犬神家の一族(2006)
市川崑監督

を観た。2006年のリメイクの方。
 もう何度も書いているのであらすじは割愛する(笑)
原作を読んでからいつものパターンで映像化作品を観まくっていたのだが、最近のカール大公さんの日記で本作を見逃しているのに気付いた。
で、調べてみたらDVDをコピーしたのがちゃんとあった(汗)
なにしろ何度も映像化されているので見る準備まではしたものの、存在をすっかり忘れていたらしい(汗)
 で、やっと観た感想だが、残念ながらこれまで観た同原作の映像化作品の中では最低の評価になった。
根本的なところを言えば、あの名作の監督が当時の主役(と一部のキャスト)を復活させてまでリメイクした作品なのだから、最初はアイデアだけはあったけどできなかった表現とか、技術的に発達した今だからこそできることとかを投入しているものと期待していたのだが、結果としてはどうしてリメイクしたのか意味がわからないという残念なことに(汗)
旧作のポイントとしてはなんといってもスタイリッシュな映像だが、本作ではそれがことごとく中途半端な画角のテレビドラマみたいな映像になっており、ものすごいパワーダウン感(汗)
そこでなんでもっと引かないの?とか、そこはもっとドアップでしょうというカットの連続だった(汗)
 物語としてはまあまあ原作通りで、琴の先生は一応登場するが設定は削除とか、なぜか映画オリジナルの屋根の上の死体は再現とか、お約束の範疇でもあるのだが、なんだか異様にテンポが早くて情報をしっかり視聴者に伝える努力を放棄している感が。
もはや今更ストーリーを丁寧に説明する必要もないと思ったのかもしれないが、釈然としなかった。
 深田恭子のお春はいい感じだったのだが、旧作の坂口良子のお目々キラキラが素晴らしすぎてまだまだ手が届くまでは行かない感じ。
目力という点では仲代達矢の遺影が強烈過ぎてすごかった(笑)
 唯一旧作を超えているのはヒロインのエロさだと思う(笑)。
松嶋菜々子は特別美人でも可愛くもないが、顔のエロさは圧倒的で、映っているだけで変な妄想に浸ってしまう(笑)
しかしそういう最終兵器感のある彼女も、ある要素でドラマ的には違和感がありまくる。
それが背の高さで、172〜175cmくらいだと思うのだが、本作のあらゆるキャストの中でも目を引くほど高く、本作の設定時代である昭和22年では見世物になってもいいレベルなのでは(汗)
 基本的なところでは豪華すぎる役者たちも演技の粗が目立ち、首を傾げることが多かった。
これは脚本の完成度からくるものかもしれない。特にラスト近くの息子を殺された母親たちの反応とか、正気の人間とは思えなかった(汗)
 ちうわけで残念な結果になってしまった。
それにしても腑に落ちないのは、監督がリメイクで何をしたかったのか全くわからないというところに尽きる。

20250120(mixi日記より)
20250120


MM9 インベージョン
山本弘著/東京創元社

を読んだ。OKさんに借りて。2016年6月4日。
 クトウリュウとの伝説の戦いに勝利したヒメは、冬眠状態に移行。そのヒメを輸送中の自衛隊のヘリに隕石らしき物が衝突した。
一方もと気特対隊員の案野悠里の1人息子一騎は、頭の中に響く少女の呼び声に導かれ、自衛隊のヘリが墜落したと思われる湖に向かった。そこで彼は宇宙怪獣に襲われ・・・。

 前作は連作短編の形式だったが、本作からはがっつり長編になった。
大筋では怪獣ヒメに「宇宙の正義を守る精神寄生型宇宙人」が憑依し、地球を侵略しようとする宇宙人と対決する(笑)という物語になっており、前作よりも更にウルトラマン度が上がっている。
しかししっかりした長編になったおかげで、パロディっぽいおちゃらけ感が薄れ、パンチのある本格ウルトラマン小説(笑)として楽しめるようになった。
と言ってもオマージュはそこら中にちりばめられており、と言うよりもこのシリーズがそもそもオマージュで出来ているのだが(笑)、そういう視点でも充分に楽しめるようになっている。
やはり最高に盛り上がるのは後半の宇宙怪獣対ヒメ(精神寄生型宇宙人憑依中)の対決で、流石にこの著者は王道を外さない。
自衛隊との連携は燃える♪

20160620(mixi日記より)
20250121


MM9 デストラクション
山本弘著/東京創元社

を読んだ。2016年6月6日。OKさんに借りて。
 一騎とその母の悠里、一騎の彼女の亜紀子、そして精神寄生体ジェミーが憑依したヒメは、東海村の小さな神社に閉じこめられることとなった。
彼らは宇宙からの侵略に対する重要な戦力でもあり、同時に敵につけねらわれる標的でもあったのだ。
しばらくは平穏な日々が続いたが、侵略の魔手は着実に彼らに迫っており、同時に異星の神である今までに無い強力な怪獣が地球に現れようとしていた・・・。

 3部作完結編。今回も長編である。
もはや気特対は完全な脇役になってしまい、メインはヒメの神話的復活と、一騎少年のもやもや(笑)、それに異星の神との対決に絞られている。
もちろんオマージュも健在で、怪獣ならばなんでもいいのか「グエムル」まで世界の取り込んでいるのには笑ってしまった。
メインストーリーの方もオマージュを骨格部分にまで浸透させつつ、骨太の物語に昇華させており、大いに楽しめた。
しかし今回は神話との接点も大きく取り上げられているのが、人によっては好みが別れるかもしれない。
化夢宇留仁は面白かったが少々引っ張りすぎではないかとも思えた。
とりあえずこれで3部作が完結したわけだが、非常に高いレベルで熱い作品になっていると思う。特に2部と3部。
残念なのはやはり本作での気特対の脇役ぶりで、そこはなんとかもう少し活躍の場が欲しかったところである。

20160621(mixi日記より)
20250122


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