座頭市物語
三隅研次監督

 盲目のヤクザである市が下総飯岡の貸元助五郎のところに訪ねてきたが雑魚部屋に通され、そこで丁半博打で盲ならではのトリックを仕掛けて大儲けする。
収まらないヤクザたちは送り狼を放とうとするが、そこに助五郎が帰って来る。
助五郎は昔市の居合の腕を見ていたことから、訪ねてきたことを喜ぶ。
市の身の回りの世話には蓼吉が言いつけられた。
ある日釣りに出かけた市は、繁造一家の用心棒で労咳病みの浪人平手造酒と出会い・・・。

 記念すべき座頭市シリーズ第1作の映画で、もちろんモノクロ作品である。
なにしろ初めて市というキャラクターが登場した作品なので、その後に強調される神がかった殺陣やほとんど超能力みたいな描写はないものの、十分に座頭市の魅力を描ききっていて楽しめた。
本作のポイントは市がついたヤクザ一家は抗争中の一家よりも勢力が強く、相手の方は弱小ながら良心的な親分であるというなんとも切ない立ち位置で、だからと言って助五郎の勢力にも守ってあげたい人もいるしで、単純な勧善懲悪では済まされない複雑な状況を描いているところだと思う。
また上記の相手側についている浪人がまたいい感じで、要するに大人向けなのだ(笑)
 それにしても役者の力というのはやはり凄まじく、勝新太郎が映ってしゃべっているだけで面白いのだからどうしたらいいのか(汗)
邦画の宝と言えるシリーズなので、ぜひみんな観てほしい。

20251228(mixi日記より)
20260117


ウルトラマン 第13話 オイルSOS

 
円谷一監督
 中近東で油田やタンカーが炎上する事故が起きており、科特隊中近東支部が調査をしたがその原因はつかめなかった。
 日本の夜の港にて、酔っ払いが海中をときおり青い光を発しながら進むなにかを目撃し、その直後海中から怪獣が現れ、通りかかったタンクローリーを炎上させる。
翌日ビートルが偵察するも、海は穏やかで何の異常もない。
なにしろ目撃者が酔っていたので、見間違いか自分のタバコの火でタンクローリーを炎上させたのではないかと疑われる始末だったが、そのとき海上を進んでいたタンカーがいきなり爆発炎上し、異形の怪獣が姿を現したのだった・・・。

 

 
 怪獣という災害が現れ、それに対処するだけというストレートなエピソードで、素晴らしいペスターの造形と、とにかくなんでもかんでも燃えまくる画が見どころなのだが、いろいろと気になるところも多い。
まず「ステルス」のところでも書いた「プロなのにプロらしい判断ができない」というのをイデがとことんやりまくる。
しかしこっちは子供向け作品なのだし、これで子供もちゃんと命令を守らないと駄目とわかればいいかと思ったのだが、その後のイデの行動が輪をかけて酷く、それなのに最終的には笑って許されるというのがマジで許せない(汗)
またペスターの設定的にもあれだけオイルの詰まった爆弾だと煽っておきながら、炎の中でミサイルを受けてもへなへなと倒れるだけ(汗)
しかも今回のウルトラマンは消火活動のため「だけ」に登場しており、虫の息のペスターからの攻撃を背後から食らっても、「うるさい!」とばかりに振り向きざまのぞんざいなスペシウム光線でトドメをさして、さっさと次の消化ポイントへ(笑)
これは面白かった(笑)
とりあえず50mクラスのウルトラ怪獣最弱の栄冠はペスターに決定だろう。

 

20251230(mixi日記より)
20260118


マダガスカル3
エリック・ダーネル、コンラッド・ヴァーノン、トム・マクグラス監督

 いくら待ってもモンテカルロへ行ったペンギンズが帰ってこず、アレックスたちは彼らを追ってモンテカルロへ行く決心をする。
泳いでモンテカルロにたどり着いた4匹は、そこのカジノで人間に化けて儲けているペンギンズを見つけたはいいが、大騒ぎになってしまい、逃走する羽目に。
 動物管理局の婦人警官デュボア警部はあらゆる動物を殺して壁に首の剥製を飾っており、残りはライオンだけだった。
彼女はアレックスたちを追い、追い詰められた一行はサーカスの列車にかくまってもらうが・・・。

 3Dブルーレイで鑑賞。今作も素晴らしい出来だった。
脚本、演出、画作り、音と、全てにおいて文句をつけるところはなく、よくできていた2よりも更に完成度が上がっているかも。
また今回はサーカスが舞台ということもあり、とにかく派手派手な色使いに滅茶苦茶なアクションが3Dとマッチして大盛りあがり。
通常のシーンでの非常に自然な3D感と、水しぶきとかの飛来物がアトラクションみたいに目に飛び込んでくるような3D感がどちらもとてもいい感じにできている。
 物語としては動物園から逃げ出してマダガスカルに来てしまった1、マダガスカルから脱出したけどアフリカに来てしまった2、アフリカを脱出したけどモンテカルロ、ローマ、ロンドンを経由してアメリカに帰ってきた3ということで、3部作完結編としてもよくまとまっている。
なのでこのシリーズは1、2、3を一気見するのがお勧め(笑)

20251230(mixi日記より)
20260121


伝説巨神イデオン 第1〜2話
富野喜幸監督

第1話 復活のイデオン
 

 アンドロメダ銀河のソロ星に、第3次移民船が到着する日、鉱物資源を研究しているとこに、続々と人々が集まりつつあった。
そこで巨大ななにかが発見されたという情報が出回ったのだ。
そんなとソロ星の上空では、異星人バッフクランの船が「イデ」の捜索のために地上を走査し、そこに異星人の町が存在するのを知って驚いていた。
バッフクランの上位存在であるカララは独断専行でソロ星に調査に向かう。
しかしそれが全ての悲劇の始まりだった・・・

 
 ちうわけでイデオンである。
この第1話のすごいところは、状況が次々に提示されるばかりで、一切の説明やドラマが無いというところである。
最近視聴しているバイファムと非常に似たシチュエーションでありながら、こっちはそんなあまりにも尖った作りで設定の方にあまり考えがいかない(汗)
とにかく不運と誤解が生まれ、立ち上がってはいけない巨神が立ち上がるのだ(汗)
今の目で見ると、イデオンが初めて合体する様はまさに終わりの始まりという感じで、そこには終末感を伴う奇妙な感動がある。
 ところでバイファムと非常にシチュエーションが似ていると書いたが、バイファムの最初の舞台である植民星クレアドは地球から約40光年離れたところということになっているが、こちらイデオンはなんとアンドロメダ銀河で、地球からは約250万光年離れている(汗)
そのテクノロジーレベルの差は天と地ほども違うのだ。
だからビームサーベルくらいは実用化されているのだな(笑)

 

第2話 ニューロピア炎上
 

 バッフクランはカララの捜索と、惑星上の異星人の施設を全て破壊する決定を下す。
突然の異星人の強襲にパニックになる地球人たち。
森の中では地球人の士官候補生ジョーダン・ベスが、カララ・アジバと出会っていたが、ベスは彼女が異星人とは気付かずに避難をうながした。
 ユウキ・コスモたちは再びイデオンを合体させて戦おうとするが、合体のさせ方がわからない。
そこに避難してきた赤ん坊ルゥが泣きじゃくると、イデののゲージが表示され、再び伝説の巨人が現れるのだった。

 
 やっぱり状況が畳み掛けられるばかりだが、合間合間の会話から少しずつ人間関係が確定してくる。しかしそこにさらなる登場人物が怒涛のように追加され、やっぱりよくわからないのであった(笑)
それにしてもイデオンとあれが関係あるかもしれないと今更気づくって、シェリルさん鈍すぎでは(汗)

 

20251230(mixi日記より)
20260122


長靴をはいた猫 80日間世界一周
設楽博監督

 ドンドン町のサロンで給仕をしているペロ。
そこにやってきた名士グルーモン卿は、隣の席で新聞社の人たちがスエズ運河が開通したので世界一周が150日でできるようになったと行っているのを聞き、自分は何度も世界一周をしているが丸1年はかかると言って怒り出す。
それを聞いたペロは世界一周など150日どころか80日あったら十分だと言ってしまう。
かくしてグルーモン卿は全財産を、ペロは負ければ一生奴隷になるという賭けが成立し、ボロい蒸気船で出発するペロたちだったが・・・。

 異国情緒にあふれたシーンがテンポよく展開し、いつものメンバーに加えて気のいいカバのカーターとともに世界を巡る旅が実にいい感じに描かれている。
本作ではこれまで作画監督を努めていた森康二が参加していないらしいので、地画力という点では少々落ちたきらいもあるが、十分に素晴らしい画で楽しませてくれ、ラスト近くのアクションは第1作に迫るほどのアイデア満載の見せ場になっている。
途中で出てきてペロをだます雌猫の声を増山江威子が演じているのもいい感じ(笑)
 本作は化夢宇留仁が子供の頃に観た記憶もそこそこ残っていて、特にグルーモン卿の表情ははっきりと覚えていた。
やっぱり特徴的な悪役の存在感というのはすごい(笑)
名作。

20251231(mixi日記より)
20260123


ブラッド・ミュージック
グレッグ・ベア著/小川隆訳

を読んだ。昨日実家で。
 カリフォルニアはラ・ホヤのジェネトロン社の研究所に務めるヴァージル・ウラムは、社に隠れて禁止されている哺乳類細胞を使用した研究がバレ、叱責される。
ジェネトロン社の主な研究は細胞にマイクロチップを埋め込むものだったが、ウラムの研究は元々細胞に備わっている複雑極まるDNAとRNAを使用して知性化するというもので、彼はすでにそれに成功していたのだ。
研究所を追われることとなり、関わった全てのものを廃棄するように言われ、どうしても成果を持ち出したいウラムは最後の手段として知性化した細胞を自分に注射し・・・。

 なかなかとてつもない物語で、とても面白かった。
序盤での展開は映画「ザ・フライ」に酷似しており、映画の公開が本作発表の翌年ということを考えると、クローネンバーグが本書を読んでいた可能性は高いだろう(ちなみに「蝿男の恐怖」にはそのようなシチュエーションはない)。
しかし本作では1/3もいかないくらいのところで「ザ・フライ」では結末に当たる展開があり、その後はまさに想像を絶する展開に突入していく。
この中盤以降の展開はまさに絶望的なもので、しかもものすごいハイテンポで進んでいくのでついていくのが精一杯な状況に(汗)
このあたりで結末として考えられるのは「治癒」「滅亡」「共存」のどれかしか無いと思わせるのだが、途中で奇妙すぎるけど納得できるトンデモ理論が出てきたあたりから上記3つの結末も怪しくなり、もはや完全に想像できない領域に突入していくのだ。
 1つ気になったのは「彼」のお母さんの顛末で、そこは最後にちょっとでいいから書いてほしかった。
 ちうわけで久しぶりに読んだ本格ハードSFだったが、流石にヒューゴー、ネビュラをダブル受賞するだけのものではあると思った。
ただし最後のオチは、化夢宇留仁はほとんど理解できていないと思う(笑)

20260102(mixi日記より)
20260124


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