ZOMBICIDE PRISON OUTBREAK


 協力型ハクスラ系ホラーゲームの独立型拡張セット。
避難所として刑務所を使うことを思いついた生存者たちだったが、刑務所にはなぜか装甲化されたゾンビたちが・・・。

  セット内容は新たな生存者が6人とそのゾンバイバー。刑務所の内外が描かれた両面マップタイルが9枚、ウォーカー30体、ランナー12体、ファッティー6体、アボミネーション1体。さらに新たなゾンビであるバーサーカーゾンビのウォーカー16体、ランナー8体、ファッティー4体、アボミネーション1体。その他様々なタイルやカード。



 プレイの様子の例。
右にずら〜〜〜っと並んでいるのは刑務所の独房で、対応するスイッチを入れると全ての扉が開いて中からゾンビがぞろぞろ出てくるという寸法。
ちうわけで今作では刑務所という舞台を最大限活かしたギミックやシナリオが楽しめるようになっている。

 まずは上記の刑務所ギミックから紹介していく。
画像の中央にあるのが回転式セキュリティーゲートで、黄色のラインのある辺は通過でき、ビス止めされたような金属の壁がある辺は通過できない。
そして画像の下にある黄色いスイッチを押せば、右か左に90度回転するというわけ。
いかにもゲーム的なギミックだが、刑務所の雰囲気も相まってシナリオを面白くするのに大きく貢献しているギミックである。
ほんとの刑務所にこんなのは無いと思うが(笑)


 セキュリティーゾーン。
中央の小さな正方形のマスがそれで、ここに入った者は移動以外のアクションを選択できず、もしこのゾーン内でターンを終了したら入ってきたゾーンに戻されてしまう。
つまりゾンビはランナー以外は通過できないのだ(例外あり)。

結果たまりまくってこんなことになる(汗)
たまに通り抜けてくるランナーを倒していれば済むのでここで籠城するのは簡単なのだが、出たいと思うともはやモロトフが無いと不可能(汗)

 監視塔。見にくいが別タイルになっている。
ここには一切ゾンビは現れず、進入も出来ない。
つまり完全な安全地帯な上に、ここからの遠距離攻撃は射程が+1される。
いいことばかりのようだが、もちろんここではアイテムの探索はできないし、ここに籠もっているだけでは勝利は不可能である。
とはいえ塔の上からゾンビを撃つというのはそれっぽいイメージでビジュアルが思い浮かんで楽しいガジェットである。

 追加部屋。監視塔の裏面。作業場?
特に追加ルールは無い。


 有刺鉄線。
視線は通るが通過不能。
ただしアボミネーションは無視して通過する(汗)
見にくいが右上に置かれているのがアボミネーションが通過して破壊されたことを表すタイル。

 こんな感じで刑務所ならでは(?)の色々な地形が用意されている。


 登場ゾンビの紹介。
  ウォーカー。基本セットと同ルールだが形状は異なる。未塗装or塗りかけ。
本作は拡張セットだが本作だけでも遊べる独立型なので、ベーシックなゾンビも入っているのだ。
パンク風や浮浪者風などいい感じだが、基本セットにもいたスキンヘッド(?)のスーツのおっさん(形状は異なる)がまた増えているのはどういうことなのか(汗)
そして女性がいない(汗)


 ランナー。基本セットと同ルールの形状違い。未塗装or塗りかけ。
基本セットには男しかいなかったが今回は女性ランナーもいる。
それにしてもアメリカ(イギリス?)ってこんなにランニングしている人が多いのか(笑)?


 ファッティー。基本セットと同ルールの形状違い。塗りかけ。
基本セットにはハゲおやじしかいなかったが、今回は豊満な女性オンリー(笑)
こういう人はものすごく多そう(笑)

 アボミネーション。
基本セットと同ルールの形状違い。塗りかけ。
基本セットのものよりだいぶいかつくなった。
シナリオの内容からすると、どうやら元は溶接工だったらしい。


 ここからは本作から登場のバーサーカー・ゾンビ。
バーサーカー・ゾンビは刑務所の囚人か看守がゾンビになったもので、なぜか装甲板で覆われており、モロトフなどの特殊なもの以外は遠距離攻撃を一切受け付けない。
近接攻撃の場合は装甲の隙間を狙って攻撃できるのでダメージを与えられる。
 バーサーカーウォーカー。塗りかけ。
トキシック・シティー・モールのトキシック・ゾンビと比べれば脅威度は下がるが、こいつらを盾にランナーとかもっとやばい奴らに接近されるとなかなか厳しい。


 バーサーカーランナー。塗りかけ。
とにかく近寄られたら嫌なランナーが近寄れないと倒せないのだからやっかいなのは間違いないが、さっさと近寄ってくれるので倒しやすいともとれる(笑)


 バーサーカーファッティー。塗りかけ。
ファッティーは元々倒しにくからか、スタンダードゾンビと比べて一番変化を感じない。
ただし見ての通り4体しかいないので、突然ダッシュしてくる確率が上がっている方が印象深い(汗)

 バーサーカーアボミネーション。塗りかけ。
そもそも基本セットの武器でアボミネーションを倒せるのはモロトフだけであり、モロトフはそのゾーンにいる全てのキャラクターを焼き殺すので、同じゾーンでは攻撃できない。つまり変化無し(笑)
拡張セットで近接攻撃でアボミネーションを倒せる武器が登場したが、やはりそれだけでは変化がなさすぎると思ったのか、特殊能力が追加されている。
1アクションで2ゾーン移動。
ちうわけで突っ走ってくる初のアボミネーションである(汗)



 本作で追加された生存者の皆さん。塗りかけ。
左から至近距離で味方がいても銃をぶっ放せるシャノンさん、バットが大好きワッツさん、動きが素早いベルさん、ゾンビの群れに囲まれている味方を引っ張り出して救出できるジョシュアさん、挑発野郎のグリンドコックさん、ラッキーなキムさん。


の、ゾンバイバーももちろん完備。こっちも塗りかけ。

 シナリオの紹介。
シナリオ0 チュートリアル:侵入
 刑務所を見つけた。ここなら最高の避難所になるだろう。
問題はどうやって入るかだが・・・。

 パトカーで武器を揃えてからゲート付近の建物を漁って正面入口の鍵を見つけ出すのだが、探索しているといきなりアボミネーションが現れることも(汗)
チュートリアルにしては辛口すぎるのでは(笑)

シナリオ1 ブループリント
 入ったはいいが刑務所の中は迷路のようだ。まずは刑務所内の地図を見つける必要がある。

 マップ9枚の大規模シナリオ。
上で紹介した色々なギミックも登場して、風雲たけし城みたいで楽しい♪
最初から監視塔の周りにアボミネーションがうろついている事情も海外ドラマみたいで面白い。

シナリオ2 鍵探し
 今度は刑務所のマスターキーを探す。なにしろ刑務所はどこもかしこも鍵がかかっているのだ。

 マップ6枚。
探索するといきなりアボミネーションが現れるトークンが2つもある上に、有刺鉄線の向こうにどんどんゾンビがたまっていくので装備を整えたいけどゾンビがたまりすぎると追加アクションが発生するしのジレンマが楽しい。

シナリオ3 コンクリートソー
 マスターキーは手に入れたのに、正面入口が開かない。
しかし工事現場にあれがあれば開けられるかも・・・。

 コンクリートソーを手に入れて正面入口を開け、中の3つのエリアのゾンビを一掃する。
しかし3つのエリアがどこなのかがはっきり書いてないので、とにかく全部殺すことに(笑)

シナリオ4 溶接工
 刑務所の防備を固めるため、使わないドアを溶接することにした。
刑務所には溶接機もあるが、問題は元の持ち主がアボミネーションになっていることだ・・・。

 マップ4枚の小ぢんまりとしたシナリオだが、回転式セキュリティーゲート周りの通過手順に少々頭を使わされる。
元溶接工はすぐに有刺鉄線を破って迫ってくる(笑)

シナリオ5 簡単なお仕事
 ゾンビでいっぱいの監房を開けて掃除するだけの簡単なお仕事(笑)
冒頭のプレイ例写真はこのシナリオのもの。
やはり一時的とはいえ、一斉に大量のゾンビに出てこられるとなかなかきつい。

シナリオ6 救出
 はぐれてしまった仲間を見つけて脱出する。
スタートゾーンが2箇所に別れている珍しいシナリオ。しかしまあまあすぐに合流できるので少し肩透かし?

シナリオ7 天国
 安全な場所を見つけたはいいが、すぐ隣りの庭がゾンビでいっぱいで気になって仕方がない。
掃除を済ませてすっきりしよう。
 マップ6枚で監房の中のゾンビを駆除した後、庭に溢れかえっているゾンビも全て掃除する。
スイッチを駆使したややこしい道筋もあるが、アボミネーションに有刺鉄線を破るように誘導すれば近道ができる。

シナリオ8 食い物〜〜〜!
 避難所は安全だが、食料庫との間にソンビが(汗)

 バスケットコートからスタートして、建物の中を通って出口から出て、道を建物の反対側に回り込んで裏口から入ってスイッチを操作したらようやく食料庫への入り口が開けられるようになる。
非常にまどろっこしいところが面白い(笑)

シナリオ9 終わらない掃除(考えられる結末)
 刑務所の奥にはまだまだゾンビが山のように・・・。どうやら考えが甘かったらしい。
 マップ6枚で、監房を全部開けてから刑務所外へ脱出する。
向かい合った監房の間の通路が広く、ライフルで遠距離射撃をするのが痛快。
ただしこっちとのラインがずれているとゾンビが増えまくるので注意(汗)

シナリオ10 刑務所は地獄(別のエンディング)
 刑務所の奥にはまだまだゾンビが山のように。1日が終わる頃にはここに君臨する種族がどちらかはっきりするだろう。
 マップ8枚に散らばっている目的トークン7個を全て入手するために、あらゆるところでゾンビと戦う。
明日はどっちだ!?

 気合を感じるコンポーネントのボリュームと、工夫されたギミックとそれを活かしたシナリオと、とてもよくできたセットで非常に面白い。
また舞台が刑務所ということでシナリオ間のストーリーもいい感じで表現できているのもいい感じ。
しかしパッケージデザインはシリーズ通して最悪の出来(笑)

おまけ
いつものカード類の日本語化シール。翻訳はいつものようにテキトー(笑)
ZOMBICIDE PRISON OUTBREAKカード日本語化シール

気楽さ 4
言語依存 3
 大した量は無い。
ソロプレイのしやすさ 5

完全協力型ゲームなので全く問題ない
化夢宇留仁の好き度 5

20240210