2.3密輸 2.3.1密輸品の仕入れ 密輸品は、無害品と有害品の二種類に分類される。 ・無害品:酒類、貴金属、宝石 これらは禁制品ではないが、高い関税が課せられていることが多い。仕入れは通常の貿易品と同様に、合法的に行える。捕まっても罰金 で済む事もあり、密輸品としては人気がある。ただし、治安度A+の世界以外では必要とされていない。
・有害品:武器、麻薬 これらは禁制品であり、どんなに治安の悪い世界でも歓迎されない。合法的に仕入れることも難しい。 武器の仕入れ: 難 <交渉>+社会身分度 1d6日 DM: 工業世界=+1 初めて取引する相手=難易度1上昇 麻薬の仕入れ: 難 <交渉>+社会身分度 1d6日 DM:工業世界=+1 農業世界=+2 初めて取引する相手=難易度1上昇 あれ系の仕入れ: 難 <交渉> 1d6時間 DM:伝説の地アキバ=合法品(+8) 18才以上=+8
品物の買値は、4000Crを基準にトラベラーの貿易ルールを使って基本価格を求め、単位当たりの価格/4000で産出される比率を掛け合わせ て計算する。 例) 宇宙港タイプA TL15 高人口 工業世界で生産された普通の酒20,000/dtは、20,000/4000=x5 基本価格は、4000Crから宇宙港タイプ=A 高人口 工業世界の価格修正で-3000、TL15の修正で基本価格は2500Cr。この2500Crに上で 求めた比率5をかけて、酒の購入価格は2500x5=12,500Cr/dtとなります。 2.3.2 検査を誤魔化す 税関の検査で問答無用で捕まるのは、ドラッグ類と「人間」である。これらは運んでいるだけで違法だが、それ以外のものは船倉にあるから と言って違法ではない(武器ですら、積み込み地では合法かも知れない)。アルコールの輸入が厳禁されている世界でも、アルコールを積んだ 宇宙船が補給のために着陸することは拒めないわけで、現地では違法な積荷であっても、指定された保税区画以外に降ろさない限りは、その 宇宙船を罪に問うことはできない。こうした場合、着陸時と離陸時で数量が一致するか検査が行われる。 密輸業者がクリアすべき関門は、 1. 着陸時の検査 2. 宇宙港から荷物を運び出す時の検査 3. 離陸時の現地で違法な貨物の数量検査 となる。 検査の突破は、以下の表に従って行う。
・贈賄技能 贈賄は以下の3パターンが基本。にぎにぎさせる直接的なものから、いかにも「うっかり」な感じで少量の禁製品を没収させて本丸から目をそ らす方法(麻薬では使えない方法だが)も含む。検査の突破に失敗した後でも使える。 突破DM+1ごとに:治安度x5,000Cr DM+5まで 「ええ!?、もう一度ちゃんと検査してよ」:治安度x1,000Cr 検査の突破に失敗した際、もう一度同じ条件で検査突破に挑戦できる。 「うーん、ボクにはみえないな」:治安度 x 100,000Cr 検査の突破に失敗した際、検査官には見えない密輸品になる。 相手に上のような贈賄を受け入れさせるには: 難(11) <交渉> <贈賄> DM:麻薬、武器=-8、あれ系=+4、「僕にはみえないな」=-6、突破DM+2以上を要求=要求するDMの値がマイナスDM (ver.2.1で変更) 贈賄に失敗した場合は、公務員の買収を試みた罪となり現行犯逮捕で即座に刑務所行き(禁固1D3 + 治安度年)。実は、密輸品が見つかっ ても無害品なら没収だけで済むことがあるので、贈賄技能は使い方が難しい。ついでに、賄賂は常に現金払いでなくてはならず、カード、小切 手不可。 例)ルビィくん、密輸商人になる キングフィッシャー事件の後、ルビィくんは故郷に送還されて、密輸商人になりました。逮捕はされたものの、18歳と言う年齢と、キングフィッシャーに乗り込んでから日が浅い ことが考慮され、また「海賊王になりたい」と言う志望動機を知っていた船長が死亡したため、ルビィくんと海賊行為の関係を証明できなかった警察は、嫌疑なしとして彼を釈放 したのです。 さて、密輸商船「ドラーモン」は、A88688C-Aの世界に高級な酒を密輸しました。さっそく税関の役人が探知器と麻薬探知犬を引き連れて乗り込んできます。 目標値は治安度と同じ12。しかし、宇宙港Aにより+4、TLによる修正A-5=+5で、目標値は12 + 4 + 5 =21。 ドラーモンの船長の知力は6。さすがに心もとないため、今回の仕事は新入りのルビィくん(知力Aで見るからに賢そう)に一任されていました。ドラーモンのクルーは、ルビィくん のアイデアと指示のもと、コンテナと書類に細工を行います。 クルーの中には、探知器-3、偽造-1の技能をもつ人物がいるため、最終的にA + 探知器3 + 偽造1 =14がドラーモンの「密輸能力」となります。 で、2D6の出目は7で、ぴったり成功しました。 2.3.3. 宇宙港以外にこっそり着陸する 宇宙港以外の場所にこっそり着陸することが出来れば、面倒くさい通関検査は全てパスできる。しかし、密輸の市場になりそうな世界に、誰に も見つからずに着陸することは事実上不可能である(もっとも、誰かに見られたからと言って、必ず何かが起こるわけでもない)。下の表で惑星 へ着陸するための所要時間と、地元当局のレスポンス時間を調べる。なお、下の表は着陸の技術的な成否を判定するものではない。
2.3.4 取引を済ます 当たり前の話だが、取引相手は予め見つけておかなければならない。密輸業者の社会的信用にもよるが、実際の密輸品の搬入は、買い手 を見つけてからでも良い。 取引相手を見つけるには: 難 <交渉>+<ブローカー> 1d6日 修正:無害品は、治安度9-の世界では相手にされない(そもそも規制がないから) この判定で事故が発生すると、いろいろ不愉快なことが起きる(詳細はGMが決定)。そして、取引相手を見つかると、次はその世界が 密輸品を欲しているかどうかを判定しなければならない。 2D6で、その世界の治安度 x 人口コード/10 以下が出れば、その世界は密輸品を欲している。 すなわち、治安度が高くて贅沢品の関税が高かったりして、かつ十分な人口が存在しないと、密輸と言う商業活動の存在意義が無いのであ る。例えば、治安度Fの絵にかいたような全体主義国家があったとすると、もしその世界の人口がAであれば、 15 x A/10 = 15 x 1=15で、2D6でまず失敗することは無く、密輸品は売れる。 しかし、この絵にかいたような世界も人口が3しかなければ、15 x 3/10 = 15 x 0.3 =4.5で、かなりの確率で密輸品は必要としない。 ・密輸品の売値 酒類 売値×(1+治安度/10) 貴金属 売値×(1+治安度/10) 宝石 売値×(1+治安度/10) 武器 売値×(治安度/2) つまり治安度0/1/2の世界では、わざわざ外世界から密輸するまでもない 麻薬 売値×(治安度/2) 例) TL=Fの高人口、工業世界で仕入れた普通の酒(20,000Cr/dt)を、TL=E、高人口、工業で治安度Fの世界に密輸した場合、1トンあたりの基 本売却価格5000Cr 貿易上の分類による修正+3000 TL差の修正*1.1=8800Cr 酒類の倍率4*8800=35,200Cr これに治安度の修正(F/10+1=2.5)が加わります(正規のルートで輸入していた場合に課せられる関税がこれ でしょう)。よって、35,200Cr*2.5=88,000Cr よって密輸による売値はトンあたり88,000Crとなる。 しかし、こうした密輸品は、世界の人口による購買力の限界以上に売却することできない。人口4以下の世界では、どんな品物であれ限界以 上売ることはできず、しかもそれだけ売れば一年は同じ品物が不要である。 購買力限界
・離脱 (ver2.1で追加) 密輸商人は、取引を済ませて代金を受け取ったからと言って、仕事は終わりではない。先にも書いたように、所持そのものが罪に問われない 無害品は、着陸時と離陸時で数量が一致するか検査が行われる。そうした品物を売った時、税関の検査を通っていたなら、離陸時には「2. 3.2 検査を誤魔化す」と同じ手順を踏まねばならない。こっそり着陸した場合でも、離陸時に発見されたかどうか、着陸と同じ判定を行うこ と。 ・露見 密輸を行ったそれぞれの世界で判定。10+で露見して密輸+1。麻薬/武器の密輸なら、9+で露見して密輸+5。 (義賊オプション) 政治コードが6、B、D+の世界に対する武器の密輸は、民主化運動や独立運動の支援とみなされる。露見しても悪事値にはならない。 ・最悪の結末 信頼できる取引相手も、捕まってしまえば脅威である。有害品の密輸に失敗して捕まった場合、取引相手から殺し屋が差し向けられる事 がある。この世の中にはいろいろと便利なものがあるので、口封じされる危険性には、本人の口が堅いか否かは全く関係ない。薬物投与や催 眠その他による証言は、拷問による自白と同様に裁判における証拠としての価値はないが、捜査上極めて重要な情報なのは間違いない。そし て、もともと逮捕/起訴を考える必要のない情報機関などには、証言を得る方法はあまり考慮しない。 Step.3.航海の決算へ 目次へ戻る Step.1.へ戻る |