関連作品データ

映像作品

クトゥルフ関連の映像作品データに関しては、怪奇幻想シアターが実に詳しく解説している。
ここでは化夢宇留仁が観た関連作品のデータと感想を紹介します。


インスマスを覆う影

★★★ 1992年日本ドラマスペシャル(ビデオ発売もされた)原作「インスマスの影」
 かつて大橋巨泉が司会をしていたギミア・ブレイクという深夜番組で放送された貴重な日本製クトゥルフムービー。
ほぼそのままのストーリーを舞台を日本の漁村に移している。
駅の表示が赤牟、王港など、パロディもあり、佐野史郎主演でなかなか面白かった。



ストレンジインベーダーズ

★ 1983年アメリカ映画。ある田舎町に25年もの昔から、人に化けたインベーダーが住みついていた。
妻子を奪われた男が、その真相に迫る。
 50年代SFのオマージュたっぷりのSFミステリー。
脚本がしっかりしていて結構楽しめる。
主人公が新聞社に情報を求める件など、展開がゲームの参考になるところも多い。
派手な服を着たセールスウーマンに変装したエイリアンが「エイボン」と名乗るが、関連は不明。

 



ゾンバイオ 死霊のしたたり

★★ 1985年アメリカ映画 原作「死体蘇生者ハーバート・ウェスト」 監督/スチュアート・ゴードン
 とにかく悪趣味な監督が、力を振るった代表作。
雰囲気的には原作小説よりもむしろTRPGに近いかも・・・と、思ったけど、原作読んだらだいたいそのまんまだった(笑)。

 

 



死霊のしたたり2

★ 1989年アメリカ映画 監督/ブライアン・ユズナ
 前作に輪をかけて悪趣味な監督が、力を振るった作品。
もはや原作などまったく関係なく、死体を集めた新たな生物の創造や、異種族の合成による変なモンスターや、なんかどうでもよさげなキャラクター達・・・とにかく荒唐無稽で滅茶苦茶な展開が続く。
全てにおいて滅茶苦茶だが、なんか妙に面白いのはなぜだろう(汗)?
B-2ステルス爆撃機が初飛行した同じ年にこんな映画が上映されてたんだなあ・・・アメリカって広いっす(笑)。

 




フロムビヨンド

★★★ 1986年アメリカ映画 監督/スチュアート・ゴードン
 スチュアート・ゴードン監督お得意のエログロホラー。だいたい原作に近い内容なのだが、SM趣味とか色っぽい精神科医(バーバラ・クランプトン)とかが出てきて台無しにしているのが微笑ましくもある(笑)。
ゾンバイオでウェスト役を演じていたジェフリー・コムスが主役で、最初はサマーセーターを着た爽やかな好青年といった感じだが、やっぱり最後はグチョグチョドロドロ(笑)。



ヘルハザード禁断の黙示録

★★ 1991年アメリカ映画 監督/ダン・オバノン
 「チャールズ・ウォードの奇怪な事件」の映画化。原作の情報量が半端じゃ無いため、映画にするにはその多くを削らなければならないが、この作品はそれが最もうまくいった例の1つだと思う。
原作の後半部分を中心にしたストーリーはテンポよく語られ、かと言って原作のおどろおどろしいゴシック調の雰囲気はしっかり再現されている。
出てきただけで笑えるクリス・サランドン(笑)も相変わらずいい味を出している。
化夢宇留仁が今まで(2003年12月3日現在)観たラヴクラフト原作の映画の中ではピカイチの名作でした。
また主人公を探偵にしていることで、むしろ原作よりもゲームの参考になるところが多い。
★を2つにしているのは原作が元々クトゥルフ神話にあまり関係ない話なのと、原作で最もクトゥルフ神話に関連が強かった呪文が省かれているためで、原作のイメージは実に忠実に再現されている。
 いや〜、ダン・オバノン久しぶりに観たけど、相変わらずうまいわこの人!



ダゴン

★★★ 2001年スペイン映画 監督/スチュアート・ゴードン
 タイトルは「ダゴン」だが、実は「インスマウスの影」の映画化作品。
時代は現代。 IT事業で財を築いた主人公達が、クルージングしているところをいきなりの嵐に見舞われ、ヨットは座礁 。けが人が出たために近くの町に助けを呼びに行くというのが冒頭。
その町というのが要するにインスマウスなのだが、舞台をスペインに移しているせいか町やキャラクターの名前が変更されているのは違和感がある。 それを除けばインスマウス(作中ではインボッカ)の雰囲気はまさに原作そのままで、海からの遠景から町に入ってからの雨が降り続く陰鬱とした町並まで、実にいい感じ。
しかしどうも主人公が変に軽い若者で、雨の中での眼鏡は邪魔そうだし、決まり文句の「選択肢は2つ」というのも、如何にもなんとかキャラクターを立てようとしているのが見え見えでうっとおしいしで、イマイチ入り込めない。
 あとはだいたい原作と同じ流れなのだが、どうも全体的にピントがずれている。
触手おじいちゃんの活躍とか、笑えるところもあったが、全体の流れとしてはやはり変。
特に気になったのは主人公の彼女の存在で、これが典型的アメリカ人な容貌なのだが、素直で素朴で賢くて色っぽくて有能な滅茶苦茶いい子なのだ。付き合うより結婚したいタイプ(笑)?しかし原作が原作なので、まともな扱いを受けられるわけもなく、いくらなんでもそれはないだろという展開に。
なんか彼女が可哀想すぎて主人公のストーリーはどうでもよくなってしまう。
無理に女の子を出さないか、出すなら町にたどり着くまでに死ぬか、またはどうでもいい奴(裸になって死んだら素直にサービスカットとして喜べるような/笑)に描写 してくれていればよかったのに。
または主人公がもっとまともな奴で、町には一人でたどり着くようにしていれば、すごく原作に近い雰囲気の作品になった筈なのに残念である。
町の描写以外によかったのは、ディープワンのお姫様的存在の女性だが、これはキャスティングによるものが大きい。すっごい変な顔で、エキゾチックで可愛くて色っぽくて不細工なのだ(笑)。
 最後になるが、化夢宇留仁はこの作品を日本語吹き替え版で観たのだが(それしか売ってなかったのだ/泣)、これが今まで体験したことのない、恐ろしいまでにチープな録音&演技で、効果 音はろくに聞こえないわ、セリフは下手な上に口パクと合ってないわで、元々あまり出来のよくない映画がより駄 目映画になっていたのは確実なので、評価が厳しすぎると思ったらそれが原因だと考えて間違いないと思う(特に主人公のキャラクター)。
ま、あとは実に出来のよかった「ヘルハザード」の後だということも影響していると思うが、やはりスチュアート・ゴードンは変に真面 目な作品を作ろうということ自体が間違っていると思う(笑)。



ネクロノミカン 禁断の異端書

★★★ 1993年アメリカ映画 監督/ブライアン・ユズナ、金子修介 製作総指揮/一瀬隆重
 ラヴクラフトがアメリカの密教寺院の図書館で禁断の魔道書ネクロノミカンを盗み見るのに成功する。
このシーンをプロローグ、幕間、エピローグという形にし、本編はネクロノミカンの内容の断片という形で3つの物語を展開してゆく。
 一つ目の話は登場人物の名前からすると「壁の中の鼠」が原作らしいが、 ほとんど原形もとどめていない。
死者を蘇らせると色々不都合なことがあるという話で、まあそれっぽい雰囲気はある。
しかし最後のオチが単にクトゥルフっぽい怪物が出てくるだけで、なんかでろでろ。
 二つ目は「冷気」が原作で、医者の役をデビッド・ワーナーがやってるだけで少し得した気分になる。
大幅に脚色はされているが、原作の雰囲気は充分残っている。
しかし医者が本当の死を迎えるきっかけが曖昧で、どうも盛り上がりに欠けた。
 三つ目は「闇に囁くもの」が原作らしいのだが、物の見事に原作の跡形もない。
残っている要素と言えば、異質な生命体が人体を好きなようにいじくるというところくらいで、あとはユズナのパワー全開でとにかく胸の悪くなる描写 のオンパレードになっている。
この映画は最初の2つがそれなりに雰囲気のある作りだけに、この3つ目のインパクトはすさまじい。
あれがミ・ゴ(ユゴスよりのもの)の所業だと思うと、なんとなく原作で感じた愛嬌も吹き飛んでしまう。
 全体としてはそこそこの出来だと思うが、1920年代のゴジックな雰囲気はほとんど皆無である。
最大の見所は、ラヴクラフト役のジェフリー・コムズの特殊メイクかも知れない。
化夢宇留仁は最初ブルース・キャンベルかと思った(笑)。



死霊のはらわた2

★ 1987年アメリカ映画 監督/サム・ライミ
 スプラッターの先駆けとなった前作の評判に気をよくした(?)ライミ監督が再び撮ったその続編・・・なのだが、内容は1のリメイク&追加という感じで、そもそもの第1作が自主映画のリメイクだったことを考えると、この作品は2度目のリメイクとも考えられる。
 ストーリーは山小屋にやってきたカップルが、テープレコーダーを見つけ、それを再生すると呪文が流れ、悪しき死霊達が復活して襲ってくるというもので、ほとんど無きに等しい。
しかしこれが面白いのである(笑)!
実のところ化夢宇留仁の一番好きなホラー映画である。
だいたいホラーと言うにはあまりにもアクション&ギャグ性が強すぎる。とにかくテンポがよく、エネルギッシュで滅茶苦茶なのだ。また画面のチープさもいい味を出している。
未見の方は一度は観てみよう!笑えます。
 クトゥルフ神話に関するのは、単に登場する魔道書の名前がネクロノミコンというだけ(笑)。



死霊のはらわた3 キャプテン・スーパーマーケット

★ 1993年アメリカ映画 監督/サム・ライミ
 前作まではとにかくリメイクを繰り返していた本シリーズだが、ようやくちゃんと続編と言える内容になった。
前作のラストで西暦1300年頃の中世時代(しかもなぜかイギリスらしい)にタイムスリップしてしまった主人公アッシュ(ブルース・キャンベル♪)は、現代に戻るための知識が死の書(ネクロノミコン)に書かれていると知り、それを入手しようとするが、本を開くときに唱えなければならない呪文をど忘れしてしまい、いい加減な呪文を唱えたために死霊達が復活する(笑)。
 前2作と比べると制作費は大幅にアップしているようだが、B級テイストは相変わらずで、コメディタッチは倍増し、最早ホラーと言える要素は欠片も残っていないのがすごい(笑)。
主人公はブルース・リーばりのヒーローとなり、現地の美女と愛を交わすシーンではコナン・ザ・グレートを意識しているようだ。
しかし・・・出来の方はこれまでのテンポが少々鈍り、特にラスト近くの死霊軍団との攻防戦はもう一つ。
化夢宇留仁はけっこう好きなのだが、やはりライミらしさという点では薄れているような気がする。多分関係する人物(スタッフ&キャストその他)が多くなりすぎて、悪のりにあまりパワーを注げなかったのではないかと思う。
だいたい個性というものは大所帯になればなるほど削られてゆくものだ。
 ラストは2種類ある。オリジナルを観たアメリカの映画会社が、ハッピーエンドでないと公開させないと言ったらしく、新たな結末を撮影しなおしたのだ。
ほとんどの人はオリジナルのオチの方が好きと言うが、化夢宇留仁は撮り直した劇場公開バージョンの方が脳天気で好きである。更に続編を作ってくれるのならオリジナルの方がいいのだが。
 ちなみにこの作品でもクトゥルフ神話に関連するのは「ネクロノミコン」という書名のみである。



ゴジラ ファイナルウォーズ

★ 2004年 監督/北村龍平
 度重なる怪獣の出現に対し、ミュータント達を主戦力として結成された防衛軍が立ち向かっている未来の地球。
怪獣王ゴジラはと言うと、21世紀初頭に南極に封じ込めるのに成功していた。
そんな時X星人と名乗る宇宙人が現れ、地球に妖星ゴラスが接近しており、このままでは地球が破壊されてしまうと警告するが・・・。

 ほとんど全編パクリ&ギャグと言える内容で、シッチャカメッチャカだが結構楽しめる。
クトゥルフ要素としては、佐野史郎が出てきて「古のものどもが蘇る〜〜〜!」と言うだけ(笑)。



ヘルボーイ

★★ 2004年 監督/ギレルモ・デル・トロ
 第二次大戦末期、ラスプーチン(汗)の指揮により、地獄との通路を開く儀式が行われたが、連合軍の攻撃により中断。
残されたのは全身真っ赤で巨大な右腕を持った悪魔だった・・・。
 現代。ヘルボーイと名付けられた彼は、秘密裏に政府に雇われ、怪物退治を生業としていた。
そんな時ラスプーチンが復活し、儀式の再開を狙う。
 ・・・と、固い雰囲気に書いてみたが、上記はあくまで大筋で、むしろ本作は主人公ヘルボーイのキャラクターを楽しむ映画。

 クトゥルフっぽいところは冒頭のナレーションで「妖蛆の秘密」が語られる。
またラスプーチンが召喚しようとしていたのはカタカナ表記と発音は少々異なっていたが、どうやらヨグ・ソトースっぽい。
ラストシーンで暴れていたのはクトゥルフ・・・??



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