姑獲鳥の夏
京極夏彦

「うぶめのなつ」と読む。
掲示板で、薦めてもらった。
また化夢宇留仁と先輩のマッドハッター氏は、この作品をはじめとするシリーズのメインキャラクター、京極堂と関口のようだと言われ(化夢宇留仁が関口)、読んでみることに。

・・・・とりあえず関口と化夢宇留仁は似ているのか?は置いといて(笑)、内容について考えてみる。
一言でいって、とても変わった小説だった。
一応ミステリーということになっているようだが、化夢宇留仁の印象ではキャラクター小説に近い。
推理小説としてはルール違反(それも歴史に残るような強烈な)が目立つし、そもそもストーリーの組み立てが特異なキャラクター無しでは成り立たないのだ。
しかしそれが問題かというと、そうではない。
好みもあるが、この場合は新たな作品形態を形作ったものとして評価してもいいと思う。

簡単に内容を紹介しよう。
昭和27年、売れない作家の関口は、妙な噂を耳にする。
ある旧家の病院において密室で一人の医者が姿を消す。
残された妻は妊娠していたのだが、これが20ヶ月以上たっても子供が生まれてこないという。
記事のネタになるかと首を突っ込んだ関口だが、そうこうする内自分がおぞましい事件の渦中にいるのに気付く・・・

説明しづらい。
何しろこの作品は、○○が××なので、下手に書くとネタがバレバレになってしまうのだ。
上記にもあるが、この作品はキャラクターが、そしてキャラクターの心理面が大きくストーリーに関わっているのだ。
逆に言えばそういう要素を覗けば、仕掛けは無きに等しい。
ここはキャラクターの特異な描写を余裕を持って楽しむのが正解だろう。

で、化夢宇留仁の個人的な感想だが、 読み始めた当初は、ちょっと素人くさい文章が少し鼻についた。
化夢宇留仁は文章を読むとき、頭の中でいったん音声に変換する癖がある。
それが点の場所や言い回しなどが変わっているので、少々困難に感じたのだ。
しかしこの点に関しては、読み進むうちに慣れた。
そのあとに来たのは、掲示板で秋山氏も言っていたが、くどい説明文攻撃だった。
もういい。分かった。もう堪忍して!
と思うくらいくどい説明が続く。
逆に言えばそれほど説明が必要なくらい関口というキャラクターが馬鹿に描かれているのだ。
しかしこれに関しても、しばらくしたら慣れた。
元々演説調の言葉使いが好きな化夢宇留仁は、それが頭の中で音声化されるプロセスを、作品とは別の世界で楽しむことができた。
部分的には実際に声を出して読んでみた。
朗読してみると、やはり点の場所が独特で、なかなかうまく読めなかったが。
・・・と、色々文句を書いたが、実のところとても面白かった。
なにが面白いって、やはり魅力のあるキャラクターである。
文句をつけ始めたらきりが無いのだが、必ずそれを上回るキャラクターの面白さが用意されているのだ。
もう続編の「魍魎の箱」も買っちゃった(笑)。

ところで、作品中の語り部であり、作家の関口氏が化夢宇留仁と似ているという話だが・・・
考えたくないです(泣)。
うえ〜ん


 

ロスト イン スペース
LOST IN SPACE
監督/スティーブン・ホプキンス
出演/ウィリアム・ハート、ミミ・ロジャース、ヘザー・グラハム、レイシー・シュベール、
ジャック・ジョンソン、マット・ルブランク、ゲイリー・オールドマン、ジャレッド・ハリス

宇宙家族ロビンソンのリメイク。
話には聞いていて、いったいどんなB級映画になっているのだろうかと借りてきてみた。
観てびっくり。
B級どころではない。少なくとも金の掛かりかたは超A級である。

冒頭の地球上、おそらく静止軌道上での戦闘機同士の戦いは、CGをこれでもかと駆使して、なんかすごい。
なんか・・・というのは、懲りすぎててなんだかよく分からなかったのだ。
しかしここに限らず、画面的にはSFアイデアとCG技術が見事に融合して、見所は多い。

ストーリー的にはいわゆる宇宙家族ロビンソンそのままで、移住計画の尖兵として旅立つ一家が妨害によって宇宙の迷子になってしまい、色々な事件を乗り越えてゆく、というものだ。
これと言って誉めるほどでも、またけなすほどのものでもない。

ここに貼り付ける画像と資料を探すために、ネットをうろうろしてみたのだが、この映画は極端な賛否両論に分かれていた。
化夢宇留仁にとってはこの映画はとても面白かった。
画面は見てて飽きないし、化夢宇留仁の好きなゲーム、トラベラーの資料にはまさにもってこいだということもある。
あと一家の次女役のレイシーが可愛い。
・・・と思っていたら、ネット上でファンページを見つけた。
流石やのう(笑)。

脚本は例によってアメリカお得意の家族愛テーマでまとめられているが、鼻につくほどではなく、化夢宇留仁は素直に楽しめた。
しかしもし化夢宇留仁がトラベラーをやっていなければ、楽しめたかどうかは疑問である。
これも誰か観て感想聞かせて欲しいな。

2000.3.1


 

ブギーナイツ
BOOGIE NIGHTS

秋山氏のお勧め第2弾。
どんな映画かと言うと・・・・・・なんちゅうか・・・男のロマン・・・・ですか・・・(笑)。
要するにデカマラしか取柄のない青年の、70年代から80年代にかけてのポルノ映画界での隆盛を描いた映画なのだ。

冒頭、クラブ「ブギーナイツ」の派手なネオン看板のアップから、客が入ってゆく様に続いてカメラも中へ。
店内で主要なキャラクターを次々に映し出し、最終的に主人公の青年が映るまで、 流れるような1ショットで描き出し、いきなりググッと惹きこまれる。
ここで主人公は、高名なポルノ映画監督に(笑)パッと見ただけで股間の一物のすごさを見破られ(笑)、スカウトされる。
その後青年は母親と喧嘩したのを機に、家出して映画界へ入ってゆくのだが、 このあたりの上り詰めてゆく展開はとにかくみんないい奴ばかりに描かれていて、退廃的だけど底なしに楽しい70年代風パーティーとか、ワクワクすること請け合い。
パーティーの主催者であり、みんなの仲間意識の象徴なのが、ポルノ映画界の巨匠ジャック監督。 これがバート・レイノルズが演じているのだが、歳はとっても「楽しくエネルギッシュな仲間達」をやらせたら、相変わらず彼の右に出るものはいない。
久し振りに「トランザム7000」、「キャノン・ボール」の楽しさを思い出した。

その後主人公はドラッグのやりすぎか、モノが立たなくなったり、 出資者が幼児ポルノの疑いで逮捕されてしまったりと、色々問題が生じて、仲間達はばらばらになり、年月がすぎるにつれてそれぞれの場所を見出してゆくのが描かれる。
ただし主人公はボロボロになり、最終的に帰ってゆく場所としてやはりジャック監督の元へ・・・。
この辺でもバート・レイノルズの強烈な父性が生かされている。

しかし・・・結局この映画はなにが言いたかったのか、化夢宇留仁にはよく分からなかった。
そんなことはどうでもよくなる面白さが一定して描かれていて、 一応満足してしまった。
なんかこの映画はそれで正しいような気がする。

ところで関係ない話だが、 化夢宇留仁はよくアメリカは役者やスタッフの層が厚いと言っていたが、最近もしかしたらそうでもないかと思い始めている。
なんかここ最近見た映画で、妙に出演者が重なるのだ。
最初に観た「ダーク・シティー」と次の「ロスト・イン・スペース」ではウィリアム・ハート。
「ロスト・イン・スペース」のロビンソン一家の長女と、この「ブギーナイツ」のローラーガール(これが色っぽくて可愛い)。
また今日見た「オースティン・パワーズ」では、60年代のオースティンの相棒ミセス・ケンジントンが「ロスト・イン・スペース」のお母さんだったし・・・。
作品選択は人に薦められたのを言われたとおりに借りているのと、化夢宇留仁がふと見たくなったもので、あまり共通性は感じられないし・・・やはり意外に層は薄いのかも???

2000.3.2


 

ウルトラマンティガ&ウルトラマンダイナ
ウルトラマンガイア

超時空の大決戦
監督/小中和哉

友人のおいち氏が、化夢宇留仁がウルトラマンゼアス2をメタメタにこき下ろしているのを読んで、同じ監督で面白い作品があると教えてくれた。
それが本作である。

観て納得。
ゼアス2は小中監督の悪いところばかりが出ていると書いたが、本作では逆にいいところばかりが出ているようだ。

まず脚本がいい。
ゼアス2ではパート1の存在が脚本の足を引っ張っているのがよく分かる、とても中途半端なものだった。
本作はそういうことを一切考えず、ただこの映画自体を面白くしようとしたのが伝わってくる出来だ。
もちろんこの作品には前作は無いが、その代わりゼアスにはなかったテレビシリーズの存在がある。
更に設定世界が違うため、同時に存在を許される筈の無いティガとダイナを登場させるという苦しい条件。
これらを全てクリアした上で、よくまとまった作品に仕上げているのだ。

ストーリーアイデア的には目新しい部分は特に無い。 別世界同士のウルトラマンを共演させるにはどうしたらいいか?と考えれば自然に浮かんでくるようなアイデアだ。
ただしそれをドラマとして如何に形にするか、この辺が脚本、演出ともに工夫していて、好感が持てた。

主人公の少年(この子役の演技がなんかとぼけてて自然ですごくいい。)はウルトラマンが好きで、毎週欠かさずビデオに撮って繰り返し観ている。
彼が望みを叶える不思議な玉を手に入れて・・・
これだけでストーリーのあらましは想像つくのではないだろうか?
ここで重要なのが、少年のいる世界が、テレビシリーズのウルトラマンが存在する世界ではなく、ウルトラマンはあくまでテレビの中のヒーローでしかない現実世界に設定されているという点だ。
冒頭からそれは強調されており、観ている者がそれを納得したころ、不思議な玉の力で、テレビのウルトラマンガイアに登場する戦闘機が颯爽と現れる。
これは視聴者の視点から色眼鏡を取り除く効果となって、想像力のたがをはずしてくれる。
ありえないことが起きている、と思わせるのに成功しているのだ。
ここはもうワクワクすること請け合い!
現実とテレビの境目のあいまいな子供が見ていたら、その効果は更に増すだろう。そういう意味では非常に危険な映画と言えるかも・・・・(笑)。
その後別な少年が玉に願って、凶悪宇宙人が実体化。当然ウルトラマンも現れて戦うのだが、これも相変わらずのちゃちな特撮なのだが、見る側がすっかりはまっちゃっているので、いちいち頭の中でそれが現実だとしたらどうか、と想像してしまい、勝手に面白く見てしまう。
まさに脚本と演出の勝利である。

そのあともウルトラマンガイアに変身する我夢隊員が、町のみんなが彼の正体を知っているのに面食らったりと、アイディンテティーを揺さぶってみたり、校庭に着陸した人工知能搭載の戦闘機を警察官が覗き込んだりと、現実世界とテレビ世界のギャップを利用した見せ場もすっきりと見せていて、楽しめた。

上でちゃちな特撮と書いたが、この映画の特技監督も小中和哉氏である。
ちゃちと言うのは言い過ぎかもしれないが、テレビのそれと見せ方がほとんど変わらないのでそう感じる。
ただしこの映画の場合はそれも効果のうちと言える。
現実世界でテレビと同じ出来事というのが表現されているからだ。
ただ化夢宇留仁に限らず年長の視聴者は誰しもちらりと考えるだろうが、現実世界のわりに自衛隊その他の描写が一切無いのが少し残念だった。
脚本のまとめ方としてはこのままでまったく問題ないのだが、火のついた想像力がそれを見たがるのだ。
例えば小渕首相があわてる顔がテレビで放送されてたりとか・・・これは無理か(笑)。

脚本の完成度の犠牲と言えば、最も悲惨なのがウルトラマンティガと同じくダイナのお二人であろう。
彼らの扱いはカプセル怪獣とほとんど変わらない。
一応ドラマの山場に、不自然無く現れてそれなりにかっこよく表現されているのだが・・・・
何しろお二人は、戦場がそれぞれ宇宙空間と海底になってしまい、ギャラリーは映画の視聴者だけになってしまう。
せめて戦っているところを応援するくらいは、劇中でもあれば救われたのだが。

ま、いいけど(笑)。

最後に付け足し。
これを書くにあたって、例によってネット上でポスターなど、使えるものが無いか探してみた。
幾つか見つかったのだが、そのどれもひどい。
ここに掲載してあるやつもそうだが、単にウルトラマンが描かれているだけで、他の情報まったくなし。
この映画の特色がまったく生かされていない。 いくら子供向けの映画にしても、これではひどすぎる。
前から化夢宇留仁は、日本の宣伝関係にこういう不満が強い。なんとかならないものだろうか。

2000.3.6


 

フロム・ダスク・ティル・ドーン
FROM DUSK TILL DAWN
1996年/アメリカ/109分
製作総指揮/ローレンス・ベンダー、ロバート・ロドリゲス、クエンティン・タランティーノ
監督/ロバート・ロドリゲス
脚本/クエンティン・タランティーノ
音楽/グレアム・レベル
出演/ジョージ・クルーニー、クエンティン・タランティーノ、ジュリエット・ルイス、ハーベイ・カイテル、トム・サヴィーニ

ネットで知り合ったななな嬢のお勧め。
とにかく驚くから見てみて!とのこと。
結果・・・・・・ メチャメチャ驚いてしまいました(笑)。

化夢宇留仁はこの映画に関しては非常に幸運だったと思う。
なにしろ何も知らなかったのだ。
基本的なストーリーどころか、ビデオ屋ではお勧め内容さえ忘れてて、メモ帳に書いたタイトルのみの情報で探していたのだ。おかげで見つけるのにずいぶん手間取った。タランティーノが絡んでいることも忘れてて、タイトルの印象からホラー映画のコーナーを探したり・・・結局タランティーノコーナーで発見。
そういう訳で何も知らない真っ白な状態(「驚くよ!」というメッセージも忘れてた)で観賞できたのが、幸運だったのだ。
いや驚いたのなんの(笑)。
どこがどう驚いたかと言うと・・・
これ以上は書けないな。
ここを読んだ人はすでに驚く映画だということは分かってしまったわけだが、それ以外のことは(少なくともここでは)言っていない。
つまりまだ驚ける可能性があるのだ。
観たことの無い人はぜひ観て驚いてほしい。

で・・・終わってしまうとあんまりなので、少しは内容についても書くことにする。
まだ見てない人は読まない方がいいかも。
どうせ大したことは書かないけど。

冒頭の酒屋のシーンについて。
ここで店員がタランティーノにいちゃもんをつけられて銃撃戦になってしまうのだが、それが化夢宇留仁の大好きな、混沌&追い詰められてヤケ混じりながら妙な余裕が出てくる描写(なんのこっちゃ分からんな・・・汗) の部分があったので、いきなり惹きこまれてしまった。
具体的に書くと、銀行強盗が逃げ込んで隠れている酒場に、警官が立ち寄る。
犯人達は店員を脅して、何気ない会話をして立ち去るように仕向けさせる。
店員は一生懸命演技するが、犯人の一人のキレてるやつ(タランティーノ)が店員がこっそり合図を送ったと思い込んで警官を殺し、店員も殺そうとする。
店員は肩を撃たれるが、逆ギレ。金庫から拳銃を取り出して反撃する。
彼が空になった拳銃に弾を込めていると、犯人の会話で店員が合図を送ったと言うのを再び聞いて、「言ってねー!!!」と反論。
だらだらと説明したが、ここでの化夢宇留仁の好きな部分は、 すでに銃撃戦が始まっており、どうでもいいことになっているはずなのに、あくまで店員は合図をしていないということにこだわっているというところである。
彼は一生懸命演技したのに裏切られたことに怒っているのであって、 銃を突きつけられて脅されたことなどは逆にどうでもよくなっているのだ。
ね?混沌としていて、追い詰められて、ヤケ混じりだけど妙に余裕があるでしょ (笑)。
化夢宇留仁はなんかこういう雰囲気が出てくると、妙に楽しくなってしまう。
サム・ライミ監督の映画でよく遭遇するのだが(エビル・デッド2やダークマンなど)。
なんでだろ?

それ以降の展開では・・・もういいか(笑)。
とにかく見てみそ!驚くから。
でも怒らないでね(笑)。

しかし・・・トム・サビーニ、なにをやっとるんじゃおのれは(笑)?

2000.3.7


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