アドルフ・ヒトラー
ルイス・スナイダー著/永井淳訳
ヒトラーの誕生から自殺までと、その後の顛末を少し。
薄い文庫でライトにヒトラーのことを知るにはいい本・・・かと思ったのだが、読み始めていきなり首を傾げることに。
冒頭の著者の本書に対する説明文は以下の通りである。
「アドルフ・ヒトラーの物語はきれいごとではすまない。史上最も偉大なドイツ人を自称したこのひとりよがりの英雄の生涯には、親切なこと、ロマンティックなこと、寛容なことは何ひとつなかったといってよい。それは邪悪な人間の物語である。」
そんな生まれついての悪魔みたいな人間がいるわけない(汗)
著者はヒトラーが台頭しだした頃にドイツにいたアメリカ人で、戦後もヒトラー研究の第一人者とされていたとあるが、とてもじゃないがそんな優れた研究者の文章とは思えない。
本書はず〜〜〜っとそんな感じで、クレバーとは真逆の視点とわかるはずのない部分はとにかくヒトラーを悪魔のように書くというのに徹底していて、そんな調子だと書かれている史実にも疑いの目を向けてしまう。ちうか実際事実と異なることも書かれているらしい(汗)
根本として著者には客観的に努めようという気持ちが微塵も無いように見える。
例えばヒトラーは全然評価されないのに自分の絵に自信を持っていたとせせら笑うのはいいとしても、著者がヒトラーの絵を「生硬で、力量感が乏しく、生気に欠けた彼の絵は、要するにへたくそだったのである。」と言い切るのはどうなのか。絵の専門家でもないのに人の絵をへたくそだと断言するのは、実績もないのに自分の絵は素晴らしいと思っていたヒトラーとなにも変わらないような(汗)
こんな調子なので、読んでいるとヒトラーのことを狂人と言い続けている著者も狂人としか思えなくなるという2重構造(汗)
ちうわけでヒトラーという歴史上の人物を知るための第1歩には最も適さない類の本だった(汗)
20241022(mixi日記より)
20241022
ローダンシリーズ33
時空大脱出!
松谷健二訳
時空大脱出!
クラーク・ダールトン著
行方不明になってしまった調査チームの捜索の結果、レンズ・フィールド・ジェネレーターが破壊されているのを発見し、チームが異世界に行ったきりになっていることが判明。
あらたに大型のジェネレーターを作って捜索に向かおうとするも、光の窓が現れず、諦めざるを得なかった。
しかし3ヶ月後、電子部の主任物理学者であるエルブが失敗の原因を突き止めたと報告する。
更にその3ヶ月後、ローダンは三たびタツ・トルにいた。
前と違うのは、ドルススの中央部に巨大なフィールド・ジェネレーターが装備されていることだった・・・。
なかなか見どころ満載のクライマックス的展開で、なんと艦対艦の戦闘シーンまであって痺れる。
ラストは少しご都合主義に過ぎるという気がしないでもないが(笑)
これでこの「敵」の物語は一段落なのだろうか?流石にそんなことはないか。
流刑囚の看守
クルト・マール著
青い小人たちの協力によって一時的な安全を確保したミュロンたちだったが、ホランダーが彼らを捜索するのは確実で、それに備えて作戦を練る。
やがてヘリの音が・・・。
なんだかいい感じの流刑植民団編(笑)
今回はようやく最大の敵を倒したと思ったら急展開でインディアン、じゃなくて(笑)異星人の襲撃まで発生し、なんとなく西部開拓史感も出てきた感じ(笑)
そしてチェリッシュの活躍は心強いが、その分ミュロンが受け手に回るのは少し残念。
それにしてもそんな長期間、定時信号のみで連絡しないって有り得るかしら・・・(汗)
ちうわけで今回は2つの話がどちらも全然違う内容でかつどちらもクライマックスという趣で、なんだかお得な感じだった(笑)
20241026(mixi日記より)
20241026
英国パラソル奇譚
アレクシア女史、女王陛下の暗殺を憂う
ゲイル・キャリガー著/川野靖子訳
ゲイル・キャリガー著/川野靖子訳
不倫の濡れ衣が晴れ、ロンドンに戻ってきた身重のアレクシアだったが、生まれてくる子どもの力を恐れた吸血鬼による度重なる暗殺計画にさらされていた。
そこで発案された計画が、アレクシアの子どもをアケルダマ卿の養子にするという思い切ったものだったが、他に代案は無かった。
引っ越しも済んでほっとするかと思いきや、そこに突然ゴーストが現れ、女王陛下の暗殺を予言する・・・。
非常に特殊な状況だった前作に比べると、まだしもいつもの環境(?)で物語が進むので読みやすい。
しかしその結果の変化たるや、あまりにも多方面にわたり、かつ大規模なもので、この作者が安定した環境でのワンパターンストーリーには絶対しないという強い意志を感じた(笑)
このシリーズはいつもそうだが、3人称でありながらアレクシアの1人称のような印象を受ける徹底した視点のコントロールと、登場人物全員の「それぞれの都合で生きている感」で、あれよあれよと面白く読めるところがエンターティメント作品としての完成度が高いと思う。
本作も最後の派手すぎる展開も含めてとても面白かったが、少し残念だったのはマコン卿の活躍シーンが少なかったのと、最後にビフィの意見が聞けなかったところ。
読んでいないと意味不明だが、後者に関しては読んだら誰でも思うはず。
20241103(mixi日記より)
20241103
真紅の真珠(前編)
マイクル・ムアコック著/健部伸明訳/ナイトランド・クォータリー vol.32
漆黒の花を求める冒険の後、エルリックたちは特殊な船に乗って「下側」の世界へ向かった。
平面だと思われている世界だが実は球形であり、世界の果てを越えた先には「下側」の世界が広がっているのだ。
そこで彼らを出迎えたのは、メルニボネ人としか見えない海賊と、同じくメルニボネ人にしか見えない美女だった・・・。
なにしろ前編なので感想を書くタイミングではないのだが、掲載している本が別なので一応書かざるを得なくなった(笑)
ちうか化夢宇留仁のシリーズを読む間隔が広すぎるのと記憶力がなさすぎるので、過去作に出てきたキャラクターが再登場してもはっきり思い出せない(汗)
本作でも少なくとも2人はそういう感じの人が出てくるのだが、誰だっけ状態(汗)
ムーンぐらむだけは覚えている(笑)
それはさておき(笑)、前編だけでもなかなか趣があってまあまあ楽しめた。
忘れないうちに後編を読まねば(汗)
20241106(mixi日記より)
20241107
真紅の真珠(後編)
マイクル・ムアコック著/健部伸明訳/ナイトランド・クォータリー vol.33
メルニボネ人としか見えなかった女性は竜の種族プールンのフェルンラス女卿で、エルリックの叔母だった。
エルリックは彼女が手に入れたらしい「白の剣」を譲り受けるためにやってきたのだが、彼女はその見返りに2つの真紅の真珠を手に入れることを要求する。しかしその真珠の正体は・・・。
旅情を満喫という趣だった前編とは打って変わって、後編はアクション編で、あれよあれよで大騒ぎに(笑)
しかし微妙にメインキャラクターの活躍シーンが乏しく、ラストの決着をつけたのもまさかの隠し玉で、なんだか散漫な感じだった。
それにしてもこの世界ではああいう人たちはほんとに剣呑なんだと思い知ったな(笑)
ムーングラムとナウハ姫はなんのためにいたんだ・・・(汗)?
20241107(mixi日記より)
20241108
地球最後の砦
A・E・ヴァン・ヴォクト著
地球最後の砦
浅倉久志訳
自殺に失敗したノーマは、奇妙な男に誘われてついていき、強制的にどこともしれない世界への義勇兵を募る事務所で働くことになってしまう。
その男ドクター・レルの隙をついて元恋人へ助けを求める手紙を出すが、それは元恋人ガースンをも巻き込んでの時空を越えた戦いの始まりだった・・・。
なんという若さに任せたイメージの奔流と言うか、ある意味とてもヴォクトらしい作品で、数ある時間テーマ作品の中でも最もシッチャカメッチャカなものの1つだろう。
そもそもなんで人間が必要なのかよくわからないし、彼女はなんでそんな力を持つに至ったのかもさっぱりわからない。
しかしそんなシッチャカメッチャカな展開なのに、最後があまりにもビシッと決めて終わるので、なんだか名作を読んだような気にさせられるのがなんかずるい(笑)
消されし時を求めて
伊藤典夫訳
病院のベッドで目覚めたドレイクは、その前1週間の記憶が欠落していた。
文具のセールスマンだったドレイクは、記憶が消えたあたりに回っていた地域にもう一度行ってみることにする。
そして道中の列車で、若い女性が無限に液体が充填されるコップを売っているのに出くわし・・・。
これまた時間物だが「地球最後の砦」よりはまとまりがいい。
最初はこれは「ヨグ・ソトースの影」の「未来に眼を向けよ」じゃん(笑)とか思いながら読んでいたのだが、途中からそれどころではない複雑怪奇なプロットに突入(汗)
ただしあまりにも複雑な内容に対して著者の説明力が足りていない感じで、何がどうなったのかはかろうじてわかるものの、なんだか後出しで手品のトリックを説明されているような、少し居心地が悪く感じるところも。
まあなんにせよやっぱりヴォクトだったという感じ(笑)
ところで本書のイラストは表紙もいいが、中の挿絵がどれもこれもいい感じだった。
岩淵慶造・・・おお、大御所中の大御所だ。
20241111(mixi日記より)
20241111
剣客商売十 春の嵐
池波正太郎著
深川で鰻の辻売りをしている又六の母親の病気が癒え、床ばらいをしたお祝いでもらった鯛と軍鶏をおはるがはりきって調理し、秋山家4人揃って和やかな酒席が設けられた。
一方その頃、旗本井上主計助が頭巾の侍に斬り殺されていた。
そして生き残った小者は頭巾の侍が「あきやまだいじろう」と名乗るのを聞いていた・・・。
最初の話「除夜の客」を読み終わった瞬間、化夢宇留仁はひっくり返った(汗)
その話の最後の1行は以下の通りである。
"いいざま、ずいと、又太郎が芳次郎の前へ出て、大刀を振りかぶった。"
いつもと全然変わらない雰囲気で、もくじの構成もいつもと全然変わらないのに、本書は1つの長編だったのだ(汗)
びっくりするのでもっとわかりやすくしておいてほしい(汗)
というわけで剣客商売初の長編作品だったわけだが、流石に長編だけあっていつもよりも重苦しい雰囲気が強く、小兵衛もいつものように余裕でこなすというわけにはいかない。
しかしその分(?)オールスターキャストと言えるほど様々な過去作の登場人物も出てきてラストの(アベンジャーズみたいな/笑?)盛り上がりを期待させるのだが、流石にそこは正太郎くんらしく渋く決めるのだった。
しかしここが化夢宇留仁的には大きな不満で、その展開自体はいいとしても、その予想外の展開に小兵衛がどんな反応を示したかが描かれないのが片手落ちだと思うのだ。
まあ予想はできるので、予想できることをわざわざ書く必要もないと判断されたのかもしれないが、ここは化夢宇留仁ははっきりと示してほしかった。
化夢宇留仁的には本作で一番印象的だったのは、中盤小兵衛に呼ばれてやってきた又六が大きなザルいっぱいのあさりをおみやげに持ってきておはるを喜ばすところだった(笑)
2番目はポキポキと指を鳴らす三冬ちゃん(笑)
小兵衛と三冬なのに、それを小柄な爺と単なる女としか認識せずに襲撃した賊が可哀想過ぎる(笑)
徳次郎と小兵衛のやりとりもよかった。
ちうか本作はこれがメインかも(笑)
そして大治郎は名前はやたらに出てくるのだが、本作では名前が出れば出るほどなにもできなくなるのだった(笑)
20241115(mixi日記より)
20241115
夜の闇の中へ
コーネル・ウールリッチ著/ローレンス・ブロック補綴/稲葉明雄訳
自殺に失敗したマデリンは・・・ってなんかつい最近同じ書き出しがあったな(笑)
失敗したことで生の喜びに気づいたのはいいが、もう使わなくなった銃を置いたはずみに暴発し、見も知らぬ若い女性を殺してしまう。
マデリンは死ぬはずだった自分が生き残り、生きるはずだった女性スタアを殺してしまったことで、その代償は1つしかないと決断する・・・。
はっきり言って主人公マデリンはキチガイである(笑)
しかしそのキチガイが、考えた末に行動を起こし、綿密に計画を立てて目的を達成していく様はなかなか鬼気迫るものがある。
しかしなにしろキチガイなので(笑)、感情移入とまでは行かず、まあまあ眉を寄せながら読んでいたのだが、2番目の他殺死体(笑)が登場してからは俄然盛り上がって最後まで楽しく読めた。
しかし・・・最後のオチはいただけない(汗)
ところで本作は著者の未完の遺作の1つであり、それをローレンス・ブロックが補綴して完成させたものなのだが、未完と言っても前半はあったけど後半がないというような単純な状態ではなく、冒頭、途中のいくつかのパート、そしてラストが欠落というなんとも悩ましい状態で、それらを補完して違和感なく1つの作品として仕上げたブロックの手腕はなかなかのものだと思う。
しかしそれにしてもラストはいただけない。
本作では主人公のバックグラウンドがほとんど語られないのが特徴的なところでもあるのだが、あのオチに至るためには絶対にそこは必要なのだ。
しかも解説で示されていた著者が消したがなんとか読めた草稿で暗示されるオチは、それまでの内容をほぼ完全に受け止められる素晴らしいものなのに、どうしてそうしなかったのかほんとに理解に苦しむ。
そうだったとしてもこのままだとマデリンの心情描写が足りなさ過ぎるとは思うが。
ホームページの掲示板で本書を読んだ有識者の方は、本作はひねりが無いと書いていた。
確かにそうかもしれない。
例えば化夢宇留仁は本作の謎に関しては、前半に示されるヒントを完全に忘れていたのだが、提示された条件であり得るのはこれしかないと思っていたらやはりその通りだった(汗)
そこから更にオチはこうだったら面白いというアイデアがあったのだが、それは全然違った(笑)
しかし本作はひねりはないかもしれないが、想像もつかないストーリーという点では十分に奇抜だったと思う。
途中で出てくる様々な要素が投げっぱなし(超有能な刑事とか)なのも、わざとなのか未完ゆえなのかわかりにくいというところも含めて、最初から最後までに興味深い作品だったのは間違いない。
20241122(mixi日記より)
20241123
キャプテン・アメリカ ウィンターソルジャー
アンソニー・ルッソ、ジョー・ルッソ監督
を観た。2014年11月24日。
ニューヨークでの戦いから2年後、キャプテン・アメリカことスティーヴ・ロジャースはワシントンD.C.で諜報機関S.H.I.E.L.D.のニック・フューリーの下で働きつつ、現代社会への適応に苦労していた。
ある日、S.H.I.E.L.D.の船舶が海賊ジョルジュ・バトロックによって占拠されるという事件が発生。
ロジャースとナターシャ・ロマノフは、エージェント・ラムロウが率いる対テロ作戦部隊S.T.R.I.K.E.と共に人質の救出へ向かう。
その任務中、ロジャースはロマノフが船のコンピュータからデータを盗んでいるのを目撃し、それがフューリーの指示だと知る。
帰還後ロジャースはフューリーからS.H.I.E.L.D.が進める「インサイト計画」の説明を受ける。これはスパイ衛星によって敵対行為を事前に察知し、3基のヘリキャリアーによって先制攻撃するというものだった。フューリーはこの計画に違和感を持ったため、ロマノフに密かに計画のデータを盗み出すように指示したのだった。
しかしデータは解析できず、それも不審に思ったフューリーは、世界安全保障委員会のアレクサンダー・ピアースに計画の延期を要求する。
マリア・ヒルとの待ち合わせ場所へ向かう途中、フューリーはウィンター・ソルジャーと呼ばれる謎の暗殺者率いる部隊の襲撃を受けた。フューリーはロジャースのアパートに逃げ込み、戻ってきた彼にS.H.I.E.L.D.が危険であると警告し、ロジャースにUSBメモリを手渡した直後、ウィンター・ソルジャーの狙撃を受ける。
フューリーは手術中に死亡が確認された・・・。
とにかく忙しくて疲れていたので、頭を使わなくても観られる映画ということで本作をチョイス。
だいたい希望通りの内容ではあったが、予想以上に超大作でその分少々疲れた(笑)。
とりあえず画面が全体的に「ダークナイト・ライジング」みたいな雰囲気でとにかく金がかかってそうに見える。
ストーリーはなかなか凝っていて、まさかの再登場キャラが2人もいたりと、いろいろサービス満点。
とりあえず化夢宇留仁的にはやっぱりスカーレット・ヨハンソンがエロエロなのが一番ポイント高い(笑)
しかし本作では少々やつれた感じだったのが少し残念。
総じてアベンジャーのシリーズではこのキャプテン・アメリカが一番独立して楽しめるシリーズだと思う。
20150602(mixi日記より)
20241127
ロシアンブラザー
アレクセイ・バラバーノフ監督
を観た。2014年10月16日。
2年間の軍役を終えて故郷に戻った青年ダニーラ。
しかし故郷での仕事はなく、成功しているという噂の兄をたよってサンクトペテルブルクを訪ねる。
しかし兄は殺し屋になっており、しかも仕事がうまくいかず雇い主に殺されそうになっていた。
ダニーラは兄に協力して組織の暗殺者となり、その世界に足を踏み込んでいく。
しかしどこまでもマイペースのダニーラは会う人みんなを戸惑わせ・・・。
まずは現代ロシアというだけで興味深い。
すごくけったいな路面電車とか、見慣れないものもいろいろ出てくるし。
しかしなにより出色なのはダニーラのキャラクターで、どこまで本気なのかわからないすっとぼけた性格が先を読めなくしていて目が離せない。
例えば殺人現場を観られた通行人をとっつかまえ、死体運びと処理を手伝わせ、浮浪者仲間のところに連れていって一緒に酒を飲んでから解放したりする(笑)
一見の価値のある映画だと思う。
20150602(mixi日記より)
20241128
敵は海賊・海賊たちの憂鬱
神林長平著
火星の「軍神」に場違いな客がいた。
その男ラヴァンは太陽系に真の正義をもたらすと宣言している星治家マーク・マーマデュークの「足」だと言う。
そしてラヴァンのボディーガードにはなぜかラテルとアプロが。
やがてマーマデューク本人も火星に姿を現すが、それは火星始まって以来の破壊的な事件の始まりだった・・・。
前作があまりにもとりとめがなくハチャメチャな話だったのに比べると、本作は地に足がついた感じで読みやすく、プロットもしっかりしていて面白かった。
それというのも物語の軸になるマーマデュークというキャラクターのおかげであり、彼の謎がストーリーを引っ張ってそれが解かれた時に結末を迎えるという、ある意味ミステリー的な内容なのだ。
見せ場もいろいろ用意されており、中でも化夢宇留仁が気に入ったのは砂に潜っているラジェンドラが正体不明機を察知するやカメラを内蔵したドローンを発射し、一瞬で正体を暴いて攻撃に移るところとか。とにかくいつもラジェンドラはかっこいい。
またキャラクターもいつもの顔ぶれの掘り下げが進み、そういうところも面白かった。
ただし主人公(?)であるラテルは相変わらず薄っぺらい感じで、今回はまわりのキャラクターに深みが出た分存在感さえ希薄に(汗)
そろそろラテルのキャラクターを活かしたエピソードが欲しい。
20241129(mixi日記より)
20241129
死仮面
横溝正史著
死仮面
八つ墓村の事件を解決した金田一耕助が寄り道して磯川警部に会ったところ、警部はこれ幸いと奇妙な手記を見せてきた。
それはある彫刻家によるもので、彼が3ヶ月ほど転がり込んできた女と過ごし、女が死に、そのデスマスクを作ってある住所に送ったというものだった。
そしてマーケットの奥にある美術店を兼ねた住居では女の腐乱死体が見つかっていた。
警察が調べた結果、デスマスクの送り先は参議院議員かつ名門女子学園の経営者の住所だった・・・。
とりあえず陰惨エログロな雰囲気で女子学園が舞台になったりする上に仮面ということで、ものすごく江戸川乱歩っぽい(笑)
またミステリーとしての作りもものすごく大雑把で、そこもちょっと乱歩っぽいと感じた(笑)
ちうか計画があまりにも回りくどくてどうなのかというところはまあ許容範囲としても(笑)、あまりにもずさん過ぎる。
化夢宇留仁は真相を予想できていたのだが、途中のある過程があまりにも無謀すぎるのでその案は捨てていたのに、やっぱり予想通りな上にその無謀な部分は真相を語るところでは触れられもしないのだ(汗)
おまえはルパン三世かと思った(笑)
上海氏の蒐集品
復員はしたものの記憶を失っていた上海氏は、武蔵野の雑木林近くで画家として暮らしていたが、ほとんどの時間をぼんやりとして過ごしていた。
そんな彼となんとなく仲良くなった中学生の少女亜紀と草原に座って話をするのが楽しみの1つになっていた上海氏だが、数年後亜紀が工事現場の監督と関係を持っていると知り・・・。
ミステリーのつもりで読んでいたら全然そんな感じにならず、どういうジャンルなのかと首をかしげていたら死人が出て、やっぱりミステリーかと思いきややっぱり全然違うという微妙な読書になった(笑)
読後感もいいのか悪いのかなんとも微妙なストーリーとオチ。
解説を読んでびっくりしたのだが、表題作の「死仮面」も、「夜の闇の中へ」のように著者以外の人物(中島河太郎氏)によって補綴されたものだった。
というのも雑誌連載だったのだがその第4回がほうぼう手を尽くしても見つからず、仕方なくそうしたのだった。
そこで化夢宇留仁が思ったのは当時(昭和59年?)はいざ知らず、ネットの発達した現代に至るまで掲載誌が見つからないなんてことはなかろうということだった。
そこでネットで検索してみると・・・・案の定春陽文庫から発見された第4回を収録したオリジナル版が出ているでないの(汗)
ああ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ポチッ(汗)
20241205(mixi日記より)
20241205
31年目の夫婦げんか
デヴィッド・フランケル監督
を観た。2014年9月27日。
変わり映えのない毎日を送る結婚31年目の夫婦、ケイとアーノルドだったが、ケイは結婚当初のラブラブ状態にあこがれていおり、フェルド医師のカップル集中カウンセリングに予約を入れる。
それを知ったアーノルドはもちろん反対するが、強引に連れていく。
いざカウンセリングが始まると、それはアーノルドが口にしたくない言葉ややりたくない行動の強要の連続で・・・
とりえあえず主演夫婦がメリル・ストリープとトミー・リー・ジョンズという史上最も濃いと思われる(笑)キャスティングで、あんな2人が大人しい壮年夫婦を演じているというだけで異様すぎ(笑)
そしてなによりメリルが!
ほほえむメリル。朝ご飯を作るメリル。悩むメリル。喜ぶメリル。欲情するメリル。
全てが恐ろしい(汗)
なぜかとにかくメリルがなにをやっていても怖い(笑)
だいぶあとにメリルがサッチャーを演じた映画を観たが、そっちは特に怖いことはなかった。
やはりメリルがふつうの主婦をやっている。もしかしたら身近にいるかもしれないという距離感が戦慄(笑)を呼ぶのだろう。
映画自体は悩める夫婦の問題が赤裸々に語られ、型にはまらず自分に正直に、そしてパートナーを思い合って生きていくということの素晴らしさが伝わってくる良作なのだが、やはりとにかくメリルが(笑)
ちうわけでハートウォーミング&血も凍る戦慄(笑)の真逆な感覚を同時に味わえるすごい映画でした。
20150603(mixi日記より)
20241207
ジャッジ・ドレッド
ピート・トラヴィス監督
を観た。2014年10月26日。21世紀になってリメイクされた方。
未来のアメリカ。巨大都市メガシティー・ワンは、8億人もの住民がひしめき合う人口過密都市で、1日の犯罪件数が1万を超える犯罪多発都市でもあった。
この都市の治安をなんとか維持しているのは、通称"ジャッジ"と呼ばれる裁判官達である。彼らは裁判官・陪審員・処刑人の権限を全て持ち、犯罪者をその場で判決し、刑を執行する事が出来た。
その中でも凄腕のドレッドは、超能力を持つ新米ジャッジのカサンドラ・アンダーソンの適性をテストすることになる。
彼女を連れて殺人事件が起きた超高層アパート"ピーチ・ツリー"へ向かうドレッド。
調査の中でドラッグの密売所に突入。
新型ドラッグの製造を知ったジャッジを生かして帰すわけにはいKないと、ギャングのボス・ママは警備システムを作動し、2人をアパートに閉じ込め、殺害の為に部下を向かわせた・・・。
とにかく安い(笑)
ジャッジの装備も、スタローンの時はそれなりに威厳があったが、こっちのはなんだか貧相で薄汚れていてかっこわるい。
主役も(素顔は一切見せないが)前に観て最悪だった「プリースト」の敵役だった人で、カリスマ性ゼロ(汗)
しかしかと言ってこき下ろすほどひどい映画かというとそうでもなく、それなりに見せ場もあって退屈はしない。
こういう中途半端な作品ほど評価に困る(笑)
とりあえずあの人口過密世界の特徴である1つの街と言っていいスケールのアパートの設定に興味がある人は観てもいいかな(笑)???
20150607(mixi日記より)
20241207
泥棒は幸せのはじまり
セス・ゴードン監督
を観た。2014年11月22日。
コロラド州デンバーで、妻と2人の娘と共に幸せな日々を過ごすビジネスマンのサンディ。そんな彼の元に、身に覚えのないクレジットカードの高額請求が。
さらには覚えのない数々の悪行が彼のIDに書き込まれており、警察の事情聴取を受け、上司からは問題を解決しなければ解雇するとの宣告が。
他に手がなく、サンディは自分を陥れた女詐欺師ダイアナを捕まえるため、2000マイルも離れたフロリダへ向かう・・・。
正直よく覚えていないのだが(汗)、悪くなかったと思う。
ただ基本コメディ&ハートウォーミング系なので、事件、捜査、出会い、闘争、同行、ふれあい、といういかにもな流れにそって展開し、それはそれでいいのだが、それで「よかったね」ですますのは扱っている内容に比べると軽すぎる気がした。
被害にあったのは主人公だけではないし、寂しいとかの問題は誰でももっているものである。
最終的には罪を償ったのだからOKということなのだろうが、化夢宇留仁はそもそも受刑したら罪が無くなるとは考えていない。
被害者の被害は消えないのだ。
というわけでもう一つ乗り切れなかったという感じ。
20150607(mixi日記より)
20241208
ローダンシリーズ34
消えた生命の星
松谷健二訳
シリコ第五惑星での幕間劇
クルト・ブラント著
太陽系帝国宇宙アカデミーの修了を前にした83人の若者の中に、1人少し奇妙な男がいた。彼の名はトマス・カーディフ。
彼の正体はローダンとトーラの息子だったが、本人もそれを知らなかった。
彼が太陽系の最高権力者の息子として育った場合、アルコンの血の影響もあってどうしようもない人間になると予想され、あえてそのようにしたのだ。
彼が惑星ルズフでの勤務に就いたと聞かされたトーラは、もういてもたってもいられず新型のガゼルに乗り込んで息子に会いに行くのだが・・・。
超〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜久しぶりにトーラたんがまともに登場したのはいいが、もうすっかりローダン夫人という感じで昔の面影がないのが切ない(汗)
結局大きな面倒の原因を作るのは相変わらずだが(笑)
ちうかこのシリーズでたまにやる登場人物の感情をストレートに描写せず、その微妙な態度だけを表してその代わりにするという手法だが、うまくいったことが無いと思う(汗)
今回も非常に微妙な決断をした経過がそんな風に語られるのだが、化夢宇留仁には全然納得がいかなかった。
結局その結果も散々なものだし(笑)
なんだか文章でストレートに勝負するのを避けているようにも見える。
それにしても襲撃したのはやっぱり宰相なのだろうか???
そうだとしたらなんのためかよくわからないのだが(汗)
消えた生命の星
クルト・マール著
なんとワンダラーが消えてしまった。
あと数ヶ月以内に生命のシャワーを浴びないとローダンたちは死んでしまう。
調査の結果、ワンダラーは例のドルーフの異時間世界に飲み込まれてしまった可能性が高いとわかり・・・。
時間が遅くなったり早まったり、光の速度を越えて因果律が消失したりと、もうなにがなんだかさっぱりわからない(汗)
ちうかさっぱりわからないがご都合主義すぎるのはなんとなく感じた(笑)
また本文中で気になったのが、光の速度で迫るビームもこの世界ではのろいのですぐに探知して対処できるという説明で、その探知はなんでそんなに早くできるんだ?重力波?
ちうか光速で飛んでくるものを見るための光の速度も光速で・・・ああああああああ(汗)
まあそんなことを言い出すと、ツッコミどころが山程ありすぎてきりが無いのだが(笑)
20241210(mixi日記より)
20241210
ラストエンペラー
ベルナルド・ベルトルッチ監督
を観た。2014年9月28日。
1950年のハルビン駅の構内で自殺を試みる1人の男。
男は一命を取り留めるものの、薄れ行く意識の中で幼い日々を思い出していた。
彼は清朝最後の皇帝にして満州国の皇帝、「ラスト・エンペラー」と呼ばれた愛新覚羅溥儀その人であった・・・。
ひさ〜〜〜〜〜しぶりに観たが、やはりとてつもなく面白い。
数奇すぎる歴史的背景、絢爛豪華な幼少時を描いた画、さりげなく絡む歴史上の人物達、雰囲気満点の音楽、癖がないが押さえるところは押さえた演出、どれも文句のない出来映えで、作品世界に没頭できる。
こんな感じの映画をもっと観たい。
なにかいいの無いかな???
20150607(mixi日記より)
20241211
ハッピーエンディング
ドン・ルース監督
を観た。2014年7月8日。
過去に秘密を持ちつつ、危険な遊びに興味をひかれているメイミー。
ある日彼女は彼女の秘密を知るという映画監督志望の青年ニッキーと出会い、成り行きで映画を作ることに。
彼女の義弟のチャーリーはゲイであり、パートナーのギルと暮らしていた。
またチャーリーのレストランで働いているオーティスもゲイだったが、なぜか奔放な女性ジュードとつきあうことに。
そんなこんなでいろいろな人物が絡み合ったり関係なく進んだりしてなんとなくいい感じに(笑)
ハッピーエンディングで元気になる映画が観たいということで、ツタヤでそのまま「ハッピーエンディング」で検索したら出てきたので借りた(笑)
何人かのキャラクターのすごす日々が描かれ、時にはそれらが交錯する群像劇的な作品だが、その内容がちょっと変わったものばかりで、キャストのへんてこさもあって独特の雰囲気を形作っている。
主役格の女性は「フレンズ」でちょっとおかしな女性フィービーを演じていたリサ・クドローで、本作では歳をとって落ち着いたかと思いきや、やはりなかなか変なやつだった(笑)
彼女が映画監督志望のニッキー映画を作りつつだらだらしている様子は芸大時代を思い出して懐かしかった(笑)
20150608(mixi日記より)
20241212
続アドベンチャー・ファミリー 白銀を越えて
ランク・ズニガ監督
を観た。2014年7月9日。
ロビンソン一家がロッキーに移り住んでから半年。一家は初めてのロッキーの冬を迎えようとしていた。
一家の友人であり、いつもラバを連れて旅をしているブーマーじいさんは、一家にロッキーの冬の厳しさを語り、特に飢えた狼などの危険性を強調した。
その夜鶏小屋が襲われ、鶏が全滅。
そしていよいよ本格的な冬が到来する。
晴れた日に一家で釣りを楽しんでいるところに、狼の群れが襲撃し・・・。
上記の通り前作の直接の続編で、言わば前作は「春夏編」で本作は「秋冬編」である。
雰囲気的には基本は変化無いのだが、やはり山の冬という厳しい自然環境のせいか前作よりシビアな感じはある。
しかしキャストもなにもかもそのままでこれだけ自然に続編が作れているというのはすごいことだと思う。
特に子供がいるのに時間経過が自然に見えるのは、よほどの早撮りだったに違いない。
とりあえず前作が気に入ったなら観て損はない。
20150608(mixi日記より)
20241214
あの頃ぼくらはアホでした
東野圭吾著
球技大会は命がけ
非常にガラの悪い地元の公立中学に入学した著者が球技大会のバスケットに参加することになる。
当時の不良の描写がまさに昭和のそれで、いろいろと懐かしい。
中1だった頃には中3のガラの悪い連中はどう見てもおっさんとしか思われなかったのだが、あの視覚効果の謎を解きたい(笑)
消えたクラスメイト
中学3年の1学期にはいたはずの女生徒が2学期には消えていたが、誰も彼女のことをまともに覚えていない。
しかしその謎は著者が高校に入学した直後に解ける。
席が不定で出席さえ取らないクラスというのが凄まじい。
当時の中学のひどいところの荒れようは想像以上である。
「したことある者、手を挙げてみい」
ラグビー部顧問のT教諭の質問に、おずおずと手を挙げる生徒たち。もちろん中には見栄で挙げている者も。
おっしゃる通り中学男子の頭の中はそれしか入っていない(笑)
化夢宇留仁は超奥手だったので、色々と人生を損してきたとあとで思ったのを思い出した(笑)
剃り込み入れてイエスタディ
麻雀に入れ込む中学3年生。レートは超低いがそれでも金が足りず、ビートルズのLPが貨幣のように流通していたのが面白い。
ちなみにここに登場する最低レート(1000点10円。いわゆるテンイチ)だが、化夢宇留仁が学生の頃にやっていたときもお主にこのレートだった(笑)
その代わり詳細な記録をつけて番付表みたいなのまで作っていたが(笑)
ワルもふつうもそれなりに
ミュンヘンオリンピックのバレーボールで金メダルを取った選手が著者の中学校の卒業生だった。
すると当然スポーツ推薦枠が無敵に(笑)なり、どんなバカでも高校入学が可能に。
あまりにも簡単過ぎる試験問題もすごかったが、後半の「地元」と「時間の流れ」の集約のようなエピソードが印象的だった。
油断もスキもない
子供相手に詐欺商売でガラクタを売りつけていた大人たちがわんさかいた大阪。
そして大人になってもまだ油断はできない。
学校の前で自転車の荷台をパカッと開けて詐欺商売をするような人間はおそらく絶滅してしまったのだろう。
少し残念(笑)
つぶら屋のゴジラ
ゴジラで盛り上がった怪獣熱とその終焉。
いきなり延々とゴジラシリーズの説明が始まって面食らった。
著者は化夢宇留仁より約10歳ほど歳上なので、確かにそのへんの黎明期直撃で盛り上がり方がすごかったようだ。
「ペギラごっこ」と「ジミラやぞー」
ゴジラに続いて今度はテレビ特撮番組の話。
主にウルトラQからウルトラマンまで。
そりゃあ子供の頃にウルトラQをリアルタイムでテレビで体験したら魂に刷り込まれるわ(笑)
俺のセブンを返せ
そしてウルトラセブンの話(笑)
著者はなかなか大人びた子どもだったらしく、シリーズではウルトラセブンが一番好きらしい。
ウルトラセブンは子どもの人気はイマイチで、化夢宇留仁のようなあとの世代で盛り上がったのかと思っていた。
それにしても特撮関係で3エピソードも費やすとは意外だった(笑)
ちうかこのへん知らない人にはチンプンカンプンなのでは(笑)
更衣室は秘密がいっぱい
著者の通う高校は、学生紛争の末に日本で始めて制服着用の義務をなくした学校だったらしい。
しかし制服を着なくてもいいというのは、別の苦労を生み、それは男子生徒よりも女子生徒に顕著だった。
そして彼女たちが更衣室で着替えをすれば、当然男子生徒はそれを覗くのである(笑)
思えば制服というものは、義務教育の環境においては給食と同じく非常に素晴らしいシステムである。
というのはおいといて(笑)、思えば昭和はセクハラという概念の無い素晴らしい世界だった(笑)
あまりにも普通に存在するので、被害者の方も逆に大したダメージを負わないのだ。
化夢宇留仁も中学の頃背の高い女生徒のスカートをめくったら想像以上に色っぽいものが出てきてびっくりしたのを覚えている(笑)
幻の胡蝶蹴り
ブルース・リーブームの話。
これも直撃世代ならではの内容。
化夢宇留仁が物心ついたときにはもう死んでた(汗)
僕のことではない
小遣いをもらえないのにゲームセンターに入り浸る著者ではない誰か(笑)
更には女の子とのデートというどうしても金が必要な状況を体験し、犯罪に手を染めるように・・・。
化夢宇留仁も昔1度だけまわりにそそのかされて万引きというのをしたことがある。
そこは昔からお世話になっていたおじいちゃんとおばあちゃんがやっているスーパーと駄菓子屋の狭間みたいな店で、そこでおかしを1つ盗んだのだ。
ものすごく易々と成功したが、そのあとものすごい罪の意識に苦しめられた。
ちうか今でも思い出すと切なくなる。
というのを思い出すきっかけになる内容だった(笑)
読ませる楽しみ 読まされる苦しみ
著者の親がなんとか息子に本好きになってもらおうとあの手この手を駆使するがどれもこれも裏目に出て、どんどん本が嫌いになっていく著者(笑)
しかしある日ミステリー小説の面白さに目覚め、自分でも書いてみるのだが・・・。
なんとなく感じていた著者の文章への愛の無さの理由がわかったような気がした。
何かが違う
スキーへのあこがれと、実践における現実。
とにかく金がギリギリを下回った状態でもどんどん実行に移すのが当時の学生っぽく、そういうところをちょっと懐かしく感じた。
とりあえず生きて帰れてよかった(笑)
やっぱり門は狭かった
計画的な姪の進学と、著者の大学受験の顛末。
学校の対応がすごい。今なら訴えられそう。
しかし筋の通った対応だとも思う(笑)
あこがれの慶応ボーイやでえ
あえなく浪人となった著者が予備校で自分の立ち位置を認識し、にも関わらず慶応大学を受験して受かるかもしれないと思ったりする。
一般的な高校生の大学受験の様子として興味深く読んだ。
一般的ではないという意見もあるかもしれないが、高校落ちこぼれで芸大に行った化夢宇留仁からすると十分一般的に見えた。
あの頃ぼくらは巨匠だった
高校の文化祭向けに映画を2回作る話。
化夢宇留仁は高校のときに映画同好会で世話になって芸大に進むことになったということもあり、色々と懐かしく感じた。
そういえば同好会にいた子が可愛くて色っぽかったなあ(笑)
残飯製造工場
関西で豚の餌に事欠かないのは大量の残飯が安定して供給されるからである。
その出所では究極的に不味い給食が・・・。
今流行りの民官がつるんで裏金を儲けているパターンに酷似している。
弱い立場の人々(ここでは小学生)がつけを払わされているのも同じ。
これは著者の想像が的中していると思う。
ちなみに化夢宇留仁の小学校時代は幸い美味しい給食にありついていた。
嗚呼、花の体育会系
合格発表を見たその場でボート部に勧誘される著者。その後もあの手この手で様々な部から加入を受けるが、汚らしい体育会系じゃなさそうということで著者の選んだのはアーチェリー部だった。
しかしやっぱり体育会系なのだった(笑)
剣道部の件で化夢宇留仁もあの胴着の汚らしさに辟易したのを思い出した。
化夢宇留仁の高校では柔道か剣道のどちらかを選択せねばならず、柔道は怪我をしそうで怖かったので剣道を選んだのだが、その汚らしさでほんとに後悔したのだ(笑)
芸のない奴、ゲロを出せ
アーチェリー部の新歓コンパ。
いかにもな内容。化夢宇留仁は運動部ではなく学生アパートで似たような目にあった。
ちうかもっと酷い目にあった(汗)
それにしても「流し素麺式ビール飲み」がどういうものかを知りたい(笑)
似非理系人間の悲哀
著者がそこまで入れ込んでいないのにその道に進んでしまった結果の苦労。
化夢宇留仁は前は理系の人はほんとに頭のいい人ばかりだと思っていたのだが、今の会社に入ってから以外にそうでもないということに気づいてどういうことかと首をひねっていたのだが、その理由がわかった(笑)
恋に恋する合コン魔
合コンに挑み、そのあと成果欲しさに適当にアタックする(笑)
この分野は化夢宇留仁には全く経験がないので全然懐かしさを感じなかった(笑)
恒例の儀式
夏休みのアーチェリー部の合宿。
最後にリベンジの儀式が。
こういう恒例はなんだか微笑ましくてよろしい(笑)
アホは果てしなく
就職活動において自分の立ち位置を再認識する著者。
化夢宇留仁はまともに大学を卒業さえできなかったので、新卒採用に対する就職活動というものをしたことがないのでピンとは来なかったが、逆に今採用する側の立場から思うところがあった。
前から言っているのだが、うちを選んだ理由を聞くのは時間の無駄だと思う(笑)
ちうわけでミステリー作家の若い頃の思い出を綴ったエッセイという感じだが、正直なところタイトルから想像するほどアホとは思えなかった。
なんというか・・・普通?
しかしこれは化夢宇留仁が普通よりアホだったのでそう見えるだけかもしれない(汗)
このへんを判断できなくてドキドキするところがこういう話の醍醐味かもしれない(笑)
20241214(mixi日記より)
20241214