2015年2月14〜15日「日露戦争」をソロプレイしてみた


 1904年4月から行われた世界初の近代戦である日露戦争を扱ったゲーム。
昔エポックから出ていた初心者向けのウォーゲームの名作と言われていた本作も、化夢宇留仁は初プレイ(笑)
ルール自体は簡単だが、古いせいか説明書の構成が少々ややこしく、なんだかピンと来なかったので、とにかくやってみることに。
そしたらやっぱりよく分からなかったので(笑)いったん中断し、これは気を取り直してやり直してみたもの。
1ターンは1カ月。ヘクスは10kmである。



  初期配置。
とにかく広大なマップ。初心者向けとは言え、やはりフルマップサイズはでかい。
ユニットが小さくてほとんど見えないが(笑)、緑色がロシア軍、青色が日本軍である。
ちなみに南の日本軍の近くのロシア軍のユニットは、配置のルール解釈の勘違いがあり、少し窮屈なことになっている。本当はもっと広範囲に配置できたらしい。

 1ターン(1904年4月)
朝鮮から北上してきた日本軍が港町安東近くに陣取っていたロシア軍を攻撃。
同時に騎兵部隊は東北へ進み、ロシア軍の後方を脅かす方針。
ちなみに丸い木製のコマはゲーム「アグリコラ」のコマである(笑)
別売りのコマを購入したので余った状態で、現在こうして色々なマーカーとして使用している。
紙のコマに比べてつまんで持ちやすいので非常に便利(笑)
今回は占領都市マーカーとして使用しているが、またルールを読み間違えてVPに関係ない街にも置いている(汗)
この攻撃は成功し、逃げ場のない(配置ミス)ロシア軍守備隊は全滅した。

 このターンの明石大佐の秘密工作ポイントは4だった。
さて明石大佐とは誰で、なにをしていたのかと言うと、当時のロシアの首都であったサンクトペテルブルグにおいて、日本公使館駐在武官の任についていたのだが、日露戦争が始まるとスウェーデンはストックホルムに居を移し、ロシア革命の運動家への資金援助を始め、様々な情報戦を行ったいわゆる間諜である。


 こんな顔だったらしい。画像はWikiより。
戦後ドイツ皇帝ウイルヘルム2世は 「明石一人で、 大山満州軍20万に匹敵する戦果を上げた」 と激賞し、 ウォーナーの 「日露戦争全史」では「東郷や大山はロシアの艦隊や地上軍を撃破したが、 明石はロシアの心臓部に直接攻撃を加えた」 と記したそうで、間諜としては最大限の成功を収めたらしい。
というわけでこのゲームではこの人の活躍が結構影響するようになっているのだ。
それにしてもこの人とか甘粕とか、昔の日本人はなかなかしたたかだったようだ。

 ロシア軍ターン。
増援を送ったくらいで大した動き無し。
ちなみにこのゲームの増援はポイントを使用して購入するようになっている。
一見作戦級ゲームに見えるが、上記の海戦や明石大佐もそうだが、戦略級的要素を強く持ったゲームなのだ。

 2ターン(1904年5月)
まずは海戦フェイズ。
ウラジオストックと旅順それぞれの艦隊が日本軍迎撃に出港。
ウラジオストック艦隊は日本艦隊にダメージを与え、このターンの日本軍の輸送力を-2にした。
旅順艦隊は小競り合いの結果帰港し、修理のため1ターン行動不能となった。
てなわけで盤外の艦隊戦も盤上の戦いに影響してくる。
ちなみに艦隊戦はもう少し具体性のある選択ルールもあるのだが、ソロプレイに不向きなので今回は採用しなかった。


 日本軍は朝鮮から北上してきた部隊の一部はそのまま北上。残りは西へ。
また旅順近くのホウトシンの港を占領し、いきなり旅順の目の前に上陸してそのまま旅順へ向かった部隊も。
ところで旅順とはマップの西端にある半島で、ここに要塞があったのだ。
いわゆる旅順要塞で、史実では日本軍は多大な被害を出しつつも大口径砲の活躍もあり、この要塞を攻略している。
本ゲームでも旅順要塞は重要拠点であり、攻略すればゲーム中最大の20VPを得られる上に自動的に旅順艦隊は全滅してしまうのだ。
したがって勝利のためにはどうしても旅順を落とす必要がある。
ただし今回は旅順の前に立ちふさがる南山要塞を5-1で攻撃し、これを撤退させて入城したところまで。
 明石大佐の工作ポイントは今回は1(サイコロを振って決める)で合計5に。
これが20以上になるとロシア労働者のストライキや暴動が発生する可能性が出てくる。

 ロシア軍ターン
旅順から南山方面へ、またロシア軍総司令部のあるリャオリャンより南方は守備隊が進み出た。

 3ターン(1904年6月)
海戦フェイズ。
ウラジオストック艦隊は日本艦隊にこてんぱんにやられて逃走。2ターン出撃不能になった。
旅順艦隊は修理中。


 日本軍ターン
進軍。しかし東の騎兵は的の強力な守備隊を見て逃げ帰ってきた(笑)
旅順方面では半島南部に新たな日本軍部隊が上陸し、大連を包囲攻撃。
これを殲滅し、大連を占領。
ちなみにマップ上の黄色のコマ(アグリコラのコマ/笑)は、勝利ポイントに影響する都市である。
特にデザインが変えてあるわけでもなく、名前も中国名で分かりにくかったので置いてみたらすごく状況が分かりやすくなった♪
 明石大佐の秘密工作は合計7になった。

 ロシア軍ターン。
とにかく戦力が足らない。
旅順では防備を固め、それ以外では各道路に防御拠点を設置した。

 4ターン(1904年7月)
海戦フェイズ。
旅順艦隊は日本艦隊への攻撃に成功。日本軍の補充ポイントを-2した。


 日本軍ターン。
大連と南山の間に残っていたロシア守備隊と、ハイチャンの守備隊を攻撃。
どちらも殲滅した。
 明石大佐の秘密工作は12ポイントに達した。


 ロシア軍ターン
守備隊を展開。
旅順方面では敵の突出部隊を海に追い込んで包囲攻撃(2-1)。
しかし結果は痛み分けに(汗)

 5ターン(1904年8月)
海戦フェイズ。
旅順艦隊が出撃するも、戦果無し。


 日本軍ターン。
3カ所で包囲攻撃を行った。
結果我が軍にも損害が出たが、3カ所いずれの敵も殲滅された。
 赤瀬委大佐の秘密工作ポイントは17に。


 ロシア軍ターン。
もはや旅順が落ちるのは時間の問題かと思われる。
さらに現在総司令部をおいているリャオリャンだが、このままではこちらも日本軍の手に落ちるのは時間の問題のように思える。次のタイミングで奉天に司令部を移すのを視野に入れつつ、遅滞防御。

 6ターン(1904年9月)
海戦フェイズ。
ウラジオストック艦隊、旅順艦隊ともに戦果無し。


 日本軍ターン。
リャオリャン方面で攻勢。リャオリャンの目の前まで迫った。

 明石大佐の秘密工作は21に達した。ストライキが発生し、このターンのロシア軍の補充ポイントが-2された。

 ロシア軍ターン。
司令部を奉天に移動。
しかしこのままずるずると退がっていては勝ち目がないので、この辺でなんとか強固な防御線を張って守り抜かなければならない。
しかし本国でストライキとは、タイミングが悪い。


 7ターン(1904年10月)
海戦フェイズ。
ウラジオストック艦隊、旅順艦隊共に、今回の出撃は大戦果を挙げた。
(日本軍補充ポイント-2&1/2)


 日本軍ターン。
全面的に攻撃。
旅順にはお待ちかねの28cm砲(二十八糎砲)が到着し、圧倒的な火力で要塞に穴を開けた。
画像はWikiより。


 旅順への攻撃結果は2EXR(汗)
しかしとりあえずは旅順の一角に入城した。
奉天への包囲網も狭まり、攻撃を繰り返すが、結果はAR、AR、EXRと散々な結果に(汗)
しれっと奉天の北と東にぬけようとしている部隊も(笑)
明石大佐の秘密工作は27ポイントに。




 ロシア軍ターン。
防戦一方。
思い出したように北方と東方にちょろちょろ出てくるので、うっとおしいことこの上ない(汗)
北はなんとか防いだが、東は放置しておくほか仕方がない。

 8ターン(1904年11月)
海戦フェイズ。
ウラジオストック艦隊は港凍結により、このターンより出港不能。
旅順艦隊は旅順が落ちると全滅してしまうので、ウラジオストックへ移動しようとする。しかし日本艦隊に妨害され、旅順に戻った。

 日本軍ターン。
とにかく攻撃(笑)
旅順では28cm砲の支援の元、7-1攻撃。
攻撃は大成功。
追撃の結果、旅順は日本軍の占領下となった。
旅順艦隊も同時に全滅。



 奉天方面でも日本軍の包囲の我が狭まり、とうとう奉天の目の前まで迫った。
奉天の南東にあるフーシュンという街を占領(5VP)
東からぬけようとしていた部隊は、そろそろ山越えにかかる(笑)
 明石大佐の秘密工作ポイントは33に達したが、特になにも起きなかった(笑)

 ロシア軍ターン。
現在の日本軍VPは58(旅順艦隊の分を忘れていたので本当は63)。
70に達したら日本軍の勝利なので、奉天(10VP)をとられたらほぼロシア軍の勝ちはなくなる。
敵ユニットを壊滅させることでもVPは稼げるが、それは日本軍も同じ。
とにかく奉天死守しかない。
更にシベリアの冬が到来し、補充ポイントも-2される始末(汗)


 9ターン(1904年12月)
 日本軍ターン。
中途半端に二百三高地に残ったロシア軍部隊を掃討。
奉天方面は進攻を続けた。
東へ向かった部隊は山岳部に入って補給切れ(笑)
しかし次のターンに道に入れば補給も復活する。

 ロシア軍ターン。
奉天の死守方針は変わらないが、増援を配置しにくいので司令部を鉄嶺に移した。
なんだか東の方をちょろちょろ進んでいるやつもそろそろなんとかしなくては(汗)

 10ターン(1905年1月)
 ロシア軍はとりあえず東から迫ってきていた日本軍には守備隊を回したので、後方をいきなり占領されるということは無くなったが、もはや奉天が風前の灯火状態。

 11ターン(1905年2月)

 とうとう奉天が陥落。
この時点での日本軍79VP(おそらく本当は旅順艦隊壊滅を含めて84VP)
残り2ターンで10VP以上を取り返すことは不可能として、ロシア軍投了。

 最初に書いた通りルールは簡単なのだが、少々説明書の構成がややこしい。
しかしそれを差し引いても、しっかりと楽しめるゲームという印象だった。
と言うか、広いマップに大きな動きで、大局的な視点を楽しめ、今まで化夢宇留仁がプレイしたウォーゲームの中で一番プレイした感が強く、満足感も大きかったように思う。
ルールは簡単だが本格的なウォーゲームを楽しめるという意味では、理想的なゲームと言えるかもしれない。
これで説明書の構成がもう少しすっきりしておればと思う。

20150504


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