ISO感度とシャッター速度

 動物園の室内展示や水族館など、暗い場所で動く被写体を撮りたい場合、フルオートで撮影するとまず失敗する。
なぜならシャッター速度が遅くなってしまうからである。
そういう場合に失敗を少なくするにはAやらSやらMやらの、全てまたはある程度手動で設定できるモードを利用する。
化夢宇留仁が主に使うのはAモードだが、その際絶対必要なのがカメラに低シャッター速度限界を設定できることである。

 最初から話をすると、まずISO感度は低ければ低い方が画質がいいので、そのカメラの最も低い設定で撮りたい。それは多くは100だが、上記のような状況でISO100でまともな写真が撮れるカメラはおそらくこの世に存在しないだろう。
ブレを活かしたいのでなければ、誰でもISO100でシャッター速度は1/4000以上で撮影したいのだ。そしてF値も必要なだけピントが合うように絞りたい。
それで明るく撮れれば完璧な画が手に入るだろう。しかしそれができる状況は限られる。
そこで必要な分だけISO感度を上げられるISO感度自動設定機能を使うわけだが、まずこの時点でISOの上限を設定できるのはほとんどのカメラがそうだと思う。ここはカメラの性能に応じた許容できる画質だと思う数値を設定しておけばいい。
問題はモードがAの場合絞りは手動で設定され、シャッター速度とISO感度はカメラが自動で設定するわけだが、カメラが暗いと判断した場合、シャッター速度とISO感度のどっちを優先して上げるのか。
なにしろこれはカメラが決めることなので確実なコントロールは難しい。
そこでシャッター速度の下限を指定することで、カメラが自動で制御する場合もその設定よりシャッター速度が遅くなるのを防ぐわけである。
基本的にはこれがないと動物園や水族館での撮影はやってられない。
なにしろ撮影する環境も被写体の動きも距離も頻繁に変化するので、いちいち細かい設定などいじりながら撮影していたのでは途中で力尽きてしまう(汗)
なので設定は(極端に状況が変化しない限りは)そのままで、あとは露出補正をいじるくらいでどんどん撮影していけるようにしたいのである。

 Sモードで撮ればいいのではないかというのは一理ある。
しかしSモードではカメラが絞りを設定する関係上、暗い場所ではほぼ開放で撮ることになる。しかしレンズによっては開放では画質がイマイチだったり、被写界深度が浅すぎたりして使いにくい場合があるのだ。
また明るい場所では手動で設定するよりカメラが設定するシャッター速度の方が速い場合があるので、それでは自分で失敗リスクを上げていることになってしまう。

 じゃあいっそのことMモードで撮ればいいという話もある。
本来のMモードだと、上記の頻繁に変化する状況に対応しきれない。
有望なのは絞り、シャッター速度は手動で設定し、ISO感度のみ自動に設定するプチMモード。
これはだいたいの状況に対応できると思われるが、カメラによってはそんなモードが無いのと、やはり明るい場所でのシャッター速度問題は残る。

 ちうわけで化夢宇留仁はAモードをメインに使っているのだ。
しかしシャッター速度の下限設定はカメラによってできるものとできないものとがある。
できないものだと化夢宇留仁のような使い方ではAモードがほとんど使えない(汗)
そうなると明るいところではAモード、暗いところではMモードかSモードで撮るということになるだろうか。
ちなみにセンサーの小さなカメラを使えば暗い場所での撮影が楽になるという要素もあるので、また別のコラムで説明しようと思う。

20241021


Nikon 1 NIKKOR 18.5mm f/1.8 カメラ道楽 明るいレンズを明るいままで

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