Step.3 新天地へご到着 Step. 3.1.1 入植地 いよいよ新天地に到着した移民達は、ついに「新天地」の現実と直面することになる。まずは、Table.7で新天地の様相を決 定すること。 なお、どのような場所に住めるかについては、移住者の意向は反映され難い。Table7.1-7.4は、農地分与を受けていれば振 りなおしは1回(つまり二回判定できる)、それ以外は2回振りなおすことが出来る。もし親戚が居れば、さらに一回振り直しが 出来る。親戚が居れば自由に設定できそうだが、そもそもの親戚さんもこの表を振って移住してきたわけなので、あんまり意 味はない。自由意志で入植地を設定することは、ルール上、移民三世まで不可とする。地名は適当に決めてよい。「一軒家」 ではキャラクターに地名を決定する権利が与えられる。
他の人家はなく、電気、水道等の公共サービスが存在しない。その他は1D10を必要な数を振って人口を決定する。もし最大の 位が0なら、一桁多いか少ないかであり、自由にしてよい。また、もしその世界の人口をオーバーしたとしても、気にする必要は 無い。UWPの人口はあくまでその世界に籍を持つ定住人口と考えるべきで、不法移民やもぐり国民、外世界の穀物商社から の単身赴任者などが多いとしても、問題は無いだろう(たぶん)。また、一部には「籍だけ生存」もあるだろう。 なお、集落には「分散型」と「密集型」がある。「分散型」は、よくある日本の農村のように、家の周りをその家が所有する耕 地が囲むような形で存在している形態。「集中型」は、家屋は一定の場所に固まって存在し(耕作に向かない土地でもよいこと に注目)、農夫は自分の耕地まで短い距離を「通勤」する。「集中型」はインフラの整備の点でも効率的であり、また耕作可能 な土地の面積を家屋で狭めることも無ければ、生活排水による汚染等の心配もない。農機具の共同利用などの点でも有効で あるため、TLによらず概して「集中型」が優勢である。よって、一軒家や10人以下の人口などを除き、特に分散型になる理由 が無い限り、全ての入植地は「集中型」集落とみなす。 人口構成: は、集落における地元民と移民(および3世までの子孫)の人口比を示しており、選挙など政治的な意見の通りや すさに影響する。「混在」はほぼ半々。例え「一軒家」でも、選挙区の割り振りがあるので、人口構成を決定しなければな らない。 雰囲気: 新参者に対する地元民の歓迎度合いである。これは移民対現地人の関係にも通じる。「無関心」以上では日常生 活に支障は無い。「普通」は村長にあたる人が挨拶に来る。「歓迎」になると、集落の主だった人が挨拶に来る。「大歓迎」で は、キャラクターの到着時にはお祭りが開かれ、入植地の人が総出で出迎えてくれる。一軒家の場合でも、地元政府の 閣僚や高官が激励に来てくれる。「冷淡」では、大人はつきあってくれない(子供は好奇心旺盛で人見知りしない)。「排他的」 になると、子供もつきあってくれなくなる。「偏屈」になると、大人は時々無理難題を吹っかけてきて、子供は親に咎められる事 無くキャラクターの財産に破壊活動を行う。キャラクターが経済的成功を収めると村八分にされる。村が不作だとなぜかキャラ クターの責任と言うことで、1D5+で攻撃される。「偏屈/排他的」になると、最初から村八分どころか村十分である(そもそも、火 災や葬式の原因が地元民であることすらある)。なお、和解の可能性があるのは「偏屈」までである。より直接的な影響として は、「冷淡」以下であると機材や水源の共同利用から排除されてしまう。 田舎度:一番近い都市から入植地までの距離を示している。遠ければ遠いほど不便さが増し、都市出身者には苦痛が増す反 面、地価が下がってゆく。また、出荷時の輸送費に影響するかもしれない。1D10を必要な数だけ振って距離を決定する。もし 最大の位が0なら、一桁多いか少ないかであり、自由にしてよい。 次に、入植地の立地を決める。平野の草原、肥沃な土地は、人口の多い世界では既に満員空き室なしの傾向がある。 Table. 7.2 立地表
地形: 「山岳」は、険しい山岳地帯を示す(アフガニスタンの大部分、ネパール、ブータンなど)。「高原」は高地にある広い平 原であり、高所であると言う点以外、平野と変わらない(大きさ8大気6の星で海抜1000m以上)。「渓谷」は急峻な山岳に挟 まれた比較的せまい平地で、水はけと日照がやや劣る。「盆地」はなだらかな山に囲まれた比較的広い平地。「丘陵」は、な だらかで高度の低い山地(大きさ8大気6の星で海抜300m以下)である。「平野」「海岸平野」はそのまんま。なお、ここでは 島嶼は扱われていないが、入植地が島嶼にあるかどうかは、これはUWP(水界度が9、Aならその世界には島しかないだろう)、 田舎度などから自由に設定してよい。 環境: 「不毛」は文字通り、植物が無い不毛地帯である。岩だらけの土地かもしれないし、砂漠かもしれない。「荒地」は、主 として低木や草本の雑草からなるやせた土地であるが、「不毛」と違ってそのままでも作物は育つ。「湿地」は水はけの悪い土 地である。伝染病の巣窟だったりもする。水資源は豊富であり、水稲系作物は、単にタネをまいただけで勝手に育ってくれるか もしれない。「林」は比較的密度の低い森で、「森」はそのまんまである。これは新たな農地の開発の大変さにかかわってくる し、自然保護区域として開発が制限されていることもある。また、野生動物による作物被害も多くなる。「草原」は居住にも農業 にも最適。 水源: その土地で利用できる地上にある水源の種類を示す。当然、これは量にもかかわってくる。池や小川は枯れるかも 知れないが、海や湖水は無尽蔵である。海の場合、塩類の濃度は適宜設定すること。真水の海と言う反則ワザもOK。なお、 「なし」の場合も、これは大きな水地が地上に無いという意味で、降水が無いことまで意味しないが、水源は地下水のみとな り、井戸掘り作業が必要となる。次の「気候表」で「乾燥帯」が出なければ、少なくとも普通にその世界の雑草が育つ程度の 湿度はある。水源なしの「乾燥帯」になれば、文句なしの砂漠(岩砂漠、土漠も含む)である。 肥沃度: 文字通り、土地の肥沃さを示す。「小太り」「肥満」のレベルになれば雑草の繁茂が激しくなり、痩せた土地にしか 生えない作物(ケシなど)は育たない。「激やせ」は肥料が通常の5倍必要。「白骨なみ」は10倍の肥料が必要。ただし、痩せ た土地でしか育たない植物も存在するので、そうした作物の生育には適している。 交通: 交通の便利さを示している。反重力技術が登場すると、道路整備が重要でなくなるため、劇的に交通の不便さは改善 される。逆にTL3以下では、荷馬車よりも高度な乗り物の使用は想定されていないため、かなり不便である。 「隠れ里」は、一切の公共交通機関がなく、ケモノ道以外に道路も無い。将来にも整備計画は存在しない。「隠れ里」と言うより 忘れられた里である。「無いも同然」は、道路は未舗装、バス(もしくはそれに類似したもの)が、1D3+1日に一往復のペースで 運行している。「廃止寸前」は、とりあえず道路は舗装されて定期バスがあり、鉄道も2D6で10+で運行しているが、一日あたり 1D3往復のペースである。料金は通常の倍以上が一般的。「すごく不便」は基本的に「廃止寸前」と同じだが、料金は普通 で、鉄道は2D6で7+である。「不便」はバスも鉄道も一時間に一本程度。「普通」は現代日本の中小都市なみ、「便利」は東京 や大阪のレベル。 Table.7.3 気候表
長短なども考えて、適宜判断すること。「熱帯」はブラジルやコンゴ、「亜熱帯」はインド南部や中国南部、「温帯」は日本や韓 国、西欧など、「冷帯」はロシア南部、北仏やイギリス、「寒帯」はスカンジナビア半島をイメージしている。温帯から冬の低温の 期間が出てくる。公転周期12カ月として、温帯では1D3ヶ月間(一度サイコロをふったら以後固定)、冷帯と寒帯では3ヶ月 間の冬がある。この期間、基本的に農業は出来ないが、秋まき小麦や、キャベツ、大根のように秋にまいて冬に出荷する品種 もある。だから、実はあまり気にしなくて良い。 そして最後に、空いている農地の面積を決定する。これは耕作放棄地かも知れないし、政府が公共投資として用意した公有 地かもしれない。この土地は直ちに耕作可能な状態である。森林なら既に切り開かれており、湿地は既に乾燥してい る。しかし、傾斜地は段々畑になっていない(そうする必要の無い作物もあるから) Table.7.4 空き農地表
Step.3.1.2 平均経営規模 土地を取得する前に、その世界における農業の平均的な経営規模を決定しなければならない。下の表に従って一戸当たり の平均耕地面積を決定する。この平均耕地面積は、産物の国内向け生産者価格に影響する。
い。ちなみに、アメリカにおける農家一戸あたりの平均耕地面積は170ha、西欧では60ha以上、日本は1.5haである。 Step.3.1.3 季節 農作物を育てるには季節が関係してくるため、実際に入植したのがその世界の何月に相当するのかを予め指定しておくこ と。 例) マラク氏、入植地を選ぶ 幸か不幸か、マラク氏は農地分与を受けていないので、3回入植地を振る権利があります。マラク氏の第二の故郷 1313番星のUWPは、E585785-7 (富裕、農業)です。 先ずは候補地No.1の規模を決定します。人口は7なので、DMは0です。2D6の結果は5(10人まで)、人口決定の1D10の結果は4。つまり、人口4人の入 植地です。この時点でマラク氏はイヤになりましたが、とりあえずパンフレットの最後まで目を通すことにしました。人口構成のDMは、規模100人以下によ り-5。修正後の出目は0。よって2-で「移民のみ」でした。多分、先輩移民の家族なのでしょう。次に雰囲気ですが、規模(+5)、移民のみ(+3)により、+ 8のDMがあります。まかり間違っても「無関心」以下にはなりません。2D6の出目は6(修正後14)。「大歓迎」の雰囲気がパンフレットから伝わってきま す。次に田舎度ですが、これには一切の修正はつきません。出目は6で1D100 x 5 km。結果、49 x 5 = 245km となりました。ここでTable.6.2に移りま す。「地形」は人口7のため、DM-1となります。出目は8(修正後7)。「丘陵」に位置しています。「環境」も同じく人口によるDM-1。出目は2(修正後1) ! 「不 毛」です。この時点でマラク氏の中で不合格決定ですが、軍隊と警察で培った書類をきっちり読む癖のため、パンフレットは最後まで読みます。「水源」は、 水界度DMは0。「丘陵」のため-1。結果は8(出目は9)。よって「川」が近くにあるようです。「肥沃度」は、「不毛」により-7。人口修正が-1で、DMは合計-8。 2D6の出目は5で、文句なしに「白骨なみ」です。よくもそんな場所に住む気になったもんです。「交通」は、TLによる修正なし。規模による修正が-3。出目 は5(修正後2)。「隠れ里」なみの不便さです。そして気候はと言うと出目1 熱帯です。最後に空き農地の面積は、70haでした(出目7) ここで整理しましょう。 入植地候補No.1 人口4人、移民のみ。分散型集落。移住者大歓迎。都市までの距離245km。丘陵地、不毛、川はあるが土地は白骨なみの痩せ具合で、交通に関しては陸 の孤島状態 熱帯に位置する。70haの空き マラク氏は黙ってパンフレットを棚に戻し、次の入植者募集パンフレットを開きました。結果だけ書くと、 候補地No.2 人口62 移民のみ 普通の雰囲気 都市まで541km 渓谷で林、小川がある。普通の肥沃度。公共交通機関は廃止寸前 鉄道無し 温帯(冬は2ヶ月) 80ha空き 候補地No.3 人口84 移民のみ 普通の雰囲気 都市まで500km 平野で林、小川がある、土地はやや痩せ気味。すごく不便な交通路 鉄道あり 寒帯 100ha空き でした。2と3のどちらにするか、マラク氏は押し付けられた「結婚を前提にした恋人」に相談しにいきます。 Step.3.2 土地の取得 Step. 3.2.1 家の設計 移民、地元民に限らず、家がなければどうにもならない。住宅支援があれば既に住居が用意されているが、そうでない場合 は、借家を見つけるか、自分で家を建てねばならない。
Step. 3.2.2 土地の取得 次はいよいよ土地の取得である。土地には「農地」と「宅地」の二種類がある。 「農地」は、地価が安く、従って固定資産税も安いが、農業および牧畜業とその関連施設の建設以外の用途には使えない。 例えば、養豚場の豚舎や、牛の搾乳施設は農業関連施設だが、精肉工場や乳製品工場になると工業施設と見なされ、農地 指定の区域に建てることは出来ない。家屋は一応、農業関連施設と見なされるが、アパートに改造したり、ペンションを始めた りすることは原則として禁止である。分散型集落以外、農地に家屋が建つことは無い。農地分与を受けている場合、自費で買 い増しを行わない限り、農地の取得は行う必要が無いが、固定資産税の算出のため、地価の計算が必要。また、農地を 買う資金が無いとしても、借地料の計算に必要なので、地価の計算は行うこと。 「宅地」は、どのような用途にでも使用できるが、本ルールでは家屋以外への使用は考慮していない。また、農地に転用して もかまわない。宅地の取得は、住宅支援があれば不要だが、固定資産税の算出のため、地価の計算は必要。 また、土地取得に際して地価に影響を与える条件は、「その他」の修正を除いて全て「Step.3.1入植地」で決定されて おり、自由な選択は不可能である。また、農業機械も全部揃えれば100,000Crを越える買い物になるので、その分の 資金も残しておいた方が良い(もちろん、リースや共同利用も可能)。
Table.8 農地価格決定表
ら ば、1+ (0.5+2-0.4)=3.1倍が最終的な基準地価への修正である。+1しても修正が0以下になるなら、地価基準を1ランク下げ た上で(都 心→都市部など)、修正にさらに+1したものが基準地価となる(つまり+2)。例えば、「田舎」の土地で、マイナス修 正が-1.5だった場合、基準地価は「荒涼地」になった上で、-1.5+1+1=0.5であるから、1sqmあたりの地価は、0.25*0.5 =0.125Crとなる。もともと「荒廃」で下がりようが無く、それでもなおマイナスなら、無料で譲渡される ちなみに、アメリカにおける農地の価格は、一番高いニューイングランドで1sqmあたり3ドル、最も安いニューメキシコで1sqm あたり0.15ドル(!)、平均的に0.5-0.6ドル/sqm程度と思われる。
地価が決定されれば、次に固定資産税を計算する。また、土地を買う資力の無い移民には、農地を借りると言う選択肢もあ
り、ここでは借地料も計算する。いわゆる小作農であるが、封建時代のような農奴的存在なのか、アフガニスタンのような対等 な立場でのいわば耕作業者であるかは、地元の慣習による。封建的小作農であれば、経費や機材は地主もちだが、耕作業 者であれば経費と機材は耕作者が用意しなければならない。
Table.9 固定資産税と借地料
Step. 3.2.3 整地
言うまでもないことだが、農業は平地が適している。しかし、中には平地が無い場所もある。そうした場所は棚田か段々畑の
出番となる。まず、所有する農地の中で斜面になった土地の面積と傾斜角度を、以下の式で決める。
山岳部: 面積の2D6 x 10% 傾斜角2D6 x 3度
高原: (2D6 -8) x 10% 傾斜角1D6 x 2度
丘陵: (2D6 - 10) x 10% 傾斜角 1D6 x 1度
段々畑として整地する費用は以下の通り
傾斜3度まで 20-40 Cr/sqm
〜 5度以下 35-70 Cr/sqm
〜10度以下 55-110 Cr/sqm
〜15度以下 75-150 Cr/sqm
〜20度以下 95-190 Cr/sqm
〜25度以下 120 -240 Cr/sqm
〜30度以上 150 - 300 Cr/sqm
はっきり言って、平地に土地を買ったほうがずっと安い。これに加えて、土止めの壁が、壁1sqmごとに150 - 300Crかか
る。必要な壁の面積は、傾斜部分の面積/4で良い。なお、水田でもない限り、無理に段々畑にする必要は無い。ただ し、傾斜地では単位辺りの収穫量は半分になる。
例) マラク氏とその押し付けられた恋人、農地を買う
ダニエル・マラク氏は、押し付けられた恋人アゼリア・キーンさん(87BA97 26歳、地元出身で警官1期 農夫1期)と相談の末、候補地No.2 「おぼえて谷」 人口62 移民のみ 普通の雰囲気 都市まで541km 渓谷で林、小川がある。普通の肥沃度。公共交通機関は廃止寸前 鉄道無し 温帯 を新天地に選びました。ちなみに、この世界の農家一戸当たりの平均耕地面積は180ha (3D6で12、農業、富裕で+50%)です。 もらった農業機材と50口径の機関銃、身の回り品とともに「おぼえて谷」へ向かったマレク氏とキーン氏。元警官同士と言う事で、なんだかんだ仲良くなっ ています。村長さん(一番古株の移民で「頼れる先輩」でもある)の出迎えを受けた二人は、政府が用意した住宅支援の家(プレハブで述べ床面積100sqm、 建築面積50sqm、敷地面積55sqmの二階建て)を見せてもらいました。 宅地の敷地面積は55sqm。田舎(50Cr/sqm)で、交通機関は廃止寸前(-0.6)、UWPによる修正は-0.2です。よって、地価は 55 x 50 x (1-0.6-0.2) = 55 x 50 x 0.2= 550Cr。安すぎです。固定資産税は2.8%となり、年間15.4Cr。 家の維持費はと言うと、プレハブ100sqmなので、建設費は70,000Cr。よって年間の維持費は700Crです。 さて、我が家に荷物を置いた後、三人は農地を見に行きました。 農地の空き面積は80ha (800,000sqm)あります。平均耕地面積からは狭いですが、最初はこんなもんです。1sqmあたりの農地価格ですが、 ここは田舎なので、基準価格は5Cr/sqm。修正は、農業世界により-0.2、富裕世界により-0.2、田舎度500km以上で-0.1、入植地の人口が100 人未満なので-0.5、 UWP(E585785-7)による修正は-0.2、合計-1.2となり、基準地価は「田舎」から「荒涼地」にランクダウンしました。 よって、農地の地価は 0.5Cr x (-1.2+1+1) = 0.5 x 0.8 = 0.4/sqmです。800,000 x 0.4 = 320,000Crです。 さて、マレク氏の資産額は549,200Crです。まーお金持ちだこと。農業機械も支援されているので、かなりの額を土地に使えます。マレク氏は320, 000Cr支払い、空き地全部を購入しました。彼は晴れて80ヘクタールの農地の持ち主となりました。固定資産税は同じく2.8%で、年間8,960Crです。 Step.3.3 農機具と耕作可能面積の確認 土地を購入したところで、耕作可能な面積と器材の入手を行う。なぜ土地の入手の前に置かなかったかと言うと、欲をかいて 維持できる以上の土地を買って苦労する姿が見たかったからである。 耕作可能な面積 ・フルタイムで従事する一人が人力のみで耕作し、人力のみで維持できる耕地面積= 0.15ha。より厳密には (筋力+耐 久力)/10ha。これは「三反百姓」と言う嫌な言葉があるとおり、夫婦二人が人力で維持できる限界が3反(3000sqm/0.3haであ ると考えられたことから設定した上限である。一日0.15ha耕せるのではないことに注意。 また、収穫作業を人力で行う場合、穀物では一人一日0.015ha分収穫できる。より厳密には(筋力+耐久力)/1000ha。ま た、果実や根菜、野菜などもぎ取ったり引っこ抜いたりした収穫物の重さが収穫量に等しいものでは、一人一日 150kg、より厳密には筋力x20kgの収穫が可能。トラックなどで運搬手段が機械化されていれば、こうした面積や重量は3倍 になる。ロボットの場合、腕二本につき平均的な人間の2.5人分とする(筋力より腕の数でモノを言う)。 ・家畜の力で一日に耕せる面積=4000sqm (0.4ha)。 作物の栽培スケジュールを考えると、かなり余裕を見て15日程度で耕せる範囲(60,000sqm 6ha)が、家畜力で維持 できる限界であろう。 ・機械力には事実上、面積の限界は無いが機械のタイプによって効率が変わる。また、段々畑であろうとなかろうと、 傾斜地では効率は半分になる。反重力化された機械でも、操縦が難しいためやはり効率は半分。 Table.10 農機具/機械表 ローン可と記してある機材は、ローンによる購入が可能(10年の分割払いで年利5% 簡単に言って毎年価格の15%を10年支払 う)。
使用できるが、その場合は価格は4倍になる(点数は変わらない)。もちろん、TL10以上でも地上式の機械は入手可能だが、値 段は変わらない。
ーは中、小のプラウを曳くことが出来るが、中トラクターは大プラウを曳くことは出来ない。家畜は小しか使えない。「大」は一 時間50,000sqm(5ha)の面積を処理できる。「中」は一時間20,000sqm(2ha)、「小」は一時間3000sqm(0.3ha)。反重力 化されたトラクターでは効率は2倍。大きなトラクターで引いた場合は効率は1.5倍になる。小=0.5点、中=1点、大=3 点。サブソイラーの効率は、トラクターによって決まる(例えばトラクターが「小」なら3000sqm/h)。 農業機械の支援がある場合、基本的に小トラクターとそれに対応するプラウ、シードトリラー、プランターが一つずつもらえ る。それに加えて、その他は世界のTLと同じ「支援点数」の分だけ、機材の支援がある。なお、この点数は持ち越しは 出来ず、入植時に使い切らなかった分は失効する。また、トラクター、コンバイン、散布機は、価格1.2倍ごとに効率を10% 上げることが出来る。つまり、二倍の値段のマシンなら効率は1.5倍である。この場合、点数も価格に応じて上昇する。 参考: 農機具性能表( 一日10時間労働として、一台が処理可能な面積)
・ローンおよびその他借金についてのジョーシキ 農業生活を送る上で、何回か借金をする機会があるだろう。その場合、いわゆる「日本の常識、世界の非常識」で損をしな いように注意しなくてはならない。 ・現物(家、車、機材その他なんでも)が差し押さえられた場合、ローンは完済されたとみなされる。ローン対象物件を差し押さ え、なおも差額を取り立てるのは日本だけである。 ・また、ローンが完済された家が、購入時よりも安くなるのは日本だけであり、普通はきっちり手入れしている限り、それほど 値段は下がらない。 ・盗難や、自分の責任ではない理由による事故で対象物件が失われた場合も、ローンを支払い続ける必要はない。たいてい は保険でカタがつく(恐らく、保険に入ることがローンの条件になるだろう)。これは宇宙船にも言えることだが、船員に裏切られ て船主が放り出されたとしても、その犯罪の事実が証明できれば船長はローンを支払い続ける必要は全くなく、船のローンを 抱えるのは船を奪った連中の方。ローン物件の名義は金を貸した銀行であることを忘れてはならない。 ・借金の際、「連帯保証人」などと言う制度があるのは日本だけである。通常、保証人とは借金する本人の身元と支払い能力 を保証するだけでよく、支払い義務までは負わない。融資、借金による経済的メリットを得ることがない「連帯保証人」にまで返 済義務を負わせるバカげた制度がまかり通っているのは日本だけで、たいていの国では、このような契約は無効、ヘタをすれ ば貸した側は刑務所行きになるかもしれない。連帯保証人が無い分、融資の審査は厳しいが、一般に、借金をする際は農地 が担保物件となるだろう。本ルールでは、所有する農地の価格の75%まで借金できるものとする。分与農地や支援宅地 は担保に出来ないことを忘れないように。 Step.3.4 灌漑設備 農業は水がないと始まらない。圃場が家庭菜園の規模(1500sqm以下)でない限り、どのような作物にも灌漑設備は必 用である。非水海洋世界においても、その星の自然環境を構成する液性成分(硫酸だったりするかもしれないが)が、土着の 植物の発育に必要なはずである。天水や水やりだけに頼るには限界がある。ここで登場するのが灌漑である。灌漑には、大 別して以下の三つの方法がある。 ・地表灌漑 (Flood irrigation) 農耕段階の文明なら必ず思いつく、一番基本的で原始的な方法。一定期間ごとに用水路から取水して畝の間に水を流し込 む。簡単だが水分のロスが大きい。水の豊かな地域では一般的。乾燥帯以外の全ての地域か、乾燥帯で水源が湖以上の地 域で可能。排水溝を作っておかないと塩害が起こり、これでメソポタミア文明は衰退したと言われている。もっとも、排水設備を 完備すると今度は土壌の流出が起こりやすくなるが、短期的には無視してよい。また逆に、塩害が起こった土地はこの方法で 塩類を除去することが出来る(その時はちゃんと排水してね)。勿論、乾燥帯でろくに水源が無い地域でやるのも勝手である。 地表灌漑 独立行政法人緑資源機構法 (現 森林農地整備センター)資料より ・スプリンクラー スプリンクラーで一定期間ごとに水を撒く。TL5以上。水分のロスは比較的少ないが、配管を張らねばならない。乾燥帯で水 源が小川しかない地域でも可能。耕す時や種まきに邪魔なため、収穫後は配管を一度撤去しなければならない。果樹園でよく 使われる。 ・センターピボット (Center Pivot) スプリンクラーの一種だが、懸架された巨大な(直径数百メートルから1km)の可動式スプリンクラーから水を撒く方法。TL7以 上で可能。乾燥帯で水源が無くても、地下水さえあれば可能。見た目がすごくSF的であり、ともかく人類の叡智を感じる。ま た、化学肥料を水と一緒に散布することも可能。ただ、木の高さの問題があり、果樹園では使えないが、この装置が必要な場 所で果樹園をやるのも無謀であろう。撤去の必要は無い。 ・点滴灌漑 (Drip irrigation) パイプからごく少量ずつ水を流す方法。TL6以上だが、土に埋めた割れ瓶をに水を入れて少量ずつ水を染み出させる方法 は古代からあった。水の量はスプリンクラー式の1/5ですみ、地表灌漑とは比較すること自体に無理がある。当然、水源なしの 乾燥帯に最適。ただし、設備費が高く、維持費もスプリンクラー式の4倍。また、耕す時や種まきに邪魔なため、収穫後は配 管を一度撤去しなければならない。そうでなくても、目詰まりが激しく、配管は頻繁に交換する必要がある。 なお、乾燥帯で灌漑すれば、どのような方法であれ場所柄から塩害は激しいが、これも短期的には無視してよい(具体的対 策はレフリーが決めること)。 ・灌漑設備の費用 以下は50haの耕地に水を供給する設備。設備は50ha単位である。要するに50ha以下の耕地にも一式が必要であり、50ha 以上 100ha未満では2セットが必要だということ。ただ、ランニングコストは耕地面積に比例する。配管の設置費用以外はロ ーン可能で、年利5%の10年払い。設備の寿命は一律20年である。 地表灌漑 一式25,000Cr-25,500Cr 取水路と井戸併用の場合 32,000Cr
スプリンクラー/センターピボット 一式76,000Cr - 99,000Cr 加えて配管の費用。
設置費用 25Cr/ha (そのうち人件費は5Crで、1人でやれば節約できるが一日1500sqm分しか設置できない。また配管そのものの価格は15Cr/ha) 撤去費用 3Cr/ha (撤去した配管は再利用可能。その場合、点検費用として0.1Cr/ha) ・点滴灌漑 一式226,000Cr - 249,000Cr
くてはならない。 ・井戸の湧水量 井戸には一定の湧水量があり、それ以上の水を必用とする作物を作ることは難しい。井戸の湧水量を3D6/10で決定す る。この水量によって、乾燥帯や水源なしの場所なおける収穫量が決まる。なお、これはスプリンクラーやセンターピボットによ る灌漑を想定している。地表灌漑では湧水量は半分、点滴灌漑では湧水量は5倍とみなす。また、水源として池がある場 合は、湧水量に+0.5、小川があれば+0.8することができる(逆に、水源が池か小川しかない地域で井戸を併用しなければ、 0.5もしくは0.8の水量しかないことになる)。なお、50haあたりに井戸は一本しか掘れないものとする(たくさん掘ったところで、 地下水脈の水量は決まっているから)。少ない水量を狭い耕地に集中させることは可能である(例えば0.5の水量を25ha に集中して50ha分とみなすなど)。 例) マラク氏とその押し付けられた恋人、農業機械支援を要請する。 新天地1313番はTL7です。よって、基本の小トラクターとプラウなどに加えて、7点分の支援がえられます。ここは農業経験者の村長と押し付け婚約者ア ゼリア・キーン氏(昇格していることに注意してください)の意見を聞き、まずブーム式の大散布機(6点 実は村長、村に一台欲しかったのです)を請求 しました。これがあれば、農薬散布サービスよりも安く、緊急時にも素早く対応できるからです。残った一点で小トラクターをもう一台請求しました。も う一台のトラクターに使う小プラウ、シードトリラー、プランター、そして二つのサブソイラーは自費で購入しました(合計45,000Cr)。中トラクターの購入も考え たのですが、今回は止めておくことにしました。その代わり、2tトラックを購入しました(20,000Cr)。 マレク家の農地は80ha。地表灌漑設備が既にあります。二台の小トラクターと二人の人手により、一時間辺りの処理能力は0.6haあります。つまり農地全 体を処理するのに80/0.6=およそ133.4時間。一日8時間働いたとしても、16日程度で処理できます。これは作業能力としてはぎりぎりですが、農繁期に10 時間働けば何とかなります。 次に灌漑設備ですが、この入植地の水源は小川です。したがってやや水不足気味であるため、この入植地では井戸も併用されています。井戸の水量は 1.3(3D6で13)。小川と併せて2.1の水量がありますが、地表灌漑設備なのでその半分、1.05とみなされます。 耕地は80haなので、灌漑設備は二箇所。取水路と井戸の併用ですので、一式の価格は32,000Cr。これが2つなので64,000Cr。農機具支 援があるので、これは既に設置されていますが、この価格が水利費の計算の基礎となります。もしこの後で農地を買い足す時には、別途揃えねばなり ません。 例2) 灌漑設備の設置 とある乾燥帯に入植した一家。耕地面積は150haです。センターピボットによる灌漑を行います。センターピボットには井戸とポンプ、動力源とセンターピボ ットが必要であり、面積150haですから、それぞれが3つずつ必要です。 よって、灌漑設備には、 標準井戸 x 3 7,000 x 3=21,000Cr (あまり深く掘らずとも水が出ました) 標準井戸ポンプ x 3 9,000 x 3 = 27,000Cr 動力設備 x 3 10,000 x 3 =30,000Cr センターピボット x3 50,000 x 3 =150,000 Cr 計228,000Crです。 そして、耕地に配管を張り巡らせるため、25 x 150Cr = 3,750Crかかります。 次はStep.4へ続く。 選択ルール 1)都市からの通勤 田舎暮らしがどうしても嫌なら、反重力車があり、かつ一時間以内で通勤できる距離なら、大都市に住んでも良い。その場 合、宅地は「The Landlord」のルールに従ってよい。 2)押し付け女房/婿表 押し付け女房/婿があった人は、新天地の詳細も決まったここいらでパートナーの詳細を決めねばならない。自由に設定して 良い、と言われても欲望むき出しは恥ずかしいと言うシャイな人は、この人物表と萌え表を使ってパートナーの設定を行うこ と。なお、これはあくまで地元当局が選んだ「相性の良さそうな人」であり、実際に仲良くやっていけるかどうかは、レフリーが判 断すること。また、未成年者の場合、成長に伴い容貌は変化することがある。その場合は特徴1と特徴2は一回だけ振りなおせ る。 人物表
みなすこと。刃物は持たさない方がよいが、何が起ころうと決して自分だけは怪我をしない (※4)肥料や除草剤、動物の餌の量を間違える。場 合によっては致命的。(※5)マニュアルどおりに操作しても、かならず機械を故障させる。 (※6)食用の家畜を育てることが生理的に出来ない。 萌え表
る。また、理想の農家の嫁である「へっこきあねさ」は、萌えないので外した。
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