トンネルズ&トロールズ ソロシナリオ

 トンネルズ&トロールズ(以下T&T)はすでに古典の雰囲気を漂わせている名作RPGの1つで、簡単なのにダイナミックかつコミカルなルールが特徴である。
そのシステムを使って一人で楽しめるようにしたのがこのシリーズ。
RPGのソロシナリオと言うとルールが複雑なわりにゲームブックとしては内容がものたらないものが多いように思えるが、このシリーズは別 格。
化夢宇留仁の感想では、最初はルールに慣れてもらうのが目的で手軽に楽しめるものを作ったと思うのだが、第2作の「カザンの闘技場」がゲームとしてあまりにも面 白すぎたせいで、こっちはこっちで独立して楽しめるシリーズとして発展していったのではないかと思う。
それほど「カザンの闘技場」は面白い。ただしゲームブックというよりゲームそのものといった感じだが。
「カザンの闘技場」以降の作品も、独特のパラグラフ管理システムを発案したりと、ただのソロプレイシナリオの枠には収まらない展開を見せた。
 ただし簡単な方だとは言え、れっきとしたRPGシステムであるT&Tのルールをほぼそのまま使用するので、ルールの量 は他のゲームブックとは桁違いに多い。
各巻には簡易ルールブックもついていて、難しいことはないのだが、それなりのルールボリュームは覚悟する必要がある。

 ところで武器などを選ぶとき、文庫本をめくりながらではなんだかやりにくかったので、PDFデータを作ってみた。
今のところはソロシナリオの簡易説明書に載っているものだけだが、その内ルールブックの装備全てを網羅したいと思っている。

ソロシナリオ用装備表(PDF)


傭兵剣士
トンネルズ&トロールズ・ソロシナリオ
教養文庫/1988年1月30日初版
J・ウィルソン/安田均&清松みゆき訳

 2つの冒険が収められているシリーズ第1作。
最初にルールの説明があり、その後に2つのアドベンチャーが記されている。

傭兵剣士(パラグラフ数 157)
 低レベルの戦士向けのソロアドベンチャー。種族は人間かホビットを推奨。
迷宮探検型で、双方向ダンジョンになっているが、普通の双方向ゲームブックなら一度いった場所にもう一度入った場合の展開にパラグラフをさくところだが、この作品では一度行った部屋にもう一度入った場合は、そこの記述は無視するように最初に明示されている。
いかにもRPGらしい処理だが、ゲームブックとしては少し寂しい。
各種オリジナルルールの提案が書かれているのもRPGっぽい。

ちなみに表紙イラストは傭兵剣士冒頭で遭遇する可能性のあるミニドラゴンだと思われる。
ミニドラゴンと遭遇したらもちろんそこで冒険は終わりである(笑)。

ちょっとやってみた

青蛙亭ふたたび(パラグラフ数 174)

未読(汗)。

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