2015年8月23〜25日
戦車戦2「シナリオ1 ギガント・イン・ロッシエニ」をソロプレイしてみた


 独ソ戦初期を扱ったゲームが他に無いかと探したが、もっと規模の大きいものとかすでにプレイ済のものが多かったので、戦術級に目を移してこのシナリオをプレイしてみることにした。
それによく考えれば「戦車戦2」は前にプレイしたのは最初にも関わらず勝手に作ったシナリオだったのだ(笑)
 時に1941年6月24日。
先日プレイした「独ソ電撃戦」の2ターン目に当たる。
ただし場所は全然異なる(汗)

 早速ゲーム開始。
ソ連軍はKV1が2両、T26が6両という編成で、マップ北側に集中配置した。
しかし1ターン目は西のマップに入れないので臨機射撃の体勢で待機。
ドイツ軍は最初の部隊が2号戦車1両、38(t)4両、Pak37×2、Pak50×2、輸送トラック×4という陣営で、5ターン目にはFlak88を擁する第2部隊が進入してくる。
 さて勝利条件はと言うと、全12ターンで、ドイツ軍は地図A(右のマップ)に戦闘可能なユニットを全て入れ、かつ地図Cに戦闘可能なソ連軍ユニットを残さないこと。
ソ連軍は地図Cの西端から戦闘可能なユニット全てを突破させること。
どちらも満たせない場合は引き分け。
・・・・・・・・なんだか違和感がある勝利条件だが、とりあえず進めてみることに。


2ターン
 のこのことドイツ軍のトラックが出て行ったらいきなりKV1のHE弾射撃を喰らった。
狙いは攻撃力のある牽引されていたPak37で、結果はS(制圧)とM(移動不能)。
しかし牽引中の火砲に対してこういう結果が出た時の処理が分からないので(汗)、効果無しとした。
牽引されている火砲は目標物としては牽引車両とは別にしろということだけははっきり書かれているのだが(汗)
じゃあ牽引中の車両が撃破された時には、牽引されていた火砲はそこで射撃状態をとれるのか???


3ターン
 それぞれが前進。
ドイツ軍的には2号戦車は全く頼りにならないので、戦車は38(t)に頑張ってもらうしかない。
どちらにしてもKV1は相手にならないので、そっちはPak頼りで、戦車隊は雑魚のT26を片付けたいところ。

4ターン
 初めてソ連軍がイニシアチブをとった。ドイツ軍にとっては丁度移動の途中で平地の真ん中に戦車がいるので非常にまずいタイミングである。
ソ連軍は当然先制射撃。


 T26の射撃で2号戦車と38(t)が撃破。もう1両が制圧状態に。
そこにKV1の射撃で制圧状態の38(t)も撃破。
化夢宇留仁はとんでもない思い違いをしていたことを知った。
T26は雑魚だと勝手に思いこんでいたのだが、全然38(t)よりも強かったのだ(汗)
このシナリオはKV1さえ警戒していればいいと思っていたのだが、大間違いである。

 T-26軽戦車。
第2次世界大戦前からソ連軍で使用されていた戦車で、改良を加えられながら各地で使用された。
しかし装甲の薄さ(15mm)や88馬力という低出力のエンジンなど、基本設計が古かったため、戦争後半は満州守備隊に回されたという。
画像はWikiより。
 とこんな感じのイメージで、ゲームで見たのは「アドバンスド大戦略」(笑)くらいでそこでも雑魚だったので、すっかりそういう色眼鏡で見てしまっていたのだが、データで見ると防御力では38(t)に劣るものの、攻撃力では38(t)を遙かに凌駕している(汗)
そんなのが6両もいるのでは、KV1がいなくても油断のならないシナリオである。

 この被害でドイツ軍戦車部隊のリーダーも戦死(ソロプレイなので戦車が撃破されたらランダムでその戦車にリーダーが乗車していたかを判定している)
全ての戦車がフォーメーション外になってしまった。
残ったドイツ軍戦車はいったん後退。
トラックは牽引していた火砲を射撃状態にセッティングした。

5ターン
 ドイツ軍がイニシアチブを取り返し、初めてソ連軍がイニシアチブをとった。
Pak50が射撃を行い、T26を1両撃破。1両を制圧状態にした。
ソ連軍も反撃するが被害無し。


 最後にドイツ軍の第2部隊がマップ西端より進入。
その編成内容はFlak88×3、歩兵×5分隊、トラック×8。
とにかくFlak88を早く射撃状態にしたいところ。


6ターン
 イニシアチブはソ連軍。
しかし残りターン数を考えると、西端から突破するには移動力がギリギリの状態で、特にKV1はもはや止まっていられない。
北西にはFlak88も配置につかれたし、このまま斜めに突っ切ることに。
 ドイツ軍はソ連軍の移動に対し、Pak50が臨機射撃を行ったがリーダーの乗るT26を制圧状態にしたにとどまった。

7ターン
 イニシアチブはソ連軍。
双方激しく撃ち合うが、制圧状態にしただけ。
ソ連軍はKV1の脱出は不可能と判断し、T26を逃がすためにPak狩りをKV1に任すことに。
Flak88が西の稜線部にも展開。
歩兵部隊はトラックに乗ったまま突撃。


8ターン
 イニシアチブはドイツ。
北のFlak88とPak50でT26を射撃し、2両撃破(リーダーC死亡)
南のFlak88はKV1を狙ったが外れた。
KV1の反撃でPak50が撃破される。
38(t)からの射撃で、T26の1両がS(制圧状態)。

 最初から違和感があったが、ここに来て勝利条件のおかしさが表面化。
「戦闘可能なユニット全てが突破」という条件だと、場合によっては自分のユニットを敵に破壊してもらえないと勝てないという状況が発生するのだ。
今のKV1もその状態で、盤外突破が無理な以上、もはや無事でゲームが終了したら負けになってしまう(汗)
仕方がないのでソ連軍は1ユニットでも西端から突破できれば勝利ということにした。
問題はドイツ軍だが、ソ連軍を掃討した上、総ユニット数の70%が東のマップに入れば勝利ということでやってみる。


9ターン
 イニシアチブはドイツ軍
北西のFlak88の射撃でT26を撃破。
Pak50からの射撃でT26を移動不能に。
西の稜線のFlak88からの射撃ではとうとうKV1の1両を撃破した。
 ソ連軍は行進間射撃で応戦するが、まともに当たるわけもなし。
ドイツ軍は歩兵も下車させ、ソ連軍を包囲する形に。

10ターン
 イニシアチブはドイツ軍・・・・と言うか、これだけ対戦車砲に狙われると、手順上イニシアチブに関わらず一方的に先制射撃されるので戦車には厳しい状況。
T26が撃破され、残ったKV1も撃破された。
最後に1両だけ残ったT26も制圧状態に。

 死屍累々。
この結果で、移動力の関係上ソ連軍ユニットがマップ西端から突破するのは不可能になった。
しかしドイツ軍もあと3ターンで火砲を牽引状態にして東のマップに進入するのは不可能なので、ここで引き分けとなった。

 「戦車戦2」だが、非常に面白いゲームだと思う。
前作ではちと物足らない感のあった戦車戦フレーバーも、命中判定と被害判定を別にすることでフォローされたし、登場ユニットの種類もぐんと増えたし、射撃ユニットによってセグメントが分けられたことでイニシアチブのサイコロ頼り感も少し軽減された。
 しかし上記の通りシナリオの勝利条件に問題があるのはどうなのか。
とにかく当時は文章が適当なのが多くてみんな苦労していたのだが、ゲームを購入して最初にプレイされる可能性の高いシナリオ1でそんなことになると興醒めも甚だしい。
もしかしてネット上でもあまりこのゲームの話を聞かないのは、このシナリオのせいではないかと疑ってしまう(汗)
 それはともあれ、面白いゲームなのは確かなので、近い内にまたやってみようと思う。
まずはこのシナリオの勝利条件を練り直して(笑)ちゃんと作戦を考えて再プレイしたい。

20150923

 


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