第14回 月例ボドゲ会


 今回も6人参加と言うことで、6人以上でプレイできるゲームばかりをチョイスして持っていった。
しかし急遽シイタケさんが欠席となったので、化夢宇留仁、テノムフ氏、αさん、cerberus氏、ダム氏の5人プレイ。
 最初は「11ニムト」
多人数時の定番である「(6)ニムト」は正月に姪にやってしまって今持っていないのだ(笑)


 おなじみの牛の首マークの描かれた1から100までのカード。
「11ニムト」では、全員10枚の手札を持ち、それが無くなるように出してゆく。
誰かの手札が無くなった時に手札に残ったカードの牛の首マークの数がペナルティになる。
これを人数回数分のラウンド繰り返して勝敗を決める。
今回はとりあえず3ラウンドゲームということでやってみた。

 画像がゲームスタート時の様子。
山札の一番上のカードをめくって公開する。
ここまでは「ウノ」みたいでつまらないイメージ。
 「11ニムト」のカードを出すルールは、「公開されているカードより大きく、差が10までのカード」である。
画像の場合なら84が公開されているから、85〜94までのカードを出すことができる。
100を越えたら1に戻る。
カードを出せない、または出したくない場合は、出されているカードを回収して手札に入れる。
そして2枚のカードを山札からめくって公開する。
つまり捨て札の山が増えてゆくということになる。


 捨て札の山が6つに増えている。
手前にある青い牛の顔のカードは、3枚以上貯まった捨て札の山を回収すると受け取ることになる「雄牛カード」である。
「ニムト」で牛をもらうと言うと悪いイメージしかしないが(笑)、このゲームではこのカードはもらって嬉しいカードである。
このカードを1枚持っていれば、カードを一度に複数枚数出すことができ、更に2枚以上あればその枚数分の捨て札の山に同時にカードを出すことができるのだ。
 「雄牛カード」が無いと、手札の最後の1枚のカードを出すにはどうしても幸運の助けが必要になる。
ただし「雄牛カード」を手に入れるということは3枚以上のカードを回収するということであり、ここにジレンマが生まれるのだ。



 ずらりと並んだ捨て札の山。
こんなにあれば「雄牛カード」が無くても最後の1枚も出せそうなのだが、これがなかなか思う通りにはならないのだ。

 化夢宇留仁は最初は「雄牛カード」無し、2回目は3枚、3回目は2枚回収してプレイしてみた。結果は以下の通りである。

  1回戦 2回戦 3回戦 合計
ダム -3 -2 0 -5
cerberus 0 -2 -4 -6
α -5 -1 -3 -9
化夢宇留仁 -5 0 -4 -9
テノムフ -4 -3 -12 -19

「雄牛カード」を3枚受け取った2回戦は手札を無くすことに成功。
1回戦は判断ミスで最後に牛マークが5つもついたカードを残してしまい、余計に4点もペナルティを喰らってしまった。

 「11ニムト」は前に試しにソロプレイした時にはピンと来なかったが、「ニムト」よりもむしろ頭を使わされる思考タイプのゲームに仕上がっていた。
今後も、ちょっと手応えのあるカードゲームがしたい時に引っ張り出したい。


 次はこの日化夢宇留仁が最もプレイしたかったゲーム「蒸気の時代」
実はここまででソロプレイを何度かやって面白かったので、追加マップも3セット購入していたりする(笑)

 このゲームでは、プレイヤーは鉄道会社の経営者となり、線路をひいて商品を運んで儲けを出し、最終的に最も収入と路線長が長いプレイヤーの勝利となる。
しかし事は簡単にはいかない。
なぜならプレイヤーの会社に資産は無く、最初から株式を発行して資金を得ている、つまり借金した状態で始まるのだ。



 ゲーム開始状態。
各プレイヤーはスタート時点で株式を2発行している。
1株につき5$手にはいるので、最初の所持金は10$である。
 各所にある色の付いたキューブは商品。 これを同色の都市に運ぶことで収入を得られる。ただし一度収入を得るとそれは累積してゆくので、キューブは単純に商品と考えるよりも、メーカーや農地との契約、または人口と考えた方がいい。
 ゲームターンはいくつかのフェイズに分かれている。
最初は株式発行フェイズ。上記の株を好きなだけ発行できる。
しかし株は前述の通り借金であり、毎ターン1株あたり1$の配当金を支払わなければならない上に、ゲーム終了時には1株あたり3ポイントも勝利ポイントを引かれてしまう。しかし株を発行しないと一文無しで経営不可能と、いきなり厳しいジレンマに放り込まれるのだ。

 2フェイズにはそのターンのアクション選択順を決める競りが行われる。
画像の一番下の列が順番を表している。
この競りには勿論借金である資金が使用され、降りる時もさっさと降りないとお金を支払わされるという厳しいルール。
しかしそれでも次のアクション選択は非常に重要なので、なんとか1番を取りたいところ。
 ちなみに画像の左上は点数を表すコマで、その下が現在の株の発行数、その下がエンジンパワーを表している。

 3フェイズにはアクションを選択する。
画像の商品表の下に7つ並んでいるのがアクションで、勿論早い者勝ちである。
「優先輸送」「優先施設」は、続く各フェイズに競りで決めた順番を無視して最初に各アクションを行える。
「エンジニア」は輸送フェイズに通常1ターンに3枚しか配置できない線路タイルを4枚配置できるようになる。
「機関車」は直ちにエンジンパワーを1上げることができる。
それによって輸送できる区間が増えるのだが、維持費として毎ターンの支払いも増えることになる。
「都市化」はボード上の白丸(町)を都市に成長させることができる。
新都市には専用のタイルが用意されており、これも早い者勝ちで、欲しい色の都市があるなら早めに選択する必要がある。
「商品補充」は、商品表の空きマスに商品を追加することができる。
画像では空きマスは無いが、ゲームが進むに連れてここから商品がボードに補充されて減ってゆくのだ。
「パス」は次の順番決めの競りの時に、1度だけ降りずにパスができる。
通常は1度降りてしまうと一番最後の順番になってしまうのだが、最高額を見極めてからの選択が可能になるのだ。


 4フェイズは施設フェイズ。
いよいよ線路を施設し、自分の鉄道会社を発展させてゆく。
都市や町を線路でつなげればその路線は完成とみなされる。
機関車コマはその路線をどの鉄道会社(プレイヤー)が所有しているかを示している。
ゲーム終了時には所有している線路の量も勝利点に影響するので、なるべく多く施設したい。
 ちなみに赤がダム氏、青がテノムフ氏、黒がcerberus氏の会社で、紫の化夢宇留仁は順番が遅くて近場に施設できず、もっと離れたところに施設した。
注目すべきはダム氏の路線で、いきなり町(白いコマ)を挟んで2区間を完成させている。
このゲームではとにかく長い区画が有利なので、いきなりダム氏が頭1つ出たような状況である。

 5フェイズは商品輸送フェイズで、都市から都市へ商品を運び、収入を得る。
ただし運ぶ商品は勿論スタートする都市に無くてはならず、また到着地の都市の色がその商品と合致していなくてはならない。
つまり需要と供給を満たしていなければならないのだ。
運ばれた荷物はボード上から無くなるのでこれも早い者勝ち。
 荷物を運んだらその区画分が収入となる。この時他のプレイヤーの線路を利用することも出来るが、その場合収入は線路を所有しているプレイヤーのものとなる。
また2区画以上先の都市へ商品を運ぶためには、区画数以上のエンジンパワーが必要である。
 商品輸送は1手番中に2回行え、その内の1回をエンジンパワーの向上に使うことができる。
アクション選択時にも「機関車」を選んでいれば、1ターンに2パワー上げることができるというわけ。

 6フェイズはお待ちかねの収入フェイズ。
その時点での収入に応じて現金がもらえる。上の画像で施設していた2区間をダム氏が輸送成功していれば、2の収入になり、収入フェイズには2$もらえるのだ。

 7フェイズは支払いフェイズ。
その時点での株式発行数とエンジンパワーの合計分、支払いを行う。
ゲームスタート時のままでも、2株発行してエンジンパワー1があるので、3$の支払いが発生する。
上記のダム氏のケースでは、2区間輸送のためにエンジンパワーを2に上げているので、支払いは4$。つまり2$の赤字である(笑)
こんなことで経営は成り立つのかと不安になるが、確かに厳しいがなんとか成り立つようになっている。
なぜなら収入は一時的なものではなく、累積してゆくからである。
上記のケースで次のターンに3の収入があれば、現金を5$もらえるというわけ。


 8フェイズ 収入減少フェイズ。
直前に書いた希望を粉砕するようなフェイズ(笑)
線路などの備品は劣化してゆくので維持管理費がかかり、収入の数値に応じて収入が減少してしまう。
画像の外周のボックスの色が収入減少レベルを示しており、例えば収入が24あれば、隣に書いてある-4の通り、収入が4減少してしまうのだ。


 9フェイズは商品補充。
プレイヤー数と同数のサイコロを振り、出た目の都市に商品シートから商品が補充される。
 アクション選択で「商品補充」を選んでいた場合は、その前に商品の入った袋からランダムに2個取り出して、空きマスに配置することができる。

 10フェイズは終了フェイズで、ターンマーカーを1進める。
ゲームはプレイヤー人数によって終了ターンが定められており、規定のターンが終わったら勝利ポイントを計算して多い人の勝ちとなる。
勝利ポイントは収入1に対して3。株式発行1に対して-3。線路1枚(町を挟んでいる場合にはその両方がカウントされる)に対して1加算される。

 というわけで実に厳しいバランスの経済ゲームとなっている。
支払いフェイズで現金が足りなかったらその分収入が減り、それでも足りなかったら破産してゲームから脱落するというのも昨今のドイツゲームには珍しい厳しさである。



 2ターン目の様子。
上記の通り赤のダム氏が2区間確保し、しっかりエンジンパワーも2に上げている。
エンジンパワーを上げると支出が大きくなってきついのだが、後々のことを考えるとやはり有利だと思う。
 黒のcerberus氏はボード左隅に路線を確保。
 青のテノムフ氏はcerberus氏とダム氏の間を縫うように路線をつないでいる。
これは商品の取り合いになるのでリスクがあるが、他のプレイヤーの路線を利用して遠くの荷物を運ぶこともできたりというメリットもある。
 紫の化夢宇留仁は他のプレイヤーと絡むのを嫌ってボード右端に独自路線を形成。早速「都市化」で青の都市を配置している。
やっぱり独り占めしたいのだ(笑)
計画ではその後北に路線を延ばし、更に西に伸ばして長大な路線をゲットすることになっていた。

 3ターン目。
ダム氏がこっちのエリアにも手を伸ばしてきて、非常にじゃまくさい(汗)
このゲームはやってみると分かるが、とにかくマップが狭い。
その分路線に必要なスペースの取り合いが激しいわけ。
4人でもきゅうきゅうだが、更にこのゲームは6人までプレイできるのだから恐ろしい(汗)。

 各路線が入り交じってなんだかよく分からないことに(汗)
化夢宇留仁は北に路線を延ばすのは成功したが、西への出口をテノムフ氏に手をつけられてしまい、焦る。
1つの都市に線路をつなげられるのは、6線路まで。つまり1ヘックスサイドにつき1本なのだが、青とつながっている都市の残りのヘックスサイドはあと1つしか無いのだ。
 またこのあたりで、途中で都市化した赤の都市(ボード右上)が失敗だったのを思い知っていた。
あそこに紫の都市さえ置いていれば継続した収入が得られたのに、目先の収入に吊られて赤にしてしまったのだ(汗)。
 絶好調なのはやはり赤のダム氏。
どんどん手を広げつつ、高い収入を維持している。
 テノムフ氏とcerberus氏はこのあたりから協力して収入を得ていた。
お互いの路線を利用することで、どちらも収入を得るという戦法。
その結果厳しいのはボードの端っこで孤独に戦う化夢宇留仁である(汗)。



 最終局面。
化夢宇留仁はなんとか西に脱出路を設置できたが、予定より大幅に遅れてしまった上、競りでお金を使いすぎて株式発行数が最多で、無理してあげたエンジンパワーも厳しいことに。
赤のダム氏の圧倒的勝利かと思われたが、ダークホースとして黒のcerberus氏が上がってきた。
画面では切れていて見にくいが、黒の株式発行数は7で最小。エンジンパワーもなんと1のままで、圧倒的な省コスト経営を実現していたのだ。

  収入 株式発行 線路数 合計
ダム 22(+66) -9(-27) +20 59
cerberus 15(+45) -7(-21) +14 38
化夢宇留仁 19(+57) -11(-33) +11 35
テノムフ 16(+48) -10(-30) +12 30

 勝利はやはりダム氏。cerberus氏は収入と株式発行の合計数では化夢宇留仁と同じだったのだが、線路数で差がついた。
テノムフ氏はcerberus氏との共同経営だったが利用されただけという結果に(笑)。
よく考えてみれば、エンジンパワー1では自分の収入しか入ってこないので、cerberus氏の計画的犯行かもしれない(笑)。



 初めて対戦プレイした「蒸気の時代」だが、思った通りすごく面白かった。
たまにこういうボリュームのあるゲームをプレイすると、実に大きな満足感を感じることが出来る。
特にこのゲームはテイストにどこかウォーゲームの香りがあり、その辺も影響しているのだと思う。
 ところで、今回のゲームでは大きなルール間違いがあった(汗)。
というのも日本語版の取説に大誤訳があるのだ。
それは商品補充のところで「最初に、左側の表の商品を使用します。それがなくなったら、右側の表の商品を利用します。」とはっきり書かれている。
結果右側の黒に白抜きの数字のついた都市には商品がほとんど補充されず、おかしいとは思っていたのだ。
そこに「すごろくや」で本ゲームにゲームバランスに影響する重大な誤訳があるとの情報を見つけ、やはりこれのことかとどこがそうなのかを探したのだが、ゲーム会当日までは見つけることができなかったのだ。
しかし先日バネスト版の取説を読んでみたらこう書いてあった。
「アクション表示カードは2つのパートに分かれています。左側が西側セクション、右側が東側セクションになっています。各セクション毎に商品の追加を処理していきます。最初に西側の処理を行い、その後に東側の処理を行います。」
やはりここが間違いだったのだ(汗)。
ちなみに現在(2012.3.10)まだアークライトのホームページではエラッタが公開されていない。
バカ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!

 ちうわけで問題もあったが、やはりとてつもなく面白いゲームなので、年3〜4回くらいはプレイしたいと思っている。
追加マップもいっぱい買っちゃったしね(笑)


 次は「ディクジット・オデッセイ」
「ディクジット」の2つ目の拡張セットで、単体でもプレイできる上、新たなボードなどのコンポーネントとシステムで、プレイ人数も通常6人。チーム戦で12人までプレイできるようになった。
また箱の中に今までのセット全てのカードを収納できるようになったので、持ち運びも便利に。
早速やってみたのだが、後で見てみればカードにどのセットのカードなのか分かる目印が無く、もはや今後は全てのセットを混ぜたプレイしか出来なくなっていた(笑)。


 得点ボードなどはシンプルなものに変更されたが、基本的なルールは今までの「ディクジット」と全く同じである。
親が出したカードを当てれば得点。親が出したカードだと勘違いされたらされた人が得点。親は全員に当てられなければ当てられた分だけ得点。
 しかしゲームを始めてみて、少々問題があることが分かった。
最初の1回の答えが、説明を聞いても分からない。
よくよく聞いてみると、なにかのアニメのキーフレーズ的なものらしい。
2回目も「雨がうんぬん〜」というお題なのにそれらしい絵が全然出てこず、再び聞いてみるとやっぱりあるアニメ作品の・・・・・。
ちょ。ちょ。ちょっと待って(笑)
 どうも化夢宇留仁の説明が足りなかったらしい。
これではイメージゲームではなくて暗号通しゲームになってしまう(笑)。
そこでなるべく回答に特定(と思われる)の知識が必要なお題はシステムが意図する者と違うと説明。
その後はスムーズに進行した。



 なぜか圧倒的に強いテノムフ氏(汗)
次に正解すればテノムフ氏がゴールというところでαさんが出したフレーズの答えがこれ。
なんだったか忘れたが、やはりテノムフ氏が正解。
理由を聞けば、あるアニメの・・・・・・ちょ。ちょ。ちょっと待って(笑)

 結果 テノムフ氏30、αさん23、cerberus氏20、ダム&化夢宇留仁14
なんとなくこのゲームに強そうな人が勝って、苦手そうな人が負けている(笑)。
しかし今画像を見て不安になったが、もしかしたら赤はダム氏で黄色はαさんかな?メモでは上記の成績になっているのだが。

 今回思ったが、上記の通り意外に概念をはっきり認識するのが難しいシステムらしい。システムは単純なのでそういう印象は無かったが、逆に単純だからこそそうなりやすいのか。
今後プレイする時にはその辺をもっとしっかり説明しようと思う。


 最後に少し時間が中途半端だったので「動物博士」をプレイすることに。
要するに動物の特徴を使ったカルタで、お題の特徴を持った動物カードを素早く取りまくり、その数を競うというもの。
ただし間違ったらマイナスとなり、また得点自体は一番多く取った人は何点と固定されているので、知識のある人が圧倒的に有利になるわけではない。



 化夢宇留仁は多分日本人の平均よりは動物知識がある方だと思う。
そこで張り切ってカードを取りまくり。
 結果 テノムフ氏&化夢宇留仁6、ダム氏3、αさん&cerberus氏2
ということになった。
今回は大人向けの一番スピードを要求するルールでプレイしたので、やはり動物知識の両が影響したようだ。
ただあんまり考えずに勘で取りまくっても勝負になると思うし、そういうゲームだとも思う。
 カードのイラストは見た通り図鑑のようなテイストでいい感じだし、今度続編の「恐竜博士」も手に入れてみたい。そっちこそ全員勘で取るしかなさそうだけど(笑)。

 ちうわけで久しぶりかつ2012年初のボドゲ会を堪能したのでした。
その後は例によって焼き肉。
来月は貝を焼いたのが食べたいと言い出す化夢宇留仁なのだった(笑)

20120310
20120331修正


過去の記録を見る  次の記録を見る

ボードゲーム天国