理解者

小説/フレッド・セイバーヘーゲン著/岡部宏之訳
短編集のタイトル/バーサーカー 赤方偏移の仮面
早川文庫1980年4月30日初版

入手方法/最近再販を繰り返しているような?


 偉大な芸術家ヘロンは、他の貴重な芸術作品と共に、バーサーカーの脅威の迫る地球から安全な場所へと向かう。
しかしあろう事かその数時間後にバーサーカーに拿捕されてしまう。
バーサーカーは抵抗する乗員達を皆殺しにしてゆくが、無気力なヘロンだけは殺されなかった。
バーサーカーと議論を交わすヘロンだったが、やがて自分が人間としてはすでに死んでいることに気付き・・・。


おもしろさ 4

芸術作品に対するバーサーカーの評価と、物体を「生命」という悪しき病から解放するという考え方がいい感じ。


トラベラー度 2

 

 

レフリー度
 世   界 2  
 ストーリー 3  シチュエーションとしては利用しやすい。
 フレーバー 3  後世に残すべき芸術作品を疎開させるというのはありそうな展開。

お気楽度 5  

投稿者/化夢宇留仁 20070616



和平使節

小説/フレッド・セイバーヘーゲン著/岡部宏之訳
短編集のタイトル/バーサーカー 赤方偏移の仮面
早川文庫1980年4月30日初版

入手方法/最近再販を繰り返しているような?


 カーはたった1人で、和平交渉のためにバーサーカーの巨船に向かった。
勿論バーサーカーに愛や生命の尊さを説いても意味があるとは思われなかったが、それで少しでも時間が稼げるのならと小型の宇宙船を調達出来たのだ。
しかしカーには和平以外に秘められた計画があった・・・。


おもしろさ 4

 被害が続いて修理が追いついていないバーサーカーの描写は楽しい。「工事中止命令」思い出した。
 交渉内容は相変わらずバーサーカーの思考が興味深くて面白い。
ちょっとうまくいきすぎな感じもあったけど。


トラベラー度 2

 

 

レフリー度
 世   界 3  宙域艦隊に参加するために戦艦が出払っていて・・・というのはいかにもトラベラーにありそうな状況。
 ストーリー 2  同じ視点でシナリオ化するのは困難。
 フレーバー 3  ガタピシバーサーカー

お気楽度 5  ショートショート(笑)

投稿者/化夢宇留仁 20070616



Tとわたしのしたこと

小説/フレッド・セイバーヘーゲン著/岡部宏之訳
短編集のタイトル/バーサーカー 赤方偏移の仮面
早川文庫1980年4月30日初版

入手方法/最近再販を繰り返しているような?


 男が目が覚めると、数人の男女に取り囲まれていた。
記憶がはっきりしないが、男たちはバーサーカーに捕まった捕虜で、治療された跡からすれば、彼は怪我をしていたらしい。
しかし取り囲んでいた人々は彼のことを嫌い、また怖れているようだった。
それはなぜなのか?
またどうして左目の眼帯を取ってはいけないのか?


おもしろさ 3

 順番的にはこの作品の前が「宇宙の岩場」であり、そちらでは人間とバーサーカーの一大決戦が描かれている。
本作はその後日談とも言える内容で、「宇宙の岩場」でバーサーカーにある提案を行った男が主人公。
悪くない。
 それにしてもこの短編集は、全てバーサーカーに関わる内容なのに、似たような話が一つも無いのがすごい。


トラベラー度 1

 

 

レフリー度
 世   界 1  捕虜達の狭い世界。
情報としては、外での人類とバーサーカーの激しい戦いの様子も少しは出てくるが。
 ストーリー 2  同じ視点でシナリオ化するのは困難。
 フレーバー 1  直接利用できそうなフレーバーは少ない。
捕虜の境遇くらいか?

お気楽度 4  

投稿者/化夢宇留仁 20070616



道化師

小説/フレッド・セイバーヘーゲン著/岡部宏之訳
短編集のタイトル/バーサーカー 赤方偏移の仮面
早川文庫1980年4月30日初版

入手方法/最近再販を繰り返しているような?


 「笑い」による無意味な時間を生み出した罪で、1人のアマチュア・コメディアンが惑星外に追放された。
しかし彼を待っていたのはバーサーカーの巨船だった。
そのバーサーカーは新造されたばかりの船で、まだ最終インプットも済んでおらず、最も重要なことを知らなかった。
すなわち「生命とはなにか?生命はどうすれば破壊できるのか?」
それを知った道化師は・・・。


おもしろさ 2

 半分は意図してのことだと思うのだが、コメディシーンが全然笑えない。
描写としては面白いのだが。
そしてオチも・・・。


トラベラー度 2

 まあ色々な世界があるということで(笑)

 

レフリー度
 世   界 2  
 ストーリー 2  同じ視点でシナリオ化するのは困難。
 フレーバー 2  犯罪者をほとんど存在価値のない観測基地に追放するのはいいアイデア。
間抜けなセレモニー。

お気楽度 5  

投稿者/化夢宇留仁 20070616



赤方偏移の仮面

小説/フレッド・セイバーヘーゲン著/岡部宏之訳
短編集のタイトル/バーサーカー 赤方偏移の仮面
早川文庫1980年4月30日初版

入手方法/最近再販を繰り返しているような?


 最新最大の戦艦ニルヴァーナが、今や名実共に銀河系の支配者となったフェリーペ・ノガラを乗せて航行しているのは、超重力の惑星の近くだった。
そこに届けられたのは、異母弟であるヨハン・カールセンの遺体だった。
だがそれは冷凍スリープカプセルであり、ノガラもカールセンが生きているのを知っていた。
一方ニルヴァーナに、囚人を乗せた小型船が接近していた。
その船はニルヴァーナに着く前に、他の船とも接触していた・・・。


おもしろさ 4

 カールセンを執拗に付け狙う、バーサーカーの機械的ストーカーとでも言うような異質感が楽しい。
パーティー滅茶苦茶すっきり爽やか(笑)。


トラベラー度 2

 

 

レフリー度
 世   界 2  
 ストーリー 3  利用できそうな要素が多い。
 フレーバー 3  死んだと思わせる冷凍睡眠、人間の皮をかぶった殺人機械、超重力惑星へ。

お気楽度 5  

投稿者/化夢宇留仁 20070616



狼のしるし

小説/フレッド・セイバーヘーゲン著/岡部宏之訳
短編集のタイトル/バーサーカー 赤方偏移の仮面
早川文庫1980年4月30日初版

入手方法/最近再販を繰り返しているような?


 1人で羊の放牧の番をするダンカン。しかし狼はかしこく、羊を守るのは難しかった。
そんな夜、空に激しく光るものを目撃し、それは神から与えられた「しるし」だと感じるダンカンだが、実はそれはバーサーカーの偵察ミサイルだった・・・。


おもしろさ 4

 カールセンを執拗に付け狙う、バーサーカーの機械的ストーカーとでも言うような異質感が楽しい。
パーティー滅茶苦茶すっきり爽やか(笑)。


トラベラー度 2

 未開人の参考に・・・ならないか(汗)?

 

レフリー度
 世   界 2  ありそうな世界ではある。
 ストーリー 2  やっぱり未開人プレイに(笑)?
 フレーバー 2  大規模な惑星防衛システム。

お気楽度 5  

投稿者/化夢宇留仁 20070616



軍神マルスの神殿にて

小説/フレッド・セイバーヘーゲン著/岡部宏之訳
短編集のタイトル/バーサーカー 赤方偏移の仮面
早川文庫1980年4月30日初版

入手方法/最近再販を繰り返しているような?


 暴力に埋め尽くされた壁画に囲まれた部屋で、誰かそっくりに作られたロボットを破壊する男。彼の目には狂気が宿っていた。
 戦艦ニルヴァーナ2世号は、皇帝ノガラに引き渡されるべく宇宙空間を航行していた。
宇宙の岩場の決戦以来、9年ぶりに再会したヘンプヒルとミッチェルは、ニルヴァーナ2世のパワーなら、超重力下で衛星となっているカールセンを助け出せると話し合う。
しかし船内では新たな陰謀が進められていた・・・。


おもしろさ 4

 オチがもう一つ納得いかないが、オチに至るまでの展開はなかなか面白い。
バーサーカーが直接登場しない唯一の話だが、その存在感はやはり大きい。


トラベラー度 3

 皇帝専用艦の参考に・・・ならない(汗)?

 

レフリー度
 世   界 3  なんとなく近い雰囲気。
 ストーリー 4  利用しやすい。
 フレーバー 3  闘技場、洗脳神殿、精神のスイッチを切り替えるビーム、人類の敵教団

お気楽度 4  詩とか苦手な人もいるよね。

投稿者/化夢宇留仁 20070616



深淵の顔

小説/フレッド・セイバーヘーゲン著/岡部宏之訳
短編集のタイトル/バーサーカー 赤方偏移の仮面
早川文庫1980年4月30日初版

入手方法/最近再販を繰り返しているような?


 超重力惑星の近接軌道に捕まっているカールセン。
同じく追ってきたバーサーカー船も捕まっていたが、攻撃は超重力に防がれていた。
カールセンは超重力下の景色の壮大さに自分を見失いそうになるが、やがては助けが来るだろうと言う望みを捨てなかった。
やがて船外に人影が・・・。


おもしろさ 4

 壮大な景色の描写が長すぎて、かえってよく分からないような(笑)。
オチは予想できるものの、感動的。


トラベラー度 1

 シチュエーションが特殊すぎ。

 

レフリー度
 世   界 1  超重力惑星に捕らわれた小型船内(笑)。
 ストーリー 2  ガスジャイアントにでも変更して・・・無理か(汗)?
 フレーバー 2  超重力下の描写

お気楽度 4  描写が長い。

投稿者/化夢宇留仁 20070616



遠い夕日

小説/光瀬龍
短編集のタイトル/−調査船報告−オーロラの消えぬ間に
早川文庫1984年6月15日初版/420円

入手方法/古書店 オークション
普通では手に入りません


 失われた開発基地を巡る調査船「アナクレオン21」が降り立った惑星は銀杏座β第3惑星。無機物のような白色の高木森林が広がるこの惑星では、何者かによる抗争が起こっており、「アナクレオン21」も巻込まれる。そして、人類がいないはずのこの惑星の失われた基地から停船通信がもたらされる。はたして、 この惑星の状況は・・・


おもしろさ 4

 儚くて、悲しいが宇宙ってこんな事もあるかもという寂寥感に満たされる


トラベラー度 4

 偵察局ってこうだ。と一発で分かる。

 

レフリー度
 世   界 4  惑星の設定である植物から産まれる人間というのがどうもしっくりこない。
しかし、偵察局の探査船の雰囲気はピッタリである。
 ストーリー 3  偵察局探査シナリオとしては良い。
 フレーバー 3  宇宙船とか偵察局の雰囲気としては参考になる。

お気楽度 3  

投稿者/masakiさん 20070812



デュマレスト・サーガ15
悪夢の惑星ホーガン

小説/E・C・タブ著/大西憲訳
創元推理文庫1983年9月23日初版

入手方法/古書店 オークション


 デュマレスト・サーガ第15作。
ホーガンの敗軍の傭兵となってしまったデュマレストは、自由を手に入れるためにデフィーヌという高貴な女性の依頼を聞くことになる。
ところがそれは軍の物資の盗難であり、しかも全ては仕組まれた罠だった。
なんとか危機を脱したが、積み荷の中に伝染病による死者を見つけるに至り、流石のデュマレストも死を覚悟するのだった・・・。


おもしろさ 4

 久しぶりのデュマレストはやっぱり面白かった♪
テンポのよい場面転換、興味深い舞台、キャラクターを引き立てる心理描写、骨太なストーリー、どれをとっても超一級のエンターテイメント。
飛び上がるほど面白いエピソードというのは少ないが、シリーズとしてこれだけ質の高い内容を続けたタブはただ者ではない。
 この巻で、デュマレストが地球へ向けての重要なヒントを手に入れるのもポイント高い。
5にならなかったのは訳者のあとがきにもあるが、デュマレストの行動に僅かに(ほんとに僅かに)疑問に感じる点があったところ。


トラベラー度 5

 相変わらずトラベラーそのまんま。

 

レフリー度
 世   界 4  全体的にトラベラーっぽいので、かえってトラベラーを感じない(笑)。
 ストーリー 4  ほとんどそのままシナリオに出来そうだが、PC生還率は非常に低い。
 フレーバー 3  参考になる点は多いが、今までのシリーズで出てきたものの焼き直しが多いイメージ。

お気楽度 3  デュマレスト・サーガは最初から順番に読むべき。
文章は(特に3巻以降は)読みやすいのだが。

投稿者/化夢宇留仁 20070817


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