TRAVELLERの地上生活。 TRAVELLERにおける地上生活は、実際の生活と同じく、人によって様々である。 たとえば現代日本では、他人を傷付けたら犯罪である(過去もそう?)。こういう基本的なルールは、現代の地球でもほとんどの国で共通
なのと同じように、TRAVELLERの世界でもまず通用すると考えていい。(例外はあるが、その場合はTRAVELLERの世界でも変わった世界として、注意される筈である。) 問題は常識である。 流行以外の文化的常識も、様々なものがある。 ここではそうしたTRAVELLER世界の文化的常識を解説する。 |
積荷の引き渡しも終わり、手も空いたので、久しぶりのリジャイナ宙港街をぶらついてみることにした。 |
舞台となる第3銀河帝国公式の通貨は、 クレジット。 紙幣は10,20,50,100,500,1000,10000の7種類。 硬貨はクォーター、ハーフ、1、5の4種類がある。 どちらも特殊なプラスチック繊維を撚り合わせて、超高温、高圧で成形しものをスライスして作っている。 また帝国は各世界でオリジナルの通貨を作ることも認めているし、メガコーポレーションが自社専用の通 貨を作っているケースもある。 |
マルコは眉をひそめて更にポケットを探った。 |
帝国IDカード。 このカードはただの身分証ではない。この中に健康保険データ、預金残高データが記録されている。 特に預金データは重要。恒星間飛行より早い情報伝達方法が無いと言うことは、通 常の銀行データとリンクした預金管理では、借りては次の星へ向かうのを繰り返せば、いつまでもお金が減らないという現象が起こる。 そこで出来た恒星間金融システムが、このカードバンクシステムである。 このカードには現在の預金高と、その日付が記録されている。銀行はそのデータだけを元に現金のやり取りをする。つまり全面 的にカードの情報が優先されるのだ。 もちろんカードは本人以外使えないし、偽造も極めて難しく、もし成功したとしてもその罪は重い。 しかしそれだけに、紛失時の再発行は時間と手間がかかる。 |
預金データは本人の肉体に記録するタイプなどもあるが、面倒なこともあり、マルコはカードだけで済ましていた。どうせそんなに大金が入っているわけでもなく、もし盗まれて悪用されたとしても、マルコの社会信用度からすれば、大金が融資されることも無い。 マルコはカードを内ポケットにしまい込むと、宙港街へ向けて歩き出した。 |
呼吸可能な惑星の地上宇宙港は、何処も大体同じような雰囲気と考えていいだろう。 ロボット |
銀行、金券ショップ、土産物屋、レストランなど宇宙港近くに必要であろうビルを通り過ぎると、そろそろ宙港街らしい雰囲気になってきた。 マルコはなんとなく、土産物や妙なアクセサリーとかを置いている路上販売などをひやかしながら歩いていった。 はっと気づくともう宙港街の外れに来ていた。 |
最初に訪れた世界は、もちろん見知らぬ世界。 それはそれでいいのだが、難しいのが、設定上では来たことがあるのに、ゲーム上では(プレイヤーにとっては)初めての世界 だろう。 こういう時に、昔の知り合いとかがほいほい出てくればまだやりやすいのだが、そうそう毎回出てくるのもおかしい。 こういう時こそプレイヤーのロールプレイが試される時であり、マスターが腕を振るうところでもあるのだが、TRAVELLERは世界が広く、中途半端に現実的なので、かえって想像しづらいケースが多い。 そんな時はこういう場所なら当然あると思える施設を利用するのがいい手だ。 社会のしくみに触れることで、リアリティを作り出せるし、安心感も得られる。 またTRAVELLERではPCがゲームの前には別な職業に就いているケースが多いので、昔の職業に関係する場所を尋ねれば、自然に昔の友人に会ったり、あるべき思い出が創造されたりと、世界と自分にに生活感が出てくる。 その世界に自分の生きてきた影響があるのを確認すれば、足場もしっかりして、冒険はよりスリルのあるものになるだろう。 |
宙港街を戻る途中で、携帯コンピュータパッドを片手にきょろきょろしている船のスチュワード、クルスの姿が目に入った。 |
TRAVELLERのPCはいろいろな技能を持っている。 要はキャラクターがいつも何をしたいと思っているのか、それをゲーム世界で如何に表現するか、が面 白いところであり、難しいところでもある。 |