銀河の荒鷲シーフォート5
突入!炎の叛乱地帯

小説/デイヴィッド・ファインタック/野田昌宏訳
早川文庫SF上下巻/2000年2月29日初版発行


修道士を経て政治の世界に入り、国連事務総長まで務めることになったシーフォートだが、彼の妥協の無さは政敵を増やし、やがて部下のスキャンダルがきっかけで辞任。
今や引退してひっそりとすごそうとしていた彼だが、補佐役の息子のジャリッドが家出してから全てが狂い始める。
一人息子のP.T.もジャリッドを追って家出し、廃墟と化したニューヨークへ。
必死で息子を捜すシーフォートだが、運命は空回りし、やがてニューヨークは戦乱の渦に巻き込まれてゆく。
おもしろさ 3

今まで主人公シーフォートの一人称で語られてきた本シリーズだが、今作では数人のキャラクターそれぞれの一人称が交錯しあう構成になっている。
その分今までよりも散漫な感じになっており、一本の太いストーリーを味わうというスタイルではない。
内容的にはそれぞれの思惑が連鎖反応的に事件を大きくしてゆくのが緊張感もあって面 白いが、SF色は薄く、やっぱり人はたくさん死んで、切ない読後感だった。


トラベラー度 1 SF色が薄れて政治色が強くなり、トラベラー色もほとんど無くなってしまった。
 

レフリー度
 世   界 2  
 ストーリー 2 悲惨な展開だがトラベラーのシナリオでもありそうな展開である。
 フレーバー 2  

お気楽度 2 相変わらず分厚い上下巻。
読みやすいのだが・・・。

投稿者/化夢宇留仁





銀河の荒鷲シーフォート6
ギャラクティックの攻防

小説/デイヴィッド・ファインタック/野田昌宏訳
早川文庫SF上下巻/2000年9月30日初版発行


国連事務総長に返り咲いたシーフォートが、デヴォンの士官学校を視察中、事故により生徒に死者が出た。
しかし調べてみるとそれは環境保護同盟というテロリストによる計画的な殺人であったことが判明。更に事件は続き、やがて事態は宇宙軍を揺るがす叛乱へと発展してゆく。
シーフォートは今まで信じてきた教会にも宇宙軍にも裏切られることになり・・・
おもしろさ 3

シーフォートも60歳を越え、ようやく老成したところもでてきた。
しかし相変わらず想像しうる最悪の展開により、結局目を血走らしてわめきちらしたあげく、彼にとって命より大事な人々は死んでゆくのであった・・・。
あんまりだ〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!


トラベラー度 2 まだしも宇宙船が活躍するだけ前巻よりはトラベラーっぽいか。
シリーズの最初はすごくトラベラーっぽいところが目立ってたのになあ(汗)。
 

レフリー度
 世   界 2  
 ストーリー 3 海軍の叛乱という展開を考えるなら、大いに参考になると思う。
 フレーバー 3 超大型の新造艦ギャランティック!
ノリは「さらば宇宙戦艦ヤマト」のアンドロメダ(笑)。

お気楽度 2 しどい・・・(泣)

投稿者/化夢宇留仁




ファウンデーション(銀河帝国の興亡1)[シリーズ]

小説/アイザック・アシモフ/厚木淳訳
創元推理文庫&早川文庫
1968年3月初版発行〜以下続刊/450(当時)

入手方法/今となっては、早川書房・文庫から入手するほうが 簡単です。
翻訳に関して、私は最初に手をとった創元版が好きです。


本書は一番最初に出版されたもので、このシリーズの核となる人物、 帝国の心理歴史学者ハリ・セルダンは、帝国の滅亡を予測するが・・・。  
人類が宇宙の星々へ移住した1万2千年後の未来社会を迫力のスケールで 書ききった名作シリーズ。文庫バージョンの上下をカウントしなくても、 7冊あります。
おもしろさ 4

このシリーズは読む順番が難しいのですが、 私は出版された順に読むことをおすすめします。


トラベラー度 4  「トラベラー」設定にも少なからず影響を与えている小説だけあって、 帝国/ゾダーン連盟のあり方を把握するには格好の素材です。
 特に4作目「ファンデーションの彼方へ」は宇宙船/コンピューター操作 宇宙図の操作や世界設定の描写も詳細になります。
 以降ハリ・セルダンの若かりし頃が描かれた「ファウンデーションへの序曲」ではなんと格闘シーンも応用可能です。
 

レフリー度
 世   界 5  帝国・ゾダーン連盟などの基礎部分はこの本に影響(潤色)されていることは、 間違いありません。
 ストーリー 4  貿易商人の行動パターン、 軍人の行動パターンはミニシナリオでも参考になります。政治団体の変遷やその きっかけなどのヒントは、キャンペーンシナリオに応用可能です。
 フレーバー 2  このシリーズの前半は 年代記的な描写 のため、ピックアップすることは難しいと思われます。
但し「ファンデーションの彼方へ」以降の出版物に関しては、大都市トランターからのどかな?!惑星ゲイアにいたるまで、どこでも「採用」できます。

お気楽度 2  全く気楽ではありません。全7冊読むだけで、体力消耗は避けられませんが 充実感もあります。

投稿者/POPPOさん
(画像は化夢宇留仁所有の創元推理文庫版第1巻)




ハイペリオン

小説/ダン・シモンズ/酒井明伸訳
早川文庫SF上下巻/2000年11月〜/一冊800円(当時)


28世紀、宇宙に進出した連邦政府を震撼させる事態が発生!
時を超越する殺戮者シュライクを封じこめた謎の遺跡―辺境惑星 ハイペリオンに存在し、人々の畏怖と信仰を集める、"時間の墓標"が 開き始めたという。連邦は、その謎を解明すべく、ハイペリオンへ7人の 男女を送りだした・・・。
おもしろさ 3

次の「ハイペリオンの没落」を絶対読まないと寸止め状態・蛇の生殺し状態に なると思われます。「〜没落」を読んで初めて4の評点となります。


トラベラー度 3  コンピューター/移動手法の技術レベルが「トラベラー」世界より 本書の設定は一歩先に進化しています。「トラベラー」設定に対して 物足りなくなる可能性があります。
 

レフリー度
 世   界 3 シュライク・宗教等の設定するのは、いささかとっつきにくいかも しれませんが、ハイペリオン星系と軌道上の描写、宇宙船の利用方法は 参考になります。
 ストーリー 2 トラベラー世界と異なり「瞬時ワープ移動」が可能な世界なので この設定をストーリーの根幹にもってくるのは望ましくないです。
 フレーバー 5 何より魅惑的で奥が深いキャラクター作成の勉強になります。本書では 神父・詩人・軍人・学者・探偵・領事が登場しますが、そのまま NPC/パトロン等で出演させてみることをレフリーの研修カリキュラムとして 実施することをおすすめします。

お気楽度 3  「没落」も絶対読むつもりで、事前にこづかい確保している場合は、 いやがうえでも一気に読み出してしまいます。しかし文字数が多いので、 それなりの気合は必要です。


投稿者/POPPOさん

※化夢宇留仁も読みました。
重厚な世界設定と、奥の深いキャラクター描写がすごかったです。
早く「没落」読みたい〜〜〜(汗)!




銀河の荒鷲シーフォート7
襲撃!異星からの侵入者

小説/デイヴィッド・ファインタック/野田昌宏訳
早川文庫SF上下巻/203年2月28日初版発行


負傷により通常の重力に耐えられない身体になってしまったシーフォートに残されたのは、宇宙軍に復帰することだった。
彼が指揮する巨艦オリンピアッドは、ホープ・ネーションに寄港した。
シーフォートにとって様々な思い出があるホープ・ネーションだったが、この寄港で更に嫌になるほど思い出が増えるのだった(笑)。
おもしろさ 4

今回はデレク・カーの息子ランドルフ・カーの一人称で話が進むが、シーフォートはやはりシーフォート。
とにかく色々な人が片っ端からひどい目にあいます。
普通のストーリーなら、ひどい目になった人がいたら、その代わりにいい目を見る人がいるものですが、シーフォートの世界では誰もがひどい目にあいます。
それは「魚」も例外ではないのかも(笑)。


トラベラー度 2 久しぶりにSFマインドの強い作品になった。
中盤の展開はスター・トレックみたいだし、ラストはバビロン5(汗)!?
 

レフリー度
 世   界 2  
 ストーリー 3 悲惨なのは相変わらずだが、まだ流用できる余地があるかも。
 フレーバー 3 異文化の初交流の参考になる。

お気楽度 2 今までに増して分厚い上下巻。
やっぱり読み始めたらノンストップですが。

投稿者/化夢宇留仁




キリンヤガ

小説/マイク・レズニック/内田昌之訳
ハヤカワ文庫1999年5月31日初版


アフリカキクユ族はヨーロッパ人に感化され、もはやキクユ族ではなくなってしまった。
本来のキクユ族の文化や生活こそがユートピアの実現であると信ずる男は自ら祈祷師となり、最後に残ったキクユ族の伝統を重んじる者達と共にテラフォーム小惑星に移住し、キクユ族のユートピアを実現させる。 しかし祈祷師コリバの苦悩は始まったばかりだった・・・。
おもしろさ 4

連作短篇形式だが、単発の作品としてもそれぞれ読ませるところがあり、かつ考えさせられて面 白い。


トラベラー度 2 独自の文化を築き上げるために外界と接触を断っている小惑星世界というのは面 白いアイデアだが、トラベラーっぽい雰囲気ではない。
 

レフリー度
 世   界 4 ユートピア実現のための孤立世界というアイデアは古風だが今でも色あせていないと思う。
 ストーリー 4 それぞれ趣のあるストーリーで、参考になる。
 フレーバー 2 「未開人」の参考になる(笑)。

お気楽度 3 地味な印象だが、読み始めたらあっという間。

投稿者/化夢宇留仁




光の塔

小説/今日泊亜蘭
早川文庫SF/800円/1975年初版発行
入手方法/書店
先月(2004年5月現在)、再販されましたので、今なら容易に入手できると思い ます。


第三次世界大戦、昭和維新、火星進出を経た21世紀の日本。そこ で、地球規模の謎の絶電現象を始めとして、原子力発電所や宇宙省での奇怪な盗難事 件や人体消滅などが起こる。謎を追う宇宙軍医官 水原史生らの前に圧倒的な戦力で 世界の諸都市を占拠する 光の塔がそびえたった。果たして、彼ら侵略者の正体は! そして、その目的は!
おもしろさ 4

背表紙には『緊密な構成と流麗な筆致で日本SFの黎明を切り開い た傑作長編』と紹介してある。そう、まさしく日本SF初期の古き良きSF、つまり 空想科学冒険活劇の名作である。
作者独特の古風な文体で記してあるので、若干の慣れは必要であるが、その味わい は深い。
是非、一読を。ついでに、続編『我が月は緑』。これも月SFの名著。(ただし、こちらは入手困難)


トラベラー度 2 高テクノロジー世界の低テクノロジー世界に対する侵略ものとすれ ば、参考になる。
 

レフリー度
 世   界 2  
 ストーリー 3  
 フレーバー 4 飛車(飛行する車)や 独特の言語は参考になる。
また、出てくるキャラクターは、NPCとして非常に参考になる。

お気楽度 2 文体が古いので、慣れないと難しい。

投稿者/masakiさん

化夢宇留仁も読みました♪
骨太なストーリーで、実に面白かったです♪
竜四郎かっこよすぎ・・・(泣)




ハイウェイ惑星

小説/石原藤夫
短編集のタイトル/ハイウェイ惑星
徳間デュアル文庫/2001年2月28日(1965年に早川書房より出版され たものを、作者が再編集し、加筆訂正した新版)
676円(税別)

入手方法/販売店で注文
在庫がどれくらいあるかわかりませんが、注文したら入手可だ と思います。


惑星開発コンサルタント社の若手調査員、『ヒノ』と『シノダ』のコン ビは『ハイウェイ惑星』とあだ名される惑星の調査に臨んだ。
この惑星は太古の異星人によって大規模な道路網が整備され、それが遺跡として残っている星である。
惑星のほとんどは自然状態のまま残されていたが、道路 は自動修復装置と異物を排除する機能が現在も稼動している。その道路上に驚異的な進化を遂げた生物達が存在した。
おもしろさ 4

日本のハードSFの第一人者として著名な作者のデビュー作である。
道路網に適した生物というのがどのような進化を遂げるのか、という命題に対する 作者の解答は理路整然としたもので、思わず唸ってしまうものである。かといって、その解答を聞き役の『ヒノ』、解説役の『シノダ』のキャラクターを上手く使って、わかりやすく読者に伝えてくれるので、スイスイと読める。


トラベラー度 3  
 

レフリー度
 世   界 4 世界は非常に面白い。
 ストーリー 2 キャラクター達による 惑星の謎の解説がストーリーの主となるので、あまり参考にはならない。
逆に世界設 定を生かして、別のストーリーを作ったほうがよい。
 フレーバー 4 是非、ここの生物を参考にしてみたい。

お気楽度 4  

投稿者/masakiさん
※画像は化夢宇留仁所有のハヤカワ文庫版




アンドロボット'99

小説/今日泊亜蘭
ソノラマ文庫/昭和52年4月30日初版

 


1999年の未来世界が舞台。ロボット部の少年達が組み立てたアンドロボットのロボ助の異変を皮切りに、火星と地球との諜報戦に巻き込まれ・・・
おもしろさ 3

元々は1969年3月に発売された、金の星社少年少女21世紀のSFシリーズの第6巻。そのまた元は旺文社の「中二時代」に連載されたものらしい。
1999年の時点ですでに火星に大植民地が出来ているなど、執筆当時の未来への夢が描き出されていて、それが子供の頃の記憶と混ざり合ってなんとも懐かしく感じる。
ジュブナイルなのだが、文体や雰囲気はまさに「光の塔」のそれで、骨太なストーリーも健在である。


トラベラー度 2 1999年の地球と火星植民地政府との戦い・・・
 

レフリー度
 世   界 2 地球と火星植民地政府との戦い・・・
 ストーリー 3 ジュブナイルの王道と言えるストーリーで、うまく参考にすれば同じワクワク感を再現できる!?
 フレーバー 2 思考波を感知するロボットや、中学生のロボット対決など。

お気楽度 4 文体は少々古風だが、なにしろジュブナイルなのですぐ読めます♪

投稿者/化夢宇留仁




惑星間の狩人

小説/アーサー・K・バーンズ/中村能三訳
創元推理文庫/1969年8月29日初版発行

入手方法/古本屋。1995年に新装版が出たらしいので、そっちの方が入手しやすいでしょう。


金髪の美貌であり、世界で最も有能なハンターであるゲリー・カーライルは、宇宙船「箱舟号」を駆って太陽系中をまたに掛け、狙った獲物は必ずしとめる。
人呼んで「生捕りカーライル」!
1935年から数年にわたって書かれたスペース・オペラの傑作。

おもしろさ 4

5編の連作短編の形になっている。同じ登場人物が出てくる作品は他にもあるらしい。
なにしろ古いので設定は変なところが多いが、目を見張る異世界の描写 と典型的だが息をつかせぬストーリーで気にならない。
ただし活発な女性が主人公というのが珍しい時代の作品なので、彼女が男に勝るという描写 が、逆に男性上位の視点を際だたせていて少し鼻につくところも。


トラベラー度 4 太陽系内という設定を広大な銀河系に変えれば、トラベラーのハンターそのまんま。
逆にトラベラーの方が参考にしたのではないかと思われるほど。
 

レフリー度
 世   界 2 なにしろ太陽系のほとんどの惑星に生物がわんさかいるのだ。中には知的生命体も。
しかしどこかの惑星ということにすれば、その描写 は参考になる。
 ストーリー 5 そのままシナリオに出来そうな話がゴロゴロしている。
キャラクターも面白いやつがたくさんいて、特に第2話のフランス人はジョジョに出てきそうな最高に面 白いやつでした♪
 フレーバー 5 各惑星やそこに住む生物の描写 と、高名なハンターをとりまく状況など、なにもかも参考になる。
異性生物は見事なイラストまでつけられていて、至れり尽くせり♪
遠心力エンジンによる推進力の説明が、化夢宇留仁にはさっぱり分かりませんでしたが(笑)。

お気楽度 3 気楽な文章で読みやすいが、本が古いので字が小さめで印刷も薄い(笑)。

投稿者/化夢宇留仁

 


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