反乱軍ソースブック

MEGATRAVELLER世界を多角的に解説したサプリメント。
MEGATRAVELLERスタートセットがルール面での進化をメインにしていたのを考えると、内乱時代の解説で占められた「反乱軍ソースブック」を加えて、初めてMEGATRAVELLERがスタートを切ったと言えるだろう。

皇帝を失った帝国には次期皇帝候補が次々に名乗りを上げ、それにつれ世界の情勢も流動的に変化していく。
この部分がMEGATRAVELLERの核心でもあるわけで、地味ながら非常に重要なサプリメントである。

化夢宇留仁は読み物として楽しんでいたが、最近ようやくMEGATRAVELLER時代のキャンペーンを開始し、このサプリメントの重要さが分かった次第。
ただし本当に文章での解説がメインで、かつ高い視点の記述が多く、ゲームに生かそうと思うと熟読が必要な点はどうかと思う。生半可なやる気ではこのサプリメントでかえって挫折しそうである。
ま、とりあえず、帝国は危機に瀕しています!



ナイトフォール

MEGATRAVELLER時代を背景にした本格的なキャンペーンシナリオ。

ドラマティックな展開と描写、そして大きな謎の用意された映画のようなシナリオだ。
旧TRAVELLERシリーズのシナリオとは明らかに方向性が変わっている。
特にビジュアル面の強化が強く、シナリオは各イベントをフローチャートに分け、それぞれに詳細な描写がつけられている。(プレイヤーが強引にストーリーを進めるという前提は相変わらずのようだが。)
TRAVELLERも時代の流れで変化してゆくのだなと化夢宇留仁は思った。

「黄昏の峰へ」のような要素の集まりのようなドライなシナリオの方が好きに料理できてどちらかというと好みだが、「ナイトフォール」の、レフリーにとっても先が楽しみな映画のようなシナリオもまた面白い。

いろいろなシナリオがあるのが一番いい。変化があってこそ進化は成されるのだし。



ハードタイムズ

MEGATRAVELLER世界が早くもその歴史の駒を進めた。
内乱の長期化により、外世界にその基盤を頼っていた世界には荒廃がおこり、科学技術も大きく後退を始めている。
各勢力は疲弊し、絶望感が世界を包み始めた。
そんな中にあって、希望を失わず力強く生きている猛者が、プレイヤー達TRAVELLERそのものである。

ハードタイムズは、日本語では「苦難の時代」と訳されている。
確かに世界は苦難に満ちており、輝かしい銀河帝国はその終幕を迎えつつあり、そのへんの説明は読んでいて涙を誘うものがある。
そんな世界を連作シナリオとリンクさせながら解説している本書は、能天気な未来世界が好きな化夢宇留仁にはなかなかつらいものがあった。しかしまたそういうところに強い魅力も感じた。
今までTRAVELLER世界と一緒に歩んできた者として、その変化進展は興味深く、TRAVELLER世界の住人と同じく、力強く生き抜いて輝かしい明日を勝ち取りたいという気概を呼び起こす内容でもあるのだ。



以上で今のところ日本で正式に発売されたTRAVELLERシリーズは終了。どうやらHOBBYJAPAN社から新しく翻訳出版がされることはなさそうだ。
しかしアメリカではまだTRAVELLERは生きている。その歴史も動き続けているだろう。
ほんの少しだが、本場で出版されたTRAVELLERシリーズも紹介しよう。



The New Era

内乱が発生してから100年近くが経過。
コンピュータ・ウィルスでありながら、新たな生命体とも言える最終兵器が猛威を振るい、事実上第3銀河帝国は滅んだ。
The New Eraは、そんな絶望的な状況の中、かつての栄光を取り戻すべく必死に生きている人たちのゲームだ。
海賊じみた危険な勢力が闊歩し、また最終兵器ウィルスもその存在を止めたわけではない。プレイヤーはまさに危険で占められた世界で、己の信じるもののために戦い、生きていかなければならない。

The New Eraはハードタイムズに輪をかけて悲惨な状況になっている。
変わったのは世界だけではない。
ルール面でも今まで2D6を基本にしていたのを止め、GDWベーシックルールになりつつあった1D20を使用したものに変更された。
今まで簡単にまとめられていた宇宙船の運航など、全体的にもっとリアリティを感じるものに変更されている。

化夢宇留仁は実は詳しいことは分かっていない。
The New Eraを持ってはいる。
しかし悲しいかな英語読解力に乏しく、相手は恐ろしく分厚い本で、まともに手が出せていないのだ。上記の情報も他のホームページで拾い読みしたもの。
いつの日か化夢宇留仁も・・・・。無理かも。


TNEサプリメント

The New Eraもいくつものサプリメントが発売された。
そのうち化夢宇留仁が持っている3つがこれ。
ただし内容は上記と同じ理由で今一つよく分かっていない。
悲しい・・・。
下手に解説して間違っていたらどこに迷惑がかかるか分からないので、今回は写真だけ。
それにしてもアメリカのパッケージアートは・・・・。いいものはとことんいいのだが。


MARC MILLER'S TRAVELLER

マーク・ミラーとは誰でしょう。実はTRAVELLERの生みの親です。
GDWがつぶれてしまい、それでもTRAVELLERを続けたかった彼は自分で会社を興し(その名もインペリウムゲームズ!)、新たなTRAVELLER展開を始めたのだ。
オリジナル、MEGA、TNEに続く4番目のTRAVELLERシリーズとして、「T4」と名乗り、がんばっている。
見た目からしてオリジナルシリーズを意識しまくっている。

マーク・ミラーの意地を感じさせるこのこだわりに、化夢宇留仁は思わず笑ってしまいそうになりながらも、心から応援しているのでした。

例によってまだちゃんと読んではいないのだが、今までと違い時代設定は第3帝国初期〜中期に設定されている。
スピンワードマーチ宙域は再探査され始めたところで、これまた冒険の舞台として申し分ない設定になっている。
この辺の舞台設定でワクワクさせるところはマーク・ミラーの真骨頂といった感じ。

問題はルール。まったく新しいシステムなのだが、MEGATRAVELLERのルールにあった問題点が、そのまま引き継がれてしまっているようなのだ。(例によって化夢宇留仁のいい加減な翻訳においてだが。)
要はサイコロを振った瞬間に正否が分かる壮快感。サイコロのダイナミズムにかけるのだ。
2D6で汎用性とリアリティを合わせ持ったシステムは難しいと思う。しかしもっと工夫は出来そうにも思う。
この辺も想像力に富んでるが今一数字に弱い印象の、マーク・ミラーらしいところか。
そういえばハクション大魔王のような顔だった。

1999.5.25
Web上でインペリウムゲームズ倒産の情報を入手。
しかも去年の春の出来事のようです。ホームページはまだあるのに・・・
もしかしたら復活したのか???
とりあえずM・ミラー氏は苦労が絶えないようで・・・。


TRAVELLERシリーズの紹介でした。
紹介しきれていないのは勿論、間違った記載など全て化夢宇留仁に由来するものです。
ご意見や間違いの指摘など、いただけたら嬉しいです。

ところで最近仕入れた情報では、あの文庫で出ている汎用システム、ガープスにTRAVELLERが登場したらしい。こちらは日本で翻訳される可能性もあるらしいので、期待している化夢宇留仁なのでした。

1999.5.25
ガープスTRAVELLERも翻訳は出そうにないです。
よよよ・・・。
やっぱり自分で翻訳するしかないかな。

1999.6.9
ガープスTRAVELLERは恐ろしい勢いでサプリメントが出ているようだ。
T4もサプリメント発売ペースはすごかった。
大丈夫かなぁ・・・。


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TRAVELLER

化夢宇留仁の異常な愛情