デュマレスト・サーガ24
天翔ける惑星ザブル

小説/E・C・タブ著/鎌田三平訳
創元推理文庫1984年11月30日初版

入手方法/古書店　オークション

　デュマレスト・サーガ第24作。
イバラの茂みにはまりこんで動けなくなっていた口のきけない少年を助けたデュマレストだったが、暴漢に襲われて荷物を盗まれてしまう。その中には全財産と、苦労して見つけだした高価な石が入っていた。
そのままではのたれ死ぬしかないデュマレストは執拗に犯人を追う。
途中出会った渡り者であり、画家である美女カリーナの描いた絵の中に、地球から見た星座があるのに気付き・・・。

　最初は子供を助けて酷い目にあい、犯人探し、そしてカリーナの絵を見て、それのモデルがあった惑星の探索、そして色々あって逃亡劇・・・と、なんとなくだが前巻「クルディップ」と似たような展開。
しかしその後は今までにない舞台と展開が待ち受けている。
相変わらず先の予想の出来なさはすごいと思う。

デュマレスト・サーガ25
女帝の惑星ジュールダン

小説/E・C・タブ著/大西憲訳
創元推理文庫1985年3月1日初版

入手方法/古書店　オークション

　デュマレスト・サーガ第25作。
ザブルの若き世代のリーダーとなったデュマレストは、彼らを、そして自分を地球へ導くべく、ザブルに秘められた情報を手に入れようとする。
しかし今や委員会を掌握したヴォロージャが、デュマレストをけ落とそうとしており、更にサイバーの魔手までもが迫っていた・・・。

　たま〜〜〜に見れる司令官デュマレストは頭がよくて気持ちいい。
駆け引き、戦闘、逃亡、仲間、異世界と、サービス満点で楽しい。

　やはりポンコツ自由貿易船でうろうろすると、トラベラーらしくなる。

老人と宇宙(そら)

小説/ジョン・スコルジー著/内田昌之訳
早川文庫2007年2月28日初版

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　75歳以上の男女の入隊しか認めないコロニー防衛軍．21世紀版の「宇宙の戦士」と絶賛された作品．ミリタリーSF好きにはたまりません．

　コロニーと言うと、スペースコロニーを想像しがちだが、この作品のコロニーは本来の意味、「植民地」を指す。
あらゆる意味で保護された地球で75歳の誕生日を迎えたジョン・ペリーは、そのコロニーを守る軍隊であるCDFへ入隊。
恐るべき戦闘力を秘めた身体に生まれ変わり、様々なエイリアンとの激しい戦いを繰り広げ、また個性豊かな仲間達との出会と別れを体験する。

　映画のワンシーンのような始まり、、、、転がる展開．面白いです．

　タイトルから想像する深刻なイメージとは少々異なる、一人称の軽妙な語り口が最初から波長に合った。
文末に（）で内心を付け加えたりするのも化夢宇留仁の趣味と似ており、親近感を覚える。
テーマは深刻なのに、爆笑必至のギャグが散りばめられているのもポイント高し。この辺はキャラクターを老人に設定した著者のバランス感覚が活きていると思う。
そして数々のロマンスも楽しめた。
化夢宇留仁は基本的にロマンスは苦手なのだが、やはり戦争が絡むといいエッセンスになる。
ちなみに本作は「宇宙の戦士」と並べて比較や批評されるケースが多いようなのだが、化夢宇留仁にとっては「宇宙の戦士」よりも「破壊魔定光」の方がイメージが近いと思った（笑）。
おそらくあまりにもバリエーション豊かな敵エイリアン達のせいだろう。

　バトルドレス，軌道からの降下など共通の描写も多い．

　プレイヤーの視点から参考になるポイントは少ないかも。

デュマレスト・サーガ26
真珠の惑星サカウィーナ

小説/E・C・タブ著/沢万里子訳
創元推理文庫1985年4月5日初版

入手方法/古書店　オークション

　デュマレスト・サーガ第26作。
一時的な身の置き場として、採掘場で働いていたデュマレストだが、気候の急変のため、そこは閉鎖に。
アテのなくなったデュマレストに、同じ採掘場で働いていたヴァードゥーンという男が、一緒に宝探しをしようと持ちかけてくる。
よくある与太話かと思ったのだが、男は実際にその宝である秘薬アーディールを持っており、しかもそれがあるのが地球の旧名の一つであるイースと呼ばれていた惑星だと知り・・・。

　前半はサバイバルと宝探し、後半はがらっと変わってマネーゲームという展開。
マネーゲーム部分はまさにモノポリーか、いただきストリートそのまんまで、強制買い取りルールもあるのでどちらかと言えばいただきストリートに近いか（笑）？
まったくデュマレストはなにが飛び出してくるか分からなくて面白い。
　ところで本巻は、最初読み始めてびっくりする。
なぜなら前巻とまったく繋がっていないからである（汗）。
前の終わり方からは説明無しで繋がらないのはどう考えてもおかしいので、頭を抱えることになるのだが、次の27巻を見たら、そっちに繋がっていたので一安心。
それにしても話の内容からすると、本巻は少なくとも24巻より前の話のようなのだが、いったいどうしてこんなことになったのか？
翻訳の遅れが原因かと思ったら、どうやら本国でもこの順番で出版されたらしい。
表紙もこの巻だけ他と全然違ってるし。

　前半はすごくトラベラーっぽいのだが、後半は上記の通り違うゲーム（笑）。

デュマレスト・サーガ27
鳥人の惑星ヘヴン

小説/E・C・タブ著/鎌田三平訳
創元推理文庫1985年9月27日初版

入手方法/古書店　オークション

　デュマレスト・サーガ第27作。
アールの船エールス号は、破壊工作にあって空気の再生が出来なくなり、近場の惑星へ着陸した。しかしそこは恐るべき怪物の住処だった。
なんとかその惑星を脱出したエールス号がたどり着いたのは、惑星クラーンツだった。そこは植民者を先祖に持つ貴族と、過去の契約によって奴隷となった民族に別れた世界だった・・・。

　内容が多すぎて、冒頭の説明ではちっとも本編に入っていないのがすごい（笑）。
とりあえずなんだかんだと変化に富んで面白かった。
残念なのは最後に○○○○が○○○○してしまうこと。

　トラベラーらしい雰囲気が全編に。

デュマレスト・サーガ28
超能力惑星バーツ

小説/E・C・タブ著/佐治弓子訳
創元推理文庫1986年1月24日初版

入手方法/古書店　オークション

　デュマレスト・サーガ第28作。
惑星バーツのにぎやかな通りでデュマレストが体験したのは、少女の超能力による過去の記憶の再現だった。
その能力を使えば、子供の頃に見た地球の座標が書かれている航海日誌を思い出すことが出来ると気付いたデュマレストは、その少女メロームを手に入れようとするが、一足遅く彼女はサーカスに身売りされていた・・・。

　ピエロに変装してサーカスに潜入するとは、まるでロジャー・ムーアの007（笑）。
しかしサーカスの描写やその内情が興味深く、敵対するキャラクターもなかなか魅力があって面白い。

　トラベラーでサーカスもいいね。

　シナリオに出来る。ただしPCになにか芸がないと（笑）。

デュマレスト・サーガ29
遊民の惑星ライカン

小説/E・C・タブ著/大西憲訳
創元推理文庫1986年8月15日初版

入手方法/古書店　オークション

　デュマレスト・サーガ第29作。
同室の男が病気に掛かり、それが疫病だと決めつけられ、デュマレストとその男は未開の惑星に置き去りにされてしまう。
その男はアンガードと言い、金持ちのボンボンで、どうしようもない甘ちゃんだった。
仕方なくアンガードとサバイバルに挑むデュマレストだが・・・。

　ボンボンを苦労して教育するデュマレストというのは、なかなか珍しいシチュエーションで面白い。
男二人でサウナでマッサージのしあいっこというのもなかなか（笑）

　こういう内容であれば、PC１人でもゲームになるかも。

デュマレスト・サーガ30
生命の惑星カスケード

小説/E・C・タブ著/大西憲訳
創元推理文庫1987年11月20日初版

入手方法/古書店　オークション

　デュマレスト・サーガ第30作。
地球の座標を知っていると言われるシュノートの屋敷にやってきたデュマレスト。彼は客人として歓迎されるが、シュノートのまわりには風変わりな人々が集まっていた。
一方、カロウム家の新たな当主ミルザが、デュマレストを殺すと誓ってその居場所を探していた・・・。

　色々な要素があって楽しめるのだが、もう一つとりとめがない印象。
最後あたりのロボット大暴れも少し頭をひねるところが。
デュマレストの心情の変化も。

　「キャンペーンをやっていたら、なんとなくこうなった」という感じの内容（笑）。

紅の勇者オナー・ハリントン2
グレイソン攻防戦

小説/デイヴィッド・ウェーバー著/矢口悟訳
ハヤカワSF文庫1999年12月15日初版

入手方法/書店

　女性艦長オナー・ハリントンの活躍を描く、シリーズ2作目。
新たな軽巡洋艦フィアレスの艦長となったハリントンは、宗教的理由によって孤立し、男尊女卑の社会を作り上げたグレイソンへ向かうことに。
グレイソンは長年の宿敵マサダとの緊張が高まっており、しかもマサダには極秘裏にヘイブン人民共和国の巡洋戦艦が合流していた・・・。

　実に熱い内容で、面白い。
クールヴォジェ提督とヤナコフ元帥の信頼関係を素晴らしくいい感じで描き、その後のドラマを盛り上げるところなど、実にうまい。
後半の激しい戦闘シーンも盛り上がる。
唯一不満だったのは、最後近くでハリントンが追わなかったこと。本人も反省していたが、追わないという判断を下した理由が明確ではなかったのが残念だった。
ネタバレをなるべく避けて書こうとすると、わけが分からないな（笑）。

　マンティコアを帝国、ヘイブンをゾダーンに置き換えると、それっぽい雰囲気。

　多数のキャラクターを活き活きと描写できないと、ストーリーとしては単調になってしまいそう。

紅の勇者オナー・ハリントン3
巡洋戦艦<ナイキ>出撃！

小説/デイヴィッド・ウェーバー著/矢口悟訳
ハヤカワSF文庫2000年6月30日初版

入手方法/書店

　女性艦長オナー・ハリントンの活躍を描く、シリーズ3作目。
晴れて新造の巡洋戦艦ナイキの艦長となったハリントンだが、最初の航海で機関に欠陥が発見されてしまう。
一方、ヘイブン人民共和国では、財政の破綻を外敵との戦闘によって誤魔化そうとする動きがあり、それは今までにない大規模な計画だった・・・。

　前半はたっぷりと政治的な内容が描かれており、出てくるキャラクターも多く、その後に来るであろうカタルシスを感じさせはするのだが、いささか退屈。
その分後半は巨大戦艦による艦隊戦が派手に繰り広げられ、盛り上がる。
しかし意外にあっさり終わってしまった感も。
どうせなら全面的に・・・・・・・・。

　第5次辺境戦争を思い出す。

　海軍もののシナリオとしては、実に盛り上がる内容。
どうやってゲームにしたらいいのかよく分からないけど（汗）。