画素数

1.画素数が多ければそれだけキレイという誤解
 確かに画素数が多ければ精細な画像が得られる・・・はずなのだが、それなら低価格機よりも高価格の高級機の方が画素数が少ないということはありえないはずだが、実際はよくあることである。
画素数は要するにセンサーをどれだけ細切れに分割しているかで決まる。
センサーの面積が同じで画素数が増えれば、当然画素1個あたりが専有するセンサーの面積が小さくなる。
それはつまりその分光を受け取りにくくなるということなのである。
カメラは光をセンサーで受け取って色情報に変換しているわけなので、大元である光をしっかり受け取らなければまともな画像を生成できない。そうやって光を受け取るのに失敗したところはつまりノイズになるわけである。
これは特に1/2.3インチの豆粒センサーを搭載したカメラでは顕著で、そんな小さなセンサーなのに2000万画素とか言っていたら、そのカメラは画質が悪くなっても画素数の多さを謳うことで知らない人を騙して買ってもらおうとしていると思ってもそんなに間違いではないと思う。
明るい場所で近くにある動かない被写体を広角〜標準画角で撮った場合は、小さなセンサーでも高画素を活かすことができるが、そんなシチュエーションばかりではないのはご存知のとおりである。

2.表記による印象の違い
 フルHDと言われるとすごく精細なイメージがある。
フルHDは1920×1080ピクセルである(固定値ではない)。
1920×1080は2073600。つまり200万画素である。
今どきのカメラでは200万画素などというしょぼいスペックは探しても見つからないだろう。
ちなみに2Kも同じである。
 4Kと言われると、フルHDを遥かに上回る超精細なイメージがある。
4Kは3840×2160ピクセルである(固定値ではない)。
3840×2160は8294400。つまり800万画素である。
最近はトイカメラでもこのくらいの画素数はある。まともに売っているデジカメではこんな少ない画素数の機種は皆無である。
ちなみに6Kは6000×3000ピクセル(固定値ではない)で、18000000ピクセルつまり1800万画素。
8Kは7680×4320ピクセル(固定値ではない)、33177600ピクセルつまり約3318万画素である。

 2KやフルHDはもはや最も低画素なフォーマットと考えていい。
4Kがすごいのはそれが動画だからで、デジカメなどの静止画の世界では10年以上前に時代遅れになっている。
6Kになるとやっと現行のデジカメレベルとなり、それが動画であれば現状ではものすごい高画質という認識で間違いない。
画素数を表示せずに2Kとか4Kとかだけを大きくアピールしているカメラなどの商品は、ちょっとやばい物かもと思ったほうがいいかもしれない。

3.印刷してみる
 カラーやグレースケールの画像をキレイに印刷するには解像度350dpi(1インチあたり350ピクセル)が必要と言われている(モノクロ2階調ではその倍以上の解像度が必要になる)。
この解像度でフルHDを印刷すると(画素数÷350×2.54)、約14×8cmである。
4Kの場合は約25×16cm、6Kは約44×22cm、8Kは約56×31cmである。
 200万画素の場合はフルHDと同様で約14×8cm。800万画素は4Kと同様で約25×16cm。
デジカメでよく見る1600万画素を4890×3268ピクセル(3:2)とすれば、約35×24cm。
2000万画素を5475×3650ピクセル(3:2)とすれば、約40×26cm。
2400万画素を6000×4000ピクセル(3:2)とすれば、約44×29cm。
4500万画素を8215×5476ピクセル(3:2)とすれば、約60×40cm。
 これらからわかることは、フルHDも印刷解像度で考えると葉書大くらいが限界で、4KでもB5サイズ(257×182mm)にも足らず、1600万画素あってようやくA4サイズ(297×210mm)を上回る印刷ができるということである。
また高画素機であってもポスターサイズに高解像度で印刷するのは厳しいということもわかる。
最もポスターとなると見る距離も離れてくるので、350dpiの解像度が必要になることはほとんど無いのだが。。

 ちうわけで「画素数」ということから思いつくことをつらつらと書いてみた。
特に役に立つことは無いと思う(笑)

20241013


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