2005年1月20日
ドイツ戦車軍団 ハリコフ攻防戦
「ドイツ戦車軍団」に入っている3番目のゲームである。
1943年1月。スターリングラードの大敗北によって、戦況は逆転し、ドイツ軍は敗走を続けていた。
しかしハリコフ近辺において、反攻作戦を開始。
補給切れで動きのとれなくなっていたソ連軍は各個撃破され、壊滅状態に陥ったのだった・・・。
というわけで、第2次大戦の最後のドイツ軍大勝利に終わった戦いを再現したゲームである。
完全初心者向けの「ドイツ戦車軍団」だが、最終作の今作にはルールらしいルールも付け加えられている。
まずスタックが出来るようになった。これでやっとアバロンヒル・クラシックから抜け出したか。
そして装甲部隊のみ、戦闘で敵が後退した後の追撃時に、余分に1ヘックス自由に進むことが出来る。これは装甲部隊の機動性を表すルールで、色々なゲームでその表現法が探られていたが、これはその中でも最もシンプルな方だろう。
あとは都市の占領と線路の切断という要素が加えられた。
これはどちらも勝利ポイントに影響するのだが、実はこれが一番ややこしい。
どの都市をどの軍が最後に通ったかなんて、覚えられないよ(汗)。
化夢宇留仁はこのゲームはまったく初めてである。人とやるのも。今回のように一人でやるのも(笑)。
上図がハリコフ攻防戦の初期配置である。
エル・アラメイン、ダンケルクと比べると、マップサイズが倍なので、ユニットが見にくいと思うが、右端に並んでいるオレンジ色がソ連軍である。
ドイツ軍(灰色のユニット)はわずかに6ユニットしかおらず、左上に3ユニット。右下に3ユニット存在している。
ただしこのゲームでは両軍とも増援部隊が続々と登場するので、ユニット数が極端に少ないわけではない。
勝利条件は、8ターンのゲーム終了時に、都市の占領、鉄道の切断、敵ユニットの殲滅によって加算されてゆく勝利ポイントが敵軍よりも大きいこと。
加えてソ連軍は、マップの最西に位置するポルタワ、ドニエプロペトロフスク(すさまじい名前である/笑)のどちらかの都市を占領すれば、その時点で勝利となる。
1ターン/1943年1月19日
ソ連軍ターン
このゲームではソ連軍の手番から始まる。当時のドイツの守勢がうかがえるところだ。
で、さてどうしたものか。
なにしろ初めてなので、この先どういう展開になるのかさっぱり分からない(汗)。
しかしなんとなくユニットを動かしていてもつまらないので、なんとか作戦らしいものを立てたいところだが・・・やはりどうも思いつかない(汗)。
仕方ないのでとりあえずは南東のドイツ軍を攻撃しつつ、勝利ポイントにつながる都市や線路を目指すことにした。
史実からしてホイホイ進んでいると、後でドイツ軍の増援に取り囲まれてえらいことになりそうなのだが、とにかく勝利ポイントがゼロのままでは勝ちようが無いのだ(汗)。
増援の予定を調べてみると、2ターン目には南東からドイツ軍の大部隊が、北からは我が部隊の増援がやってくる。
ここはとりあえず敵の増援に備えて、初期配置の全軍を南へ向かわせた。
装甲軍団がドネツ川南東の都市ウォロシロフグラードに突入したため、ソ連軍に+1勝利ポイント。
ドイツ軍ターン。
同じくどうしてよいか分からない(汗)。
しかしとにかく現時点では6ユニットしかいないので、考えることも限られてくる。
北西の部隊は東へ進撃。
南東の部隊は、ウォロシロフグラードの敵部隊を牽制しつつ、それより西に進撃されないように防御線を張る。
2ターン/1月26日
ソ連軍ターン。
北東からさっそく増援が到着。
出来れば西の大都市ハリコフに向かわせたいところだが、南からドイツ軍の大部隊が迫っているので、その後方を攪乱する目的で、中央南方の都市スラビャンスクに向かわせることにした。
他の軍は全て南東のドイツ軍に向かい、攻撃を仕掛けた。
結果は1歩兵師団を殲滅(勝利ポイント+1)。1歩兵師団を4ヘックス後退させた。まずまずの戦果である。
ドイツ軍ターン。
南から増援が到着したので、早速敵部隊を包囲攻撃。
西からハリコフに向かっていた部隊は、北からソ連軍の新たな大部隊が迫っているのに気付き、とりあえずハリコフに入って防御に備える。おそらくすぐにハリコフを放棄してポルタワの守備につくことになるだろう。生き残っていれば(汗)。
南の包囲攻撃は成功し、ソ連軍2装甲歩兵軍団を殲滅した(勝利ポイント+2)。
3ターン/2月2日
ソ連軍の勝利ポイント=2
ドイツ軍の勝利ポイント=2
ソ連軍ターン。
増援のボックスをよく見てびっくり。今回の増援は全て北からだと思っていたが、実は北と東と南東の3箇所だった。
あわわわ予定が真っ白けに(笑)。
大部隊だと思いこんでいた北からの増援はたったの4ユニット(汗)。
一応ハリコフに向かいはするが、包囲されないように距離を空けておく。
逆に南は思わぬところから援軍が現れ、不可能と思っていた敵部隊を包囲することが出来た。これにはドイツ軍もびっくりであろう。
装甲軍団がスラビャンスクとクラマトルクスの2都市に突入して勝利ポイント+2。
戦闘結果はドイツの装甲旅団を3ユニット、歩兵師団を2ユニット殲滅(勝利ポイント+8)。ソ連軍の被害は装甲歩兵1軍団だった(ドイツ軍勝利ポイント+1)。
ドイツ軍ターン。
なんだか予想もしていなかったところから敵の大部隊が現れ、我が部隊が包囲殲滅されてしまった(汗)。
しかしこっちも増援が到着した。なんとか気を取り直してゆくしかあるまい。
南からは装甲部隊が6ユニット到着したので、さっそく激戦区に送り込む。
西からなぜか歩兵師団が1ユニットだけ登場した(汗)。とにかく東へ進めておく。
北方では敵の位置が北にギリギリで逃げ場がないのに気づき、思い切ってその場の全戦力で攻撃を仕掛けた(例によってのミスである/汗)。
南東の部隊は撤退して体勢を立て直したいが、北から敵の別部隊が回り込んでおり、悠長にかまえていたら包囲されそうである。困った(汗)。
仕方ないので、出来るだけ後退しつつ、都市アルデモフスクを西端とした戦線を張った。
このままでも最西の部隊は包囲される可能性が高いのだが、合計戦力6の都市の防御効果で12になるから、そう易々とは殲滅はされまい。
北の攻撃は成功し、ソ連軍の2個装甲軍団を殲滅した(勝利ポイント+2)。
4ターン/2月9日
ソ連軍の勝利ポイント=12
ドイツ軍の勝利ポイント=5
ソ連軍ターン。
北方の戦場では、包囲されないように配置したつもりだったのに、しっかりマップの端を利用して包囲され、殲滅されてしまった(汗)。
どうもいつもなにか一つ見逃している。
気を取り直してターンマーカーを見てみると、そこには驚愕の事実が。
ドイツ軍はまだまだタワーのように増援ユニットが積み上がっているというのに、ソ連軍の欄にはまったく存在しない。
もはやソ連軍に増援は無いのだ(汗)。
そう思ってマップを見直してみると、そのあまりに貧弱な戦力に気が遠くなった。
次のドイツ軍の増援が到着したら、戦力バランスは逆転する。
現状の勝利ポイントでは勝っているが、ゲーム終了時には両軍未踏の都市のポイントがドイツ軍に入るのだ。
今の内にドイツ軍に大ダメージを与えなければ勝ち目は無さそうだ。
南東のドイツ軍は全て殲滅するつもりで挑む。
南方では決死と言えるような攻撃を敢行。
北方では捨て身の西方進攻を試みた。ポルタワさえ占領してしまえばとにかく勝ちなのだ。
戦闘結果は、1:2で自殺行為とも言える攻撃を行ったところは、賽の目5。D1(防御側1ヘックス後退)の結果で、包囲していたので殲滅に成功(勝利ポイント+4)!
その他にもドイツ軍3個歩兵師団を殲滅(勝利ポイント+3)。
ソ連軍の被害は1個歩兵軍団だった(ドイツ軍勝利ポイント+1)。
更に戦闘後の追撃で2都市に突入し、ソ連軍に勝利ポイント+2。
ドイツ軍ターン。
被害が拡大している。 再び増援が到着したが、このままでは被害のペースが早すぎる。
増援にはSSの精鋭装甲部隊も含まれているが、西の果てからでは前戦にたどり着くのはいつになるだろうか。
とにかく南方は線路の前まで後退して防御線をしき、北方は包囲攻撃を行い、ポルタワへの道を閉ざす。
この攻撃は成功し、ソ連軍の1個歩兵軍団を殲滅した(勝利ポイント+1)。あと北方に残った敵は1ユニットのみである。
5ターン/2月16日
ソ連軍の勝利ポイント=21
ドイツ軍の勝利ポイント=7
ソ連軍ターン。
試算してみると、このままゲームが終了するとドイツ軍に都市占領の勝利ポイントが14加算され、21ポイントとなる。
なんと同点ではないか。
ここは慎重に進めなければ。
北方の唯一残った歩兵軍団は、ポルタワは諦めて後退して防御に徹する。
南方は西に慎重に進撃し、線路切断と孤立した敵ユニットの殲滅でポイントを稼ぐことにする。
ロストフにつながる線路切断で勝利ポイント+1。
全ての攻撃は成功に終わり、4ユニットを後退させ、2個歩兵師団を殲滅した(勝利ポイント+2)。
このままの調子なら勝利なのだが・・・。
ドイツ軍ターン。
新たな増援が西方に到着。しかし今必要なのは南方である。間に合うのか(汗)?
とにかく北方は唯一残った敵歩兵軍団を攻撃。
南方は再び後退し、線路の背後で防御線らしきものを作る。増援部隊があと少しのところまで来ている。ここで踏ん張らなければ。
北方の攻撃は、包囲しきれなかったので敵ユニットの後退で終わった。
6ターン/2月23日
ソ連軍の勝利ポイント=24
ドイツ軍の勝利ポイント=7
ソ連軍ターン。
波に乗っている今の内に敵軍のトドメをささなければならない。
鉄道切断で勝利ポイント+2。都市スターリノ突入で勝利ポイント+1。
攻撃は1箇所以外は全て成功し、大きな戦果をあげた。ドイツ軍5装甲ユニットと1歩兵ユニットを殲滅(勝利ポイント+11)。
今のところ追撃による包囲の相乗効果が実にうまくいっており、ドイツ軍部隊の各個撃破に成功している。
このターンで勝利ポイントは37に達した。
もはや勝利を確信である。
ドイツ軍ターン。
初めてのゲームとは言え、少し先の展開を読めてなさすぎたようだ。
南方の部隊はゲーム初期から全力で後退すべきだったようだ。
ようやく西からの増援部隊が戦地にたどり着こうとしているが、事実上本隊は全滅している。
このままでは増援部隊も危ない。
どうするべきか・・・。
西と南から新たな増援部隊が到着したが、西の部隊はもはや届かないし、南の部隊はいきなり包囲されそうな状態だ(汗)。
現在のソ連軍の勝利ポイントは37。我が軍は7(汗)。
ゲーム終了時の占領都市のポイントを加算しても(いくつか占領し返したとしても)まったく足りない(泣)。
次のターンには西から3ユニットの増援が現れるが、完全に焼け石に水。
残った手は一つ。マインシュタインに全軍撤退命令を出させるのだ。
というわけで最終ターンを迎える前に、史実と違ってドイツ軍の完敗となってしまった。
原因は増援による戦力バランスの変化をまったく把握していなかったことと、装甲部隊による追撃の+1移動の威力を見誤っていたというところであろう。
なんとか包囲だけはされないように配置していた筈の陣営が、+1移動によって次々に包囲されて殲滅されてゆく様は目を見張るものがあった。
多分開戦当初のフランス軍とかも同じ思いをしたのであろう。
なぜか今回は電撃戦の本家ドイツ軍がソ連軍にしてやられたのだが(泣)。
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