
しかも縦断というタイトルに対しどうみても横断方向にその角度は向いている
これをどうとらえるべきだろうか
私はこの小説を書店で手にとり数ページ読んでみて購入を決めた
それは火星へついた喜びが感じ取れたからだった
作者はNASAにもたずさわったときく
作者が主人公たちを火星の地上を旅する事を描き、読者は主人公同様に火星の地上を旅する。
だが作者は彼らや我々を地球で管制しているのである。
そして着陸地点を離れた彼らと、出来上がった小説を手に取った我々は、作者の管制下から逃れたのである生きるために
表紙は作者の目〈表紙をデザインしたひとかも〉
そう私は思う
この表紙は火星を縦断する彼らの目的地をとらえてはいない
火星を外から見る作者は、彼らのおかれる状況を最新のデータと彼のアレンジによって知りうるがどう動くかは彼らの背景つまりこれまでの人生によって決断されることを知っている
それゆえにそこマリネリス峡谷で挫折するか前進するか
その大きな決断の地としてとらえているのかもしれない。
そして小さなイラスト
ここにはダートローバーが2台描かれている
私はこのイラストには違和感がある。
どちらかと言うと田宮模型のパッケージ的だと受け取っている。
設定資料というかあくまでもメーカーの提供した火星地上を走行する図といった印象なのだ。
ストーリー上小説の中ではこのように走ることを想像できないのだ。
乗り物に個性的なものはあるが 乗り物に個性を与えるのは人間なのだ
物語を読み出すと2台がこのように走っている姿が私にはどうしても想像できないのだ。
当初、ライアンが乗ればこのように走ったとは想像できる
だがエストレラが乗ればその動きは躍動的になるのだ
私がカメラマンなら2台がこのように走るところが一瞬あっても、その一瞬をカメラで撮影したいとは思わないからだ

若き女船長カイの挑戦　『明日への誓い』

小説/エリザベス・ムーン /小野田和子訳
早川文庫2006年11月30日初版発行/1000円

入手方法/まだ店頭にあるはず

　一族再興と家族を皆殺しにした海賊どもへの復讐を誓うカイは私略船団結成を企てるが

　今回はカイに加え従妹のステラ・グレイシー婆ちゃんが活躍

終わりなき戦い

小説/ジョー・ホールドマン/風見潤訳
早川書房１９８５年１０月３１日/４８０円

入手方法/古書店で入手してください。

　正体不明の異星人“トーラン”との全面戦争に突入した人類は、パワードスーツに身を固めた兵士たちを戦場に送り込んだ。ウラシマ効果の為、帰還するたびに故郷地球が数百年のオーダーで変化していく中、主人公マンデラは数千年のオーダーでこの戦いを生き延びていく。

　帰還するたびに様相を変化させる地球と主人公のギャップが考えさせられる。
また、軍の描写は緻密である。

竜を駆る種族

小説/ジャック・ヴァンス
早川書房２００６年１１月２０日復刊/６６０円

入手方法/書店にあります

　数百年に一度、爬虫類型異星人の侵攻を受ける惑星エーリスがあった。エーリスの人々は以前捕獲したその異星人を“竜”として遺伝子改造して、次なる侵攻に備えていた。しかし、エーリスは内戦により混乱の状況を呈していた。果たして、爬虫類型異星人の侵攻を防げるのか？

　ジャック・ヴァンス独特の異星描写は抜群です。

宇宙嵐のかなた

小説/Ａ・Ｅ・ヴァン・ヴォクト
早川書房２００６年５月２０日/７００円

入手方法/書店にあります

　未知の大星雲の探査が終わり、帰路につく帝国宇宙戦艦が、謎の亜人類の痕跡を発見した。なんとか、接触を図ろうとする地球帝国と接触を回避しようとする亜人類たち。

　大帝国を築いている地球政府は独立した他の政府の存在を一切認めない方針で、太古の昔に地球から脱出した特殊能力を持った亜人類達はその対応に苦慮する。
そんな事態に立ち上がったのは、穏健派の超人類代表だったが・・・・。

　設定は面白いのだが、なにぶん内容やストーリーがちょっと古い。

　化夢宇留仁は表紙（右の方）に惚れて購入。
プロットが混沌としていて結構楽しめた。
それもその筈3つの中編をまとめて長編にしたものだそうな。

ガタカ

映画/アンドリュー・ニコル監督
1997年アメリカ

入手方法/DVDが出てます。

　遺伝子工学が発展した近未来。遺伝子の優劣のみで人間の才能を判断する社会が形成されていた。
新生児は受精段階において遺伝子操作を行われるのが普通だったが、ヴィンセントは遺伝子操作をされることなく生まれてきた。
ハンデを持った彼は、厳しい社会の現実に直面するが、やがて優秀なストライカーだったが事故によって半身不随になっている男と出会い、その男になりすますことでエリートの仲間入りを果たし、宇宙開発施設ガタカのトップメンバーとなるのだが・・・。

　淡々とした描き方だが、そうやって表現される絶望や渇望、そして希望などの感情がダイレクトに伝わってきて面白い。