日記ですが、約半年前の最初のページには
『私は、私自身の正気が保たれていることを知るために、この日記を綴ろう。この日記を書くことができなくなったとき、私の正気が、あの夢によって失われたこととなるのだ』
とあります。
そして約四ヶ月前のページには
『いくら本を読んでも、私は救われない。これは妄想なのか、それとも現実なのか。それすら、私には判別つかないのだ。ただ、この痛みと苦しみだけは現実のものだ。そして、外にいる怪物も……』
と書かれています。
更に約三ヶ月前のページには
『また、俊子から手紙が届いた。会いたい……会って、この苦しみを……いや、ダメだ! そんなことをすれば、私の頭に潜む怪物が……』
と書いてあり、
約二ヶ月前、最後のページには
『なんとうれしいことだろう。私は苦しみから解き放たれようとしている……いまは苦しいが、いずれまた心の眠りが……これで、この日記も最後となるだろう……そして、もはや、あの怪物に心を蝕まれることもなくなるのだ』
とあります。
そして約5ヶ月前のところに破られたページがあるのにも気付きます。
それだけ確認して、石動は寝てしまいます。
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