Advanced Dungeons&Dragons
アドバンスド・ダンジョンズ・アンド・ドラゴンズ
アドベンチャーゲームブック

 富士見のゲームブックのメインを占めるシリーズ。
下でも書いているが、AD&Dというタイトル名だが、どちらかと言うとシステムはD&Dっぽい。
まあゲームブックであの複雑なシステムは厳しいよな(笑)。


暗黒城の領主
富士見書房
ジーン・ブラッシュフィールド/大出健訳
パラグラフ数 345

 古き吸血鬼の住む城に向かうパラディン。
彼は剣の腕も立ち、聖なる魔法も使える強力な戦士である。
彼には同行者が。
吸血鬼の城の近くの村で、吸血コウモリに襲われていた美しい女性、アイリーナである。
しかし彼女は吸血鬼ストラードと、なんらかの関わりがあるらしかった・・・。

 要するに吸血鬼の城に行って吸血鬼と戦うというだけの内容なのだが、これがなかなか凝った作りで、楽しめた。
基本的には双方向移動型ダンジョンで、同じ部屋に何度も行き来できる。
部屋毎にイベントがあるのは勿論だが、それ以外にワンダリングモンスターとの遭遇と、なんと吸血鬼ストラード本人とも遭遇する可能性がある。
これによって吸血鬼ストラードの神出鬼没ぶりも表現されているのだ。
あっちでオルガンを弾いていたと思ったら、こっちで椅子に座っていたり、そうかと思うといきなり階段を降りてきたりと飽きさせない。
ここで効いてくるのが冒険に出る前に決められる事前運命数で、これによって重要なアイテムが見つかるかどうかにも影響する。
ワンダリングモンスターの方も、単に出てきたモンスターと戦うだけではなく、細かい描写がされるので、あたかもその部屋で戦っているような雰囲気があるのは素晴らしい。
 主人公のパラディンは退魔の力を始めとして、様々な魔法も使用できる。
しかし回数制限があるので、最後のストラードとの決戦にどれだけ残しておくかを悩むことになる。
また主人公にはレベルも設定されているのだが、他と違ってレベルは上がることはないのが面白い。上がるどころか下がるのである。
敵がエナジードレインを使うのだ。
この辺はAD&Dが元になっているのがよく分かるところである。
 最後の決戦も凝った作りで、主人公は様々な先方を試すことが出来、ストラードも強力な反撃をしてくるのでなかなか盛り上がる。
しかし・・・なんだか終わり方が・・・・・・
どうも普通に戦ったのではグッドエンディングにはたどり着けないようだ。
かと言って、グッドエンディングがスッキリするかというと・・・・???
特にヒロインであるアイリーナとストラードとの関わりが謎のままなのはどうなのか?

20070810


Advanced Dungeons&Dragons
アドベンチャーゲームブック
ドラゴンランス・アドベンチャー

 やたらと長いシリーズ名で、なにがなにやら分からないが、Advanced Dungeons&Dragonsのアドベンチャーゲームブックシリーズの中の、ドラゴンランス・アドベンチャーというシリーズらしい。
そう言えばドラゴンランス戦記は買ったけどまだ読んでなかった(汗)。

 このシリーズはその名の通りAD&Dのゲームブックということらしいのだが、化夢宇留仁が見た限りではシステムはまったくD&Dっぽくない。
むしろシステムは無きに等しく、戦闘ルールさえまともに存在しない。
関連能力値を決めておき、戦闘になったらその描写に合わせてサイコロを1個ふって関連能力値に足し、提示された条件以上の数値が出るかどうかで分岐するのだ。
描写に合わせてと書いたが、その通りこのシリーズは描写とキャラクターの会話が多いのが特徴なのである。
なのでゲームブックと言うよりも小説を読んでいる感覚に近く、のれればいい感じだが、のれないとファイナル・ファンタジーのムービーを見せられているような気分に(汗)。
その原因の一つがイラストにもあると思う。
どれも日本オリジナルのイラストがつけられているのだが、これが珍しくおねーちゃんが頻繁に出てきて、しかも可愛くて色っぽい。
これはほんとにゲームブック界では実に珍しくていいことなのだが、その分ゲームブックらしくないと感じてしまったりもするので困ったものである(笑)。
なんとなく頬骨が突き出ていて目がつり上がり、口が裂けたような「美女」でないとゲームブックらしくないというか・・・(笑)
考えてみればこのシリーズも翻訳物なのだし、米国オリジナルではどんなイラストだったのだろうか。
なんとなく化夢宇留仁がゲームブックらしい!と思えるイラストそのままの予感が(笑)。

 会話が多いのが問題のように書いたが、実はこのシリーズはドラゴンランス戦記のサイドストーリーという面が強いらしく、小説でお馴染みのキャラクターの活躍を楽しむというのが本道のようである。
それを思えば例えゲームブックらしくなくても、最もファンが楽しめるような内容に仕上がっているのかもしれない。
上記の通り化夢宇留仁は本編を未読なのでなんとも言えないのだが(汗)。


奪われた竜の卵
富士見書房
ダグラス・ナイルズ/鷹井澄子訳
パラグラフ数 218

 暗黒の女王の軍勢と戦う剣士であり、魔術師でもあるエルフのギルサナス。実はクォリネスティ・エルフの王子でもある。
彼が愛したエルフ女は、実はシルバー・ドラゴンで、もう彼女とは会わないと決めていたのだが、ある日彼女の方からギルサナスのところにやってきた。
竜の卵が暗黒の女王に奪われ、そのせいで善のドラゴンは戦いに協力出来ないのだと言う。
彼女の頼みを断れず、奪われた竜の卵を見つけだす旅に出ることになるが・・・。

 いきなりメロドラマ全開で腰砕け。
だいたいエルフと言えば目がつり上がって頬がこけてて(以下略)という感じで、化夢宇留仁のイメージに合わない。
サイコロ1個で決まる戦闘はシビアだし、やっぱり主人公にべらべらしゃべられると興ざめも甚だしい。
どうも化夢宇留仁にはこのシリーズは合わないような気がする。
しかしテンポよく話が進み、戦闘もシンプルな分展開に集中できるので、クライマックスが近づくと、それなりに盛り上がる。
軽く楽しみたいときにはこういうのが向いてるか。

ちょっとやってみた。

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