死仮面 オリジナル版
横溝正史著
死仮面
もちろん前に読んだ角川文庫版と違うのは発見されたオリジナルの原稿部分。
補綴された方も整合性はとれているが、流石に文章のできは桁違いで、雰囲気がある。
またオリジナル版では地下室から戻ろうとしたところを見つかった校長の対応が補綴版とは真逆で心が折れまくっているのが興味深いのと、展開上彼女が地下室で何をしていたのかを示唆するものになっている。ただしその示唆のとおりだとするとますます物語の整合性が脅かされるのだが(汗)
黄金の花びら
博士の留守中に盗賊が侵入したらしいと気づいた竜男と博士の娘の由紀子。
なんとその犯人は白蝋怪盗だった。
竜男は猟銃を持ち出して逃走する白蝋怪盗に威嚇射撃を行うが、怪盗はばったりと倒れ・・・。
ミステリー・ジュブナイル。
色々と納得いかない点が多いが、ジュブナイルとしてはこんなものだろう。
銃弾の入射角度など、ジュブナイルとしては凝った仕掛けも施されている。
銃声に関しては納得いかなさすぎたが(笑)
それにしてもこういう内容はやっぱり江戸川乱歩っぽいと思ってしまうな。
本編の後は横溝正史の改稿に関しての研究所見や実際の改稿原稿のコピーなどが掲載され、なかなか資料性の高い本になっている。
横溝による完全版「死仮面」も読んでみたかった。
それにしても化夢宇留仁があまりにも納得いかなかった計画のルパン三世部分(笑)には全く誰もなにも触れないのが奇妙だ(汗)
20241214(mixi日記より)
20241215
ナイト&デイ
ジェームズ・マンゴールド監督
を観た。2014年8月23日。
ジューンは空港でえたいの知れない男ロイと出会い、夢見ていた理想の男性とついに出会えたかと妄想するが、その男は危険な任務を負ったスパイだった。しかもロイは彼女のハンドバッグにある物を潜ませ、そのため彼女は予想もしなかった大冒険に巻き込まれることに・・・。
まあトム・クルーズとキャメロン・ディアスという時点で真面目に観る必要のない映画だと言うことは分かる(笑)が、観てみたところ予想以上に真面目に観るべきではない映画だった(笑)
テンポがよく、特に彼女がなんかあるごとに眠らされては違う場所で目覚めるという、MIBの記憶操作みたいなフラッシュバック感は面白い。
ただしやはりキャストがキャストなので(笑)、キャラクターに感情移入するのは非常に困難で、どうも学芸会を観ているような気分から離れられないのは困ったもの。
もっと地味めな普通のコメディ俳優でやっていたらもっと楽しめたような気がする。
しかしまあ暇つぶしに観るにはベストな映画と言えるだろう。
20150609(mixi日記より)
20241216
マラヴィータ
リュック・ベッソン監督
を観た。 2014年8月24日。
アメリカ人のブレイク一家が、フランスはノルマンディー地方のとある田舎町に引っ越してきた。
実は主のフレッドは本名をジョヴァンニ・マンゾーニという元マフィアで、家族ともどもFBIの証人保護プログラムによって偽名を名乗って世界各地を転々としていたのだ。
田舎町にとけ込もうとする一家だが、フレッドをはじめとして家族全員が血の気が多く、すぐにトラブルを起こしてしまう。
そんなときフレッドに恨みを抱くマフィアが一家の居場所を突き止め、殺し屋軍団を送り込み・・・。
リュック・ベッソンは完全に独自の路線で作ればなかなか個性的でそこそこ面白い作品を作る監督だと思うが、中途半端になると作品内容もきわめて中途半端な仕上がりになる。
本作もそんな中途半端作品だと思う。
まずキャストが豪華すぎる(笑)。
デ・ニーロにミシェル・ファイファーにトミー・リー・ジョーンズに・・・と濃すぎる(笑)
この監督はもっと軽めのキャストで映画を撮るべきだと思う。監督のノリが独特なので、演技派の濃いキャストだとなんだか観にくいのだ。
脚本も中途半端で、コメディなんだかクライムアクションなんだかよく分からず、最後までなんだか落ち着かなかった。これもキャストが濃すぎるのも影響していると思う。
面白くないとまでは言わないが、なんだかいろいろもったいない映画だった。
20150609(mixi日記より)
20241217
ゾンビフィーバー
キリル・ケムニッツ監督
を観た。2014年9月14日。
宇宙から人間をゾンビ化させるウイルスが含まれた隕石が落下。
落下地点は若者たちがパーティーを開催中のリゾートビーチのすぐそばで、パーティーにゾンビがなだれ込む。
一部の人間が脱出してビルに立てこもるが、ゾンビは増え続け・・・。
しょうもなかった(笑)
いや、しょうもないのはこんなタイトルの映画だから前提なのだが(笑)、このジャンルには珍しいロシア映画で、しかもt.A.T.u.のユーリャが出てくるというのでどんなめちゃくちゃな映画かと変な期待をして観たのだが、単なる低予算でへたくそな映画だった(汗)
空手部が変にアピールされたり、悪のりオチで変な2人が出てきたりと、バカ映画要素はいろいろあるのだが、残念ながら監督の才能が足りなかった感じ。
こういう中途半端にしょうもない映画は観る必要ありません(キッパリ)。
20150609(mixi日記より)
20241218
アイアンマン3
シェーン・ブラック監督
を観た。2014年11月8日。
1999年の大晦日。スイスで若き科学者キリアンに尊敬していると言われて悪い気のしないスタークはあとでゆっくり話をしようと約束するが、美人の科学者といちゃいちゃしている内にすっかり忘れてしまう。
2013年。スタークは1年前の戦いの結果、パニック障害に悩まされ、新しいアーマーの開発に没頭していた。
そのころアメリカではマンダリンという男が率いるテロ組織が爆破テロを繰り返しており、ジェームズ・ローズ大佐が調査に当たっていた。
一方スターク・インダストリーを任されているポッツのところに、今や政府に認可されたシンクタンクの長となったキリアンが現れる・・・。
アイアンマンの魅力は主役がおっさんだということである。化夢宇留仁的には(笑)
そこにもちろんアーマーのかっこいい描写も加わる。
それ以外の物語部分では大して面白いと感じたことがないのが少々残念なところで、それは本作でもあてはまった。
物語としては上映時間の長さもあって盛りだくさんで凝っているのだが、それが1本の流れとしてとらえにくい。
なぜか考えてみたところ、どうもスタークが浮き世離れしすぎていて普段どんな生活をしているのか想像しにくいからではないかと思った。
同じようなスケールで同じような長さのキャプテン・アメリカは物語を流れとしてとらえられるのは、その差ではなかろうか。
普段がどういう感じか分からないと、今起きている状況が日常的なものなのか、事件なのかが判断しにくく、結果全体的に散漫な感じになっているように思う。
例えば今回スタークは自宅の住所を公開して敵を待ち伏せしようとするが、そもそも普段はどう住所が隠されているのか、分からないのでその事件性がスムーズに頭に入ってこないのだ。
とは言えアベンジャーズシリーズの中でも最も金がかかった超大作で、見所も多いのでもちろんつまらないわけではない。
少々残念なのだ。
そういえば本作は敵キャラが結構しょうもない敵っぽく感じたのも少し残念だった。
やっぱり怪しげな薬を開発している科学者というだけで、しょうもないやつというイメージがついてくるのか(笑)?
20150610(mixi日記より)
20241219
地球が静止する日
スコット・デリクソン監督
観た。2014年8月10日。
ある夜、プリンストン大学で教諭をする地球外生物学者、ヘレン・ベンソン博士は突然やってきたアメリカ政府のエージェントに連れ出される。
政府は木星の外側で観測された謎の物体に対応するため、役に立ちそうな科学者をかき集めていたのだ。
小惑星と思われていたその物体は突如進路を変更し、光る球体となってセントラルパークに舞い降りた。
球体の中からは人間のような姿と、巨大なロボットが姿を現す。
動揺した兵士が発砲し、人間のような姿は倒れた・・・。
名作の今風リメイク。
本家がしぶい社会派SFなので心配していたのだが、それは的中した。
とりあえず本家にあったテーマ性やストーリーの重みは消滅。
クラトゥの意志もはっきりせず、非論理的でしょんぼり。
ロボット「ゴート」に関するスペクタクルシーンは悪くなかったが、それも化夢宇留仁が本来ゴートに期待するような内容ではなかった。
よかったのは古くから地球に潜入している他の異星人の描写で、どうせならメインストーリーよりもこの辺をもっと掘り下げてほしかった。
とにかく予想通り残念な作品(笑)
20150612(mixi日記より)
20241220
ターザンと黄金の獅子
エドガー・ライス・バロウズ著/高橋豊訳
ジェーンとジャックとともに、懐かしの我が家に帰る途中、ターザンはライオンの子どもを拾う。
ターザンはそのライオンを「ジャド・バル・ジャ」(黄金のライオン)と名付けて育て、やがて立派な雄ライオンとなった。
ところで戦争の影響もあり、ターザンの資産はほとんど消滅していた。
仕方なく再びオパルに行って近海を運び出すことにする。
一方ロンドンでは若く美しい女が立派な体格をしたスペイン人の俳優を、ある計画に誘い入れていた。
その他人種も様々な4人の男を加えた総勢6人が、その計画のためにアフリカに旅立ったのだった・・・。
というわけでターザン達とその6人組、そして黄金の獅子がアフリカでいろいろなことになるわけだが、もちろんそれだけで済むわけもなく、なんとオパルのラーが再登場し、更には猿人だかゴリラだかよくわからない新たな種族もぽんぽん出てきて、更には偽ターザンまで絡んでもう大混乱に(笑)
みんなてんでバラバラに行動する上にターザンは相変わらずうっかり者ですぐに策略にはまるし、ターザンの仲間は偽ターザンをターザンと思い込んだりするものだから、グループそれぞれの状況も目まぐるしく変わり、まさにあれよあれよ。
しかしそんなメチャクチャな内容を、テンポよく読ませてしまうのは流石バロウズ先生。
はっと気づいたら読み終わってたもんな(汗)
少し気になったのはタイトルの黄金の獅子がなんだか影が薄かった(汗)のと、あの国の王様がなんであれだったのかの理由がわからないままだったところ・・・ってなんのこっちゃ(笑)
そして今回は財宝が絡むだけあって悪いやつが何人も出てくるのだが、その中でも一番目立っていたやつの末路がなかなか壮絶だった。
まさに死んだほうがマシ状態(汗)
あと珍しくなんかエロいところもあった(笑)
ちうわけで混沌とした内容を勢いで読ませる豪快な作品で、面白かった。
20241221(mixi日記より)
20241221