ドラゴン・ファンタジー

 もう名前からしてどうでもいい感が漂っている(笑)。
しかしそれが悪名高いブレナンのシリーズだと知れば、そのいい加減さも意図してのことじゃないかと疑いたくなる(笑)。


暗黒城の魔術師
二見書房/昭和60年7月30日初版
J・H・ブレナン/真崎義博訳
パラグラフ数 157

 謎の魔術師(バレバレだが/笑)の奇妙な魔法によって、アーサー王時代のピップという農夫の子供に転生させられた読者は、わけの分からないままに誘拐された王妃を助け、悪の魔術師アンサロムを倒す旅に出ることに。
魔術師マーリンが様々な魔法や武器を授けてくれるのはいいが、もしかしたらマーリンが狂っているという可能性も捨てきれない・・・(汗)。

 ゲームブックでお馴染みの二人称で書かれているが、しゃべっている相手がはっきりと存在し、その男が狂っているのかもしれないという不安を抱きつつ冒険に出発・・・(笑)
もう初っぱなから飛ばしまくりで、あらゆるところに神経の行き届いた作りは見事としか言いようがない。
また本書自体が魔法であり、本を手に取っている間はアーサー王の世界に、本を閉じれば現実世界に戻れるという当たり前のことも、それらしく説明されればなんと魔法的なことか!
そしてそこかしこに散りばめられた毒、ブラックユーモア。いや、むしろそっちが先にあって、物語やゲーム部分は後から付け足されたのではないかという達の悪さ(笑)。
読み始めた最初の2ページで面白いと確信できるゲームブックは他に存在しないだろう。
ブレナンはキチガイ天才だ!

20070625

ちょっとやってみた。


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