農民列伝

その1.マラク家の農村ライフ

 まず、食文化表を振ります。一回目の出目は3で主たる穀物は麦、二回目の出目は1でこれまた麦でした。それはなんとなくイヤなので、降りなおした結
果、従たる穀物はトウモロコシとなりました。従たる穀物のイメージは「高級品」です。生産割り当ての判定は10でした。少なくとも耕地の35%(出目7)を小麦
(のようなもの)の栽培に割り当てなければなりません。

 さて、小麦生産の割り当てがあるものの、ここでマラク夫妻は重大な事実に気がつきました。今はまだ2月、小麦の播種までには9ヶ月もあるということで
す。耕地を遊ばせておくのはもったいないので、比較的短期間で育てられる作物として、葉タバコを選びました。夫妻は二人ともタバコは吸いませんが、短
期間で儲かりそうだからです。
 
 耕地は80haです。よって種の料金は8000Crで、輸送代金も加えて12,000Crです。
 2台のトラクターは耕すのと播種のため、それぞれ二回出動しました。稼働時間は 80/0.6x2=266.67時間です。
 経費は346.671Cr。
 施肥2回と除草剤散布のため、ブーム式散布機(大)は3回出動しました。80ha/30=2.67時間。3回出動しますから、合計で8.01時間です。経費は
312.3926Crです。肥料と農薬は「中」を使うことにしました。80ha分の肥料と農薬、輸送費も合わせて3,600Crです。コンバインはリース会社から借りるこ
とにしました。6,400Crです。そして灌漑費用は2,048Crです。
 よって、予想される経費は合計24,707.06Crです。

 さて、夫妻は実際にタネをまきました。作柄表を振りましょう。タバコの作柄は小麦相当でかまいません。出目は8、「普通」です。次に病害の発生です。病
気は発生しませんでした(出目1)。害虫の出目は6。タバコの修正-2を適用しても、一度害虫が発生しました。ニコチン入りの葉っぱを食うなんて、どんな虫
でしょうか。幸い、タマゴの段階で害虫に気がつきました(発見の出目は11!!)。直ちに殺虫剤を購入して散布しました。殺虫剤1,200Crと散布機の稼動
104.13Crの臨時出費です。
 そんなこんなで8月、いよいよ収穫です。
 作業の実際ですが、マラク夫人は1レベルの技能がありました。他の修正は「中」の肥料と除草剤、殺虫剤の使用による-0.4のみで、無視してかまいま
せん。出目は10、技能-1で11ですから、11-7で、4%の収穫増です。温帯におけるタバコの収穫は標準で1t/haです。よって、80ha x 1t x 1.04= 83.2tの葉
タバコが収穫できました。
 価格の決定ですが、タバコの基本価格は1tあたり2500 + (2D6 -7) x 20Crです。入植地の田舎度500km超により、2D6への修正は-2。出目は10でした
が、修正により8。 2500 + (8-7) x 50Cr = 2,550Cr /tです。「農業」、「富裕」で修正はとんとん。よってこの2,550Crがトンあたりの価格です。よってタバ
コ栽培による収入は、
83.2 x 2550 = 212,160Cr !! となりました。経費を引けば、212,160 - 24,707.06 - 1304.13 = 186,148.8Cr。正直言って、穀物生産はバカバカし
くなりますが、タバコの葉は食べられません。食料も生産するのがまっとうな農家の責任感と言うものです。
 
 ちなみに、2007年度の日本たばこ(JT)の葉タバコ買い入れ量は37,803t。買取価格(=生産者価格)は1tあたり180万円程度!!!! おいおいな値段ですが、
JTとあらかじめ栽培契約を結ばねばなりません。タネは無料でもらえるそうです。なお、土壌がニコチンで汚染されると言う話もありますが、実際には気にす
る必用はありません。ただ、養蚕用のクワ畑の近くにタバコ畑は作ってはいけないことになっています。

 さて、葉タバコの収穫やら出荷作業やら、商社との値段交渉が終わった9月中頃、マラク氏はここで国籍と引き換えにしたお勤めを果たすことにしました。
専門技術の提供です。軍隊でも良いのですが、帝国海兵隊出身の彼には、TL7の国防軍はいささか原始的に過ぎ、奥さんのコネもあって、警察を選びまし
た。
 マラク氏の警官としてのキャリアは、S.W.A.Tでの執行官がメインです。よってここでは、特殊部隊の訓練を担当しました。しかし、少年犯罪および少年を狙
った犯罪が増加している現状や、自分が83.2t分生産に貢献したタバコを、不良少年がすぱすぱやっている(違法です)のを見て、マラク氏は自責の念に駆ら
れたあげく、警察官の子弟から親の同意の元に志願者を募り、少年犯罪の監視や、少年を標的とする麻薬取引などへのオトリ捜査に使うという
アイデアを、ダメモトで警視に提案しました。警視は最初、ふざけるな、子供にそんなことできるか(させられるか、ではないことに注意)、と言いましたが、マ
ラク氏は海兵隊時代に、年端もゆかない子供達がゲリラとしてこちらに銃を向けるのを何度と無く見ており、子供と言うものが、たとえか弱く無力であっても、
決して無能ではないことを知っていました。そもそも、まともでないゲリラ組織やギャングは子供を使っていると言うのに、どうして警察が使っていけない法が
ありましょうか?
 そういうマラク氏の説得に、警視はあっさり心変わり。かくして、秘密捜査班ジャックポット(JACPOT, Juveniles Associated Crime Preventive
Operation Team 命名は警視)が設立されることになりました。マラク氏は言いだしっぺの手前、官庁巡りや、メンバーの選考、さらにメンバーが揃った後
での、子供達への非致死性武器の使用訓練を担当する破目になります。奉仕年間30日の約束が60日になってしまいましたが、何とか小麦の種まきには
間に合います。警察はマラク氏の働きに対して、少年院の模範的収容者を、更正教育の一環としてマラク氏の入植地に労働力として送り出すことにしまし
た(彼の農場だけにすると癒着と取られるので…)。社会身分度が上昇するかどうかは、JACPOTの実際の働きによるので、まだ判りません。
 
 さて、お勤めを終えたマラク氏は、小麦生産の準備にかかりました。詳細はStep.4の例を参照していただくとして、87,808 - 18,642.78 = 69165.22Cr
の利益が小麦生産からありました。
 利益の合計は255,314.02 Cr。ここから固定資産税9675.4Crが引かれます。そして残念ながら「自分への給料」は認められず、高額所得として40%
の所得税がかかりました(申告は7月なので、6月収穫の麦も課税対象です)。所得税額は(255,314.02-9675.4)x0.4= 98255.45Crとなりました。こ
こまでの18ヶ月間の二人の生活費31,500を引き、差し引きの黒字は115,883Crほどですが、ここに、持ち込んだ資産から土地購入代やなんだかんだ
を引いた残り、220,000Cr程度が加わります。従って、現金資産は335,883Crです(小数点以下は無視)。

 さて、マラク夫妻は決してガメツイ人間ではなく、人生にはお金よりも大切なものがあることは知っていますが、さりとて、お金は欲しいです。そこで今度
は、警察出身という利点を利用して、医薬品用ケシ栽培を試みます。ライセンスの申請はギリギリで成功(2D6の出目は8で、警察出身者のDM+3でなんと
か成功)。しかし、まだ6月。ケシの種まきまではまだ4か月ほどあります。
 そこでマラク氏は、国籍と引換のオツトメに出ることにしました。その年は、ジャックポット秘密捜査班のメンバー選考(警察官の子弟だけでは足りず、
麻薬取締局の子弟も募集しなければなりませんでした)、そして少年が絡んでいる以上、ジャックポットは我々の管轄だとする教育省との折衝(彼らは、財
務省のシークレットサービス、厚生省の麻薬取締局、運輸省の鉄道警察隊のような独自の法執行機関を持ちたがっていました。私学を監視下に置くためで
す)などで、また60日間拘束されました。
 その間、マラク夫人は、地域における社会貢献活動に勤しんでいました。彼女は、村の一地域に土地を購入してトレーラーハウスを設置し、入植地にやっ
てくる季節アルバイトのための宿舎にしようと考えたのです。入植地の人々と相談のうえ、土地は公有地を使うことにしました。60sqmのトレーラーハウス
(60 x 250Cr =15,000Cr)を7台購入。計105,000Crです。これで、14-21人分の宿舎になります。出資金が100,000Crに達したので、公共投資による
人徳ポイント+1。年間の維持費(1,050Cr)は、入植地共同で負担することになりました(低額なので無視します)。
 現在、マラク家の現金資産はトレーラー購入費を引いて230,833Cr。

 そんなこんなで10月になり、ケシの種まきの季節がやってまいりました。作業量は、トラクター2回(播種と耕し)、施肥1回、除草剤散布2回。種子代
金は1haあたり100Crです。
 
種子代金(輸送費込み)
12,000Cr
トラクター経費
346.671Cr
肥料/農薬 (中、輸送費込み)
3,600Cr
散布費用
312.3926Cr
コンバインリース代
6,400Cr
灌漑費用
2,048Cr
合計
24707.06Cr
 タバコ栽培と同じ経費です(笑)。
 さて、翌年4月、収穫期を迎えました。作柄表の出目は11! 「大豊作」です。幸いにも病害虫は発生しませんでした。作業の実際の結果、+2の成功。さらに
大豊作による+10もあります。アヘンアルカロイド換算で、温帯地域3kg/ha x 80 =240kg が基本収穫量ですが、240 x 1.12 =268.8kgのアヘンアルカロ
イド採取が可能なケシが収穫できました。
 やがて、リースで借りたコンバインと製薬会社のトラックが、警察に守られてやってきました(なお、インドでは中央産業保安軍 Central Industrial
Security Force, CISF と言う内務省管轄の組織が担当します)。ありがたいことに、アヘンアルカロイドの価格は固定で大豊作による修正はありません(ただ
し、翌年のライセンス発行は-3ですが)。
 さて、肝心の売却価格は268.8kg x 3,000Cr = 806,400Cr!!! (なお、これはあくまでゲーム上の数字で、実際の麻薬/医薬用ケシ栽培で儲かるの
はこの1/1000程度でしょう)。
 税金で40%取られますが、それでも45万Crの黒字ですから、大もうけです。マラク家の農村ライフは成功が保証されたも同然です。しかし、問題はいかに
医薬品用とは言え、ケシ栽培で儲けたこと。マラク氏はまた新たな苦悩を抱え込むことでしょう。

(終)

その2.ハイテク世界の男、復讐の魔の手を逃れる

 森川賢 氏 997DE7 元海軍中尉、海賊(潜入捜査) 30歳 最高技能 メカニクス-2/エンジニアリン
グ-2/航法-1 農耕-1
(CT用キャラクタージェネレーターで作成。だから農耕Farming技能があります)

 森川賢(マサル・モリカワ)氏は、平凡な農家に生まれましたが、その高い知能を活かして将来は知的労働をしたいと考えていました。しかし、本番に弱い
性格なのか、苦手科目が出たのか、商船学校と大学の受験には失敗。そして超難関であるはずの海軍士官学校には合格してしまったので、彼は海軍士
官への道を歩むことにしました。
 士官学校を優等で卒業した森川氏は、ソロマニ海軍に任官。エンジニア科に配属され、直ちに中尉に進級。順調な軍人人生と思えました。しかし最初の
勤務期の終わりに特別任務を拝命した彼は、上司から衝撃的な事実を知らされました。実は、自分は悪名高い海賊の親玉の息子であり、実の父だと思っ
ていた人物は、母親が海賊親玉から逃げ出した後で再婚(厳密に言うと海賊親玉との離婚が成立していないため重婚)した継父だったというのです!!
 ガーンと来るところですが、「生みの親より育ての親」を字で行く彼は、血縁は全く気になりませんでした。ただ、親が海賊の親玉と言うのが問題でした。
上司は、遠慮がちに海賊組織への潜入を要請しますが、森川中尉(当時)は熱意をもって受けいれました。
 そして海賊生活四年。森川氏は見事に、実の父親を裁判所送りにすることに成功しました(現在、死刑か終身刑かを大陪審が審議中)。その後、大尉に昇
進して、軍に戻るように要請されましたが、いろいろ思うところがあった森川氏は、要請を断り、軍をやめると、心機一転、原点に戻って農民暮らしを始めるこ
とにしました。
 一方、軍およびソルセックは、実の父と戦うという事実に苦悩しつつ(他人にはそう見えたが、実はそれほど気にしていない)、軍人としての将来を捨て、育
ての家族にすら背を向けて過酷な潜入捜査に打ち込んだ(父親の蛮行を止められるのは自分だけだと知って、本当に全てを捨てて取り組んだ)森川氏の姿
に深い感銘を受け、また(一味は全て逮捕していましたが)民間人となった彼を万一の報復から守るため、証人保護プログラムを適用しました。この結果、彼
の社会身分度は新たに8となり、名前も代わってしまいました。育ての家族から貰った名前なので、彼は代える事を拒んだのですが、これは押し切られてし
まいます。現在の本名を出すことは差しさわりがあるので、以後、本稿では「大尉」とだけしておきます。

Step.1.
 まず、資産を決めます。
  勤続年数8年  x 64 (教育度+最高技能2分のD6) x 20 x 10 =102,400Crの貯金。ああ、なかなかですね。ここに退職金50,000Cr。
 さて、大尉はもともと社会身分度7でした。よって、家の財産表による得られるゼロは4つ。サイコロの数は7です。その結果、7D6 = 16と出目は悪く、親の
遺産は160,000Crでした。ここにさらに、証人保護プログラムによる1D6 x 100,000Crのお金がもらえますが、これが100,000Cr。出目は悪いです。
 合計で、102,400 + 50,000 + 160,000 +100,000 = 412,400Crです。

 さて、次に肝心の移住先ですが、大尉はハイテク世界を望みます。そして可能性は低いものの、復讐の魔の手から逃れるべく、なんとソロマニ領ではなく
帝国に移住するという荒業に出ました。
Femerial A665787-E Ag Ri (オールドエクスパンス2030) が好みにびんびん来たので、移住の申請を出しました。
 この星について調べたところ、労働力不足(11)、嫁/婿不足(9)と言う問題を抱えていることがわかりました。「労働力不足」についていささか引っかかりまし
たが、とりあえずFemerialの領事館へ赴きました。
 
 さて、大尉は高スペックな人物です。
 筋力8によるDM+1、知力A+によるDM+4、海軍士官学校卒で+4、元軍人で+1、嫁不足世界に独身者ですから+2。その一方、移住先の人口7による-
1DM、恒星間国家間の移住による-4DMがあります。よって差し引き+7のDM。余程のことが無い限り、却下されることはありませんが・・・2D6の結果は5。ぎ
りぎりやん。でも合計12で合格です。
 
 次に大尉は、受け入れ体制の確認を行いました。担当者の説明によると、
渡航費補助のほかに、無償の資金援助(出目12 労働力不足の世界では奇跡的です)、公的資金の貸付、住宅支援(11)があると言うことで
す。しかし、農機具支援もなければ、頼れる先輩すらいません。それでも、楽天的な大尉はそのまま新天地へ出発しました。

Step2
 さて、新天地へ到着して、再度移民局で説明を受けると、事前説明とは違う現実に直面しました。
「大尉、この世界は婿不足なので、あなたはこちらが用意する人と、結婚を前提にお付き合いしていただかなくてはなりません。」
 役人の言葉に、女性に縁がないわけではなかったものの、人付き合いが苦手な性格、そしてシュミに没頭するタイプで、これまで恋人がいたためしがない
大尉はフクザツな気分になりました。

Step3. 新天地へご到着
 次に入植の候補地を決定します。農地分与を受けていないので、3箇所までサイコロを振ることが出来ます。ただ、大尉はソロマニ人なので、雰囲気に-2
のDMがあります。
No.1.
 32人移民のみ 普通の雰囲気 田舎度5km 高原 森 川 普通の肥沃度 交通は普通 寒帯(出目は冷帯だが高原なので寒いほうにシフト) 空き農地
108ha (田舎度5kmにより「郊外」)
No.2
3人移民のみ 普通の雰囲気 田舎度6010km(!) 盆地 森 水源無し やや痩せ 交通は便利 冷帯 空き農地60ha
No.3
90人 混在 普通 田舎度75km 丘陵 森 小川 小太り 交通は普通 乾燥帯/温帯 空き農地60ha

 No.1は寒帯なので却下。No.2も都市まで離れすぎなので却下。乾燥帯なので不安はありますが、結局大尉は、No.3の候補地を選びました。
 そして、この世界の平均農業規模は105ha (3D6=7 x 10 そして、富裕、農業世界による修正x1.5)と判明しました。

 さて、大尉は荷物を持って新天地へと旅立ちました。
新天地には、住宅支援により、床面積50sqmのトレーラーハウス(12,500Cr 維持費125Cr/年)と、55sqmの宅地が用意されていました。宅地の地価は、
準が50Cr/sqmで、
修正は乾燥帯: -0.25、丘陵地: +0.25、UWP修正により-0.21 よって、
50 Cr x (1-0.21) x 55 = 2172.5Cr 固定資産税率は4.8%で、税金は104.28Cr/年です。

 さて、次に農地の取得です。田舎なので、5Cr/sqm。
修正は、農業世界: -0.2 乾燥帯: -0.25 人口100人未満: -0.5 UWP修正-0.21の合計-1.16。-1より小さいので、地価ランクは0.5Cr/sqm
となり、1sqmあたりの地価は
0.5sqm x (-1.16 + 1 +1)= 0.42Cr / sqmです。

 さて、いよいよ農場を設立する段となりましたが、ここで問題になるのは、「乾燥帯」でかつ小川しか水源が無いことです。ここはまず、センターピボットによ
る灌漑設備を整えるのが定石でしょう。ただし、これには10万Crほどの出費が必要です。さらに、トラクターと散布機は絶対にはずせません。

まず土地ですが、後々、倉庫やらナンやらを建てることも考えて、501,000sqm (50.1ha)を購入しました。
土地代は210,420Cr。固定資産税は4.8%ですから、年間の税金は10,100.16Crです。
次に大尉は、贅沢にも反重力小型トラクターと、反重力式小型散布機を買います。
反重力小型トラクター: 40,000Cr
反重力小型散布機: 20,000Cr
小プラウ、シードトリラー、プランター、サブソイラー、カルティベーター: 計38,500Cr
合計98,500Cr

次に灌漑設備を計算します。
標準井戸:7,000Cr
標準井戸ポンプ:9,000Cr
動力設備:10,000Cr
センターピボット:50,000Cr

 これで76,000Cr。さらに、配管50ha分必要ですから、50 x 25Cr =1250Cr。湧き水量は1.3で、小川の助けを借りなくても充分だとここでは考えました。
 ここまでの支出は、合計で386,170Cr。大尉の資産は412,400Crですから、残りは25,830Crです。ああ、これはキビシイ。しかし、この世界には無償の資
金援助があります。そして資金援助を申請したところ、50,000Crの援助(出目5)がありました。まあ、なんとかなるでしょう。

Step.4
 いよいよ農村生活に入る・・・前に、世界の食文化と食料政策を決定しなくてはなりません。
 まず、食文化表を振ります。その結果、この世界の主たる穀物は麦、従たる穀物はコメ、そしてコメは粗末な食べ物(価格x0.75)と言うイメージでした。コメ
が主食で麦が粗食と言う文化圏から来た大尉は、大いに戸惑います。
 生産割り当て制度は向こう5年間、導入される気配はありません。
 さて、大尉がこの世界に到着したのは、2月に相当する月でした(1D12で適当に決めました)。何かを栽培するにも、いささか中途半端な時期です。
 と言うことで、まずいささか手元がさびしい状況もかんがみて、高価な商品作物の販路やライセンス確保のための行動を開始しました。ジャガイモは試した
いところですが冷蔵設備が無いので見送り。タバコの栽培をタバコ会社に申請したところ、契約を結ぶことに成功しそう。あれ、なんだかマラク家と同じ気が
しますね。サイコロ様のお告げと、財布の事情には従わねばなりませんが、これはつまらない。トウモロコシ栽培に切り替えましょう。

 さて、そんなこんなで3月。トウモロコシの播種時期です。
トウモロコシの栽培計画を立ててみましょう。温帯に位置していますから、基本は
収穫倍率100 - 300, 収穫量5 - 9.5tです。
ここに、修正
反重力農業機械の使用: x1.0 / x1.1
  小太りx1.5/x1.5
そして、乾燥帯による湧き水量の修正があり、
 X1.0 / 1.3 x 0.5
となります。そう。これが乾燥帯でなければ、1.3の湧水量は充分なのですが、乾燥帯なのでx0.5されるのです。頼れる先輩もいない大尉は、その事を知ら
なかったのです!! いささか後悔する大尉です。

 しかし、なんであれ、修正は最終的に
 x1.5 / x1.0725 となりました。恐るべし肥沃度の力、水源不足にも標準の収穫量を超えています。
 
大尉は最大の収穫を目指します。よって、計画収穫量は、
9.5t/ha x 1.0725= 10.18875t/ha 収穫倍率はこれまた最大のx300 x 1.5 = x450
よって、1haあたりの播種量は、10.18875 / 450 = 226.4167kg。50haに対しては11.32083tのタネが必要です。

 さて、ここで問題。大尉の土地は「小太り」なので、雑草の繁茂が激しく、通常の5倍の除草剤が必要です。しかし、大尉はハイテク世界の申し子でした。
ためらわずに、除草剤耐性を持った遺伝子改変トウモロコシの種子を買います。
 種子の価格は100kgあたり100Crですが、1つの形質導入によりx1.25, 125Crです。幸いにも都市まで近いため、輸送費による修正はありません。
 トウモロコシ栽培においては、トラクターの出番は3回、肥料3回、薬剤散布2回の作業が必要です。ここは小太りの土地なので、本来は除草剤散布を5回
行わねばなりませんが除草剤耐性種子により、強烈な「ボールドアップ」一回で済ませることが出来ます。
機材の経費と消耗品費を下に示します。

内容 Cr
反重力トラクター 3回250時間 250
小型散布機 5回166.67時間 123.3358
肥料(中) 3 x 50ha 1500
殺虫剤(中) 1 x 50ha 500
ボールドアップ 1 x 50ha 500
灌漑費用 76000Cr x 1% 760
水使用料金 36Cr/ha 1800
種子
14151
コンバインリース在来型 30時間 4740
24324.38
 ここで注意すべきことは、遺伝子改変種子による費用低減効果ではありません。殺虫剤を撒く手間が4回分省かれたと言うことです。これは即ち、機材の
寿命と労働時間が130時間ほども短縮されたこと(賃金労働にも反発が強い移民には大して意味はないですが、この間に他のバイトも可能)、大量使用によ
る残留農薬の影響が無いと言うことが重要なのです。
 
 さて、いよいよタネをまきました。作柄表の結果は9+1=10。豊作の予感です。
 また、ここいらで穀物生産のイベント表を振って見ましょう。と言うことで出目3。先物買いを持ちかけられ、最低でも105%の収量があれば、最高価格である
130Cr/tでトウモロコシを買い取ってもらう契約を結びました。ただし、収量が105%に満たなければ、差分は大尉が調達するか、その分の費用を弁済する必
要があります。
 さて、そうこうしている内に時が過ぎて、9月の収穫期となりました。さて、大尉には農耕技能が1あり、さらに「豊作」による+5の修正があります。「作業の
実際」の結果は、出目9、修正も合わせて15。15-7=8により、108%の収穫です(先物買いは、3%分の損失を出したと言うことです)。
 さて、先に説明したとおり、この畑のhaあたり収穫量は10.18875t
よって、10.18875 x 50 x 1.08 = 550.1925t 最高価格で買い取ってもらえる約束ですから、550.1925 x 130 = 71525.03Cr。ここで直接経
費24324.38Crを引くと、黒字は47200.65Cr。

 さて、ここで大尉は考えました。トウモロコシ収穫(この世界では恐らく家畜の飼料用でしょう)で食料供給には貢献した。だから今度は、少しばかりお金をも
うけようじゃないかと。そして、彼は禁断のケッシーの栽培許可を申請しました。そして2D6の出目は11! (いんちきナシです)。
 ケシの種まきは10月。急がねばなりません。さて、ここで忘れてはならないのが、トウモロコシ栽培のため「ボールドアップ」を使用したということで
す。つまり、ケシも除草剤耐性種子を使わねばなりません(これを忘れると悲劇です)。
 除草剤耐性ケシ種子は、1haあたり125Cr。50haで6250Crです。また、注意しておくべきもう一つは、ケシは肥えた土地を嫌うため、この「小太り」の肥沃
度では、無農薬/無肥料栽培の方が収量が高い(x0.8)と言うことです。この点をしかと認識した大尉は、以下のような計画を立てました。
基本予想収穫量: 3kg/ha
反重力農業機械の使用: - / x1.1
  無肥料無農薬: - / x0.8
乾燥帯による湧水量の修正: - / 1.3 x 0.5
全て適用して: -/x0.572 よって、アヘンアルカロイド換算で1haあたり1.716kgの収量が見込まれます。

内容 Cr
反重力トラクター 2回166.67時間 166.67Cr
小型散布機 今回は出番無し 0
肥料 なし 1500
灌漑費用 76000Cr x 1% 760
水使用料金 36Cr/ha 1800
種子
6250
コンバインリース在来型 30時間 4740
13716.67

 大尉はケシのタネをまきました。警察が時々見回りに来ますが、特に問題なくケシは成長します。そしてまたも「豊作」の予感。病気も害虫も発生しませ
んでした。
 そして冬が過ぎ、年があけて4月、ついにケシ坊主が形成されました。製薬会社のトラックとリースのコンバイン、そして警察の武装反重力車が上空で警
護するなか、ケシの収穫が始まりました。ついでに、ケシを隠していないか、大尉の家も家宅捜索を受けます。さて、作業の実際ですが、無肥料/農薬栽培
により、必要な出目は11+となっています。しかし、2D6の出目は10、農耕技能と豊作修正により、16。+5%の豊作です。
よってケシのアヘンアルカロイド換算量は、
1.716kg x 50ha x 105% = 90.09kg。アヘンアルカロイドの価格は3000Cr/1kg。
よって、90.09 x 3000 = 270,270Cr。大黒字です。しかし、大尉が入植して14ヶ月がすぎ、税金の季節がやってきました。まず、入植以来の収支を見
て見ましょう。
支出 収入
土地/機材購入 386,170
14ヶ月生活費
(社会身分度A)
17,500
生産経費 38041.05
441,711
トウモロコシ
71525.03
アヘンアルカロイド
270,270
341,795
 生活費が経費(自分への給料)と認められなくても、本年度は赤字です。よって税は免除。土地の固定資産税合計で10204.44Crだけ支払えばよいで
す。また、家の維持費14か月分、145.83Crのはした金があります。と言うことで、現在の大尉の資産は、351733.7Crです。

2年目
 時は5月。前年の失敗に鑑み、大尉は早々に小川から取水路を設置しました。(6500Cr)。これまたイマイチ中途半端な季節です。せっかくですから、珍商
品作物に手を出すことにしましょう。農作物ガイドブックに目を通します。
1種類目
草本、良い匂いがする、染料、果実を利用する、圧搾、生育期間1年、種苗150Cr/ha、7t/ha 400Cr/t
ちと生育期間が長すぎです。

2種類目
草本、良い匂い、ポリマー、樹液、特殊加工(溶鉱炉に入れる)、生育期間6ヶ月、種苗150Cr/ha 6t/ha 150Cr/t
価格が安すぎですね。

3種類目
草本、綺麗、スパイス、花粉、醗酵、生育期間1年、100Cr/ha 1t/ha 1200Cr/t これも儲けが少なそう。

4種類目
草本、硬い、繊維、全部、加熱、2年、75Cr/ha 3t/ha これも時間がかかりすぎ。ランダムなのでなかなかいいのが出来ません

5種類目。
草本、棘、スパイス、全部、加熱、4ヶ月、75Cr/ha 3t/ha 266Cr/t
ああ、もうこのスパイスで良いや、と大尉は投げやりにあきらめました。

 このスパイス(スペースダストと言う名前)の生育期間は4ヶ月。施肥二回と、農薬散布が一回必要です。この度は取水路の確保により、水量は2.1となり、
これで収量が減ることはありません。
 さて、珍商品作物表ではあえて触れていませんが、ここでは収穫量の修正が適用されるものとします。よって、x1.1 x 1.5 = x1.65です。同時に、これだけ
収穫しようと思えばタネの量もx1.65しなければならないでしょう。ついでに、小太りの土地なので、非選択的除草剤「ボールドアップ」を使わねばなりません
ので、除草剤耐性遺伝子も必要です。と言うことで経費は、

内容 Cr
反重力トラクター 2回166.67時間 166.67Cr
小型散布機 100時間 74
肥料 2 x 50ha 1000
灌漑費用 82500Cr x 1% 825
ボールドアップ
500
水使用料金 36Cr/ha 1800
種子
7734.375
コンバインリース在来型 30時間 4740
16840.05
 作柄は「普通」の予感。しかし、害虫が二回発生。一回目は発見しましたが、二回目はピンゾロで発見が3日遅れて滑り込みで退治成功。そして、作業の
結果もぎりぎり成功でした。害虫のおかげで経費は以下が加わります。
散布機66.67h 49.34Cr
殺虫剤(中)2回 1000Cr 計1049.34Cr

収穫量は3t x 1.65 = 4.95t/ha 50haで247.5t、1t/266Crなので、65835Crです。ああ、面倒くさがったばっかりに大した儲けが出ない…。もっと
いい作物を探せばよかった…と大尉は後悔しました。
 
 時は9月。大尉は再び、医薬用ケシ栽培を計画しました。前年度が豊作だったため、ライセンス発行が制限されており、DM-1です。したがって、修正+3も
踏まえて2D6で9以上の出目が必要です。申請の結果は…9。あれ、ダメなら野菜でも作ろうと思っていたのに、ま、いいか。
予想収穫量: 3kg/ha
反重力農業機械の使用: - / x1.1
  無肥料無農薬: - / x0.8
今回は取水路で水を確保していますので、水による減少はなく、修正はそのまま-/x0.88 
よって、アヘンアルカロイド換算で1haあたり2.64kgの収量が見込まれます。
内容 Cr
反重力トラクター 2回166.67時間 166.67Cr
小型散布機 今回は出番無し 0
肥料 なし 1500
灌漑費用 82500Cr x 1% 825
水使用料金 36Cr/ha 1800
種子
6250
コンバインリース在来型 30時間 4740
13781.67

 作柄は「普通」。幸いにも病気害虫は発生しませんでした。さて、冬が過ぎ、春が来て収穫期。ケシ坊主が出来ました。有機栽培なので必要な出目は
11。作業の実際の結果、出目は11(やれやれ)。農耕技能-1により1%の増収です。
収量はアヘン換算で133.32kg。399,960Crの収入です。
 この後、本年度の税金申告の時がやってまいりました。
支出 収入
直接経費
取水路建設 6500
固定資産税 10204.44
生産の直接経費 31671.06
間接経費(減価償却)
灌漑設備 4130
機材 2000
スパイス
65835
アヘンアルカロイド
399960
54,505.5 465,795
課税対象額
411,289.5
所得税(40%) 164,515.8

 さて、次に間接経費を除いた実際の収支ですが、
生活費12ヶ月 15,000Cr、家の維持費125Crに、直接経費の合計48375.5Crと所得税164,515.8Crが加わり、
合計で228016.3Cr 収入465,795Crとの差し引きで237,778.7Crが今年度の利益でした。
 現在、大尉の資産は589512.4Crです。

3年目
さて、ここいらで押し付けられたヨメの人物像が明らかになる日が来ました。シナリオ集付属の表にしたがった結果、
「かなり年下、大人っぽい、聖者、僕っ娘、美巨乳」 と言う凄まじいのがやってきました。ああ、しかし、聖者でボクッ娘。是非ともお会いしたい。大
尉の現在の年齢32歳の半分、16歳としておきましょう(ちなみに、この直後にイベント表の「出来ちゃった」を見なかったことにしたのはナイショ)
 大尉は再びケシ栽培のライセンスを申請。出目10でDMも含めて文句無く成功。この時だけダイス目はしるなぁ。野菜とか珍作物の時はダメダメなのに。
実際、ダメダメだったので、4月から10月まではあきらめて農場の拡張作業に当てることにしました。
 大尉は、公有地の森林50ha(乾燥帯の森林…かなり特殊そうです)を購入し、ケシのタネまきが始まる10月までに開墾を終えて、100ha分のケシを収穫し
ようと考えました。
 
 まず、60haの公有地が売りに出されていたので、50ha分購入しました(1sqm=0.42Crで21万Cr)。そして、許可(治安度以上で成功)を受けて焼畑を敢行。
消防署に連絡して、消防車が見守る中、森を燃やしました。消防署は実戦的消火訓練と喜んでいます。
 さて、本来、人力で森の開墾を行う場合、一人で1.5sqm/hのペースでしか開墾できませんが、焼畑後は15sqm/hとなります。50haですから、500,000sqm
/15=33,333.3時間の労働が必要。時給10Crで労働者を集めたとしても、33.3333万Crの人件費が必要です。その一方、灌漑設備82,500Crまでの資金は
ありません。そこで大尉は、灌漑設備の代金を農地の50haを担保に借金(彼はローンではなく、一括で返済できる借金を選びました)。土地の価格は21万Cr
ですから、担保価値は充分だとして問題なくお金を借りられました。
 問題は労働力です。ケシ栽培が始まるまで余裕を見て150日。一日8時間労働で30人は必要です。で、とりあえず募集を開始。この世界はイヤなことにキ
ツイ仕事をしたがらない「労働力不足」ですが、入植地が比較的都市に近く、また長期の仕事のために+DMが得られます。人口コードによるDMも+1。差し引
きDMは+3。2D6の出目は6・・・。6+3 = 90%で集まったのは27人。ああ、三人足りない、と思ったら、大尉も自ら働くんですよね、そう言えば。と言うことは足
らずは二人。また、ここに聖者のボクッ子が、聖者ぶりを発揮して手伝いに登場してもらいましょう。16歳で学生の身ですから、労働時間の寄与はないです
が、士気は向上するでしょう。

 そんなこんなで、500,000sqm / 15 sqm = 33,333.33時間 これを28人(バイト27+農場主)で割り、一日8時間とすると、33,333.33 / 28 /
8 =148.81日。期限ぎりぎりですが開墾は間に合いました。と言っても、実際は土、日曜日は休みなので一日10時間以上は働いているわけですが。
 さて、次にバイト代のお支払いです。総労働時間は33,333.33時間人。28人ではたらいたので、労働時間一人あたり1190.476h/人。このうち、給
与の支給対象は、農場主である大尉は除く27人です。よって、バイト代支給対象の時間は延べ1190.476*27=32142.86時間時給10Crにより人件
費の総額は321428.6Crです。もっとも大尉は、お茶汲みをしてくれた新しい押し付け婚約者へのバイト代(大尉は彼女のボクッ娘口調にめろめろです)、
交通費その他サービスも含めて325,000Cr支出しました(計算が面倒くさいから・・・)。
かくして、
元々の資金589512.4Cr + 借金82500Cr から
土地購入資金210000Cr + 開墾費325000Cr + 灌漑設備の購入費82500Crを引いて、 
 残り54512.4Cr と言う決算になりました。
 ケシ栽培の費用は50haで13781.67Crでしたから、今回はそのおよそ二倍の27000Cr程度の費用が予想されます。資金に不足はありません。ただ、「ボ
ールドアップ」の散布で雑草退治しなければなりませんので、薬剤代1000Crと小型散布機の49.34Crが別途必要です。

 さて、ケシの種をまき、年が明け、春が来ました。勝負の作柄は11!!大豊作です!! ああ、これって実は、ライセンス発行に-DMがつくからイヤなんだけど
…。病害虫も発生せず。そして、作業の実際ですが、大豊作により+10DM。ピンゾロも怖くないです。と思ったらピンゾロでした。しかしそれでも、修正後の出
目は13で、+2%の増収。
即ち、2.64kg/ha x 100 x 1.02 = 269.28kg。1kg3000Crで、807840Crの収入です!! この頃になると、産業公安警察も製薬会社も、モルヒネ供給
源として頼りにしていることでしょう。
 さて、またしても税金の季節がやってまいりました。本年度の収支をみてみましょう。
 
支出 収入
直接経費
土地取得 210000
固定資産税 20284.44
開墾費 325000
生産の直接経費 27612.68
灌漑設備 82500
間接経費(減価償却)
灌漑設備 4130
借金の返済 90750
アヘンアルカロイド
807840
760,277.1 807,840
課税対象額
47562.88
所得税(15%) 7134.432
 うーん、借金の取り扱いについてイマイチ自信はありませんが、こんなもんでしょう。
 そして、前年度からの繰越やら借金やらを加味し、かつ生活費と家の維持費を引いた結果、大尉の財産は
701445.8Cr。ああ、なんだかんだと財産が増えました。

4年目
 税金も払い終わった4月。耕地も広がったことだし、財産も増えました。大尉はしばらく自分を見つめなおした結果、経営学に関する知識とさらなる農学の
知識が必要との結論に達し、また先に取得した方の50haを休ませることも兼ねて、大学の聴講生になりました(授業料として-2500Crとしましょう)。その間、
自家用車兼用の反重力1tトラック(40,000Cr)、倉庫200sqm(20,000Cr)を購入しました。やがて10月になり、前年のケシ栽培開始時に撒いた非選択
的除草剤の効果が切れ、耕地は「小太り」に相応しいもしゃもしゃが回復しました。先に取得した50haはこのまま来年4月まで休耕(これで一年休耕となりま
す)。新しい50haの方で野菜作りを計画しました。小麦を作っても良いのですが、彼は来年の4月タバコ栽培100haを目指しているので、収穫が6月の小麦は
避けたのです。しかし、栽培期間が適切な野菜は見つからず(6回2D6を振ってあきらめました)。大尉はいつもの癖で、ああもう良いや、となりました。また、
農地の拡張を行っても良いのですが、前年の真っ黒焦げの丸太片付け作業のつらさが身にしみていたので、その気にもなれません。そこで、また大学で聴
講生(-2500Cr)をして遺伝子工学を学びます。熱心さに(少なくとも周りにはそう見えた)、教授からは大学院入試を勧められてしまいます。ということで、4年
目はものの見事に学生だけをして過ごしました。
 生活費と授業料、固定資産税とその他購入費の支出だけしかない1年でした。
 支出の合計は100,409.44Cr。財産は現在、601,036Crです。
 ただ、イベント表を振っておきましょう。
 嫁不足世界で押しつけ嫁/婿があるで出目10。 「親睦を深めすぎて『結婚前にもう少し恋人同士でいたい(はぁと)』と現実離れしたことを言われ、さらに親
睦が深まる」 ま、良いのではないでしょうか。
 「ボク、あなたのことをもっとよく知りたい」と聖者の女の子から言われれば、大抵の人間は陥落するでしょう。

5年目
 4月になると、ついにタバコ栽培です。契約の出目は8で成功。100haにタバコの種をまきました。例によって、種は除草剤耐性遺伝子つきです。
収穫量予想では、温帯の基本2t/haに、反重力化x1.1、「小太り」修正x1.5で、最終的には
2 x 1.1 x 1.5 = 3.3t/ha 330tの収穫が見込めます。そして,現行の小トラクターでは、100haを耕すのには16.6日かかるため、ケシ栽培ならいざ知ら
ず、ルール上15日以内の作業が原則の他の作物にはパワー不足です。よって、反重力式中トラクター(400,000Cr)および中のプラウ、シードトリラー、カルテ
ィベーター(計47,000Cr)を購入。去年に買わなかったのは、税金対策です(笑)。
内容 Cr
反重力中トラクター 2回50時間 500
小型散布機 20時間 148
肥料(中) 2回x100ha 2000
灌漑費用 82500Cr x 2% 1650
水使用料金 36Cr/hax100 3600
種子 100ha 12500
コンバインリース在来型 60時間 9240
30,638
間接経費 減価償却費 4,800
 作柄は普通。病気も害虫も無し。作業の実際も、出目6でしたが、農耕技能のおかげで差し引き0。330tの収穫です。
さて、タバコの葉の価格は2500 + (2D6-7)x50/tです。
 2D6の結果は5。入植地の田舎度が小さく交通が普通により+1されます(これは、輸送費の負担が少ないことを意味しています)。結果は、2450Cr/t。
330 t x 2450Cr = 808,500Crの収入です!!!
 さて、タバコの収穫が終わったのは夏真っ盛りの8月半ば。ここで大尉は、ようやくまっとうな農民らしく、食糧生産に寄与しようと思い立ち、小麦生産を計
画し始めました。また、入植から既に5年。食料政策変更により小麦生産割り当て導入の可能性が出てきたので、練習もかねています。
 ただ、100haの畑で小麦を生産するには、散布機の性能にいささか不安を感じます(小型散布機で100haは66時間かかるため、病害虫の発見が遅れた場
合の余裕が無い)。そこで大尉は、中型反重力ブーム式散布機(400,000Cr)を購入しました。ああ、物品購入費が多くてこれで今年も税金は払わなくて良い
のでは?
 今後、小麦栽培には成功するのか? 経済的には無事そうですが、果たして復讐の魔の手は大丈夫なのか? 美巨乳のボクッ娘と本当に「出来ちゃった」し
たりしないのか? など興味は尽きないですが、ここから先は(取材許可が降りなかったので)皆様のご想像にお任せします。

(終)

その3. 金持ち貴族、社会に投資する

サンネン・ネテクラソー男爵 8748EC 最高技能Biology - 6,

 ネテクラソー男爵家の長子として生まれたサンネン氏は、大学を優秀な成績で卒業、大学院で生物学と遺伝学を学び、博士号も取得。遺伝子工学の専
門家として、地元政府の研究機関で4年勤務。次に貴族社会の一員として、科学技術政策を担当する政府顧問職を4年務めた後、両親の死去に伴ってネ
テクラソー男爵家の家督を継ぐことになりました。財産を引き継いだサンネン氏は、自身の才覚でいっぱしの社会生活を送ろうと考え、地方世界への移住を
決意しました。
 さて、財産を整理しておきましょう。
 退職金はありませんでした。最高レベルの技能は生物学-6ですので、
8年 x (教育度+生物学-6 = 20)個のD6 x 社会身分度C x 20 = 8 x 75 x 12 x 20 = 144,000Cr。
次に、男爵家の遺産12D6 に6つの0 = 51,000,000 = 51MCr!!
そしてローン10年分を払ったヨット
がサンネン・ネテクラソー男爵の財産です。
ネテクラソー男爵は、スピンワードメインの農業世界レック(D9957AA−6)への移住を希望しました。レックは「労働力不足(出目10)」と「嫁/
婿不足(出目12)」の問題を抱えています(これは次項の山中様の出目に従っています)。

筋力8+ : +1 知力8+: +1 教育度A+、または大学相当の学校を卒業: +4 資産額が10MCr以上: +3 嫁/婿不足で独身者: +2、人口コード7: -1 で、差し引
き+10のDMがあります。ピンゾロでも充分に合格であり、レックの大使が直々に移住を歓迎する旨の挨拶をします。
 そして、レックの受け入れ体制はと言うと、
公的資金の貸付上限50,000cr25年返済、住宅支援、重火器の支給、頼れる先輩、農業学校です。その一方、嫌な条件は何もありませんでした。

 さて、次に入植地を決めます。農地分与が無いので、候補地は三つです。
No.1. : 98人 移民のみ 歓迎 田舎度530km 高原 不毛 川 激痩せの土地 不便な交通 温帯(亜熱帯からシフト)
No.2 : 845人 混在 歓迎 田舎度150km 山岳 荒地 小川 白骨並み土地 普通の便利さ 温帯(亜熱帯からシフト)、乾燥帯
No.3.: 44人 移民のみ 歓迎 39km 丘陵 森 小川 普通の肥沃さ 普通の便利さ 亜熱帯 

ネテクラソー男爵は入植地No.3を選びました。空き農地は180haあり、この世界の平均耕地面積は175haです。

土地の取得
 この入植地は、田舎度が小さいため、「郊外」です。農地の地価修正は諸々併せて-0.94で、1sqmあたり、10 x (1-0.94) = 0.6Cr/sqm。 
宅地の方はと言うと、修正は+0.01で、10 x 10 x (1+0.01) = 101Cr/sqm (丘の上の住宅地なのです)。

 まず、ネテクラソー男爵は、空き農地180haを全部買い取りました。
180 x 10000 x 0.6 = 1.08MCr。固定資産税率は1.6%で、税金は年間17,280Cr。
丘陵地帯なので傾斜の有無の判定が必要ですが、出目5のため、傾斜はありません。
住宅及び宅地は支援されています。住宅は男爵が住むには粗末過ぎますが、建設費1000Cr/sqmの床面積50sqmの平屋で、宅地面積は
100sqmです。
住宅の維持費は、1000*500*0.01=5,000Cr/年。
宅地の地価は100 x 101=10,100Cr。 161.6Cr/年の固定資産税でした。

農村ライフスタート
 頼れる先輩(同年輩の女性です)と意気投合したサンネン・ネテクラソー男爵は、レックが抱える様々な社会問題について学びました。そして、さし当たって
学ぶ以外には何もせず、広大な耕地はほったらかしの荒れ放題にして、家で農学やら社会学やら、レックの動植物に関する研究論文やらを読みまくりまし
た。こうした勉強の時はいつも、お気に入りの縁側で催眠学習機を使うため、いつの間にやら「ネタロー男爵」と、入植地の人々からは白い眼で見られるよう
になりました。そうして三年の月日が流れました。
 三年間の経費
 固定資産税: (17280 + 161.6) x 3 = 52324.8Cr
家の維持費 5,000 x 3 = 15,000Cr
生活費: 125 x 12 x 36ヶ月=54,000Cr


 三年間の見聞の結果、ネテクラソー男爵はA・アトキンズ(次項参照)という紅茶園の持ち主の行為に言いようの無い違和感を覚えるようになりました。アト
キンズ氏は確かに、貧しい子供達に職を与えるのみならず、教育の機会まで提供しており、未成年者を安くコキ使っておきながら「自分が雇わなければもっ
とひどいことになる」とウソぶく連中(=悪意は無くとも、現状の追認で改善への意欲が無い)と違って、非常に立派な貢献をしています。しかし、「治安の悪さ
とギャングの跋扈」を理由に(治安度Aの世界だぜ ! )、寄る辺無い未成年者達に武器の操作を訓練しているのです。男爵に言わせれば、これは軍閥化への
第一歩です。そして、どんな立派な理想を掲げてみても、武装集団を形成した時点でたいていは抑圧側と化すのは、歴史が示すところです。
 アトキンズ氏が小作人から身を起こした苦労人だなどということは知ったことではありません。「三年寝て暮らした金持ちに言われたくねぇよ」と言うハナシ
ですが、男爵が危険性を感じたのは事実です。
 かくして男爵は、アトキンズ氏に対抗すべく、「アトキンズ軍閥」の資金源である紅茶に目をつけました。紅茶や緑茶の収穫が不効率で、多大な人手を必
要とするのは(=その人手がアトキンズ軍閥の兵力となる、と思っている)、新茶葉かどうかが目視で判断できず、手で触って確認するしかないと言うところに
あります。ネテクラソー男爵は、遺伝子操作によって赤のアントシアン合成経路を茶樹に組み込み、葉が「新茶」の段階を過ぎた時点でアントシアン合成が
開始され、古い葉は赤っぽい色になるようにしたのです。これにより、手でさわらなくても新茶葉を見分けることが出来るようになり、緑色の葉だけを選んで
遠慮なく鋏で切り取ることが可能となって、収穫効率は一気に10倍以上になると予想されます。また、バリカンでズバッっとやって古い葉が混じったとして
も、後で簡単に摘発できます。

 まず男爵は、「ネテクラソー遺伝子工学研究所」を設立。(20-TL6) x 0.1MCr = 1.4MCrの出費です。次に、地元大学から実験助手を一人雇
い(年間50,000Cr)、2MCrの研究費を投じて(DM+4)、遺伝子組み換え実験に打ち込みました。そして、
至難 遺伝学-3(CTキャラなので) 教育度(E)
 DM: 研究費+4、形質が一つ-1、形質が一つなので難易度が「難」になる
の試行に見事に成功! 一年後、研究所の庭に第一号株が芽を出しました。問題は、そこから苗を作って茶の生産体制が整うのにまた数年か
かると言うことです。
 ネテクラソー男爵は、実験助手と弁護士に対して、農地に紅茶園を開け、そして紅茶葉が収穫できるくらいに準備が整ったら起こしてくれと言い残し、元
「頼れる先輩」の男爵夫人とともに二等寝台にもぐりこんで、今度こそ本当の永い眠りにつきました。
 経費: ああー、もう金持ちだから計算する必要ありませんね。

茶園の建設
 男爵の所有する農地のうち、150haが茶園に当てられることになりました。残り30haは、研究所の実験農場と、茶葉の加工施設に当てられます。
 さて、150haの農園には、3セットの灌漑設備が必要です。水源の乏しさに鑑みて、スプリンクラー灌漑設備を使用します。井戸の湧水量は1.6あり、小川
(0.8)の力を借りる必要はありません。標準井戸のスプリンクラー灌漑設備76000 x 3=228,500Crに、150haへの配管150 x 25 = 3,750Cr。作業機材として
2tトラックx2 (40,000Cr)、中ブーム式散布機x1(100,000Cr)を購入。そして茶葉の加工設備も用意しなければなりません。この紅茶園では、最大で一週間
当たり150 x 6 /50 = 18tの茶葉を処理する必要があります。ここでは8時間で18tを処理できる設備を導入しました(18 x 35000 x 0.5 = 315,000Cr)。
 最後に、問題の労働力です。
 まずは、いちばん人手がかかりそうな、収穫能力から必要人員を計算して見ましょう。紅茶園がフルパワーで稼働した場合、年間6t/haの生
茶葉 = ルール上、一週辺り120kg/haの生茶葉が生産されます。150haでは18,000kgです。そして収穫能力は、従来型紅茶だと、一人当たり
1日15kg-45kg。全員がベテランであっても、18000kg / 45kg日 /一週間7日 = 18000/45/7=57.14人が収穫のため一日中働かなくてはな
らないのです。
 しかし、この新品種「スリーピングスリーイヤー(イヤーズではないのは単なる勘違い)」は違います。まず、ベテランの紅茶摘みが45kg/日なの
は、葉っぱを見分けるのが上手だからでしょう。しかし、古い葉が赤くなるため、誰でもベテラン並の鑑識眼を発揮できます。この時点で自動的
に手摘みでも効率x3の45kgが発揮されます。鋏摘みの効率がx10なのは緑茶で紹介した通りであり、また鋏を使っても古い葉が混じらないか
混じっても摘発が簡単なため、ベテラン45kg/日 x 鋏10倍=450kg/日人の収穫効率が発揮できます!! つまり、前記の例の1/10、僅か6人で
収穫が可能なのです。
 一方、収穫以外の作業ですが、肥料と除草剤を使う場合は0.75ha/人の労働力が必要です(150haでは200人)。しかし「摘採用の茶鋏、剪定
用のチェーンソーなど、ある程度の機械化がなされている場合、1人の労働者が受け持つ茶園の面積は10倍に拡大する。」ので、7.5ha/人
(150ha/20人)に必要労働力は減少します。ただ、こうした作業は、葉の見分けやすさは関係しませんので、最低20人が必要ということになり
ます。そして男爵は20人雇いました(実際には、男爵夫妻と実験助手も研究の合間に働くので、労働力としては21.5人くらいと考えて下さい)。
男爵は20人にそれぞれ、月2000Cr=年24,000Crの給料を支払うことにしました。年間人件費は480,000Cr(研究助手の給料も加えれば530,
000Cr)。
 さて、もろもろ面倒くさいので、ここは「スリーピングスリーイヤー」の優位性を示すため、収益と経費のみ示しましょう。
まず直接経費は、以下のようになります。
加工費: 150ha x 6t =900t x 0.25 +1000Cr =1,225Cr/年
人件費: 480,000Cr(研究助手は含まず)
肥料/農薬代金: 計5回散布「上」使用。 15Cr/ha x 150ha x 5回=11,250Cr
ブーム式散布機: 5回50時間 975Cr
トラック: 300時間稼働として2台 40,000Cr x 1.3% x 300時間/100 = 1560Cr
灌漑費用: 76000Cr x 0.35% x (150ha/10ha) = 3,990Cr
合計で499,000Cr。
さて、利益はと言うと、150ha x 製紅茶1.5t =225t/年。 平均的な1800Cr/tとして、225t x 1800Cr = 405,000Cr。
普通の価格では赤字です。しかし、鋏摘みでありながら新茶葉が識別しやすいことによる「手摘み品質」が保証されていますから、x1.5-2.0倍
の価格でも文句は言われません。X1.5で2700Cr/tとしても607,500Cr、x2.0で3600Cr/tなら810,000Crです。法人税やら固定資産税やら、
生活費を払っても、赤字にはならないでしょう。ただ、1800Cr/tの価格でも、月給1250Cr(20人で年300,000Cr)までなら、税金を払ってもなん
とか黒字にはなります。
 さて、ここで男爵には大まかに言って二つの選択肢があります。アトキンズ氏への警戒心は隠して、ひとまずアトキンズ氏と価格協定を結んで彼の「フェア
トレード価格」に併せて大きな利益を上げるか、低価格でアトキンズティーを駆逐してしまうか、です(「スリーピングスリーイヤー」を広めると言う発想は、自
分の農場が比較優位を確立してからです)。
 色々考えた挙句、価格は現行のままで押し通して危険な軍閥の芽を駆逐するとともに、豊富な資金力で持って茶園を拡大して雇用を吸収、そして給料は
平均3000Cr/月に値上げします。この高い人件費とそれに伴う利潤の縮小は、決して「ムダ」ではありません。こうした農場労働者の子弟の誰か一人でも、
給与水準に見合う高い教育を受けて才能を伸ばし、何かしらの発明をする技術者になったり、敏腕ビジネスマンになってくれれば、社会への投資として成功
ですし、男爵個人の利益としても、その誰かが彼の茶園に便宜を図ってくれるかも知れません。研究費や三年寝て暮らした分の投資を回収するのにはかな
り時間はかかるでしょうが、それもまあ、社会への投資の一つでしょう。

(終)
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