アンダーワールド
2003年アメリカ/レン・ワイズマン監督
何百年も続いてきたバンパイアと狼男(ライカン)の戦いに、終止符が打たれようとしていた。ライカンの首領が殺されたのだ。
ライカンを追いつめて殺すことを生業にしていた美貌のバンパイア、セリーンはこれからの自分の行き方に不安を抱いていたが、ライカン達の怪しい動きを察知し・・・。
物語がなかなか面白い。
ただしそれを支える描写は今ひとつ物足らないところが多く、なんだかもったいない気がした。
主人公セリーンがバンパイアになった経緯、脈々と続いてきたバンパイアの歴史、最も古くて強力なバンパイアの力、それを越える力を持った存在・・・そのどれも描写不足な気が。
単なるバンパイアとしても、戦闘は銃撃戦ばかりだし、血に飢えている感じも全然無いし、やはり物足りない。
監督にはもっと漫画を読んで勉強してもらいたい。
ライカンの首領のキャラはよかった。
20080316
再見。
ビギンズの続きで観ると、過去から続く関係が分かりやすくてよい。
特にルシアンの副官的なごっつい黒人の存在感が増したのがよかった。
それにしてもこのシリーズは、主役側のバンパイアはとことん悪く描いて、敵であるライカンの方はとことんいい奴ばかり(笑)なので、どう観たらいいのか難しい。
20110919(mixi日記より)
20221222
ガルーダ
2004年タイ/モントン・アラヤンクン監督
バンコクの地下鉄工事中に、岩盤に突き当たり、そこに奇妙な化石のような物が発見される。考古学者である叔父に呼ばれたリーナはそれを今は亡き父の仮説を証明する発見だと感じて調査しようとするが、なぜか軍の特殊部隊が全てを取り仕切っており・・・。
冒頭からヒロインのリーナがめっちゃ可愛くて(昔のフィービー・ケイツ風/笑)、これはいい感じと思ったら・・・・・・馬鹿すぎる(汗)。
とにかくこいつの馬鹿さはイライラポイント突きまくりで、途中で特殊部隊の隊員が彼女をサイトに収めて「射殺します」と言ったときには喝采を送りたくなった(笑)。
その後も馬鹿さ炸裂で、怒りのあまり肝心のガルーダの見せ場も集中できない始末(汗)。
この辺は根本的に脚本の責任だが、このねーちゃんの演技力の酷さも手伝っている。
特典映像で迫真の演技を云々と言っていたのを聞いたときには、タイまで出かけて殴りたくなった(笑)。
そして彼女のキャラクター以外も、脚本は穴だらけでお世辞にも誉められた物ではない。
いいところは、怪獣にガルーダを選んだところ。
色々な怪獣映画があるが、神様がまんま登場して暴れまくるのは珍しい。
唐突に復活しても、異常に頭がよくても、いきなり巨大化しても、「まあ神様だし」と許せてしまう(笑)。
キャラクターとしてはサイズと言い形状と言いほとんどデビルマンで、出来も悪くない。
しかし人間と絡むカットになると途端にぎこちない映像になってしまうのは、まだまだ技術が足りないと感じた。
回想シーンで出てくるナーガは最近のゲーム映像にも負けるクラス(汗)。
総じてみると、いいところはすごくいいけど、悪いところもトコトン悪い、ある意味バランスのとれた映画でした(笑)。
あ、DTS音声は大ボリュームで録音されていて、メリハリがあって大迫力でよかったです。
20080316
ボア vs パイソン
2004年アメリカ/デヴィッド・フローレス監督
金持ちの密輸業者が、お得意様のハンター連中相手に用意したのは、特大のパイソンだった。しかしパイソンは輸送中に逃走。
一方捜査官に協力を依頼された女性科学者と爬虫類学者は、巨大なボアにGPSとカメラを設置し、パイソンの追跡にあたる・・・。
冒頭からノリがよく、印象に残るフレーズのメインテーマと、チャチすぎるタイトルが。
なぜかと思えば、元はテレビムービーだった。
しかし、テレビムービーを舐めてはいけないとこの作品で再認識した。
一度劇場に足を運ばせてしまえばいい映画と違い、テレビムービーは最初から最後までチャンネルを替えられないようにしないと視聴率が稼げないのだ。
先述のノリのいいオープニングに続き、即座にプロレスの試合と巨大蛇によるバイオレンスが来たと思うと、実に可愛い色気担当ねーちゃんの裸にプチサスペンス、変なキャラがゾクゾクと出てきたかと思えばビキニ全開のプールサイドで更なるヒロインが参入。バカ担当はひたすらバカで、物語を進めるためのキャラはみんな呑み込みが速い!そして巨大蛇の改造。追跡。アクション。
これぞ息をもつかせぬ展開。
すごいのはラスト近く。色気担当のねーちゃんも死んじゃったし(これでだいぶこの作品への注意力が失われた/笑)、もうあとは蛇の対決と人間の最後の抵抗だけかと思いきや、そこで更にストリップ酒場が挿入されるサービス過剰さ(笑)!
まったくテレビ屋さんには頭が下がります。
人間の攻撃と攻撃を受ける巨大蛇が同じフレームにほとんど収まらないのはテレビムービーの哀しさで仕方がないが、それをふまえてもラストはまさに尻すぼみとしか言いようがないのはほんとに残念。
しかし前半から中盤はバカムービーとしてはまさに100点満点の出来で、なんで巨大蛇同士の初遭遇シーンを見せないんだとか、GPSの機能を勘違いしているぞとか、突っ込みどころは山ほどあるのだが、このテンポのよさは大予算のバカ映画を撮っている多数の監督に爪の垢でも飲ませたいと思ったのでした。
20080317
エイリアン・ネイション
1988年アメリカ/グラハム・ベイカー監督
1991年(未来)、30万人の異星人奴隷を乗せた宇宙船が不時着。
レーガン大統領は彼らを新移民として受け入れることを決意した。
その3年後、新移民と共に暮らすロスで、新移民による殺人事件が発生。同僚を殺された刑事マシューは、昇進したての新移民部長刑事サムとともに調査を開始する・・・。
とにかく設定のアイデアが素晴らしいので、小粒だけど面白く見れる。
刑事コンビのカルチャーギャップを扱う映画は多いが、本作の人間刑事マシューは頑固そうで実は人なつっこく、異星人刑事ともすぐに打ち解けるのでストレスもたまらなくて助かった(笑)。
人間刑事の私生活はボロボロで、新移民刑事の方は綺麗な奥さんと息子がいる理想的な家庭を築いているのも楽しい。
しかしSFっぽさはほとんど皆無なので、それを期待して見ると肩すかしは間違いない(笑)。
本作は後にテレビシリーズとして展開し、大いに盛り上がったらしいが、この設定ならなるほどとうなずける。そっちも見てみたい。
しかし3年であの浸透ぶりは、いくらなんでも早すぎないか(笑)?
20080322
宇宙モンスター/ハイスクール・パニック
1989年アメリカ/ルディガー・ポー監督
流刑囚だったアルマゲドン氏が、手違いで地球に到着。
彼は地球に終末をもたらそうとするが、とりあえず色っぽい女の子に手を出すので忙しかった。
ところでこれと言って取り柄のない主人公の青年は、あこがれのキャンディスと仲良くなる機会を探していた。
しかし学校で異常な事件が頻発し始め・・・。
実にぬるいB級作品。
低予算でヘナヘナ映像目白押しだが、意外に楽しめた。
何というか、ぬるい中の奇妙で独特のテンポが心地いいのはなぜなのだろうか。
なんとなくキャストが好感を持てる顔がそろっているのと、それなりに丁寧な作りなのがそうさせるのか?
低予算ながら、変な宇宙人たちと変に色っぽい宇宙人の女、動く彫像、ミイラ、ゾンビ、乾燥剤の怪物(?)、動く巨大植物、コンピュータ人間、そしてアルマゲドン氏と、出てくるモンスター(?)もバリエーション豊かで、なんとなく楽しい。
裸もちょこちょこ出てくるが、どれも専門タレントっぽく、ヒロインの裸も差し替えなのがまた趣深い(笑)。
特に誉めるところはないけど(笑)、なぜか楽しい作品でした。
20080324
デス・レース2000年
1975年アメリカ/ポール・バーデル監督
西暦2000年(未来)、今年も3日間でアメリカを横断する大レースが開催される。
このレースの最大の特徴は、スピードだけではなく、走行中にひき殺した人間の数と、その種類(女子供、老人が高得点!)も勝敗に大きく影響することだった。
このレースを2年連続で優勝しているフランケンシュタインは、今年もつぎはぎだらけの身体でレースに出場。
一方この残酷なレースを邪悪な政府の象徴とみなすレジスタンスが、密かに活動を開始していた・・・。
これぞ映画!
やっぱりロジャー・コーマン(製作)はすごい!
知らない世界、知らない物語、知らないモラルが、まったくもったいぶること無しに、
こうもストレートに描かれた作品はなかなか無いだろう。
設定がどうのと考える暇さえ与えない演出は、まさに職人芸。
商業映画はこうありたい。
関係ないけど、いつの間にか邦題が「デスレース2000」に代えられているのはどういうことか。
2000年が過去になってしまったからか?
そういうことはやめてほしい。
20080324
Dr.チョッパー
2005年アメリカ/ルイス・ショーンバーン監督
優秀な外科医が患者を切り刻んで殺し、失踪。
その20年後、母を亡くして傷心の青年を慰めるため、彼の恋人と友人達が、青年の母が遺したという山小屋を見に行くことに。
しかしそれは20年前から続く惨劇の新たなる始まりだった・・・。
と、ストーリーを紹介してみたりしたが、タイトルとジャケットを見れば分かるとおり、どうしようもないB級スプラッタホラー作品である。しかも元々オリジナルビデオ(汗)。
化夢宇留仁もそんなの借りるのよせばいいのに、最近しょうもなさそうな作品から借りてしまうという変な病気に(笑)。
展開的には意外にもどんでん返しのようなものも用意されていたりと、少しは頑張っているのだが、それを活かすにはキャラクターをちゃんと描いて感情移入させる必要があり、もちろん本作ではそんなことが出来ているわけもない(笑)。
ところでB級ホラー映画に求めるものとはなんだろうか?
恐怖?スリル?サスペンス?
そんなものを求めているなら、普通B級ホラーなど借りてしまうと可哀想な結果になる。
やはりB級ホラーに求められるのは
1.面白い殺し方 2.可愛い女優の裸 3.変なキャラクター
この3つだろう。
これをB級ホラー3大エレメント、BHEと名付ける(笑)。
BHE1に関しては、本作はどうしようもない。なにしろ肝心の殺されるシーンをちゃんと見せないのだ。
もちろん予算と情熱の無さが原因であり、上品な作品にしようとしているのではないのはあきらか。
そもそも上品なB級ホラーほどつまらないものはない。
BHE2に関しては、冒頭でドクターに殺される女が裸だが、顔も出てこない。
しかし冒頭からこれならまあまあいけるかと思いきや、それ以降一切裸は出てこないのであった(笑)。
でもヒロインの友達役の女優(アシュレー・マッカーシー)が実に可愛いので、BHE2はなんとかクリア(笑)。
BHE3に関しては、もちろん主役(?)のドクター・チョッパーに尽きるが、これまた実に中途半端でイカれきっておらず、単なるボケ老人としか思えないのが辛い。
だいたいせっかくチョッパーバイクに乗っているのに、まともな道路を走っているシーンがほとんど無いのはどういうことか?
というわけで、まったくもってどうしようもないゴミ作品なのでした。
それでも一応見させてしまう可愛い女優の存在はほんとに大きい。
彼女が(あっさり)殺されてからは、見続けるのが実に困難だった(笑)。
20080330
エイリアン アタック!
2006年アメリカ/ジェフ・リロイ監督
コムテックス社でビーム兵器の研究を行っていたサラは、試作品で頭を撃ってしまい、それ以降人間に化けているエイリアンが見えるようになってしまう。
銃を奪おうとしたエイリアンを倒したサラは・・・・・・。
これまた安っぽいC級SF作品。そしてまたオリジナルビデオ(笑)。
もうほんとにどうしようもないチャチさで、2006年製作というのがマジで信じられない。
しかし・・・なかなか悪くない(笑)。
上記Dr.チョッパーと比べると、こっちは情熱だけは鬼のようにつぎ込まれているのだ。
チャチすぎるCGIはさておき、ミニチュアの街の破壊シーンとかは下手ながら気合い入りまくり。
ストーリーも演出がダメダメで生かし切れていないが、それなりに頑張っており、ホテルでの電話の件など、なかなか意外な展開も。
ジャケットだってこの手の作品で一切嘘が無いというのは珍しいくらいである(笑)。
いやむしろ、冒頭では(タコ+内臓)/2みたいな触手に裸の女の子がいたぶられるという典型的なサービスシーンが挿入されているのに、ジャケットにはぜんぜん載っていないとは奥ゆかしすぎる(笑)。
逆に監督は大まじめで作っているのに、ジャケットで「最“低”地球侵略」 などと書かれてしまっているのが切ないというか、致し方ないと言うか(笑)。
20080331
エイリアン vs. ヴァネッサ・パラディ
2004年フランス・ドイツ・イギリス/ディディエ・ポワロー監督
田舎町スコットレットで行われるフェスティバルに参加するためにやって来たスタントマンのジェームズは、その町の実力者の一人娘で歌手志望のコンチャに一目惚れ。しかしスタントに失敗してコンチャの父親の怒りを買ったジェームズは刑務所に放り込まれてしまう。
コンチャに会いたい一心で脱獄するジェームズ。
一方スコットレットには、エイリアンの魔手が迫りつつあった・・・。
と、書くとまともなストーリーのようでもあるが、実のところ化夢宇留仁が今まで見た中で最も滅茶苦茶な映画だった(汗)。
滅茶苦茶にも色々あるが、本作の場合はやはりフランス人はなにを考えているか分からないということに尽きるかもしれない。
まだしもヴァネッサ・パラディのPVとして考えれば問題ないように思えなくもないのだが、その割にヴァネッサの魅力を十分に描き出しているかというと、そうでもない。むしろヴァネッサ以外の変すぎるキャラクター達の方がよほど目立っているのだ(魅力的かどうかは別問題だが/汗)。
なにも知らずに、普通のエイリアン侵略ものとしてこの映画を見てしまったら、最後のスタッフロールが始まった瞬間に、頭の中は「なんじゃこりゃあああああ!?」という声がうずまいて爆発するのは間違いない(笑)。
20080331
H.G.ウェルズ 宇宙戦争
ウォー・オブ・ザ・ワールド
2005年アメリカ/デヴィッド・マイケル・ラット監督
突如として落下した隕石は宇宙からの侵略者だった。
ワシントンDCに出かけた妻と息子の生存を信じて、ひたすらDCに向かう天文学者のジョージだったが・・・。
またまた宇宙戦争(笑)。
やはり時代を現代に移した作品で、スピルバーグの宇宙戦争と同時期に作られたTVムービーである。
内容的には1953年のバイロン・ハスキンの宇宙戦争よりもスピルバーグのそれに近く、それだけに比較してしまうとあらゆる面でパワー不足が目立つ。
CGIがチャチだとか、つながりがおかしいとか、心理描写がもう一つだとか、色々問題があるが、化夢宇留仁が最も気になったのは、エイリアンのウォーマシンが登場してから世界が危機的状況に陥るまでの描写。
これは本当にどうしようもない。なにしろまったく存在しないのだから。
ジョージがウォーロボットを目撃し、その次のシーンでは世界はもう侵略の脅威に晒されているのだ。
ここの見せ方がうまくいくかどうかが、その後の展開が活きるか死ぬかに掛かっているというのに、本作ではそんな重要なシーンをカットしてしまっているのだ。
何を考えてそんなことをしたのかよく分からないが、もしかしたら難しいシーンから逃げたのではないか???
しかし本作も、スピルバーグのそれに勝っている点がある。
それは主人公ジョージが妻に会いたいと思うモチベーション。
なにしろ奥さんがとびきりの美人で、冒頭ではそのすっばらしく色っぽい裸まで披露しているのである。
世界が滅ぶかという状況で、泣くほど家族に会いたがるのも実によく分かる(笑)。
20080331