ゴールデン・ドラゴン・アドベンチャー
創元推理文庫のソーサリー!に次ぐファンタジー・ゲームブック・シリーズ。
ただしシリーズとは言ってもルールが共通しているくらいで、ストーリー的には直接の関わりは無いらしい。
シリーズとして展開する気もあまり無かったようで、このシリーズをプレイしたことのある人でも「ゴールデン・ドラゴン・シリーズ」という名前を知らなかったという人が多いだろうと思われる。
化夢宇留仁はシリーズ名を一生懸命探して、やっとオビの1つにこの名前を発見したのだ(あとで本文の冒頭でも発見)。
そもそも訳出して出版する順番も、難易度の順に並べ替えたというくらいである。
内容的には実にオーソドックスなもので、色々な形をとった迷宮をさまよい、遭遇した怪物と簡単なルールで戦って進んでゆくタイプ。
ファイティング・ファンタジー(以下FF)シリーズと比べると、戦闘ルールは簡単で分かりやすいのだが、戦うモンスターによって勝ち負けの確率が固定されているので、武器の追加などのバリエーションに欠けるのは少し残念。サイの目による結果
に描写を加えることで表現力は増しているが。
またFFシリーズにはこれと言ってモデルと言える世界は思い当たらないが(あえて言えば指輪物語か?)、こちらは明らかにアーサー王伝説をベースにしているのも大きく異なるところである。
それも全部がそうというわけでは無さそうだが。
戦闘以外のルールではPSIポイントと敏捷ポイントが、FFでいう運点と技術点のように扱われ、2D6がその数値以下なら生存成功というところも同じなのだが、ゴールデンドラゴンのPSIと敏捷は初期値の決定の仕方が1D6+3なので成功率は遙かに低く、これで死んでしまうと呆然となる。
また色々なシチュエーションは脈絡のないものが多く、さまよう舞台からは生活感が感じられないが、逆にファンタジックな雰囲気は増しているのでこの辺は好みだろう。
吸血鬼の洞窟
ゴールデン・ドラゴン・シリーズ
創元推理文庫/1986年3月14日初版
デイヴ・モーリス/鎌田三平訳
パラグラフ数 290
吸血鬼テネブロン卿の住む森の奥深くの屋敷に侵入し、彼を倒して財宝を手に入れるのが目的。
奇しくもFFシリーズ第1作「火吹山の魔法使い」と目的が同じで、要するに強盗である(笑)。
化夢宇留仁は前に何度かプレイして、一応終わっているらしいのだが、どうもまともに記憶がない(汗)。
前にやったあいまいな記憶では、いきなりチェスの世界に放り込まれたりと、屋敷全体が悪夢の中であるかのような印象だった。
ゲーム開始時点で屋敷の門の前から始まるので、要するに本全体が悪夢のようなものである。
好みもあるが、化夢宇留仁は危険は安全があってこそ盛り上がると思うので、まず平和で生活感のある出発地点の描写
があり、それからこの屋敷に入ればもっと面白かったのにと少し残念。
久しぶりにやってみた。
シャドー砦の魔王
ゴールデン・ドラゴン・シリーズ
創元推理文庫/1986年4月26日初版
オリバー・ジョンソン/マジカル・ゲーマー訳
パラグラフ数 300
王の遠征中に国勢を取り仕切っていた王の弟の様子が変化した。
彼は城に閉じこもってしまい、血も涙もない布告を繰り返したのだ。
国は荒れ放題になり、王に仕える剣士である主人公も国を出る決心をした。
森の中の小さな家に一晩の宿を借りようとすると、なんとそこに遠征中に亡くなった筈の王がいた。だが彼は呪いのために老いさばらえ、気力だけで生きているような状態だった。
王の話では、弟王はシャドー砦に住む魔王の呪いによって吸血鬼にされており、国を救うにはその魔王を倒す以外ないと言う。
かくして任務をおびた主人公はシャドー砦に向かう・・・。
今回は出発点の描写から、砦に入るまでのオープンフィールド部分もあり、変化に富んでいて面
白い。
砦に入ってからも前作「吸血鬼の洞窟」よりも生活感があって楽しい。
化夢宇留仁はこっちの方が好き♪
とりあえずやってみた。
化夢宇留仁の行ったところ地図
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