Step.4 土との生活その1 穀物栽培
 いうまでも無いことだが、家庭菜園と違って、商業ベースの農業は簡単なことではない。この現代でも「自給率を上げるため
に各人に農作業を義務付けよう」とか「若者を一定期間、農家で働かせよう」などと本気で口にする人も居るし、「晴耕雨読」と
言うまるで寝言のような表現もあるが、概して農業経験が全くないか、他に十分な収入があって農業は趣味程度でしかない人
だけがこんな事を言う。こういう愚かな思い込みを実行に移したのが伝説的なクメール・ルージュで、その顛末はソロマニ人は
誰でも知っている。

Step. 4.1. 食文化と食料政策
 Step.4で扱われている穀物は、主食として食べられるもので、食文化の中心であると同時に、食糧政策の根幹である。いち
ばん儲かる作物ばかりを生産したくなるのは人情だが、現実はそうは行かない。
 まず、既に設定がある世界でなければ、移住先がどの穀物を中心とする食文化であるかを下の表で1D6を3回ふって決定す
る。
Table11 食文化表
1D6 従の地位 主: その文化圏で主食たる穀物
従: 副次的に食べられる穀物。主と従が同じだった場合は振りなおしても良いし、それしか食べない文化としても良い。ヨーロッパの庶民はパンではなく粥の形でも穀物を消費していたように、消費の形態が違うこともある(ただ、食べ方で生産者価格までは変わらない)
従の地位:「貧乏人は麦を食え」や、「イングランドでは馬のエサ」との言葉が示すように、従たる穀物には悪いイメージもある。ここでは、従たる穀物のイメージによって価格を修正する。Table17によって得た基本価格をカッコ内の数字で修正すること。
1 コメ ド貧 (x0.5)
2 コメ 貧 (x0.75)
3 トウモロコシ 同等 (x1)
4 トウモロコシ 同等 (x1)
5 トウモロコシ コメ 同等 (x1)
6 トウモロコシ コメ 高級品(x1.5)

・生産割り当て
 2D6で9+がでれば、生産割り当てとして所有する耕地のうち最低2D6 x 5%主たる穀物の生産に割り当てる必要がある
(これは長期的政策であり、少なくとも1D6+1年間続く)。この場合、生産割り当て分の面積から得られた収穫は、Table18
で決まった価格が平均価格を50%以上下回っていた場合は、その世界の平均価格で買い上げられる。あくまで食糧確保が
目的であるため、無農薬栽培は喜ばれない。なお、果樹など動かせない作物が既に耕地面積を占めている場合は、それを引
っこ抜けというほどこの政策は冷酷ではない。しかし、そういう場合は、相応の税務上の不利がある(詳細はレフリーが決定)。

・強制出荷
 生産割り当てが無くても、凶作なら2D6で9+、大凶作では2D6で4+が出た場合、主たる穀物は強制的に平均価格で政
府に買い上げられ、出荷させられる。飢饉の際、食糧不足が都市部ではなく常に農村地帯で発生するのはこのためであ
る。

・収穫保険
 耕地から得た総収入(純利益ではないことに注意)の前年度実績の1D6+1%を政府もしくは保険会社に支払う(掛け捨て式)。
もし壊滅的豊作による値崩れなどで、前年比で価格が75%以下になった場合や、凶作その他で少なくとも村全体の収穫量が
50%以下になった場合などでは、前年度税別収入の(1D6 + 4) x 10% が補償される。ただし、受け取るためには実際に前年
度と同じ作物の耕作を行わねばならない。例えば、何らかの手段で大凶作を予測して耕作を行わずに「不作」と偽ったり、ギ
ャング団に何も無い耕地を襲撃させて「作物を奪われ」、保険を請求したりするのは犯罪。保険金の支払いは、実際に収穫量
が評価できる収穫期以降になることもあるが、それでは経済的に困窮してしまうこともあるため、収穫減が決定的になった時
点で支払われるケースの方が多い。このため、奇跡(サイコロを15個を一度に振って全部1が出る)か、ローテク世界でハイテク
手法を用いる(卑怯だが違法ではない)など、収穫が回復した場合はとても儲かる。なお、言うまでも無いことだが、農家の技
術的失敗による不作は保険請求の対象外である。

・輸出補助金
 財政的に豊かな世界でのみ可能。具体的には宇宙港タイプA、Bの世界では、農産物の輸出に関する補助金が支給される。
その年の生産者価格の30%が上限である。

Step.4.2 穀物の栽培
 本ルールにおける穀物は、小麦(のようなもの)、コメ(のようなもの)、トウモロコシ(のようなもの)に大別される。基本的
に、カッコ内は省略しても良い。実際に地球原産の小麦やコメかもしれないし、性情の良く似た異星植物かも知れない。これは
レフリーが自由に設定して良い。
 なお、収穫量そのものは本来、TLによって変化する性質のものではない。ただハイテク世界では、農薬と化学肥料で無理や
り収穫量を増やしているのである。 
 なお、Step.4.4には他の作物の説明もある。こうした作物の栽培手順も、穀物とだいたい同じである。

Step. 4.2.1 栽培準備
 まずはそれぞれの作物の収穫量を予測し、経費の計算を行う必要がある。Table.11-13に従い、入植地の気候やその他条
件によるそれぞれの作物の収穫倍率と単位面積あたりの予想収穫量を計算する。その後、カレンダーで必要な作業期間
や肥料、農薬の散布回数を確認し、機械の能力、作付け面積などから経費の計算を行う。特に指定がない限り、播種、肥
料や農薬の散布、収穫作業は15日以内に完了させなければならない。播種や肥料撒きが遅れれば、それだけ作物の成
長は悪くなるし、収穫が間に合わなければ作物としての価値がなくなってしまう。また、病気や害虫が発生した場合は、発生か
ら7日以内に対処しなければならない。下の農機具性能表を参考に、使っている機具と相談し、それぞれの作業が定められ
た期間(基本は15日)で完了してしまえる範囲で作付けを行うこと。たった一人、人力で100haにタネをまくのは勝手だが、種
まきの途中で収穫期になるだろう。また、機材の使用時間は経費に関係するので厳密に計算しなくてはならない。

農機具性能表 : 一日10時間労働として、一台が処理可能な面積
1日 7日 15日 反重力化 山岳
小トラクター/小 3 ha 21 ha 45 ha x2 x0.5
中トラクター/中 20 ha 140 ha 300 ha x2 x0.5
大トラクター/大 50 ha 350 ha 750 ha x2 x0.5
コンバイン 20 ha 140 ha 300 ha x2 x0.5
小型散布機 15 ha 105 ha 225 ha 変化なし x0.5
ブーム式散布機(中) 150 ha 1,050 ha 2,250 ha 変化なし x0.5
ブーム式散布機(大) 300 ha 2,100 ha 4,500 ha 変化なし x0.5
家畜 0.4ha 2.8ha 6ha 無理(笑) 変化なし
耕転機 0.4ha 2.8ha 6ha 無駄(笑) 変化なし
・トラクターの能力は、小トラクターなら小、中トラクターなら中など相当するプラウ、プランター、シードドリラーを曳くことが前提
・大きなトラクターで小さなアタッチメント(例えば大トラクターで小プラウを曳いた場合など)は、基本的に小さな方に従う(この場
合は小トラクター扱いとなる)が、効率はx1.5倍できる。
・減価償却、利息率は間接経費であり、実態を伴った支出ではない。

・人力表: 一日10時間労働
1日
運搬手段が機械化
収穫(穀物) 0.015 ha (筋力+耐久力)/1000 ha x3
収穫(穀物以外) 150kg 筋力 x 20kg x3
草むしり(無農薬) 0.15ha (筋力+耐久力)/100ha 二週間に一度が基本 関係ない(笑)
虫取り(無農薬) 0.015ha (敏捷力+耐久力)/1000ha
・この表は、無農薬での除草/防虫、人力でしか収穫できない種類の作物か、何らかの事情がある場合を考えており、機械や
家畜に一切頼らない、人力のみの耕作を考慮したものではない。
・もし人力のみで穀物を育てる場合、上の表の数値を使う必要はなく、単に0.15haが一人の労働者が維持できる限界と
考える。上の「収穫(穀物)」には、天日干し、手作業での脱穀、籾の選別などの収穫後の作業の手間は含んでいないし、本ル
ールは農学研究が目的ではないので、そういった作業に必要な時間を計算するはしないが、そうした要因も含めて、人力のみ
では1,500sqm/人とした。耕したり種まきが人力で、その他は機械化されているなどと言うひねくれ者は考慮していない。

Table. 12.1 小麦(のようなもの)予想収穫量表
収穫倍率 収穫量(t/ha) 左の数値は、「普通」の肥沃度でそれぞれの気候における最大の量をしめし
ている。収穫倍率とは、播種量に対する収穫量の倍率を示し、収穫量は1
ヘクタールあたりの収穫量を示している。例えば亜熱帯では収穫倍率x30、
収穫量3t/haであるから、最大限の収穫を得ようとすれば、収穫量3tの30
分の一の量=100kgのタネを1ヘクタールの畑にまく必要がある。
 収穫倍率と収穫量は以下の条件で修正される。特記が無い限り、修
正は全て累積する。修正が掛け算であることに注意。x0.5の修正二つ
はx1.0ではなくx0.25となる。
熱帯
x30
2.5
亜熱帯
x30
3
温帯
x30-50
3-7
冷帯
x30
5
寒帯
x10-30
2.5-5
修正 (収穫倍率/収穫量)
化学肥料と農薬無し(TL3以下に相当): x0.3 / x0.5
湿地: x0.5 / x0.25
不毛: x0.1 /x0.01
傾斜地で段々畑ではない x 1/ x0.5
反重力農業機械の使用: x1.0 / x1.1 (機械が進入する隙間をあけなくて良いから)
必要量の肥料を与えた場合
肥沃度普通以下x1.0/x1.0 
  肥沃x1.2/x1.2
  小太りx1.5/x1.5
  肥満x2.0 /x2.0

肥料や除草剤を必要量与えなかった場合:
化学肥料と農薬無し(TL3以下に相当)とみなし、さらに以下の修正を行う
痩せx0.75/x0.75
激やせx0.2/x0.2 
白骨なみx0.1/x0.1
普通 x1.0/x1.0
肥沃 x1.1/x1.1
小太り x0.9 / x0.9
肥満 x0.75 / x0.75

水源による修正
乾燥帯以外で水源なし: x1.0 / 湧水量(x1.0より大きくはならない)
            池のみ: x1.0/x0.5
            小川のみ: x1.0 / x0.8
乾燥帯で水源なし: x1.0 / 湧水量x0.5 (x1.0より大きくはならない)
         池のみ: x1.0 /0.25
         小川のみ: x1.0 / x0.4

参考データその1 小麦生産量 (FAOより 2008年度)
フランス 7.1t/ha x50.52 インド 2.8t/ha x28.06 ロシア 2.44t/ha x10.63 エジプト 6.5t/ha x36.12 USA 3.02t/ha x32.05
アフガニスタン 1.23t/ha x8.66 ブラジル 2.48t/ha x29.47 韓国 4.06t/ha x33.96 ノルウェー 4.94t/ha x33.58 チャド 1.8t/ha x36

参考データその2 一人あたりの年間穀物必要量
17世紀ヨーロッパの庶民の生活水準で 300 - 350リットル(伝統的に小麦系はリットル単位 製粉前のデータ かゆとして消費される量も含む)
同時期のオランダ 150リットル (生活レベルが庶民でも高く、乳製品や野菜がふんだんに食べられた この数字にはビールとして消費される大麦も含まれ
る)
20世紀地球 100kg程度
 ただし、上のデータには食肉として間接的に口に入る家畜の飼料用穀物は含まれていない。また、オランダと20世紀地球は副食でカロリーが得られるこ
とが前提なので、穀物だけで食いつなぐとすれば、やはり300-350リットル(300kg程度?)必要だと考えられる。 
Table.12.2 小麦(のようなもの)カレンダー
必要農機具: プラウか耕運機、シードドリラー、サブソイラー(水はけを良くするため使う)、コンバインの麦用アタッチメント
あったら良い機械: 散布機

10月中-下旬から11月上旬: 土作り(肥料)、タネの準備と消毒、 排水溝設置(圃場の周囲に溝をほり、圃場内にはサブソイラーをかけ(トラクターとサブソイラ)、畑を耕す(トラクターとプラウ)
11月上旬から12月上旬: 施肥(肥料 散布機)、種まき(トラクターとシードドリラー)、種まき直後に除草剤散布(除草剤、散布機)
12月中旬から2月: いわゆる麦踏み。月一回程度で計2回。やらなくても別に良い
2−3月: 施肥(肥料 散布機)、除草剤散布(除草剤 散布機)
3月中旬以降: 施肥(肥料 散布機)、必要があれば病気予防(農薬)
6月: 収穫(コンバイン)

作業量: トラクターの出番は3回、肥料、薬剤散布6回、
作業期間およそ8ヶ月。生育期間およそ6−7月。寒帯、冷帯における「春まき」の場合は、4月上-中に播種して、8月中-9月上に収穫する(作業スケジュールも圧縮されることに注意)。 

例) 呪われた土地
 さて、ここでマラク氏の入植候補地No.1を例に、小麦(のようなもの)の収穫予測を行ってみましょう。
 人口4人、移民のみ。分散型集落。移住者大歓迎。都市までの距離245km。丘陵地、不毛、川はあるが土地は白骨なみの痩せ具合で、交通
に関しては陸の孤島状態 熱帯に位置する。
 うーん、悲劇的な場所ですね。まず、「熱帯」では収穫倍率x30、収穫量2.5t/ha。これが基本です。修正は
「不毛」のx0.1/x0.01、「白骨並み」のx0.1/x0.1です。
 まず収穫倍率は x30 x 0.1 x 0.1 = x 0.3。おいおい、これって種10粒から3粒しか取れないんじゃ・・・
 収穫量は 2.5t/ha x 0.01 x 0.1= 0.0025t/ha 1ヘクタールあたり2.5kg。地獄ですね。
 と言うか、ここで農業をやるのが間違いです。


Table. 13.1 コメ(のようなもの)予想収穫量表
収穫倍率 収穫量(t/ha) 水を大量に必要とするのが特徴。乾燥は致命的。
熱帯
x50
4.0
亜熱帯
x45
3.0
温帯
x50 - 150
5 - 7.5
冷帯
x20
4.5
寒帯
不可
不可
修正 (収穫倍率/収穫量)
化学肥料と農薬無し(TL3以下に相当): x0.5 / x0.5
湿地: x1.0 / x1.1
不毛: x0.1 /x0.01
傾斜地で段々畑ではない 不可
反重力農業機械の使用: x1.0 / x1.1 (機械が進入する隙間をあけなくて良いから)
必要量の肥料を与えた場合
肥沃度普通以下x1.0/x1.0 
  肥沃x1.2/x1.2
  小太りx1.5/x1.5
  肥満x2.0 /x2.0

肥料や除草剤を必要量与えなかった場合:
化学肥料と農薬無し(TL3以下に相当)とみなし、さらに以下の修正を行う
痩せx0.75/x0.75
激やせx0.2/x0.2 
白骨なみx0.1/x0.1
普通 x1.0/x1.0
肥沃 x1.1/x1.1
小太り x0.9 / x0.9
肥満 x0.75 / x0.75

水源による修正
乾燥帯以外で水源なし: x1.0 / 湧水量x0.5 (x1.0より大きくはならない)
            池のみ: x1.0/x0.25
            小川のみ: x1.0 / x0.4
乾燥帯で水源なし: x1.0 / 湧水量x0.25 (x1.0より大きくはならない)
         池のみ: x1.0/x0.12
         小川のみ: x1.0 / x0.2

参考データその1 コメ生産量 (FAOより、2008年度)
フランス 5.4t/ha x44.6 インド 3.37t/ha x44.93 ロシア 4.6t/ha x18.46 エジプト 9.73t/ha x69.51 USA 7.67t/ha x56.58
アフガニスタン 2.157t/ha x20.55 ブラジル 4.23t/ha x54.61 タイ 2.97t/x45.34 韓国 7.39t/ha x149.44 チャド 1.53t/ha x30.63 日本 6.49t/ x234.65
 インドやタイの収量が意外に低いことに注目。また、エジプトの収量が小麦とともに異様に高いのは、日照が多いからか。日本の収穫倍率高すぎ。ただ、
日本の場合、播種量のデータの信頼性がやや疑問なので実際はもう少し低いかも。韓国と日本の収穫倍率の高さは、丁寧な育苗のせいかもしれない。

参考データその2 一人あたりの年間必要量
一石、と言われたとおり概ね180kg。現代的食生活では90-100kg程度。
「貧乏人は麦を食え」 某国の某首相の名言
Table.13.2 コメ(のようなもの)カレンダー
必要農機具: プラウか耕運機、シードドリラー(タネから始める場合)、プランター(苗から始める場合)、コンバインのコメ用アタッチメント
あったら良い機械: 散布機

1−2月: 圃場を整地して耕し、排水溝を設置(トラクターとプラウ 60日以内)、土作り(散布機と肥料 30日以内)
3月: タネの準備と消毒
3月下旬-4月下旬: 播種(トラクターとシードドリラー 30日以内)、施肥(散布機 播種と同時進行)
4月下旬: 除草剤散布(散布機)
5月中旬: この辺りで発芽するため、田に水を張る。
5月下旬: 除草剤散布(散布機) 苗から始める人は、ここで田植え(トラクターとプランター)
6月中旬: 一旦田から水を抜く「中干し」。やらなくても良い
7月: 必要があれば病害虫の防除(殺虫剤や薬) 施肥(散布機)
7−8月下旬: 水を切らさないこと 施肥(散布機)
9月初: 収穫前には水を抜いて、地面を完全に乾燥させる(5日程度かかる)。収穫(コンバイン 10日以内)

作業量: トラクターの出番は2回、肥料4回、除草剤散布2回、
作業期間およそ8ヶ月。生育期間およそ6−7月。熱帯、亜熱帯では4-5ヶ月で収穫可能で、収穫後に再度播種を行う「二期作」も可能。ただし、二期作目は一期目ほどの収穫量は得られない。苗からはじめる場合は、1−3月の作業は不要で、4月から圃場の整備を始めればよい。

例) コメの2期作
 コメの二期作は結構重労働です。まず、3月に播種(苗はあまり使わない)、7月には刈り取りが可能になる(この4カ月に、施肥4回と除草剤
散布2回を行わねばなりません。そして、刈り取りが終わると、間髪いれずに再度の種まき、そして11月半ばに二期目の収穫が行われます。

Table.14.1 トウモロコシ(のようなもの)予想収穫量表
収穫倍率 収穫量(t/ha) やや高温と乾燥を好む傾向。全般的に収穫倍率は高い。用途が広く、家畜
の飼料に使う「青刈り」、野菜として利用する「未熟果」、油脂作物としての利
用もある。なお、青刈りトウモロコシは、実だけではなく地上の茎もエサと
して使うので、単位面積あたり収穫量は2倍とみなす。
熱帯
x170
4.0
亜熱帯
x200
4.0
温帯
x100 - 300
5 - 9.5
冷帯
x140
4
寒帯
x100
4(青刈りのみ)
修正 (収穫倍率/収穫量)
化学肥料と農薬無し(TL3以下に相当): x0.3 / x0.5
湿地: x0.1 / x0.1
不毛: x0.1 /x0.01
傾斜地で段々畑ではない x1.0/x0.5
反重力農業機械の使用: x1.0 / x1.1 (機械が進入する隙間をあけなくて良いから)
必要量の肥料を与えた場合
肥沃度普通以下x1.0/x1.0 
  肥沃x1.2/x1.2
  小太りx1.5/x1.5
  肥満x2.0 /x2.0

肥料や除草剤を必要量与えなかった場合:
化学肥料と農薬無し(TL3以下に相当)とみなし、さらに以下の修正を行う
痩せx0.75/x0.75
激やせx0.2/x0.2 
白骨なみx0.1/x0.1
普通 x1.0/x1.0
肥沃 x1.1/x1.1
小太り x0.9 / x0.9
肥満 x0.75 / x0.75

水源による修正
乾燥帯以外で水源なし: x1.0 / 湧水量(x1.0より大きくはならない)
            池のみ: x1.0/x0.5
            小川のみ: x1.0 / x0.8
乾燥帯で水源なし: x1.0 / 湧水量x0.5 (x1.0より大きくはならない)
         池のみ: x1.0/x0.25
         小川のみ: x1.0 / x0.4
参考データその1 トウモロコシ生産量 (FAOより、2008年度)
フランス 9.3t/ha x170.01 インド 2.32t/ha x20.32 ロシア 3.86t/ha x148.50 エジプト 7.98t/ha x186.96 USA 9.66t/ha x519.37
アフガニスタン 2.04t/ha x58.39 ブラジル 4.09t/ha x168.49 タイ 3.93t/x190.38 韓国 5.05t/ha x101.122 チャド 0.96t/ha x32.05
 アメリカの収穫倍率高すぎ!! 
Table.14.2 トウモロコシ(のようなもの)カレンダー
必要農機具: プラウか耕運機、シードドリラー(タネから始める場合)、プランター(マルチングが必要な地区のみ)、コンバインのトウモロコシ用アタッチメント、
あったら良い機械: 散布機、サブソイラー(水はけが悪いと言う設定があれば)、カルティベーター

3月中-下旬: 種子の準備と消毒 土作り 排水溝を掘って耕す(トラクターとプラウ)、施肥(散布機 耕すのと同時進行
4月上-中旬: 播種(トラクターとシードドリラー、もしくはプランター )、2週間程度で発芽する
5月:施肥(散布機)、除草剤散布 (散布機)
6月:施肥(散布機)、中耕(トラクターとカルティベーター)
6月下−7月上旬:青刈りトウモロコシ(飼料用)はこの辺で収穫 (コンバイン) 殺虫剤散布(散布機 7日以内)
8月中-下旬: この辺で収穫すれば、焼きトウモロコシやゆでトウモロコシに使う未熟果(コンバイン)
9月中-下旬: 収穫 (コンバイン)

作業量: トラクターの出番は3回、肥料3回、薬剤散布2回、
作業期間およそ7ヶ月。生育期間およそ5−6ケ月。青刈りなら5月の播種で9月収穫も可能とする。

Step. 4.2.2 経費の計算
・種子
 必要な種子の量は、欲しい収穫高と収穫倍率から計算する。例えば小麦の場合、亜熱帯(x30, 3t/ha)で最大の収穫を得よう
とした場合、3000kg/30=100kgで、1haあたり100kgの種子が必要となる。寒帯(x10, 2.5t/ha)の条件では、2500kg/10=250kgで、
1haあたり250kgの種子が必要となる。
小麦の種子: 100kgあたり25Cr。
コメの種子: 100kgあたり30Cr 苗は種100kg換算で40Cr。
トウモロコシの種子:100kgあたり100Cr。

交通が「普通」以下で田舎度が100kmを超える場合は、それぞれの費用は(1+田舎度/1000)倍になる。鉄道がある場合
は、(1+田舎度/2000)倍。交通が「便利」では、田舎度を半分として計算する。

 購入した種子は全て消毒済みである。サイロがあって貯蔵できるなら、収穫した種子を使っても良いが、品質がかなりばら
つくうえに、消毒の手間がかかる(100kgあたり5Crの費用に加えて、人力で処理しなければならない)。また、収穫した翌年度
は使えない(何故かは判りませんが、参考資料にはそう書いてありました)
・予想価格
小麦:  150Cr/ 重量t
コメ: 210Cr/重量t
トウモロコシ: 120Cr/重量t
貿易上の分類による修正: 農業 -20%
               富裕 +20%
               貧困 -20%
               非水 +20%
               非工 +20%
その他修正:
平均耕地面積が25ha以下: x3
  -50ha以下: x2
  -75ha以下: x1.5
  -100ha未満: x1.25
その世界の平均月収が2000Cr未満/月である: x 設定した平均月給/2000Cr
この価格は、あくまで収支の予想に使う平均的な価格であり、実際の価格とは関係ない。
・肥料と農薬
農薬: 除草剤、殺虫剤、病気の薬の三種類があるが、ルール上は同一のものとして扱う。効果と毒性の兼ね合いにより、(15Cr/ha)、中(10Cr/ha)、下(5Cr/ha)の三種類がある。カッコ内の費用は散布一回あたりのもの。

高級除草剤: 散布一回あたり300Cr/ha。肥沃度が「小太り」以上の土地で使う、強力なわりには低毒性(中なみ)の除草剤。この除草剤を使えば、雑草の繁茂の激しい土地でも、散布回数は「普通」以下と同じで良い。ただ、「普通」以下の肥沃度の土地に使った場合は、高くつくだけで効果は普通の「中」除草剤と同じ(従って、散布の回数は変わらない)。

非選択的除草剤: 商品名「ボールドアップ」。散布一回あたり10Cr/haで毒性は「中」。強烈な効果のため、一度散布すれば一年間は無視できる程度の雑草しか生えず、どんな土地であっても、カレンダーの除草剤散布は全て無視できる。しかし、非選択性のため、木本も含めてどのような作物でも枯らしてしまうので、除草剤耐性を持つ種子(後述)と組み合わせなければならない。

肥料: 実際は多くの種類があるが、端的に言って、窒素、燐、カリウムに集約されるため、ルール上は統一して扱う。これも上(15Cr/ha)、中(10Cr/ha)、下(5Cr/ha)の三種類がある。価格は一回あたりの施肥量を示している。生育期間を通じての費用ではないことに注意。化学肥料1tあたりの価格は概ね200Cr程度(「下」の場合)。例えば小麦(のようなもの)の場合、施肥は4回行い、化学肥料で概ね100 - 150kg /ha となる。従って、生育期間全体を通じては1haあたり「下」で20Cr度。

有機肥料: 枯れた植物、油粕、動物の糞などを醗酵させて出来るもの。化学肥料と違って土壌を荒らしにくいが、基本的に臭く、害虫が発生しやすい。値段は化学肥料の1/10だが、同じ効果を得るためには重量にして10倍が必要なため、価格的には変わらないばかりか、散布にかかる時間が10倍になるので却って負担が増す。なお、人糞の使用はあまり効果的ではない。リサイクル精神として、お代官様が女の子の帯を引っ張ってくるくるやっていた時代のジャパンが引き合いに出されることもあるが、実態は人間が担げる量の排泄物より人件費の方が安かっただけであり、現代社会で真似をしても良いことは無い。

輸送代金: 農薬、肥料等は当然、工場や倉庫から入植地まで運ばねばならない。自力で運ぶのならその輸送手段にかかる費用だけでよいが、そうでない場合は、交通が「普通」以下で田舎度が100kmを超えると、それぞれの費用は(1+田舎度/1000)倍になる。鉄道がある場合は、(1+田舎度/2000)倍。交通が「便利」では、田舎度を半分として計算する。
 必要な肥料は、土地の肥沃度によって変化する。「普通」の肥沃度を基準として、他の肥沃度では、必要量は以下のよう
になる。
 痩せ x1.25 (例えば小麦の場合なら5回)
 激やせ x 5 (20回)
 白骨なみ x10 (40回)
 一度に大量にまくのは有害であり、一回の散布量は、「普通」肥沃度の3倍までが限界。つまり、小麦(のようなもの)を
「白骨並み」の土地で栽培するには、少なくとも14回もの施肥を行う必要がある。ほとんど毎日が肥料撒きである。 
 また、肥沃度が「小太り」「肥満」になると、雑草の繁茂が極めて激しく、除草剤を頻繁に使用しなくてはならない。「小太り」で
は「普通」の5倍、「肥満」では普通の10倍の除草剤が必要になり、人力による除草の手間も同じだけ増える。もちろん、
そのような多量の除草剤使用は作物にも有害である。よって、高級除草剤(効果的だが毒性が低い)を使用するか、「ボー
ルドアップ」で全滅させるか、草むしりにいそしむ(小太り=0.03ha/人日、肥満=0.015/人日)しかない。除草の手間を惜し
んだ場合、収穫量は1/5 - 1/10と激減する。実はここまで来ると作物の栽培には向かず、放牧地としての使用の方に適してい
る。なお、例え白骨並みであったとしても、雑草はしっかり生えてくる。これを雑草魂と呼ぶ。

・機材/人件費/その他経費 
トラクター、コンバイン、散布機、耕運機等、動力を内蔵するもの(※):

燃料代: 稼働100時間あたり新品価格の1.25% (炭化水素基準) 実態を伴う支出であり、中古品でも変わらないブーム式散布機は1.5倍
修理、整備費用: 稼働100時間あたり新品価格の0.05% 実体を伴う支出であり、中古品でも変わらない。ブーム式散布機は1.5倍
(※ これらの計算は、イリノイ大学 Machinery Cost Estimate: Tractors 2005をもとにしている)

修正:
 反重力機械: 燃料が水素になる。燃料代は1/6(新品価格の0.2%)
 寿命による修正: 動力内蔵の器材は、実際には年間300時間稼働としてTLx2年の寿命を持つ。
               残り寿命50%未満: 修理、整備費x2、燃料代x1.1
  25%未満: 修理、整備費x4、燃料代x1.4
  10%未満: 修理、整備費x10、燃料代 x2     
農機具性能表再び(笑)
1日 7日 15日 反重力化 山岳 燃料と整備費/
使用100時間
減価償却(選択)
/使用100時間
利息率(選択)
/使用100時間
小トラクター/小 3 ha 21 ha 45 ha x2 x0.5 130 / 100Cr 200 / 800Cr 170/680Cr
中トラクター/中 20 ha 140 ha 300 ha x2 x0.5 1,300 / 1,000Cr 2,000 / 8,000Cr 1,700/6,800Cr
大トラクター/大 50 ha 350 ha 750 ha x2 x0.5 3,250 / 2,500Cr 5,000 / 20,000Cr 4,250/17,000Cr
コンバイン 20 ha 140 ha 300 ha x2 x0.5 2,600 / 2,000Cr 4,000 / 16,000Cr 3,400/13,600Cr
小型散布機 15 ha 105 ha 225 ha 変化なし x0.5 97.5/ 74Cr 100 / 400 Cr 85/360Cr
ブーム式散布機(中) 150 ha 1,050 ha 2,250 ha 変化なし x0.5 1,950 / 1,500Cr 2,000 / 8,000Cr 1,700/6,800Cr
ブーム式散布機(大) 300 ha 2,100 ha 4,500 ha 変化なし x0.5 3,900 / 3,000Cr 4,000 / 16,000 Cr 3,400/13,600Cr
家畜 0.4ha 2.8ha 6ha 無理(笑) 変化なし - - -
耕転機 0.4ha 2.8ha 6ha 無駄(笑) 変化なし 13Cr 20Cr 17Cr
・トラクターの能力は、小トラクターなら小、中トラクターなら中など相当するプラウ、プランター、シードドリラーを曳くことが前提
・大きなトラクターで小さなアタッチメント(例えば大トラクターで小プラウを曳いた場合など)は、基本的に小さな方に従う(この場合は小トラクター扱いとなる)が、効率はx1.5倍できる。
・減価償却と利息率は間接経費で、実態を伴うものではない。特に利息率は、実際のローン支払いと全く関係が無いので注意すること
・経費については、在来型 / 反重力型で表記されている

プラウ、シードドリラー、プランター、コンバインのアタッチメントなど動力を内蔵しない器材: ローン購入の利子(年5%)に加えて一年間につき新品価格の0.1%(こちらの費用は小額なのでまったく無視しても良い)。なお、これらの器具には基本的に寿命は無いが、新しいトラクターやコンバインとの互換性が無いこともある(2D6で8+)。

家畜: エサ代が毎年1D6 x 200Cr。 草食性で草が周囲に豊富にあるなら、1D6 x 50Crで良い。エサをやらないのもよいが、そうなれば家畜は脱走し、畑の作物を食ってから逃亡する。

人間: 人を雇う場合、時給10 -15Crで一日10時間契約とする。常雇いの場合は2000Cr/月以上の給料が必要。

生活費: 農場主一家の生活費は、基本的に社会身分度 x 250Crに準じる。しかし、これは恐らく衣食住の三要素を含む数字と思われる。だから、「住」に含まれる固定資産税や住宅の維持費は既に前章で計算しているため、結果は2/3にしても良いだろう。また、「衣」に関しても、都会人ほど服装が重視されないため(偏見?)、その比率は半分程度と考えるべきだろう。よって、なんだかんだで社会身分度 x 125Crを毎月の生活費としても良い。なお、経費として認められる生活費は、年間で一人当たり社会身分度x125Crx12までで、それを超す生活費は経費とはみなされず、税金の計算の時に経費として計上することはできない(やれば脱税であり、即座に財産没収のうえに国籍はく奪である)。

ロボット: 定期整備費用として、毎年新品価格の1%。加えて稼動1000時間あたり新品価格の0.5%の費用がかかる。もちろん、ローンがあればその支払いは当然必要。なお、ロボットの利点は人間と違って不眠不休で働き続けることが出来る点だが、よほどの繁忙期を除き、どう考えても不眠不休で働く必要はない(タネ撒きが終わった後の夜の畑で、いったい何をしようというのでしょうか?)。繁忙期で休まず働くことを考えても、年間の稼働時間は4000時間程度だろう。なお、「産業が貧困」の世界で、人間の代わりにロボットを導入することは重大な背信行為となり、財産没収と国外追放もありえる。確かにロボットは人件費より安いかも知れないが、ロボットに購買力は無く、消費は失業者の数に反比例することに注意。

固定資産税:農地の固定資産税は必要経費として扱われる。その一方、宅地の固定資産税および家の維持費については、贅沢な土地家屋は必要経費ではない。延べ床面積150m2以下の家屋の維持費と、面積100m2以下の宅地の固定資産税までなら、税務署は必要経費としてみなしてくれる。住宅ローンはレフリーの裁量。

所得税と法人税: 収入から必要経費を除いた年間の利益と所得税率の関係は
9,000Cr以下 免除
〜 20,000Cr以下 5%
〜 30,000Cr以下 10%
〜 45,000Cr以下 15%
〜 60,000Cr以下 20%
〜 100,000Cr以下 25%
〜 200,000Cr以下 30%
200,000Cr超 40%
となる。なお、上述のように、度を越した「生活費」は経費と看做されない。
 必要経費とは基本的に、農場運営に関係する機材、建物、資材の購入費や、機械の燃料費、整備費などである。

 家族以外の人間もしくは知的生命体を雇用している場合、その農家は事業主として認められ、生活費も「事業主が自分に払う給料(笑)」として、経費と認められる(2D6で11+ 扶養家族の人数が+DM)。この場合、税金は法人税となり、一律に純利益(収入-経費)の25%。「自分に払う給料」は実際には所得税の対象となるが、これは上記の通り無視してよい。ただし、経費として認められる生活費は一か月あたり一人社会身分度x250Cr まで。なお、地主と「小作農」の関係は事業とはみなされず、所得税の対象である。また、給料に関しては平均的に月2000Cr/人を支払っていること。この平均賃金はレフリーの裁量で減らしても良いが、その場合は生産価格にペナルティがある。

・ロボット税: 「労働力不足」および「産業が貧困」の世界の一部で採用されている(2D6で6+)、ロボット一台につき、年間、労働者一人あたりの平均年収(24,000 - 36,000Cr)を取り立てられる。これが失業者の救済や生活保護に回されるのだが、これで勤労意欲が無くなったのが「労働力不足」の世界である。
・特殊な経費
10haあたりの一作ごとの灌漑費用(※):
 地表灌漑: 小麦、トウモロコシでは装置一式の費用の0.2%、コメの場合は0.4%
 スプリンクラー、センターピボット: 小麦、トウモロコシでは装置一式の費用の0.35%、コメの場合は0.7%
 点滴灌漑: コメには使用不可。それ以外はスプリンクラーと同じ。
(※ 点滴灌漑以外の計算は、アーカンソー大学農学部の研究を基にしている)
なお、この費用はあくまで灌漑設備一式の価格から計算するものである。一式では50haにしか灌水できなので、例えば100haの耕地には一式25,000Crの設備2つが必用だが、この100haの灌漑費用は、一式の価格25,000Cr の0.2% x 50ha(=1%)が2つ(=25,000Cr x 1% x 2 = 500Cr)であり、灌漑設備の合計価格50,000Crの1% x 2 = 1,000Crではないことに注意する。
 
水の利用料:乾燥帯、および水源なしの地域で請求される
コメ: 1haあたり 100 + 1D6x 10Cr。
小麦とトウモロコシ: 1haあたり 30 + 1D6 x 2Cr

トウモロコシ: 発芽には高温が必要なため、寒帯、冷帯、冷涼な一部の温帯(2D6で9+)では発芽にマルチングが必要。マルチング材には、ビニールシートのように全体を覆うものと、パルプ状の小さな断片を降りかけるタイプのものがあるが、基本的には同一。費用は1haあたり100Cr(シートを曳かない面積に関しても考慮済みの数字)。TL6以下のマルチング材は自然分解されないため、除去作業が必要(これはかなりしんどい作業だが、詳細はレフリーが決めること)。
・その他利用可能なサービス
農薬/肥料散布サービス: 注文してから実際の散布まで1D3日かかる。飛行機や大型反重力車による空中散布。実際の作
業は散布する面積にかかわらず1日で終わる。といっても、散布する薬剤/肥料の費用は3倍として計算。田舎度が1000km
を超えている場合、さらに費用の田舎度/1000(端数切捨て)倍が加算される(例えば、2000kmであれば、3 + 2000km/1000 
= 5で5倍となる)。なお、人口コード5以下で「農業」ではない世界には、農薬散布サービス会社が存在しない可能性がある(レフ
リーが判断すること)。また、少なくとも飛行船が作れるTLも必要。

農業機械リース
 機械をリースで借りることは、柔軟性に欠ける反面、初期投資を大幅に抑制できる。ただし、TL4以下の世界にはリース会社
は無い。人口コード5以下の世界にも無い可能性がある。表の価格は10時間あたりの金額であり、10時間未満の使用でも
10時間として扱う(12時間の使用でも20時間の料金が必要)。また、必ずしも必用な時に機械が空いているとは限らない(詳細
はレフリーが決定)。
小トラクター サービスは無い   
中トラクター 750Cr  
大トラクター 1500Cr
コンバイン アタッチメントこみで 1500Cr
ブーム式散布機 中800Cr 大1600Cr 薬剤は自費。
プラウ、シードドリラー、プランター 小 200Cr 中 300Cr 大 400Cr
カルティベーター 中 300Cr 大 400Cr
サブソイラー 200Cr
輸送代金(往復、器材一つあたり) 田舎度20km以内: 120cr
  20 - 50km以内: 180Cr
  50 - 100km以内: 240Cr
  100 - 500km以内: 300Cr
  500km以遠: 400Cr
  交通が「隠れ里」: +50Cr
  鉄道がある: 料金 x 0.75
反重力型を借りる際には、輸送代金以外はx4


例) ダニエルとアゼリアのマラク夫妻、小麦栽培を計画する。
 村長と村の人々の口車に乗って早々に結婚式と入籍を済ませた二人(要するに、入植地の人々はどんちゃんやる口実が欲しかった)は、農民生活をスター
トさせました。
 ここで整理しておきましょう。マラク家の農地面積は80ha。入植地は、
  人口62 移民のみ 普通の雰囲気 都市まで541km 渓谷で林、小川がある。普通の肥沃度。公共交通機関は廃止寸前 鉄道無し 温帯 
 と言う環境です。
 Table.10の「温帯」を見てみましょう。収穫倍率はx30 - 50、1haあたりの収穫量は3-7tです。修正条件はありません。また、水量の合計も1.6あり、修正す
る必要はありません。ここは普通、7tの収穫を目指すところでしょう。その結果、80haの予想収穫量は560t。7tの収穫を得るための収穫倍率はx50で、560
/50=11.2tの種子が必要です。よって種子の代金は
11200kg / 100kg x 25 = 2,800Crです。ただ、田舎度500km超ゆえに1.5倍され、2800x1.5= 4,200Cr

 そして、肥料は80haに4回分、除草剤は2回の散布が必要です。よって、
「上」を使う場合、15Cr/ha x 80ha x (4+2回)=7,200Cr。「中」ならば4,800Cr、「下」なら2,400Crです。
 そして田舎度541kmにより、輸送費がかさみ、薬剤と肥料の値段は1.5倍になります。従って、「上」10,800Cr、「中」7,200Cr、「下」3,600Cr
す。また、病気と害虫に備え、薬と殺虫剤それぞれ一回分くらいの予算は見込んでおいたほうが良いでしょうが、今回は計算しません。
 次に機械のランニングコストの計算です。マラク家には、小トラクター二台、大ブーム式散布機、小プラウx2、小シードドリラーx2、サブソイラx2、小
プランターx2があります。このうち、小麦栽培にはプランターは不要です。
 さて、カレンダーを確認しましょう。まず耕地にサブソイラーをかけ、次に耕さねばなりません。小トラクターでサブソイラーと小プラウを使う能力は3000sqm
(0.3ha)/hrで、これが2台ですから、0.6ha/hr。
 トラクターは、サブソイラーと耕起、そして種まきのため、計3回出動します。よってトラクターの稼働時間は、80ha/0.6=133.34時間が3回、400時間
です。作業はいずれも15日以内に行わねばなりませんが、農機具性能表を見れば判るとおり、小トラクターの15日の処理能力は一台45haですか
ら、ちょっとキツいですが制限時間である15日以内に80ha全体の処理は終わります。
 小トラクターの新品価格は10,000Cr。100時間あたりの燃料代と整備は価格の1.3%です(マラク家の場合、トラクターは援助でせしめたので他の
要素を考慮する必要がありません)。
 よって、サブソイラーと耕起における機械の費用は、トラクターの10,000Cr x 1.3% x 400時間/100時間= 520Cr。ややオーバーワーク気味です。
 そして使用したそれぞれのアタッチメントの価格の0.1%=50Cr

次に、農薬と化学肥料の散布です。ブーム式散布機(大)の処理能力は30ha/hrです。80haの農地に一回出動した場合、
 80ha/30=2.67時間。前記の通り6回出動しますから、合計で2.67x6=16.02時間。
 散布機の新品価格は200,000Crです。これも援助された機械なので、他の要素は考慮する必要は無く、燃料代と維持費が100時間あたり1.3%で、ブ
ーム式散布機の修正x1.5。
 よって、200,000Cr x 1.3% x 16.02時間/100時間 x1.5 = 624.78Cr。

次に灌漑費用ですが、マレク家は地表灌漑設備です。設備の新品価格は前記の通り32,000Crが二つ。小麦作の場合、10haあたり灌漑費用
は0.2%で、作付け80haにより、0.2x8=1.6% よって1.6% x 32,000=512Crとなります。

 さて、無事に収穫と相成った場合、人力で80haを刈り取るのは問題外。よって、コンバインの出番となります。入植地にコンバインを持っている人はいない
として、リースで借りることにしましょう。
 コンバインの処理能力は20,000sqm(2ha)/hr。80haを収穫するには40時間かかります。
  リース代は10時間1500Crなので6000Cr。輸送代金は400Crです。
 
 さて、ここまでの集計です。
種子代金 4,200 Cr
肥料と農薬(中とする) 4,800 Cr
機械のランニングコスト 520 + 50 + 624.78 Cr
灌漑費用 512 Cr
コンバインのリース代 6,400 Cr
合計
17,106.87 Cr

 さて、肝心の小麦価格ですが、基本の生産者価格は150Cr/tで、そこに農業世界による修正-20%、富裕世界による修正+20%で差し引きゼロ。よって1tあ
たり150Cr/tです(余談ながら、1Cr=1ドルとした場合、バイオエタノール騒動で値上がりする前のアメリカの平均的な値段は120Cr/tです)。平均耕地面
積による修正はありません。

収穫量が予想通りとした場合、
 80ha x 7t x 150Cr = 84,000Cr。差し引き65357.22Crの利益です。
 ここからさらに、住宅の維持費や固定資産税など計9,675.4Crが差し引かれます。そして、二人は社会身分度7の生活を送りますから、7 x
125Cr x 2人 x 12ヶ月= 21000Cr。
 最終的には35,000Cr程度が手元に残ることになります。儲かっていないように見えますが、実は、マラク家の農地面積はまだ狭すぎるのです。また、ブ
ーム式散布機ははっきり言ってオーバースペックです(もっとも、村の他の畑に出ずっぱりになるでしょうが)。それにジャパンの農家などは、全収入が年
間10000Crと言うこともあるので、それと比べればわりと順調でしょう。また、税金の計算ですが、所得税の場合、生活費21,000Crは経費とは看做
されないため、課税対象額はおよそ56,000Crとなります。一方、法人税とした場合は純利益35,000Cr程度が課税対象額です。どちらの納税を選
ぶかは自由です。


Step. 4.2.2 実際の栽培

 実際に種まきを終えてから、まずTable15-17で作柄と病害の発生を確認する。種まきの前に「凶作」で害虫発生が出たので
今年は小麦はやめよう、は許されない。

Table.15 作柄
2D6 作柄 TLによる修正:
TL10以上: +1 天候操作により少なくとも大凶作にはならない
TL13以上: ±1の範囲で調節可能 破滅的豊作になることもない。

作物毎の修正
コメ:水界度3以下の世界は-4
トウモロコシ: 常にDM+1 (大凶作にはならないが、破滅的豊作になりやすい)
  水界度3以下の世界は+1

対立
 水を多く必要とするコメ農家と、乾燥を好むトウモロコシ農家とでは天候操作で利害が対立
する可能性がある。




2- 大凶作
3 凶作
4 不作
5 普通
6 普通
7 普通
8 普通
9 豊作
10 豊作
11 大豊作
12+ 破滅的豊作
 
Table.16 病害表
 カレンダーに記されている殺虫剤や薬の散布以外に、さらに病害が発生したかどうかを判定する。例えばトウモロコシ栽培で
は7月に殺虫剤散布が行われるが、この表の病害の発生は、7月の毎年の害虫発生に加えて、さらに害虫が湧いたかどうか
を判定するものである。なお、ナノロボット農薬を使えるお金持ちや遺伝子改変作物(後述)はこの項目を無視して良い。
病害:
病気の発生 1D6-3 回
害虫の発生 1D6-3 回

修正
作柄が「大凶作」: +6
  「凶作」: +3
  「不作」: +1
  「豊作」: -1
  「大豊作」以上: -2
有機肥料の使用: 害虫に+1

作物毎の修正
 コメ: 病気に+1
  トウモロコシ: 害虫に+1



病害の発見:
実際に病気や害虫が発生した場合に発見できたか判定を行う。
メガトラでは
難(2D6で11+)、<農耕><牧畜>か<生物学>、知力 技能なし


DM:
入植地が一軒家ではない: +4
一家で農作業に従事する人数: 人数-1
頼れる先輩がいる: +4 (ただし、いつまでも付き合ってはくれな
い)

 成功した場合、7日以内に適切な農薬を、全作付け面積に散
布すれば問題ない。失敗した場合、目標値と出目の差の分だけ
発見が遅れる。病害は発生から7日以内に対処しなければなら
ないため、農薬を散布する時間は残り日数分しかない。差が7以
上であれば、作物が全滅してから気がつく。入植地が一軒家で
なければ、近所の人が気がついてくれる可能性がある。農家に
とっては死活問題であるため、「冷淡」以下の雰囲気であって
も、周りの圃場で農薬散布が始まることで、嫌でも何があったか
悟ることが出来る。

Table. 17 作業の実際
基本: 2D6で7+で成功。

修正
無農薬栽培: 成功に必要な目は11+になる
農耕技能: メガトラの「牧畜」技能のレベルをそのまま流用してもよい。一家の中で一番高いレベルを適用。持っていないからと言って特にマイナスは無い。
生物学技能: レベルの半分(端数切捨て)
化学肥料/農薬の使用(小数点下四捨五入): 化学肥料や農薬は収穫量を劇的に上げる反面、土壌への悪影響もある
  上: 一回ごとに-0.05
  中: 一回ごとに-0.1
          下: 一回ごとに-0.25
害虫の発生に殺虫剤を使わない: 一回ごとに-15
病気の発生に薬を使わない: 一回ごとに-15
除草剤の大量使用: カレンダーで定められた回数を越えるごとに-1。小太り以上の土地で普通の除草剤を大量使用した場合にのみ適用。
自家製の種子: 7-2D6 決してプラス修正にはならない
作柄が大凶作: -75
  凶作:-25
  不作:-5
  豊作: +5
  大豊作: +10
  破滅的豊作: +25
作業スケジュールが遅れた: 期間内に完了できなかった作業一つにつき-20
作物ごとの修正
 コメの二期作の二回目(※): 上の修正に加えてさらに-25
トウモロコシの未熟果:-10
トウモロコシで中耕しなかった:-1

※: この-25(=概ね-50%)の収穫減は、「書割の裏側」では日本、インドなどで見られる一期目と二期目の最大の格差である。一方、熱帯、亜熱帯地域での一期目と二期目の差は-20%程度であるが、もともとの収穫量が高くなく、かつ機械化されていないことが多いため、単純に比較はできない。いろいろ考えた結果、敢えて収穫量そのものを修正することは無く、農耕技能や作柄で挽回可能なこの場所にマイナス修正を適用することにした。
 成功した場合、(出目 + DM合計 -7) x 1%分だけ、単位面積当たりの収穫量が上昇する。失敗した場合は、(出目 +
DM合計 -7) x 2%分、単位面積当たりの収穫量が減少する。当たり前だが、マイナス修正が100を越えれば作物は全滅して
いる。

Table.18 生産者価格の決定
 これらは製粉や精米をしない状態での価格。製粉しても良いが、特に小麦やトウモロコシの場合、大口顧客である食品会社
は製法との兼ね合いや独自のこだわりがあったりするのであまり歓迎されない。
小麦:  150 + (2D6 -7)x5 Cr/ 重量t
コメ: 210 + (2D6 - 7)x5 Cr/重量t
トウモロコシ: 120 + (2D6 - 7)x 2Cr /重量t
トウモロコシ未熟果: 60 + (2D6 -7) x 2Cr/重量t
青刈りトウモロコシ: 150 + (2D6-7) x 10 Cr/重量t (実は人間用よりも平均的に高いが値段の幅が大きい)

2D6への修正:
作柄が大凶作: +100 収入が増えたところで買う食べ物が無い場合もあるので売らない方がよい
     凶作: +25
  不作: +10
  大豊作: -2
  破滅的豊作:-20 実は農場の倒産原因で一番多い
田舎度が200km超: -1
      500km超: -2 輸送費の負担が大きくなるのでその分買取価格が下がる
            1000km超: -4
交通が隠れ里: -2
交通が普通: +1
交通が便利: +2

全体の修正:(2D6とその修正を適用して後でさらに適用する。平均耕地面積が狭い世界では破滅的豊作による悪影響が小さくなる)
貿易上の分類による修正: 農業 -20%
               富裕 +20%
               貧困 -20%
               非水 +20%
               非工 +20%
その他修正:
世界の平均耕地面積が25ha以下: x3
               50ha以下: x 2
       -75ha以下: x1.5
       -100ha未満: x1.25
その世界の平均月収が2000Cr未満/月である: x 設定した平均月給/2000Cr
  これは最低賃金が低い場合、その世界の購買力も低いことを再現している。2000Cr以上なら修正はない。
 最終的に得られる価格は、国内向けの生産者価格(農家が産物を中間業者に売却する価格)であり、需給バランスの取れ
た状態での市場価格でもあるので、世界の消費人口によっては、必ずしもその値段で全部が売れるわけではない。
出競争力を持つには、修正を適用する前の価格の±50%の範囲内でなくてはならない。また、この価格はあくまで市場価
格であり、これより安く売ることは可能。もしサイロがあるなら、毎月価格を調べて、気に入った値段になるまで収穫を貯蔵し
ておいても良い。なお、当たり前のことだが、その世界に農家が一軒しかない場合を除き、農作業の失敗で凶作並みの収穫
しか得られなかったとしても、価格修正は作柄表の結果に従わねばならない。

Table.19 国内市場規模(人口コード5以下の世界のみ)
 食料と言うものは、たくさんあって困るものでは決して無いが、さりとて消費できる量には限界がある。ことに低人口の世界で
は、20ha程度の耕地から収穫される穀物でも、あっさりと全人口の消費量を超えてしまうだろう。余った分は備蓄に回すことに
なるかもしれないが、それにも限界はある。輸出に回すしかないが、平均経営規模が小さい世界では、価格的に不利を強いら
れ、国内向け価格に対してかなりの安い値段での取引を強いられる。ただ、大きな宇宙港や軍事基地があれば、一時滞在者
や宇宙港職員、駐留軍等による消費が期待できる。

市場規模表 (この表は極めて大雑把な計算であり、実際はまだこれでも多すぎだと思われる)
・国内向けに売却できる最大量(消費できる限界なので、安くしたって国内ではこれ以上の量は売れない状態)
食料(穀物は勿論、後述の果物、芋、豆など): 人口コード x 10ha分の収穫 
  修正: Aタイプ宇宙港がある +10ha分
     Bタイプ宇宙港がある +5ha分
    恒星間国家の軍事基地がある +15ha分
    偵察局基地 +5ha
 もし二期作などを同一作物を同じ年内に複数回栽培しているなら、得られた面積は回数で割らなければならない(米の二期作ならば、人口コードx5ha分が基本となる)

工業原料(綿など): 人口コード-4 x 10ha分の収穫

嗜好品(タバコ、ワイン用ブドウ、お茶やコーヒーなど無くても死なないもの): 人口コード x 5ha分の収穫
  修正: Aタイプ宇宙港がある +12ha分
     Bタイプ宇宙港がある +7ha分
    恒星間国家の軍事基地がある +20ha分 
    偵察局基地 +10ha
         田舎暮らしは退屈なのか、長期滞在外世界人の嗜好品消費は増える(笑)
 人口コード6以上の世界からは、国内市場規模は気にしなくて良い。それなりの人口もあるし、余剰穀物を工業利用できるだ
けの工業(くどっ!)もあるからである。また、国内向けにも勿論、安く売っても良い。この場合、標準価格で商売している他の農
家の収穫が売れなくなることを意味する。地元民ならともかく、移民一世がこれをやると、生命の危険も覚悟しなければならな
い反発を受けるし、価格競争で倒産する農家が出たりすれば、却って食料生産の低下を引き起こす(そうなった場合は、問答
無用で財産没収の上で国外追放だろう)。

・輸出
 CT、メガトラ、マングース版などを総合して検討した結果、トラベラー世界における穀物の輸入価格は基本的に300Cr/t(※1)
と思われる。これが農産物輸出で最強の「農業」世界なら、貿易ルールの修正(4000Crに対して-1000Cr)の比率から、225Cr/t
となるだろう(※2)。つまり、自分で宇宙船を持っているお金持ちは除き、この程度の価格で無いと、農業世界以外の農産物
は、輸出商品として投機貿易の対象としては魅力が無いことになる。
 この225Cr/tと言う値段は、本ルールにおける穀物の基本生産者価格のおおよそ1.5倍である。よって、中間業者が宇宙港で
農産物を売却する価格は、修正前の生産者価格x1.5とする。逆に言えば、輸出するためには、穀物やその他産物の価格
を、表に示されている修正前の基本価格程度に抑えねばならないことになる。また国内市場向けでは無いからと言って、最
低賃金が2000C未満/月による価格の修正を回避することはできない。そういう世界に対して外世界の商人が期待す
るのは価格の安さしかないし、安値労働が罷り通る世界では、人件費が高い世界に品質で勝つことは無い(少なくと
も、イメージ的には)。
 宇宙船乗りの知り合いがいるなど、貿易船に直接売り込めるコネがあれば、生産者が1.5倍の値段で売ることが出来る。

(※1) CTでは1排水素トン=13.5klが300Crとなっているが、どう考えても重量1t=1klあたり300Crである。
(※2) TLによる価格の変化は双方向に向かうと考えられるので、無視する。TLによって品質が上がり値段も上がるか知れないが、省力化で逆に下がるか
も知れない。また、宇宙港タイプによる修正を適用すれば、低いレベルの宇宙港ほど生産者が儲かるおかしな世界になるので、生産者価格のレベルでは
無視した。


例1) マラク夫妻 麦を収穫する。

 マラク夫妻は、ついに小麦のタネをまきました。まず作柄を振りますが、出目は11。今年は「大豊作」の予感です。病害は発生しませんでした(病気は出
目5で危なかったですが…)
 収穫量の決定の出目は10修正は「中」の肥料と農薬の使用6回で-0.6、四捨五入して-1。大豊作により+10。修正後の出目は19。 19-7=
12で+12%です。
 計画では1haあたり7tの予定でしたから、実際は7 x 1.12 = 7.84t/ha 収穫量の合計は80 x 7.84 = 627.2tとなりました。
 つぎに肝心の価格ですが…。修正は田舎度500km超で-2、大豊作により-2の合計-4です。2D6の出目は9。この結果、150 + (9 - 4 -7) x5
= 140Cr/t
 小麦による収入は、140 x 627.2 = 87,808Crとなりました。

 さて、ここいらでひとつ、現実と、「書き割りの裏側」も見ておきましょう。普通、機材や灌漑設備が無料でついてくるなんてことは、まず有り得ませ
ん。マラク家が機材と灌漑設備を全てローンで買ったとしましょう。その場合、費用は284,000Cr(プラウなどは無視)。ローンの支払いは利子5%も含め
て年間42,600Cr。現実には農地もポンと現金購入できるような人はそういません。アメリカでは、一種のステータスとして引退したプロスポーツ選手が大
農場を経営することは多いですが…。農地のローンで買ったとすれば、ローン支払いが48,000Cr。この時点で小麦作だけでは赤字となります。
 なお、あめりかーんな農家は日本からすれば悠々自適ののんびり経営に見えます。現実はと言えば、2004年度の調査では、農家一世帯あたりの平均収
入は81,480ドル。アメリカの一般家庭の収入60,528ドルよりも多いですが、農家の収入のうち85-95%は農業以外からの収入です。つまり、大体一般家庭と
同じ収入のある家が、シュミでちょこっとやっている程度、にしか見えません。一方、全農家の中で8%をしめる年間収入が250,000ドルを越えている農家で
は、農業以外の収入の割合は25%程度(FARM FAMILY INCOME アメリカ農務省報告より)。本ルールではこの研究を参考に、専業農家一戸の収入は60,
000Cr (およそ80,000ドルから大農家の農外収入比率25%を引いた)として、
 アメリカの農家一戸当たりの耕地面積に等しい170haと、同じくアメリカの小麦の収量=3t/ha = 510tと言う条件で、「農業」世界(-20%)」の
価格で、だいたい60,000Crの収入が得られるように価格を設定しました。偶然でしょうが、1Cr=1ドルとすれば、この1tあたり120Cr程度と言う価格
は、バイオエタノール騒動や原油高で高騰する前のアメリカでの小麦生産価格と一致します(補助金の額は考慮していませんが)。このため、その他穀物の
価格は、1991年から2000年までのアメリカ合衆国におけるトン当たりの平均生産者価格を調べ、アメリカは「農業」世界であるとして、-20%すればその平均
価格になるようにx1.25倍した数値を基準としてあります。
 平均耕地面積によって価格が上昇するのは、その平均面積において、その世界では小麦一作で概ね60,000Crあたりを稼げるように計算してあるからで
す(従って、耕地面積のでかい世界からの輸入品には価格的に負ける)。ちなみにマラク家はこの世界の標準よりも圧倒的に狭い耕地ですが、単位面積あ
たりの収穫量が7tであるため、高い収入を得ています。これは、耕地面積がアメリカの半分以下であるフランスでも、小麦の単位あたりの生産量が二倍以
上であるため、フランス産小麦の価格はアメリカより10%ほど高い程度に抑えられているのと同様の話です(もっとも、フランスの補助金はアメリカより高率で
すが)。より現実的には、必要経費も貿易上の分類に従って、価格と同率で上昇させるべきなのですが、さすがにこれは上級ルールとします。



Step.4.3 遺伝子工学
 TL6以上の世界では、遺伝子(もしくはそれに相当するもの)レベルでの人為的操作によって、単なる品種改良の産物よりも
良い種子が出来る。遺伝子操作の目的は、除草剤や害虫に対する耐性の導入、気候への適応幅を広げるなどの点である。
残念ながら、何もしないで収量が増える遺伝子操作は無い。収量を増やせばそれだけ余分に栄養がいるわけで、肥料も多く
いる。従って白骨並みの土壌で普通に育つ作物は出来ない。TL6-7では1つ、TL8-11では2つ、TL12以上では3つまでの形質
を導入できるが、その分、種子の値段は高くなる。

市販種子に組み込まれる遺伝子操作による形質
・除草剤耐性: 除草剤によるマイナス修正が緩和されるわけではない。非選択的除草剤と組み合わせない限りメリットは無
い。
・害虫耐性: 害虫をよせつけなくする。
・病害耐性: 病気にかからない。
・気候適応性: どの穀物も基本的に「温帯」がいちばん単位面積収穫量が高いが、この形質を導入することで最も理想的な
気候帯なみの収穫量が可能になる。ただし、収穫倍率は変化しない(収穫倍率を上げるとタネ屋が儲からないからでは
ない)。予想収穫量において、栽培する地域の気候と理想的な気候の差1段ごとに1つの形質を使う。例えば、熱帯が理想的
な作物を冷帯で育つように改造した場合は3つの形質が必要になる。また、天候操作なしで作柄表の2の目は無視できる。
乾燥耐性: コメ(のようなもの)では不可能。形質1つごとに「乾燥帯」や水源なしによる収穫倍率と収穫量の修正に+0.1(1
以上にはならない)。また、天候操作なしで作柄表の2の目は無視できる。
・おいしくなる: 糖分やでんぷん質、油脂など主要な成分の含有率を1形質ごとに20%上昇させる。ただ、これを導入した場
合、実はかえって不味くなることもある(砂糖みたいに甘いご飯を誰が食べようか?)。油脂用のトウモロコシや、甘い未熟トウモ
ロコシでもない限り穀物に導入しないほうが良い。

・遺伝子操作の可否: 2D6でその世界のTL以下が出れば、遺伝子操作された種子の栽培は許可されない。

・種子の価格: 導入形質1= x1.25 導入形質2=x3 導入形質3=x6
残念ながら、産物の価格は全く変化しない。むしろ、低TL世界では遺伝子操作に拒否反応を示され、全く売れないケ
ースすらある(2D6で市場世界のTL以上が出れば拒否※)。

※: 遺伝子組み換え作物の先進国アメリカでも、組み換え種子が使われているのは飼料用トウモロコシや油脂原料としての大豆、綿花(タネ
は油脂原料になるが)など直接的に口に入らない物がメインで、小麦など主食として口に入る作物には消費者の抵抗がある。
 また、遺伝子工学の技能と、(20 - 世界のTL)x 0.1MCrの費用がかかる適切な研究設備、そして高額な研究費があ
れば、キャラクター自ら遺伝子改変作物を開発できる。生物学的な常識の範囲なら、どんな形質でも導入できる。また、採算
性を無視するため、市販品のようにTLによる導入形質の数の制限は無い。なお、役に立つ種子の開発に成功した場合は、社
会身分度が1あがる。
・遺伝子改変作物の開発:
 メガトラの場合 至難 遺伝子工学 教育度か知力の高いほう 1年

 「1年」と言う時間は、結果が分かるのが最低1年後ということであり、実際の遺伝子操作にはそれほど時間はかからない。また、6ゾロが出た場合はバイオハザードを引き起こす(具体的にはレフリーが決定)

DM
 導入する形質の数の二乗だけマイナス
 研究費0.5MCrごとに+1
  研究助手がいない: -4
  適切な研究設備が無い: 試行自体が不可能
  導入する形質が一つだけ: 難易度は「難」になる。形質の数のマイナスとは重複する。

・導入する形質の例
 害虫を消化してしまう(形質2)、アレロパシーで自ら雑草を駆逐(形質2)、収穫期になると勝手に実が落ちる果物(形質3)、


次はStep.5 牧畜へと進む

選択ルール
1. 間接経費
 このルールでの間接経費は、減価償却費とローン率である。いずれも税金の控除のための必要経費として年毎に割り振る
ことができる費用であり、実際の支出を伴う費用ではない会計上の存在である。無視しても良いので選択ルールに入れている
が、所得税の場合、累進課税の税率の変わり目を左右するかもしれない。
トラクター、コンバインなど動力を内蔵した機械:
減価償却費: 稼働100時間あたり新品価格の2% 中古品であれば購入価格の2%で良い。機械を使用しなかった場合は経費として計上することは出来ない。また、農機具支援によって得た機械でも計上することは認められない。
利息率: 購入に当たってのローンがあった場合、稼働100時間あたり新品価格の1.7%(より正確には5/3%) 中古品であれば購入価格の1.7%で良い。ただし、ローンの年利は本来5%なので、機械の稼働時間が年間300時間に満たなかった場合でも差額分は計上できる。300時間を超えた場合、これはローンを払い終える前に寿命が尽きる可能性を示すため、この比率は5%以上として計上できる。(なお、実際には機械の減価償却後の残り価値に対して300時間で7%程度だが、簡略化した)
(※ これらの計算は、イリノイ大学 Machinery Cost Estimate: Tractors 2005をもとにしている)

灌漑設備:
 農機具支援に伴う支給品でなければ、配管以外の灌漑設備の価格の5%が減価償却費(20年割り当て)が計上できる。

ロボット:
  購入価格の5%(20年割り当て)が減価償却費として計上できる。

2. 小売業 
 本来は非常に面倒くさいことだが、本ルールでは、以下の経費を追加するだけで、農家自ら卸売りや小売に手を出すことが
できる。
・事務経費: 1,200Cr/年
・マネージャーの給料もしくはマネージメント業者への代金: 最低25,000Cr/年 給料+20%ごとに、売却量は+10%される(+
40%まで)。
・輸送費用(パック契約): 耕地1haあたり100Cr/年だが、最低は3,000Cr/年 

 この場合、収穫した作物の2D6 x 10%を生産者価格の1.5倍で作物を売ることが出来る。当たり前だが100%以上は売れな
(そういう契約も出来なくはないが、それは詐欺罪である)なお、農夫自らマネージャー業を行うことも出来る(+10% / ブローカー技
能1lv)。ただその場合、農作業を行う時間は一切無いものとして扱う。

3. 不耕起栽培
 田や畑を耕すことはそれなりのメリットがあるが、土の粒を細かくやわらかくしてしまい、乾燥しやすくなって土壌の流出を引
き起こす上に、空気が混じるため細菌が繁殖しやすくなって土地が痩せてしまう。

 こうしたデメリットを防ぐ意味で、土地を耕さない不耕起栽培と言う方法がある。
 不耕起栽培では、以下のメリットがある
 ・ 耕す手間がいらない。通常の栽培方法では、作物を片付けて苦土石灰を撒き、肥料を入れて耕してしばらく置いて種まき
となる(カレンダーの「土作り」)。不耕起栽培では、こうした手間をかけずにそのまま播種に移ることができる。
 ・土壌の保水能力が上がる
 ・前の作物の残骸をそのまま利用することでマルチング材になる。

 デメリットとしては、
・土が固いため初期段階の生育が悪く、場合によっては致命的。
・同じく土が固いので根菜には不適。
・これまた土が固いため、種まきや苗の植え付けに手間がかかる。
・雑草の繁茂が激しい場合がある(そうでもない場合もあるが)
・耕す場合よりも連作障害が発生しやすいと予想される
・雨が降るとひどくぬかるんでしまう
 等がある。

 実際の研究は農学の専門家に任せるとして、本ルールでは
「耕す手間が要らない代わりに、雑草が繁茂しやすく、除草剤散布の手間が倍に増える」
「マルチングの費用は不要」
「根菜は栽培できず、その他の作物でも初期段階で枯れて収穫量がへる可能性がある」
 とする。実際のところは、あくまで土壌を保護して砂漠化や土地が痩せるのを防ぐ措置であり、産業的
なメリット、デメリットを論ずるものではないと思われるのだが…。

4.ロボットの技能制限
 理論上、<農耕-7>レベルでまず収穫の判定に失敗しないロボットも設計できるが、このルールでは、収穫の判定に際して
ロボットを管理する人間がもつ農耕関連の技能しか判定に使えないものとする。ロボットは有能な作業者であるが、
根本的に計画する能力が無い。農業に関する知識が皆無な人間には、優秀な農耕ロボットを使いこなす能力が無いのである
(ロボットが害虫の発生を警告しても殺虫剤をどこに注文すべきかを知らない、種子の保管方法が分からないなど)。使い手が
原理を知らなくてもコンピューターは高度な計算をしてくれるが、最低限、どのような場合にどのような方法を使うべきかを知っ
ていなければ役に立たないのと同じである。

上級ルール
 これは上級者のみの特別ルールである。
1. 農地の荒廃
 同じ作物を続けて栽培する場合、特定の養分のみが消費されることで土壌の栄養バランスが崩れ、重大な障害を引き起こ
す(連作障害)。特に、ナス科の作物の連作は禁忌である(本ルールでそこまで細かく扱わないが)。コメは連作障害を起こしにく
いが、ジャガイモは覿面である(決して実社会では試さないこと)。
 また、二毛作を続けていると、土壌の疲弊が回復を上回るので、必ず土地が痩せて生産性が低下してくる(地力の低下)。さ
らに、化学肥料や農薬の使用も土壌を荒廃させる。このルールでは、こうした農業の弊害を再現する。

・連作障害: これは農地の肥沃度に関係なく発生する。ジャガイモは連続2年目から、小麦、トウモロコシ、その他作物
は連続1D6+3年目、コーヒーや茶などの果樹は1D3+1サイクル(つまり数十年単位)、同じ土地で同じ作物を栽培し続
けると、連作障害が起こる。ただし、コメは連作障害を起こしにくいため、気にしなくて良い。発生した場合、その作物
の収穫量は-90%、他の作物に切り替えても収穫は半減する。回避する方法としては、違う作物を作る輪作、休耕する、
などの方法がある。いったん発生した場合の回復方法は2.で説明するが、普通は発生させる前に誰かが止めてくれるはず
…。

・地力低下: 二毛作(二期作ではない)もしくは、一年以内に3種類以上の作物の栽培を同じ土地で続けて行うと発生する。下
の表を参照し、表に示された期間、連続して二毛作以上を行い続けると、土地の肥沃度は一ランクずつ下がってゆく。雑草
に悩まされる肥満、小太りの土地(贅沢モノめ!!)の所有者には喜ばしいことかもしれない。豆類は地力回復に有効といわれて
いるが、それは地球と同様に共棲できる窒素固定菌がいるという前提(その有無はレフリーが決めてよい)でしか成り
立たず、また連作すれば窒素ばかりが増える連作障害がおこる。

・荒廃: 化学肥料や農薬の悪影響が蓄積して起こる。土地の肥沃度はある程度は関係してくる。下の「毒性度表」に従い、荒
廃の度合いを判定すること。これは一年間の間にどの肥料と農薬を使用したかで決まる。本来は使用量も厳密に計算すべ
きなのだが、煩雑なので無視。いちばん悪影響のあるもののみを計算する。例えば、「上」の肥料を10回まき、「下」の肥料は
一回しか使っていないとしても、人間社会と同じく、「下」の一発が全ての努力をムダにするのである(笑)。また、肥料と農薬は
別々に計算する。例えば、「中」の化学肥料と「上」の農薬を使った年の悪影響は60点である。

毒性度
化学肥料 農薬
20 10
50 25
100 50
 この毒性度は休耕や有機/無農薬栽培を行わない限り蓄積してゆく。休耕した場合は一年につき-75。有機/無農薬栽培で
は一年につき-50。蓄積された毒性度が、下表の「荒廃耐久度」を越えると、その土地では連作障害と同様の現象が全て
の作物に対して発生してしまう。
農地荒廃表
連作障害 地力低下 荒廃耐久度
白骨並み 肥沃さに関係なく発生 1年 100
激やせ 1年 150
痩せ 2年 400
やや痩せ 2年 800
普通 3年 900
肥沃 3年 900
小太り 4年 1200
肥満 4年 1200

2. 農地の回復および改良
 荒廃した農地を回復させる方法は、大別して二つある。単純に言って「時間をかけるか、金をかけるか」である。
・休耕:
連作障害:
1D6 + 3年で回復する。
地力低下:
「農地荒廃」表に示された年数休耕すると、肥沃度が元通りになる。ただし、もともとの肥沃度以上にはなら
ない。
荒廃:
一年に毒性度は-75

・堆肥の使用:
 堆肥は土壌回復に劇的な効果をあげる。しかし、堆肥(有機肥料)なら何でも良いわけではなく、藁など植物性のもの、牛
糞、ブタの糞には回復効果はあるが、鶏糞には無い。
 堆肥は10Cr/t (貿易上の分類に「農業」がある) - 20Cr/t(「農業」が無い世界)。回復効果を得るには、1haあたり25tの堆
肥を撒いて、プラウで鋤き込んで1年休耕すれば、連作障害は回復する。地力の低下も、この作業を一年行うごとに、1ラ
ンクずつ回復してゆくが、元の肥沃度以上にはならない。堆肥の散布は、普通はダンプカーから直接地面にぶちまけるので、
散布機は不要。

土壌の改良:
 1haあたり鶏糞以外の堆肥50tと休耕1年を、改良したい肥沃度の地力低下表に示された期間繰り返す(肥沃な土地が痩
せたわけではないので、必要量が多い)。例えば、「やや痩せ」の土地を「普通」にしたければ、150tの堆肥と3年の月日が必要
となる。やや痩せから肥沃にしたければ、300tの堆肥と6年の月日が必要となる。

3. 高コスト体質
 平均耕地面積が小さい世界と言うものは、農業の構造に何らかの欠陥を抱えていると考えられる。それは地形や気候の問
題かもしれないし、燃料が高いとか、人件費が高いなどの社会的問題かも知れない。こうした問題は基本的にコスト高となって
跳ね返ってくる。下の表に従い、地価、種子代金と肥料/農薬費、機械のリース代、そして機材や灌漑設備の新品価格
に修正を加えること。なお、「農業」や「貧困」でも経費が安くならないのは、本ルールの経費が既にかなり安いからである。ま
た、機材や灌漑費用のランニングコストは修正されないが、もともとの購入価格が高くなるので結局は同じである。
貿易上の分類による修正: 富裕 +20%
               非水 +20%
               非工 +20%
その他修正(貿易上の分類による修正を適用してからかける):
世界の平均耕地面積が25ha以下: x6
               50ha以下: x 4
       -75ha以下: x 3
       -100ha未満: x2.5

例) マラク家が実は「非工」、平均耕地面積50ha以下の世界で小麦栽培している場合は、高コスト体質修正は「非工」+20%と耕地面積によるx4 併せてx
4.8となる。経費は以下のようになる。 
適用前 高コスト体質(x4.8)適用後
種子代金 4,200 Cr 20,160Cr
肥料と農薬(中とする) 4,800 Cr 23,040Cr
機械のランニングコスト 520 + 50 + 624.78 Cr 5,739.744Cr (機械の値段が4.8倍)
灌漑費用 512 Cr 2,457.6Cr (設備の値段が4.8倍)
コンバインのリース代 6,400 Cr 30,720Cr
合計
17,106.87 Cr 82,117.34 Cr
 小麦の価格修正は、同じ世界で150Cr x 2.4=360Cr /t にしかならないことに注意。

4. 米の三期作
 このルールを採用する時は、必ず1.農地の荒廃、3.高コスト体質のルールも同時に採用すること。気候条件が良く、水資
源が確保できていれば、米は三期作が可能である。本ルールでは、
・入植地の気候が熱帯
・水源が「川」以上でなおかつ、別途2D6で9以上の目が出る(大河のほとりや、豊富に降水がある地域ということ。この
判定は一回のみ)
 の条件を満たした場合のみ、三期作が可能である。二期目には収穫の判定に-25の修正があるが、三期目は一期目と
同様である。ただし、地力の低下が発生して、農薬と肥料による悪影響は1.5倍とする(逆に言うと、耐久度が2/3になる)
になる。また、休み無しで年中働くことになる上に、低人口世界では市場がだぶつくことになる。