2015年8月7日〜8月21日 「激闘!スモレンスク電撃戦」をソロプレイしてみた


 ゲームジャーナル53号の付録のオリジナルシミュレーションウォーゲーム。
前にプレイした「中央軍集団東へ」とほぼ同じテーマを扱ったゲームということで、比較してみようとプレイしてみた。
扱っている範囲は白ロシアからスモレンスク、更にブリヤンスクやヴァジマまでを含んでおり、これ以上東に行ったらもうモスクワである。
と言うのもこのゲームは北方、中央、南方のそれぞれの軍集団担当地区のゲームを集めたらバルバロッサ作戦全てがプレイできるという企画の1つなのである。
ちなみにモスクワマップは独立して雑誌に掲載された。

 初期配置。一定の制限内で自由配置。
地図中央の赤丸がミンスク、右上の赤丸がスモレンスクである。
ゲーム盤の左から右上に向かって進む黒い線は境界線であり、そこから上は北方軍集団の担当地区になるのでこのゲームでは一切使用されない。
 諸々の同テーマのゲームと同じく、ドイツ軍の奇襲からスタート。
奇襲時には川の効果が無視され、ドイツ軍が一方的に攻撃する。


 なかなか壮絶な一斉攻撃。
結果ソ連軍の3ユニットが除去された。ちなみにステップロスシステムなので、ダメージを負った部隊は他にもたくさんあった。

1ターン(1941年6月22〜30日)
 チットを引く。
そう。このゲームも「中央軍集団東へ」と同じくチットプルシステムなのだ。
ただしあのゲームほど変わったルールは無く、ドイツ軍、ソ連軍共に引いたチットの部隊を活性化させるのが基本。
ただしその中に補給や増援のチットが混じっている。
補給チットが引かれた時に連絡線が引けなかったユニットはただちにステップロス。なかなかドキドキさせるシステムである。
 最初に引かれたのは2PzG、つまりグデーリアンの第2装甲集団だった。
このゲームには司令部ユニットがある。
上の画像で右下に1ヘクス離れてぽつんと配置されている赤いユニットが第2装甲集団の司令部、つまりグデーリアンである。
このゲームではこの司令部の指揮範囲(このゲームでは全ての司令部が4ヘクス)にいる味方の部隊を活性化させて移動と戦闘を行える。
なぜか範囲内であれば他の部隊のユニットも活性化できる。


 どどど〜〜〜〜っと攻め込む第2装甲集団。
このゲームでは敵ZOCに入るのに+2移動力、出るのにも+2移動力がかかる。
つまり浸透移動が可能なのだ。
脚の速い装甲部隊はどんどん敵のZOCに分け入っていき、包囲攻撃を敢行。
この攻撃でソ連軍5ユニットを除去した。

 次のチットはドイツ軍第9軍が引かれた。


 こっちの部隊は機械化されていないのでがんがん浸透移動というわけにはいかないが、ゴリゴリと押しまくる。
1ユニット除去。
 次は第3装甲集団のチットが引かれた。
全然ソ連軍のチットが引かれないが、というのも最初はソ連軍のチットは第3軍と第4軍と第10軍の3枚しかないのだ。
対してドイツ軍の方は第2と第3装甲集団、第4軍、第9軍の4枚の上に、更に第2、第3装甲集団は2枚ずつチットが入っていて、しかも第2装甲集団の1枚はいつでも割り込み使用可能ということで、戦争序盤のドイツ軍の機動力と連携力を表しているのだ。
 その後ゲームは進み、補給チットが引かれて包囲されていたソ連軍1ユニットが除去され、4ユニットがステップロス。
後半でソ連軍のチットも引かれたが、第3軍と第4軍の司令部はすでに壊滅(汗)
第10軍は軍全体が半分包囲された状態で、出来る限り後退するしか無かった。

 1ターン終了時の様子。
ソ連軍の国境守備隊の戦線は完全に崩壊し、ドイツ軍がなだれ込んでいる。
このままだとドイツ軍が好き放題荒らし回りそうだが、もちろんこれからソ連軍に大量の増援があり、東の方から怒濤の赤い津波が迫ってくるのだ。

 ちょいと跳ばして3ターン終了時の様子。
終了間近に第2装甲集団が滑り込みでミンスクを占領。しかしソ連軍の増援が目の前まで迫っている。
国境守備隊も少し生き残っており、後続の進攻が遅れ気味。
南部では兵力の分散を恐れて防御に専念してみたら、ぞろぞろとソ連軍が進軍してきて少し焦っている(笑)
東部では前は動きの無かったソ連軍全部隊が動き出し、増援も含めてぞろぞろと西へ。
まさに赤い奔流。

 4ターン。
南部ではピンスクの街を焦点ににらみ合い。
ソ連軍はピンスクを回り込んで包囲したいが、沼地では足を取られて全然動けず。

 4ターン終了時の様子。
ミンスク周辺部で派手にぶつかり合っている。
しかしドイツ軍としては南西部の守備隊生き残りに多くの部隊が足止めされているのが痛い。
この部隊も前線に投入できていれば一気に突破できていそうなのだが。
まあどちらにしても歩兵部隊が装甲部隊についていくのは不可能なのだが。
 このゲームは通常9ターンまでだが、今回はショートゲームの6ターンまでをプレイするので、残り2ターン。
この調子ではどう考えてもドイツ軍の勝利はおぼつかない。

 ちうわけでゲーム終了時の様子。
結局ドイツ軍はスモレンスクまでも近寄れなかった。
VPはドイツ軍20、ソ連軍70でソ連軍の圧勝。
やはり国境守備隊の掃討に時間がかかってしまったのが大きかったと思う。

 今回プレイした「激闘!スモレンスク電撃戦」だが、正直言ってあまり面白くなかった。
途中で旅行がはさまって興が削げたというのもあると思うが、なによりその前にやった「中央軍集団東へ」でのソ連軍の表現が見事すぎて、当たり前に指揮ができるソ連軍とにうことだけで少し興ざめ(笑)
それに上でも書いたがこのゲームは3部作をつなげてバルバロッサ作戦全てを表現しようという企画でもあるので、どうしても単独のゲームとしての完成度は下がらざるを得ないところもあると思う。
 あと気になったのは司令部の指揮範囲であれば同一部隊でなくても活性化できるというところと、ドイツ軍とソ連軍の司令部の指揮範囲に差が無いというところ。
前者はどうしてもゲーム的な処理に思えてしまうし、後者は兵力では劣っていたドイツ軍の最大のアドバンテージだと思っていたので、拍子抜けしてしまった。
もっとこの戦いのことをよく知れば納得できるのかもしれないが、どうも全体的に焦点が定まらない感じだった。

20150921


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