付録2. 海賊たち ・"孤高の鷲"森田げんぞー (コルセア、ソロマニ系帝国人) -あなたのような知性と技術の持ち主なら、海賊にならなくても成功したはずです。どうして海賊に? -家庭の事情で……- -…えっ、続きは?- -それだけです。- 引退後のインタビューより 男性。45歳。大抵の海賊と同じく、森田げんぞー氏の出自も生い立ちもはっきりしていません(と言うか、はっきりするのは裁判にかけられた海賊だけですが)。森田げんぞー 氏について分かっているのは、ソロマニ系帝国人であること、コンピュータとロボット工学の天才で、メカニックの腕もかなりのもの、と言うことだけ。海賊になった理由につ いても不明であ大学時代の友人(かも知れない人)の、もし彼が友人だったなら、の但し書きつき証言では、 「父親の借金が原因だろう」 とのことです。 彼の手口はロボットを多用した極めて独特なものです。切り込み戦隊はプログラムを書き換えた警備用ロボット、運航要員も宇宙船ロボットで、人間の仲間を持った 事がありません。乗り込んだ宇宙船は直ちにメインコンピュータをハッキングして拿捕し、ロボットで回航するのを常套手段としていました。「30分で上手くいかなきゃ 切り上げる。貨物や金庫は回航した後でゆっくりあされば良い」とはげんぞー氏("森田氏"よりもこの呼び名を好んでいる)の言です。 こうした手口でげんぞー氏は、6年間に211隻の船舶を襲撃して129隻計75万トンを拿捕しました。拿捕した船の中には、造船所から奪取した4万トンの軽巡洋艦「エリコ ン号」も含まれています。そして何よりも重要なことに、人にスタンバトンの電気ショック以上の危害を加えたことがありませんでした。 エリコン号事件の後、何を思ったかげんぞー氏はいきなり自首しますが、胡乱かつ深い「オトナの取引」の結果、宇宙船購入に際しての文書偽造のみで起訴されて有罪とな り、それも未決拘留期間を除いて1ヶ月服役しただけでした。 げんぞー氏は10年前に海賊業から引退しており、現在は、成功した実業家として悠々自適の生活を送っています。 ・"二丁拳銃" ジョン・バート、現アケロン大統領 (コルセア、 ソロマニ人) (戦乱のアウトリーチ The stars not ours」より) 男性。年齢不詳。ジョン・バートと言う名前は、恐らくはフランスの伝説的コルセール、ジャン・バール(Jean Bart 1650/51 - 1702)の英語式つづりであり、本名ではない だろう。辺境「アウトリーチ宙域」で、盗んだ小型宇宙船から身を起こし、その偉大な才覚と二丁拳銃の射撃の腕(普通の名手が5発撃つ間に8発撃てるという)によって、短い間 に宙域の海賊のリーダーとなった。そして、海賊行為の利益と小規模な世界から巻き上げた上納金を、(艦隊の整備とともに)政治資金として運用することで合法政党「星系 通商党」を宙域首都アケロンに設立する。戦争直後の社会不安と経済不振の中、バート系の政党は宙域の多くの世界で政権与党となった。バート自身は、アケロン大統 領H・アンセルムを傀儡とし、ついには宙域の半分を率いて中央に対して独立を宣言した。 この新国家は数カ月であえなく鎮圧され、アケロンも陥落。バートはしばらくテロで抵抗を続けたが、奇襲だと思い込んで政府庁舎に乱入したあげくに逮捕された。しか し、その能力とリーダーシップを認められ、(もともと投降すれば免責すると約束されていたが)刑事責任を免責の上で、アケロンの暫定政府首班二名の一方に任じられ た。以後の消息ははっきりしないが、間違いなく大統領選挙でも勝利を収めたはずであり、今も合法的なアケロンとアウトリーチの発展に尽力しているだろう。 ・ローガン・フェーン博士 (義賊、ソロマニ人) 「切り裂き魔は人殺しだが、彼は殺し屋である。犬とネコくらい違う。どっちが上とは言わんが…」 スタンレーシティ刑務所での殺戮の後、友人の一人が語った言葉 男性。30歳くらい。ローガン・フェーンと言うヨーロッパ式(ドイツ風?)の姓名にも拘わらず、人類学的には思いっきり東洋人です。ソロマニ連合の元軍人。 彼が孤児として生まれた世界は、あいにくとジョージ・オーウェル的ディストピアで、彼は軍の施設で育てられました。よくある「指導者様にしか忠誠心を抱かないだろう」と 言う発想です。 施設では天才ぶりと手先の器用さを発揮して注目されますが、6歳の時、小さな体を活かして、火災を起こした連合所属の軍艦のパイプスペースに潜り込み、故障を修理し て気密性を回復させ、火災を鎮火させて多くの人命を救い、勲章をもらいました。 で、調子にのった独裁者は、この幼い英雄ローガンくんを宣伝しまくりました。そして、外世界に彼の活躍が知れ渡るとともに、ディストピアへの猛烈な批判が起こり、独裁政権 は崩壊。ローガン少年を含めた孤児たちは、普通の里親や養護施設のもとに送られました。この時、施設の担当者が両親を殺害してまで「孤児」を作り、ノルマを達成していたと 言う恐るべき事実も判明しましたが、ローガン少年については、これはあてはまらないようです(今も両親は不明)。 ローガン・フェーン少年は、火災の時に助けた士官の家に引き取られました。ディストピアの孤児院(養護施設とは言えません)出身でありながら、ローガン少年は至って ノーマルな性格でしたが、俗に言う「ギフテッド」であり、恐るべき知能の高さを持っていました。そして、15-6歳の時には既に海軍士官学校を卒業しており、折から のアスランやハイブ系世界との紛争において、「軍艦だけで恐らく100万トン以上」と言われる宇宙船を破壊して「宇宙缶切り」の異名を取った上に、ソロマニの最高勲章 である「バナー・オブ・テラ」を2度も授勲しています。 しかし、ここで思わぬ事態が起こりました。当時、フェーン氏は自分の事を20歳だと思っていたのですが、孤児院の情報が発掘されたことで、実は18歳だったと言うことが判 明したのです(孤児院側は、彼の知能の成長の速さに2歳上の組に入れただけなのですが、いつのまにかそれが年齢になっていた)。未成年者を軍務につけることへの風当た りが強くなり、フェーン氏は、「世話になった人や養父に迷惑がかかる前に」海軍を退職しました。 退職後は大学院に通い、造船工学の博士号を取った後に海兵隊に入隊。 海兵隊においても、何度も実戦や警察活動に従事して、合計すると一個大隊にはなろうかという敵兵を殺し、中古車屋が落涙するほど多くの車両を破壊して、小さな町を平ら にするくらいの数の建物を爆破しました。まさに、デビッド・グロスマン中佐の言う「2%の勇士、50%の敵を倒す」を地で行く大活躍です。彼の勇敢さと戦闘技術、指揮の確かさ は誰しも認めざるを得ませんでした。ただ、弾薬消費量が飛びぬけて多く、ひとたび出動すれば、必ず手持ちを使い果たして敵の銃を持って帰ってくるため、「ワンマグ、ワンキ ル」とか「物々交換」とか揶揄もされましたが、それでも射撃の成績は平均的です。 ある年、難民の搬出のため包囲下に残った時、37mm砲弾を戦闘アーマーの上に喰らい、片側の肋骨を全部折ったうえに、倒れた時に顔面を骨折する重傷を負い、規定によ り退役を余儀なくされました。この時、お祝い人事で大佐に進級しています。傷は完治しましたが、今も顔の表情が上手く変えられません(完治したって言えるの?)。 退役した博士は、しばらく宇宙船設計業に従事して財をなし、武装船を購入して私掠船(傭兵)事業を始め、様々な独裁政府と戦い続けて現在に至ります。 彼は人を傷つけない事で有名です。と言っても、彼が決して流血沙汰を厭わないわけでもないことは、スタンレーシティ刑務所で、無抵抗の秘密警察職員96人を射殺し たことで明らかです(無抵抗だったとはいえ、残虐行為の明白な加害者であり、また軍事捕虜としての要件を満たしていなかった)。本人は「引き金を引くのが嫌になった」とコメン トしていますが、他人に手を下させず、自ら泥をかぶるその姿勢こそ尊敬を受ける理由でしょう(また、こういうことをしても「病的」と評されない人徳もあるのです)。 ・キャプテン・バーロック (切り裂き魔、ヴィラニ系帝国人) 「おお、我が愛しのエスメラルダスよ…」 逮捕された時の言葉(もっとも、捜査員たちに対して発した言葉では無い) 本名ダン・バーロック。男性。容姿端麗だが、わざわざ縫合跡に見える刺青を顔面に施し、片目に眼帯をしている(視力に支障はないと思われる)。オカリナ吹奏が趣味 で、アルコール依存。推定年齢30歳。10万トンタンカー「アルカディア号」を母船として活動し、5年間に船舶204隻を略奪して88人を殺害した。 切り裂き魔にありがちなことだが、悪魔的カリスマの持ち主で、倫理観に欠ける連中をひきつける魅力に溢れる。そして、これも切り裂き魔に珍しいことではないが、精神の平 衡を乱している。バーロックは、「人類」は「ゾマーン」と言う「女性型植物タイプヒューマノイド」に侵略されつつあると言う妄想に取りつかれていて、女性の捕虜はすべ て殺害している。だが、仲間の中に女性はいるし、女海賊「エスメラルダス」と言う妄想上の恋人(別の宇宙船に乗ってゾマーンと戦っているらしい)もいるので、女性全般を敵視 しているのではないもよう。 俗に言う「ドン・キホーテ型妄想」だが、問題は彼の高い知性と、理路整然とした説得力のある演説で、潜入捜査官の証言では、「真空中で生きていけると言われても信じ てしまいそうだった」とのこと。一度逮捕されたが、責任能力について議論が別れている内に、看守を説得して脱走。宇宙船に乗り込んだところまでは確認されているが、その 後は行方不明。賞金25MCr (通常の算定方式に従えば1000MCrを超えるが、さすがにそこまでは出せない)。 ・エスメラルダス (義賊? 人種不明) キャプテン・バーロックのエア恋人と同一人物ではないが、同一人物になるように創作された人物。偵察局と、退治への協力を依頼されたフェーン博士がずいぶんと探し 回って見つけた、「顔しか合致しない」女子高校生のバイトが正体(ちなみに、危険手当別で日給1,000Cr、賞金受け取りの権利もあり)。本名非公開。バーロック船長の設定 では、金髪、緑の眼の20代半ばの長身の美女、さらに美巨乳、美尻、美脚装備と言う贅沢仕様だったので、身長と首から下の体格は外骨格着用で誤魔化す計画であ ったが、幸いにも顔しか出番がなかった。 彼女を押し立てた何回かのヤラセ襲撃と、(フェーン博士の私掠免許に基づいた)ホンモノの襲撃の後、狙い通り、噂を聞きつけたバーロックが現れた。そして、彼女に無線で 延々と「情熱的なプロポーズ」をしているところを、海軍と特殊部隊が急襲、逮捕に成功した。この時の「エスメラルダス」の時間稼ぎっぷりは、警察の交渉人も舌を巻くほどだ ったと言う。 「エスメラルダス」は、賞金の一部2.5MCrと48日分のバイト料を受け取って故郷に戻った。しかしバーロックが脱走したため、近々再登場の予定であり、有名なシナリオライタ ーの協力を得て、劇的かつバーロックに疑われないような登場方法を模索している。 ・アスプ (コルセア、ソロマニ系帝国人) 男性。当局は本名非公開(ジョー・何某の可能性大)。宇宙船の名前は「トータス号」。葉巻愛用のヘビースモーカー。推定年齢は50代だが、整形手術のため非常に若 く見え、筋肉ムキムキの極めて頑健な身体の持ち主。スポーツ万能。射撃の名手であり、「アスプ (エジプトコブラ)」の通り名は、その一撃必殺の腕前から名づけら れた。左腕のひじから先が無いことが大きな身体的特徴であるが、普段はサイバー化された精巧な義手をつけている。この義手にはレーザー銃が隠されていて、 彼のトレードマークとなっている。この銃は違法なサイバーパーツ利用で脳に直結しており、考えるだけで射撃出来て、しかも視線の先にあるものに確実に命中する精度があ り、もともとの射撃の腕と相まって、アスプと言う人物を非常に危険な存在にしている。 逮捕歴は無い。1000万クレジットの賞金首だが、警察当局との取引して麻薬組織を壊滅させたため、代償として多くの犯罪は不問にされている。また、手配用の顔写真が 整形手術前のものから更新されていないため、実質的には放置状態。 無益な殺人はしないが、流血は厭わない。同族嫌悪なのか他の海賊を嫌い、容赦がない。また、どちらかと言うと後ろ暗い連中から金品を強奪することが多い。親しい海賊仲 間もいるようだが、普段は、メタリックな女性型ボディというマニアックなデザインのロボットだけを相棒に行動している。本人は「ドレーク船長のような正当派海賊」と自称 しているが、熱誠の愛国者であるサー・フランシス・ドレークとは行動様式がだいぶ違う。 ちなみに、女性にとてもモテる。ものすごくモテる。相棒のロボットが壊れた時、修理を頼まれた森田げんぞー氏の証言では、 「感じのええ奴やったね。しゃあけど、なんであんな乱暴な人殺しがもてんねん。納得できへんわ。」 とのこと。他に、 「でもな、『海賊ギルド』とかいう、全銀河規模の組織から狙われとると思いこんどるんやわ。そんな組織あったら、盗んだしなもん売んのにあんな苦労せえへん で。被害妄想やろな。」 と言う貴重な証言もある。確かに、銀河規模の海賊団は無いし、星域規模ですら稀である。また、ここ一千年の間、逮捕された海賊は山のようにいるが、彼らの口からそ のような組織があると言う証言が得られたことは一度もないし、海賊達が組織的に行動したと言う例も極めて少ない。ただ、ジョン・パートの「海賊政党」が近い存在かもしれな い。 なお、殺人を徹底的に嫌うげんぞー氏は、間接的に殺人に寄与するとしてロボット修理の依頼を断っている。 ・ガラスボウイ (コルセア、ヴィラニ系帝国人) 男性。本名非公開。推定50代。ボウイとはBowieyであり、間違っても少年の意味ではない。違法なサイバーパーツを使用しており、レーザー火器を素通しさせる硬質ガ ラスのボディと、射出も可能な巨大ボウイナイフを右腕に装備している(多分、これらがあだ名の由来)。海賊ではあるが、どちらかと言うと黒幕的な存在で、組織犯罪に深く 関与し、違法な武器製造、暗殺請け負い等も行っていた。アスプとは何か因縁があるらしく、不倶戴天の敵同士と認識しており、たびたび刃を交えてきた。6年前のある日、 突然「暗黒神アーリマンの力を得る」と言いだして地球に乗り込み、パキスタンのゾロアスター教寺院で暴れていたところを逮捕された。過去の殺人と海賊行為で有罪、死刑 判決を受ける。1116-108、薬物注射による死刑が執行された。 ・カサンドラ・ドベル (掠奪者、ヴィラニ系帝国人) 女性、本名同じ。35歳。常に眼帯をはめているが隻眼かどうかは不明。スキーの名手。とある氷冠世界を根城に、女性ばかりからなる掠奪者集団「アイスチンパンジー」を 率いて暴れまわっていた。偵察局による内偵を受けていたが、潜入捜査官2名を殺害。しかし、残る1名が、たまたまその場にいたアスプとともに逃走してしまったため、基地の 場所が割れてしまった。その後、「最終兵器」と呼ばれる宝を探すため、とある砂漠世界へ出かけて行ったが、そこで遭難。遺体で発見され、「アイスチンパンジー、砂漠で溶け る」と不謹慎な新聞の見出しになった。ちなみに「最終兵器」とは、古いオンラインRPGのゲームアイテムが伝説化したもので、実在するものでは無かった。 ・ジャック・モアノウ (ベルトランナー、ソロマニ人) 生粋のフランス系、30代半ば。奇抜なファッションと言動で有名すぎて、実際は極めて思慮深い人物にもかかわらず、親しい友人からも変人としか思われていない。幸運なの か、カンが鋭いのか、自分が望む物がどこにあるのかがすぐにわかる。一度は部下の裏切りに遭ったが、上手く立ち回って船を取り戻した。その後、軍艦に襲われた時に友人 の裏切りで退船できず、死亡したと思われたが、何時の間にやら再登場。今は永遠の命とやらを探しているらしい。 ・鳳 美李 (正義の味方のつもりの切り裂き魔 ソロマニ系帝国人) 「こいつは、あんたが大勢から奪ってきた権利だ。要らないのなら、今言ってくれ。」 逮捕に向かった警官が、彼女に言った言葉 女性。死亡時16-17歳。明朗快活、怖いものなしの巨乳ナイスバディ美少女(でも背は低い)。「おっぱいお化け」「鼻ぺちゃ」とも言う。カンテングループと言う地元大企 業のお嬢様で、若くしてグループCEOの座に就き、無償で護衛と海賊退治を行っていたが、降伏した海賊を多数殺害していた。 実際のところ、戦闘中の「降伏」については、「降伏は受け入れない」と言う選択肢もあり、またどこまでが戦闘中で、どこからが戦闘後なのかと言う問題もあるので、 無益な殺生ではあってもまだグレーゾーンと言えるかもしれない。しかし、海賊船の中に人質や潜入捜査官がいればどうなるのかと言う問題もある。また、いったん拘束して 武装解除した海賊を殺害することは、明白な私刑であるが、テンカンの護衛艦隊はこうした行為を行っていた。そして鳳CEOは、そうした行為を推奨すらしていた。 潜入捜査官(船の指揮権を掌握して降伏していた)が死んだことで告発がなされ、証拠が山のようにあがり、鳳CEOを初めてとして多くの社員が逮捕された。鳳CEOは、本来な ら死刑になるところだったが、未成年という立場と一個大隊になんなんとする弁護団のおかげで起訴はされなかった。その代わり、実動部隊の参謀役3名が殺人で有 罪、死刑判決を受けた(2名は執行済みで、残り一人は再審請求と請願でなんとか持ちこたえている)。カンテングループは営業許可の停止と資産凍結の行政処分を受けて倒 産、資産は売却された。鳳CEOは、カンテングループ倒産の直前に疑惑に満ちた急死を遂げている(17歳で心臓発作!?)。 (元ネタは、「そういう話がある」程度しか知らないので、パロディになってないかも…) ・海賊日記 海賊船「ジャックポット」 (以前に山中様よりいただいたものを、ルール変更に併せて改編いたしました) 「ジャックポット」は、200トン級のA型自由貿易船です。船長のアル・ドリンカー氏を筆頭に、乗組員は5名。 (詳しくは、海賊いじめ41 http://kekeke.o.oo7.jp/html2/hukkou/hukkou2/yamanakasan/bw4142/Best_Weapon_41.html ) 参照。 スピンワードメインの辺境航路に乗り出した「ジャックポット」は、途中の農業世界レック(D9957AA-6)で、大きな赤字を出してしまいました。このままでは2週間後のローン返済 が滞り、銀行に商船を差し押さえられてしまうでしょう。何としても差し押さえを避けたいと焦った船長は、短絡的にも海賊を始めてしまいました。 「0.1 海賊の種類」 海賊船「ジャックポット」一行は、商人崩れなので「ジャンプ野郎 (Jumpcusser)」に該当。前述の通り、宇宙船も200トン級のA型自由貿易船で条件に合致します。武装は、三 連架砲塔に搭載したミサイル1門と散乱砂砲1門、そして、パワープラントの出力不足によるダミーのビーム・レーザー砲が1門。ルール的には200トンで装甲な し、加速1G、砲塔1基となります。 「ジャックポット」本来の乗組員だけでは、乗り込み戦の際に戦闘力と人手が不足しています。レックにて、荒事専門のならず者(ギャング)6名を雇用することにしました。「海 賊家業を始めるので、乗り込み戦闘を厭わない、勇敢な若者を大募集」などという広告は出せません。そこでレックの(怪しげな)知人から、そうした人材を紹介してもらうことにし ました。 「1.2 人を集める」 募集DMは、人口コード7より(7−6=)+1、治安度A+より−1、TL7−より+1、農業世界より+2、合わせて+3になりました。 2週間かけて、1D6+3人が集まります。サイコロの目は「3」で、ちょうど6人が集まりました。その全員に関して2D6を振りましたが、全員が「10以下」でしたから、問題はあ りません。書類上、彼らは一等船客として乗り込んでいます。 「2.1 宇宙空間での襲撃」 1回目 「ジャックポット」は、空の船倉を抱えた状態で、レック(D9957AA-6)を出港します。そして100倍直径において、商船の待ち伏せを行ないました。「2.2.1 遭遇数」より、修正値は (主星周辺)のものを用います。 宇宙港タイプDよりDMなし、人口コード7もDMなし、TL5より−1、帝国の領域内で+1、合わせて0。 1D6の結果は「6」。DM0より、1週間で6隻の宇宙船と遭遇しそうです。待ち伏せの初日から、早速、獲物に遭遇したことにします。 「遭遇表2」の主星周辺。2D6は「6」の商船。さらに「商船との遭遇表」で「5」の「政府指定商船(400-600t)」に決まります。この宇宙船は、400トン級のR型政府指 定商船(J1/1G)であることにしました。武装判定(9+)のサイコロは「8」だったので、非武装です(政府指定商船は武装しないと補助金は得られません。これは単に同型の商船 ということで、実際に補助金は受けて居ないと考えるべきでしょう)。 「2.1.2 襲撃」 1回目 まず、通信で降伏を呼び掛けることにしました。 難易度〈難:11+〉、〈通信−2〉、船長の社会身分度5(+1)より、DM+3。サイコロの結果は「7」でしたから、残 念ながら失敗(レスポンス表で11-10=1差の失敗で、DM+1)。費やした時間は(1D6×10=)20秒です。 次の「威嚇表」ですが、海賊船の合計トン数が目標船の半分以下ですから、DM−2があります。通信で降伏を呼び掛けて失敗していますから、さらに−5で合 計−7。サイコロの目は今回「8」で、DM−7を加えると「1」。商船は逃げ出しました。所要時間は20分で、合計21分。 「レスポンス表」のDMは、主星の治安度7+の+1、超大国(帝国)領内なので+1、更に降伏勧告で失敗した分の+1があります。合わせて+3。サイコロは 「3」、DM+3で「6」の「1d6+1時間 (結果は4時間)」。4時間もあれば、多分大丈夫でしょう。海賊船「ジャックポット」は、余裕を持って獲物を追いまわせます。 「2.1.3.1 宇宙船戦闘」 海賊船ジャックポット:HP=4 (200dt/5) 砲塔1 1G 非武装相手で砲塔の数+1、DMは人員を殺傷しないようにする-2、貨物を傷つけないようにする-2で合計-3。 400tR商船:HP=8 (400dt/5) 二倍以上大きい+2 非武装vs武装ありの非武装側(-5) ですが当然、船長はためらうことなく「逃走」を選択しました。非武装扱い のDMは消滅して、DM=+2。ただ出目は悪く、また海賊船と加速が同程度なため、(1D6+3)×(1G/1G)=9/1=9ターン逃げ回らねばならないことになりました。 1ターン目 海賊船 出目9-3=6 400tR:出目10+2 商船の勝ち。逃走中で海賊船にダメージは与えられません。逃走は残り8ターン 2ターン目 海賊船 出目9-3=6 400tR: 出目ピンゾロ+2=4 2差で海賊船の勝ち。出目差2/2 =1で、400tR商船は1ダメージ (残HP=7) 逃走は残り7ターン 3ターン目 海賊船 出目12-3 = 9 400tR: 出目2+2=4(泣) 5差で海賊船の勝ち。ダメージは5差/2=2点+6ゾロ+1=3 400tR商船の残HP=4、逃走は残り6ターン 4ターン目 海賊船 出目9-3=6 400tR: 出目3+2=5 海賊船の勝ちでダメージは最低の1 400tRの残HP=3 逃走は残り5ターン 5ターン目 海賊船 出目12-3=9 400tR: 出目2(落涙)+3=5 400tRは2ダメージ+6ゾロ+1=3ダメージを被りました (残HP=1 逃走は残り4ターン) 6ターン目 海賊船 出目12-3=9(狂喜) 400tR: 出目3+2=5 400tRは文句なしに残HP=0、撃破されました。 死闘は6ターン120分に及んだので、残り時間は2時間です。 「2.1.3.3 乗りこみ戦闘」 「ジャックポット」は、獲物のR型商船に接舷します。 接舷するには、難易度〈難:11+〉、〈パイロット−3〉、敏捷度7(+1)より、DM+4、1回目の判定は「5」で失敗、所要時間は(1D6=)2分。 2回目の判定に「7」が出て(ぎりぎり)成功、所要時間は(1D6=)5分。合わせて7分を費やしました。 接舷して乗り込む行為には11分。R型商船は非武装でしたが、必死の抵抗によって、すでに138分の時間を稼いでいました。乗り込み戦闘で更に時間を稼げば、救援が間 に合うかも知れません。R型商船は、抵抗を試みます。 「ジャックポット」側は、本来の乗組員5名に、レックで雇ったならず者が6名、合わせて11名です(パーティーHP=11)。 乗組員/ならず者の内2名は海兵隊出身、3名は陸軍の兵役経験がありますが、条件に達しないのでDMなし。 また、ならず者のリーダー、エゼカンプ氏は〈リーダー−3〉〈戦術−2〉の技能を備えた優秀な指揮官で、〈戦術〉技能+2、殺傷を控えて居るので-5 DMは-3です。 襲撃されたR型商船は、乗組員と旅客を合わせて13名が乗船していますが(パーティーHP13)、兵役経験者は1人もいません。全員が武装して抵抗を試みましたが、 全13名が未経験者ですから-3、戦術技能の持ち主もいないため-2の計-5DM。パニックの中で「立てこもる」という知恵も湧きませんでした。 1ターン目 海賊:出目7-3=4 400tR:出目7-5=2 海賊2差勝ち 海賊HP=11 400tR側HP=11 2ターン目 海賊:出目5-3=2 400tR:出目7-5=2 引き分け 海賊HP=11 400tR側HP=11 3ターン目 海賊:出目11-3=8 400tR:出目8-5=3 海賊5差勝ち 海賊HP=11 400tR側HP=6 4ターン目 海賊:出目9-3=6 400tR:出目8-5=3 海賊3差勝ち 海賊HP=11 400tR側HP=3 ここで人数比が3:1で海賊側に有利となり、海賊側にDM+3で0。 5ターン目 海賊:出目3-0=3 400tR:出目10-5=5 窮鼠猫をかみ、海賊の二人がやられました 海賊HP=9 400tR側HP=3 6ターン目 海賊:出目8-0=8 400tR:出目5-5=0 海賊HP=9 400tR側HP=1 ここで密かに振っていた降伏判定(2d6/14+)が、人数比1:5以下+2、宇宙船戦闘で負 けた+1 相手が殺傷を避けている+1の+4DMでようやく成功。最後まで奮戦していた乗客のAさんは降伏しました。 海賊側の元海兵隊員二人が軽傷(しかしすぐに戦闘参加は無理)、乗員/乗客達も大した負傷は被りませんでした。 ここまで6ターン60分 残り時間は78分です。 「2.2.4 獲物」表より、サイコロの目が「6」だったので、裕福度は「普通」。貨物の積載量は、裕福度「普通」、サイコロの目2d6-2=8より、80%の160t。 ジャックポットの船倉82トンをすべて満たせます。4トンコンテナの数は21個。 移送に掛かる時間はコンテナ1個当たり6分(固定)x21=126分ですが、「ジャックポット」に搭載されている作業用外骨格は2台です。2台の共同作業で、126/2=63 分が掛かりました。また、外骨格を操作する以外にも1人ずつの補助員/護衛が必要ですから、船倉で移送作業を行なう乗組員/ならず者の人数は4名です。 また、2名の乗組員/ならず者は、「ジャックポット」の艦橋で探知器や通信機を監視。残り5名の乗組員/ならず者が捕虜を監視しつつ、船内を捜索して、現金などのめぼしい ものを漁ることになりました。捕虜13名の監視に3名を割き、所要時間は60分ですが、捜索担当が2名で30分が掛かります。時間はぎりぎり余るので、金庫をこじ開けたつ いでに武器庫の中身も失敬しました(60分÷2人=30分)で計60分。 まずは現金。裕福度が「普通」なので、サイコロの目「12」より、12×400t×10cr=48,000crを獲得。追加獲物はD66が「24」で「無し」。獲物あさりの総時間は、もっとも 時間がかかった貨物の積み替えの63分。 残り時間は15分。 海賊船「ジャックポット」のESMが、別の宇宙船の火器管制レーダーを検知しはじめたので、大急ぎでR型商船を解放して、カーカへジャンプしました。 収穫は、貨物82トンと現金48,000cr。略奪の悪事が1ポイント付きました。 1週間後、「ジャックポット」はカーカ星系(CAA5345-8)に到着します。 ドリンカー船長は故買屋との接触を試みました。貿易品82トンを売りさばきたいので、資金力は「普通:0.5MCrまで:DMなし」にしておきましょう。 「ジャンプ野郎」のペナルティとして、故買屋との接触は難易度が1レベル上昇。難易度〈至難:15+〉になります。宇宙港CのDM+1、人口レベル3でDM−4、 治安レベル5でDM−1で、合計のDMが−4。乗組員の〈交渉−2〉と知力A(+2)に、「ガイドを雇う:+4」を加えて、合計DMは+8。差引き、+4のDM。振っ たサイコロの目は「11」で、ぎりぎりの成功です。所要時間は(1D6=)2日で、ガイド料として2日×1,000cr=2,000crが掛かりました。 レックで仕入れた「貿易品」は、カーカでの基本販売価格が4,800cr。盗品のDM−4と、ドリンカー船長の〈ブローカー−1〉技能を合わせて、DMは−3。サイコロの目 (3D6)は「12」でしたから、DM−3があっても「9」の40%で買い取ってもらえるはずでした。 4,800cr×40%×82トン=157,440crです。 ドリンカー船長は大喜びしましたが、生憎とカーカは低人口世界でした。2D6+(人口コード-6)x10%しか売れない方式で、サイコロの目は「6」。30%(=24.6トン)の貿 易品しか買い取ってもらえません。上記の金額は30%に目減りして、4,800Cr x 40% x24.6トン=47,232crになってしまいました。危惧していた「ジャックポット」のローン 支払いは間に合いました。かろうじて宇宙船の差押えは免れましたが、手持ち資金は空っぽです。分け前を貰えなかった乗組員やならず者の不満を抑え、「ジャックポット」は再 度の襲撃を行いました。 「2.1.2 宇宙空間での襲撃」 2回目 今回はカーカ主星の100倍直径で待ち伏せします。「2.2.1 遭遇数」の「主星周辺」より、宇宙港タイプCの+1、人口コード3は−4、TL8より0、帝国の領域内で+ 1、合わせて−2のDMになりました。1D6の結果は「1」で、DM−2より−1。絶対値の「1」に7日を加えて、遭遇は8日後。辺境星系は、獲物が少ないのです。 「遭遇表2」の「主星周辺」より、2D6の結果は「6」の商船。「商船との遭遇表」より、「7」の「自由貿易船(200t)」に遭遇しました。武装判定(9+)のサイコロは 「3」で、今回も非武装です。非武装の商船には比較的有効な「降伏勧告」ですが、難易度〈難:11+〉でDM+3。サイコロの結果は「7」で、今回も失敗しました(レスポ ンス表でDM+1)。費やした時間は(1D6×10=)40秒です。次の「威嚇表」は、通信で降伏を呼び掛けて失敗していますからDM−5。サイコロの目は今回「9」 でしたが、DM−5で「4」になります。今回も商船は逃げ出しました。 「レスポンス表」のDMは、主星周辺部で規模Aの−1と遭遇数の修正がマイナスの−4、帝国領内+1、降伏勧告の失敗で+1、合わせて−3です。サイコロの目 は「10」でしたから、DM−3で「7」の「1D6時間後に到着」です。1D6を振ると「2」が出て、2時間後になりました。前回、レックでR型商船を襲撃した時はどえらく時間が かかりましたから、海賊船「ジャックポット」のドリンカー船長は、「二時間後に到着する。がんばれ」との無線を傍受して少し焦ります。 「宇宙船戦闘」 海賊船ジャックポット:HP=4 (200dt/5) 砲塔1 1G 非武装相手で砲塔の数+1、DMは人員を殺傷しないようにする-2、貨物を傷つけないようにする-2で合計-3。 200t商船:HP=4 非武装vs武装ありの非武装側(-5) ですが当然、「逃走」。非武装扱いのDMは消滅して、DM=0。 (1D6+3)×(1G/1G)=2/1=2ターン逃げるだ けでよいことになりました。 1ターン目 海賊船:出目12-3=9 200t商船:出目5 その差4/2=2ダメージ 200t商船残HP=2 2ターン目 海賊船:出目10-3=7 200t商船:出目3 その差4/2=2 なんたる幸運か、2ターン40分で200t商船は撃破されました。 残り時間は80分 「ジャックポット」は、獲物のA型自由貿易船に接舷します。接舷は難易度〈難:11+〉で、DM+4、1回目の判定は「10」で成功、所要時間は(1D6=)5分。接舷され た時点で、自由貿易船は抵抗を諦めました。乗り込み戦闘は起こりません。突入には3分かかりました。残り72分 「獲物」より、サイコロの目が「5」だったので、裕福度は「普通」。貨物の積載量は、70%の57トン。 ジャックポットの船倉の大半は、売り損なったレックの貿易品58トンが占めていますから、空き容積は24トン分。これだけで十分です。移送に掛かる時間は、4トンコンテナ6 個と考えて、1個当たり6分、使える外骨格の数2台より、24トンで18分。船内捜索には、今回も30分が掛かります。船内を捜索して見つけた現金は、サイコロの 目「7」より、「7」×200t×10cr=14,000cr。さらに追加獲物で「52」が出たため、200,000クレジットを得られました。 これだけの現金が見つかれば、貨物が少なくても気になりません。次のローン支払いも安心です。残り時間は42分もあり、救援の宇宙船は間に合いません。実は、海軍の哨 戒艦(1,000トン級)が接近しつつあるところだったので、危ういところでした。 「ジャックポット」は、A型自由貿易船を解放して(放り出して)、エキスト星系へジャンプします。収穫は、貨物24トンと現金214,000cr。悪事の略奪がこれで計2ポイント。 1週間後、「ジャックポット」はエキスト星系(C53A313-A)に到着しました。 残念ながら、故買屋との接触には失敗します(難易度〈至難:15+〉でDM+4、サイコロは「5」)。ガイド料の3,000cr(=3日×1,000cr)がそっくり無駄になりました。船倉に満 載された貿易品について、恐る恐る、正規ルートでの貿易品売却を試みます。そうしたところ「地獄で仏」とは正にこのことでしょうか。「全部の貿易品を、定価で引き取るよ。」と 言ってくれる、何とも気前の良いブローカーを見つけられたのです。 レックの貿易品(定価3,600cr)が58トンと、カーカの貿易品(定価3,200cr)が24トンですから、合わせて285,600cr(=208,800cr+76,800cr)の大儲けができるのです。ドリンカ ー船長と乗組員/ならず者達は、その夜、前祝いの祝宴をあげました。 翌日、二日酔いに悩まされつつ、ブローカーの元へ貿易品82トンを送り届けます。ところが商品の引き渡しが終わった後、支払いの段階になって、ブローカーはいきなり、 「これ、もしかしたら盗品じゃないのか」と言い出しました。実は、盗品発覚の判定7+で「9」が出ていました。 最初からバレバレだったのです。「騙し取る」つもりだったからこそ、気前の良いことが言えたのですね。 「うーん、そうだなぁ。知り合いの税関に記録を調べてもらおうか。」 などとワザとらしいことを言い始めたブローカーに対し、乗組員/ならず者達は殺気立ちますが、完全武装の警備員に威嚇され、貿易品を取り戻すことはできません。それどころ か、本当に警察を呼ばれる可能性もありますので、ドリンカー船長は大急ぎで逃げ出しました。もともとが盗品ですから、訴えることもできないのです。 「ジャックポット」は、速やかに宇宙港を離陸しました。 貨物をだまし取られた(当然の報いか)のは残念ですが、略奪した現金の半分107,000crを13人で山分けしたため(船長とリーダーが2人分取るので、1人分は7,133cr)、乗組 員とならず者達の士気は良好です。 「2.2 宇宙空間での襲撃」 3回目と4回目 今度はエキストで待ち伏せします。 「遭遇数」の「主星周辺」より、宇宙港タイプCの+1、人口コード3は−4、TLAより+1、帝国の領域内で+1、合わせて−1のDM。 1D6の結果は「4」で、DM−1より3隻。待ち伏せを始めて2日目に、400トン級のR型政府指定商船と遭遇します。 「ジャックポット」よりも大型の商船であることに加え、困ったことに武装していました(武装判定9+で「9」が出ました)。レックでR型商船の撃破に苦労した経験から、この獲物を 見逃すことにします。 待ち伏せを始めて5日目、今度は「民間船との遭遇表」より、「6」の「退役偵察艦(100t)」に遭遇しました。武装判定(8+)のサイコロは「8」で、今回も武装付きで す。100トンの偵察艦ですから、砲塔数は「1」。 「2.2.2 襲撃」 降伏勧告は、難易度〈難:11+〉、技能DM+3ですが、獲物が武装しているため−4が加わり、DM−1になりました。サイコロの結果は「9」で失敗(レスポンス表 でDM+3)。費やした時間は(1D6×10=)60秒です。 次の「威嚇表」は、目標船が100トン以下で+2、海賊船の合計トン数が目標船よりも二倍以上大きいで+2、目標船が武装しているので−2、通信で降伏を呼び 掛けて失敗していますから−5、合わせて−3でした。サイコロの目は「9」で、DM−3によって「6」。獲物は戦闘モードに入りました。 「レスポンス表」のDMは、遭遇数の修正がマイナスより−4、帝国領内+1、降伏勧告の失敗分で+3、合わせて0です。サイコロの目は「9」で、「1D3時間後」に なりました。1D3のサイコロは「1」でしたから「1時間後」です。 海賊船ジャックポット:HP=4 目標より2倍以上大きい+2、砲塔の差なし、人員を殺傷しないようにする-2で計0。どうせ貨物なんぞ大して積んでいないだろうと、 「貨物を傷つけないようにする」はなしです。 偵察艦:HP=2 (100dt/50) 武装あり砲塔1で砲塔の数の差なし 2G加速でDM+1 DM+1 1ターン目 海賊側:出目9 偵察艦:8+1 引き分け 2ターン目 また引き分け 3ターン目 海賊側:出目9 偵察艦:4+1 海賊側4差で勝ち、4/2=2 S型偵察艦は撃破されました。 さて、この時点で61分(=1時間)が経過しました。救援の宇宙船が到着します。 救援に来た宇宙船はDM+3(同一星系内での海賊行為1件+1と、救援の+2)より、「5+3=8」の商船でした。「商船の遭遇表」では、「7」の「自由貿易船(200t)」 となります。武装判定(9+)は「5」で、残念ながら非武装。戦闘中のS型偵察艦はすでに撃破され、抵抗を止めていますから、どうやら獲物が1隻増えただけに 終わったようです。 再度の降伏勧告は、難易度〈難:11+〉でDM+3ですが、サイコロの結果は「12」で成功。目の前で偵察艦が撃破されたおかげか、到着した自由貿易船はあっさりと降 伏してしまいました。レスポンス表で−4のDMが得られます。降伏勧告に成功したので、抵抗はありません。「レスポンス表」のDMは、遭遇数の修正がマイナスより− 4、帝国領内+1、海賊行為1件で+1、降伏勧告の成功−4で、合わせて-6になりました。サイコロの目は「4」でしたが、DM−6なので「2以下」になり「翌日にもう一 度」ですから、実質的には救援なしです。 さて、2隻の商船を降伏させた「ジャックポット」は、まず最初に、より美味しそうな獲物であるA型自由貿易船に襲い掛かりました。S型偵察艦は破壊され、航行不能に陥ってい ますから、後回しにしても逃げられる心配がないのです。 「ジャックポット」は、獲物のA型自由貿易船に接舷します。 接舷は難易度〈難:11+〉で、DM+4、 1回目の判定は「3」で失敗、所要時間は(1D6=)5分。2回目の判定も「4」で失敗、所要時間は(1D6=)3分。3回目の判定で、ようやく「9」が出て成功、所 要時間は(1D6=)2分。合わせて10分が掛かりました。 サイコロの目が「7」だったので、裕福度は「普通」。貨物は60%の49t。ジャックポットの船倉82トンを満たすには、まだ33トンも足りません。移送に掛かる時間は、4トンコ ンテナ13個で計算して、49トンは39分。船内捜索は今回も2人がかりで30分です。 船内を捜索して見つけた現金は、サイコロの目「7」より、「7」×200t×10cr=14,000cr。追加獲物は「14」でなし。降伏勧告で1分、接舷まで10分、貨物の積み替え /船内捜索に39分。これまでの合計で、111分が費やされました。 次に、「ジャックポット」は最初の獲物、S型偵察艦に接舷します。接舷は難易度〈難:11+〉で、DM+4、判定は「7」で成功、所要時間は(1D6=)1分。S1型連絡船には乗 組員1人しかおらず、抵抗もありませんでした。 サイコロの目が「12」だったので、裕福度は「超富裕」。貨物の積載量は、サイコロの目「2」より、40%の1トン(船倉容積がわずか3トンです)。ジャックポットの船倉 82トンを満たすにはまだ足りませんし、そもそも「貨物を傷つけないようにする」を選択せずにHP=0にしてしまったので、貨物はほぼ全損していました(助かったのは5%=0.05dtの み、高級な陶磁器がほとんど単なる危険ゴミと化していました)。捕虜の監視には1人だけしか割り当てず、4名で船内捜索を行ないました。今回は15分で済みました。 船内を捜索して見つけた現金は、サイコロの目「7」より、「7」×100t×50cr=35,000cr。追加獲物で「65」が出て「重要情報」を手に入れました。 「ジャックポット」は、大破したS型偵察艦と、無傷のA型自由貿易船を解放して、パイリーマ星系へジャンプしました。獲物は2隻分を合わせて、貨物49トンと現金49,000cr、さら に「重要情報」です。略奪の悪事が4ポイントに増加しました。 海賊船「ジャックポット」は、パイリーマ星系(D6891142-5)に到着します。人口レベル1の世界ですから故買屋は存在しませんし、正規ルートでも貿易品を売却できません。貨 物は次の寄港地テュレデッドで売れることを期待し、ローン返済だけを行います。こんな辺境世界に、きちんと銀行の支店があるのか分かりませんが。 「2.2 宇宙空間での襲撃」 5回目 今度は、パイリーマ星系の100倍直径で待ち伏せします。「2.2.1 遭遇数」の「主星周辺」より、宇宙港タイプDの0、人口コード1は−6、TL5より−1、帝国の領域内で+1、合 わせて−6のDMになりました。 1D6の結果は「3」で、DM−6より−3。絶対値の「3」に7日を加えて、遭遇は10日後。乗組員が人型ロボット「ビアトリス」の色香に血迷って当然ですね。100倍直径で何の楽 しみも無く、じっと10日間も待機していたのですから(乗組員の士気チェックが必要か?)。「遭遇表2」の「主星周辺」より、2D6の結果は「9」の民間船。「民間船との遭遇表」よ り、「7」の「退役偵察艦」に遭遇しました。私のオリジナル「S1型連絡船」の「レディバグ」に変更します。武装付きで、実質的には「Q-ship」ですが。 「襲撃」 再び、形だけの降伏勧告で、難易度〈難:11+〉でDM−1。サイコロの結果は「10」で、今回も失敗(レスポンス表で+2)。費やした時間は(1D6×10=)40秒です。 次の「威嚇表」については、獲物が待ち伏せによる逆襲を企図して偽の降伏を行ったため、実質振る必要はないです。「レスポンス表」のDMは、遭遇数の修正がマイナス の−4と、帝国領内+1、降伏勧告に失敗の+2のDM−1です。サイコロの目は「6」でしたが、DM−1なので「5:、1時間後にもう一度」です。 「ジャックポット」は、獲物のS1型連絡船「レディバグ」に接舷します。 接舷は難易度〈難:11+〉で、DM+4、判定は「8」で成功、所要時間は(1D6=)5分。相手が 素直に扉を開けたとして、突入判定は不要としておきます。 さて、お待ちかねの乗り込み戦闘です。 詳細は一回目の襲撃を参照していただくとして、 海賊船「ジャックポット」側は11名、「敵を殺傷しないようする」(DM-5)、人数比3:1で+3で合計DM=0。パーティーHP=11。 一方連絡船「レディバグ」側は、高性能(?)な戦闘ロボットが3台、50%云々以前にこの3台が全てですが、100%なので+2。〈戦術〉技能−3で+3。ビアトリスは、 主部1台/従部3台の組み合わせですが、こうした戦闘に備えて3台の主部が搭載されていたことにしました。従ってパーティーHP=3で人数比の計算でも3扱い。殺傷を 避ける意図はありません。また、乗り込みを受けた側なので、LAN/有線通信の設備も万全です。乗り込み戦闘のDM+5。 1ターン目:海賊側出目5+0=5 ロボット達:4+5=9 その差4。銃撃を受けて海賊達は4人がぶっ倒れました。残HP=7 2ターン目:海賊側HP=7で、人数比による優勢は2:1に減少。そして危機感を持った海賊船側は、「人員を殺傷しない:-5」の行動を撤回しました。DMは一気に増加して+7 海賊側:出目8+7=15 ロボット達:出目8+5=13 ああ、なんということか。可憐な美少女ロボット2台が、潤滑液と冷却材をぶちまけてぶっ倒れました。ロボット達のHP= 1。海賊達のHP=7 3ターン目:ロボットに降伏という発想は無いので、戦闘が続きます。 海賊側:HP比で7:1で+7。その他も併せてDM+9 ロボット(既に単数形):遅まきながら立てこもり (+6)で合計DM+10。 海賊側:出目7+9=16 ロボット:出目5+10=15 5:1の人数比によりダメージ+1ですが、そうするまでも無く最後の一台も破壊されました。 ま、パラレルワールドと言うことでよしとしましょう。ちょっと差が開きすぎてどうしようもありません。しかしながら、海賊達の方も、3人死亡、1人が重傷。さらなる罠に落ちるこ とや重傷者のことも考えて、ドリンカー氏は撤退するかどうか迷い始めました。 どちらにせよ略奪+1。そしてさらに、この場合相手が人型ロボットだったとはいえ、2ターン目はロボットと言う認識なしに殺意を持った攻撃を行っているので殺人未遂と看做さ れ、「殺人+1」。 ただし、この殺人+1については、人型ロボットだったが故に相手は人間と言う認識を持たざるを得なかったという事情が「罠理論」となり、殺人未遂については立件さけない か、無罪になる可能性があります。また、海賊一行は通信から乗り込みまで、レディバグ号の本物の船長(=人間)の存在を認識しておらず、従って認識していない相手に対する 殺意は抱きようがないので、もしこのまま捜索せずに引き揚げれば、船長に対する殺人未遂は成立しない可能性があります(それでなくても、「殺意はなかった」が裁判で認めら れることはあります)。 一方、レディバグ側には、武装したロボットを所有する合法性と、急迫性の問題、すなわち乗り込み戦闘の状況はロボット対人間であり、レディバク側には人命遺失の危険が 無い、しかも相手は殺傷をさけて武器を使用していたことから、海賊側の弁護士の腕にもよりますが、レディバグ側は、自己防衛とは言え生命を奪うに足る急迫性なしと判断さ れる可能性が十分にあります。そうなれば、結果は無罪となるにせよ、レディバグ号の船長は法的訴追を免れないでしょう(←そして、この事によって本ルールにおいては私掠 免許状の資格が失われる)。またロボットに対する見方が厳しい世界で裁判が行われる場合(レディバグ側は殺人罪、および武装ロボット所有罪?で海賊より重罰を喰らうかも…) を考えるべきであり、SF世界独特の法廷劇のネタに満ちた素晴らしいシチュエーションです。 目次へ |