機動戦士クロスボーン・ガンダム(全6巻)
富野由悠季原作/長谷川裕一著

キンドル版を読んだ。
 宇宙世紀0133年。ガンダムを擁した宇宙海賊が暴れまわっていた。
交換留学生を乗せた宇宙船が木星軌道上のコロニーに到着したが、そこに海賊が襲撃する。
混乱の中、留学生の1人であるトビア・アロナクスは、モビルスーツに乗り込んで迎撃するが、海賊のガンダムに手玉に取られてしまう。
脱出して船に戻ったトビアが見たのは、木星コロニーで積み込まれた船倉に並ぶ毒ガスのタンクだった・・・。

 ちうわけで宇宙海賊に合流したトビアの冒険が描かれるわけだが、とりあえず本シリーズは全てのガンダムコミックの中で間違いなく一番マンガとしての完成度が高く面白い。
渋いのがF91の続編になっているというところで、非常に消化不良だったあの映画の後日談としてはまさに胸のすく展開で、映画の登場人物たちも活き活きと描かれている。
また富野由悠季が原作なのだが、著者のマンガ力に押されてほとんどその気配を感じさせないのも面白い。
見どころはいろいろあるが、結局著者のオリジナルキャラクターが活躍しているところが印象深く面白いのだから困ったもの。
特に敵のデス・ゲイルズ隊の3人がいかす上に、続編でも超重要キャラとして大活躍してしまう。
そしてもちろん本編の主人公トビアも、その後の長大な物語の中でも中心人物として存在し続けてしまうのだ。
縛りの厳しい宇宙世紀ガンダムという世界の上に、こんなオリジナルシリーズを構築できてしまうのはほんとにこの著者にしかできないことだと思う。
しかも続編は富野原作という縛りからも開放され、ますます面白くなっていくのだから最早人間業とは思えない(汗)

20250703(mixi日記より)
20250709


機動戦士クロスボーン・ガンダム スカルハート
長谷川裕一著

をキンドル版で昨日読んだ。
バカがボオルでやってくる!
 キンケドゥとベラがクロスボーン・バンガードから抜け、今やトビアがリーダーとして運輸会社ブラックロー運送を経営しており、新たなメンバーも加入していた。
その新メンバーにウモン・サモンが他のメンバーは聞き飽きている1年戦争時にボールでドムを6機撃墜した顛末を語る。
それはボールへの奇妙な偽装から始まった・・・。

 ボールの本体全体を覆うガンダム顔の偽装を施すのである(笑)
というわけで完全にコメディエピソードだが、普通に面白い。
なんか最初と最後で違う時間になっているのが奇妙だが、加筆したのかしら?

星の王女様
 ドゥガチが地球に向かったのを追っていたマザー・バンガードが、補給に寄った小惑星は木星帝国の罠だった。
トビアの乗ったペズ・バタラは撃墜され、小惑星の表面に墜落する。
トビアが目を覚ますと、目の前に1人の少女が。
彼女トゥインク・ステラ・ラベラドゥは、この小惑星で10年近くも1人ですごしていた・・・。

 ほんとに可哀想過ぎる(汗)
そして最後にカラス先生が乗っていたモビルアーマー(オウムガイっぽいやつ)の簡易版みたいなのが出てきてなんだか可愛い(笑)

海賊の宝
 連絡荷物船が木星軍残党に拿捕され、連邦軍のハリソン・マディン大尉が奪還に向かった。
ところが現場近くで遭遇したのはかつて戦った宇宙海賊たちだった・・・。

 トビアの成長ぶりがかっこよくていい感じ。
また木星軍残党のリーダーがオカマっぽくてまたいい感じ(笑)

最終兵士(前後編)
 ブラックロー運送のところに訪ねてきたのは、木星じいさんことグレイ・ストークだった。
その依頼はなんとさらわれたアムロ・レイを奪還してほしいというもので、そのアムロ・レイは1年戦争終結時に回収されたアムロの乗っていたコアファイターの教育型コンピューターのことだった。

 というわけでアムロのデータが入った木星帝国のモビルスーツ「アマクサ」と、トビアのX-1、それにグレイ・ストークのなんだかZZっぽい変なモビルスーツの戦いが始まるのだ(笑)
アマクサがガンダムハンマーみたいな武器を装備しているのが流石わかっている感じ(笑)

猿の惑星
 サイド2近辺の暗礁宙域で、なんと猿が乗ったモビルスーツが暴れているという信じられないような事件の調査をすることになったハリソン・マディン大尉。
その調査にはブラックロー運送という民間会社が協力することに・・・。

 博士の異常な愛情に出てきたようなじいさんが面白く、ラスト近くでジオンのニュータイプ構想が粉々になる展開も愉快。

 短編集なのでどれも小粒だが、どれも一定以上のポテンシャルは持っていて面白い。
化夢宇留仁のお気に入りは「海賊の宝」

20250704(mixi日記より)
20250710


機動戦士クロスボーン・ガンダム 鋼鉄の7人(全3巻)
長谷川裕一著

キンドル版を読んだ。
 宇宙世紀0136年。木星圏から脱走してきた女性を救出したトビア。
なんとその女性エウロペはテテニスの育ての親だった。
エウロペは木星帝国がコロニーレーザーで地球を狙撃するという恐るべき計画を進めていることを告げる。
トビアたちはそれを阻止する決意をするも、そのためには人員も時間も圧倒的に足らなかった。
更に木星帝国の尖兵による攻撃が・・・。

 クロスボーン・ガンダムに登場したキャラクターたちもどんどん出てきて前に輪をかけて活き活きと描かれ、相変わらずの大風呂敷を広げてキチッとたたむプロットも見事の一言。
新たな敵がこれまた印象的でかっこよく、その乗機の鳥っぽいモビルスーツもかっこいいんだこれが。
最後の「両手」もまあ悪くない(笑)
 化夢宇留仁の特にお気に入りは元デス・ゲイルズのギリーで、超かっこよく味のある見せ場ばかりでクラクラした(笑)
著者の本領が発揮された超名作である。

20250704(mixi日記より)
20250711


機動戦士クロスボーン・ガンダム ゴースト(全12巻)
長谷川裕一著

キンドル版を読んだ。
 宇宙世紀0153年。サイド3で自作のAIに起こされたフォント・ボーは学校に行き、昨夜ネットで見つけた奇妙すぎるザンスカール帝国の新兵器のデータについて話していた。
その後廊下でウサギのぬいぐるみを抱いた少女と出会い、彼女に導かれるままに体育館に行くと、怪しい男が待っていた。
彼は木星から来たカーティス・ロスコと名乗り、フォントがザンスカール帝国に狙われていると告げる。
その直後にモビルスーツが現れ・・・。
ちうわけで木星のテテニス派と行動を共にすることになるフォントだったが、それは人類滅亡を回避するための巨大な戦いの始まりだった。

 現時点では本シリーズで化夢宇留仁が一番好きなのが本作である。
相変わらずキャラが活きているのと、プロットが見事なのももちろんなのだが、本作ではまず主人公が今までにないパターンのコンピューターに強いMSオタクというところが活きていて、戦闘時もAIの意見を聞きながらとか、ニュータイプよりも親近感が持てるということは間違いなく影響していると思う。
またこのAIの描写が、今読み直してみると実際のAIと全然変わらないのがまたすごい。
 敵キャラの活かし方も相変わらずで、本作では特に敵傭兵のジャックが実にいい味を出している。
 SF的な展開ではザンスカール帝国の核ミサイルを撃墜するというシチュエーションがあるのだが、これがもうその軌道から加速の描写といい、まさに真に迫っていて感動的。
 再登場キャラがどいつもこいつもいい感じなのも相変わらずで、本作ではデス・ゲイルズ最後の1人のローズマリーが滅茶苦茶かっこいい。
 強い敵を描くのも本作ではミダスという名の最強のモビルスーツが登場し、まさに悪夢のような強さを発揮するのだが、ミダスに搭載された新兵器がほんとにそれをやられてはどんな相手もどうしようもないという類の能力で、これまた盛り上がる。
 そしてなんといっても途中から登場するファントム(ゴーストガンダム)のかっこよさたるや。
現状あらゆるガンダムの中で化夢宇留仁の最も好きなガンダムはファントムである(設定上は全然ガンダムでは無いのだが/笑)。
 ちうわけで「鋼鉄の7人」を完結編として超名作に仕上げた著者が、予定していなかった続編を描くことになり、結果更に面白いものを描いてしまったというほんとに人間業とは思えない作家能力を発揮したのが本作である。
大丈夫かこの人(汗)

20250705(mixi日記より)
20250712


機動戦士クロスボーン・ガンダム DUST(全13巻)
長谷川裕一著

キンドル版を読んだ。
 ザンスカール建国戦争終結後、地球連邦が力を失っていることが周知となり、世界は戦国時代の様相を呈した。
それは継続的な生産と流通の途絶を生み、世界の工業技術さえ退行が始まっていた。
 宇宙世紀0169年。
アッシュ・キングは武装輸送団「無敵運送」を率いて僅かなりとも流通の手助けをしていた。もちろん邪魔をするものはモビルスーツで排除しながら。
ある日アッシュは意志の強そうな目をした少女を救い、無敵運送に入社させた。
その日からアッシュは単なる運送業から新たな世界を作る第一歩を踏み出すのだった・・・。

 ゴーストの16年後の世界が舞台だが、フォントは昔のままの姿で再登場。他にもにくいところを突く再登場キャラクターがいるが、流石に年月が経っているのでこれまでの作品ほどではない。
そして本作ではまさに「世界」そのものも主役のようなもので、なにしろ荒廃が進んで技術の退行まで起こってしまっているので、全然これまでのようにはいかないのだ。
そして中盤からはおそるべきラスボス「首切り王」が登場し、その後本作の目玉である大仕掛けが展開し、鬼のように盛り上がる。
ちうわけで非常に面白いのだが、化夢宇留仁的にはいくつか気になるところもあった。
まずは登場するモビルスーツのほとんどがミキシング・ビルド機なのだが、あまりにもそればかりなのが変なのと、そこにあまりにもレアな機体のパーツが使用されすぎているのも気になった。
やはり量産機がそのまま使用されているケースのほうが多いと思うし、レア機体のパーツはやはり基本ありえないと思うので、特別な理由が無ければ量産機のパーツだけにしてほしかった。
アッシュとフォントのぶつかり合いが少し微妙とも思った。
というのもフォントが世界の安定のために連邦軍に地位を得ていくのに利用する男があまりにも嫌な奴で、結果的にフォントも少し嫌なやつに見えてしまうというか。
そして上記の「首切り王」があまりにも世界の終末を体現していて、ちょっとつらい。
そもそも世界の退行が始まっているという設定だけできついのに、それをものすごく強調する設定のキャラなのだ。
あとは最後の大仕掛けが、頑張ってはいるのだが少し説明不足になっている感も。
ちうわけで滅茶苦茶面白いのだがなかなかクセの強い作品でもあると思う。

20250706(mixi日記より)
20250713


機動戦士クロスボーン・ガンダム X-11(全2巻)
長谷川裕一著

キンドル版を読んだ。
 宇宙世紀0170年。地球圏でダスト計画が行われていた最中に、木星軌道上の葬儀船でカーティス・ロスコの葬儀が執り行われていた。
ところがそこに女殺し屋が乱入し・・・。

 もちそんそれは殺し屋をおびき出すためで、その後カーティスと殺し屋イオの2人だけになり、船を木星から脱出させることになる。
実は彼女とカーティスは過去に何度か会っているというのが物語のキーで、なかなかいい感じだが、その後木星から脱出してからの展開は少々蛇足感がある。
むしろその後の展開はオミットするか、もう1巻くらい使ってもよかったと思う。
とりあえずイオはなんかエロいのでよい(笑)

20250706(mixi日記より)
20250714


機動戦士クロスボーン・ガンダム LOVE&PIECE(全2巻)
長谷川裕一著

キンドル版を読んだ。
KA・RR・AS@A
 宇宙世紀0103年。連邦のニュータイプ研究所から子どもたちが3機の脱出艇で脱走した。
追撃がかかり、絶体絶命というところで助けの手を伸ばしたのは若き日のカラスだった・・・。

 若きカラスの助手を、これまた若き日のクォ・グレーが務めているのが楽しい。
そんでやっぱりカラス先生は若い頃からかっこいい(笑)
そして更にそこに絡んでくるのがなんとグレイ・ストークで、実質ジュドーvsカラスという展開になって燃える(笑)

キュプロープスの花嫁@AB
 宇宙世紀0169年。首切り王との決戦までの100日間の間に、フォントとアーノルドはネオ・コスモバビロニアで王の花婿になる権利を賭けてのモビルスーツが対戦するトーナメントに参加していた。
ところがそこにはアッシュの姿も・・・。

 ネオ・コスモバビロニアのニル国王は引退したがっているのだが、実は娘のノール・ニル姫が只者ではないという展開が面白い。
またアッシュはダスト本編で語られたことをやっているだけの通行人という扱いも(笑)

クレッセント・ムーン&ペイル・ルージュ@AB
 宇宙世紀0159年、18歳のカグヤ・シラトリの前に現れた女スパイであるイオは、カグヤに同行させてくれと言う。
目的地であるコロニー、レムは住民全員が洗脳されている可能性があるという・・・。

 先生イオのキャラクターが気に入ったのでまた使いたいと言っていたが、まさかカグヤの初恋の相手になるとは(笑)
新婚旅行中のタガナス夫婦もちらっと登場(笑)
イオの住民洗脳のカラクリは、実は現代社会と全然変わらないというのが興味深い。
ラストのじいが詳しい話は後で教えてやると言ったあとがどうなったのかが気になる。

直線の迷宮@A
 宇宙世紀0171年。ニコルとイオは、光の翼の加速実験機グランパスによる木星軌道周回実験を行っていた。
しかしそこに襲撃者が。襲撃者も光の翼を装備しており、一定間隔で追いついては攻撃してくるのをなんとかかわしていた2人だが、イオはかつて会ったトビアとそっくりのニコルに期待していた分落胆しており・・・。

 超高速実験中だから救援の来ようもない状況で1対1の定期的な戦闘というSFらしいシチュエーションが著者らしくいい感じ。
またイオのキャラクターもいい感じに馴染んできて、ニコルとの組み合わせも面白い。

春が来る@A
 宇宙世紀0171年。北米のロッキー・シティに派遣されていたマック・ストームから救援要請が入る。
なんとその内容は美女に求婚されているというものだった・・・。

 マックに求婚しているのはKA・RR・ASで救出されたアプリコットのひ孫らしい(笑)
ラストのマックの記憶が泣けるいい感じの物語に仕上がっている。
フォントやナオミ、レアも再登場。
ちうかこのエピソードはダストのあとの地球圏の歴史を語る初のエピソードという意味でも貴重かも。
それは要するに宇宙世紀全体の一番未来のエピソードということになるのだ。

 ちうわけで粒選りの連作短編集になっている。
どれも面白く、世界の広がりを増している。

20250706(mixi日記より)
20250715


ターザン
ケヴィン・リマ/クリス・バック監督

をDVDで観た。
 アフリカに流れ着いて樹上に家を築いて暮らしていたクレイトン夫妻と幼い赤ん坊。
しかし夫婦は豹に殺され、残った赤ん坊は最近息子を失ったばかりの雌ゴリラのカーラが助け出した。
カーラはその子をターザンと名づけて大切に育てるが、やがてターザンは他のゴリラと自分が違うことに気づき・・・。

 ディズニーの超大作で、1本のアニメーション作品としてはまさに文句のつけようのない名作。
影に執拗にグラデーションがついていたり、アフリカのジャングルの奥行きのある描写と、ターザンの樹上のアクションシーンの素晴らしさは筆舌に尽くしがたい。
 しかし原作を読んだ身としては、さすがに気になるところも多い。
一番の乖離は類猿人がゴリラに変更されているところだが、流石にもはやアフリカは暗黒大陸ではないのでこれは致し方ないところだろう。
もう1つの大きな変更点はあの不器用だがいいやつだったクレイトンが純粋な悪役にされてしまっているところで、これはなんとも切ないところがある。
 しかし本作がアニメーションとしてある意味究極の作品であるのは間違いない。
化夢宇留仁的には特にジェーンがエロエロすぎるのが素晴らしかった(笑)

20250706(mixi日記より)
20250716


ターザンと蟻人間
エドガー・ライス・バロウズ著/高橋豊訳

 飛行機操縦の練習をしていたターザンが初めての単独飛行に挑戦するが、通れないと思っていた茨の森の向こうに観たことのない世界が広がっているのに気を取られ、飛行機は木に接触してあっけなく墜落し、いつものように行方不明に(笑)
その世界では凶暴な女が男を支配している部族と、50cmほどの身長しかない小人のような部族が暮らしていた・・・。

 本シリーズでこれまで読んだ中で最も滅茶苦茶な作品だった(汗)
いつものようにターザンがうっかり行方不明になるのはいつものことなのでいいとして(笑)、凶暴な女が逃げまどう男を捕まえてきて強制交尾して子孫を残している部族もまあいいとして(笑)、身長が50cmほどしかない部族が非常に人口が多く、文明も発達しており規律正しい軍隊を編成するは高層建築は作るは他の同様の部族と戦争を繰り返しているは100歩ゆずってもいいとして(笑)、その部族の科学者の実験の結果ターザンも身長50cmほどに縮められてしまうというのはあんまりである。
流石になんでもありのターザン世界のアフリカでもやりすぎ。もはやバルスーム(汗)
それを1000歩ゆずっていいとしても(汗)、後半の展開のなげやりさというかダイジェストっぽさというかは酷すぎる。
最後のオチもなんのこっちゃという感じで、バロウズ先生スランプだったのか、よほど時間が無かったのだろう。
しかし・・・面白くないことはない(笑)

20250709(mixi日記より)
20250717


涼宮ハルヒの秘話
谷川流他著

「驚愕」の初回限定盤についていた小冊子である。

Rainy Day
 キョンが中学3年の頃の9月。その年最後のプールの授業で佐々木や国木田とだらだらし、塾に行くのに佐々木を乗せて走っていたら雨に降られて雨宿り。

 なんということもない話で、面白いことはないが別に面白くないこともない(汗)
少しは佐々木の謎が解けるかと思ったが全然だった(汗)
そのあと設定画やら仕事場の紹介やらカバーデザインの話やらが載っているが、それもとりたててどうこう言うような内容でもない(笑)
カバーデザインの話は少し面白かった。

20250710(mixi日記より)
20250718


バーナード嬢曰く。(1〜7巻)
施川ユウキ著

をキンドルで読んだ。
 読書好きの高校生4人組が図書室で様々な本にまつわる会話をするのがメインの内容だが、最初は主人公(?)のバーナード嬢こと町田さわ子が名言マニア(?)で本を読むのはあくまでポーズというキャラで、このキャラが続いている間は全然面白くない(汗)。
しかし彼女も普通に本を読むようになり、SF好きの神林、ミステリ好きの長谷川、いろいろこじらせているデストピア好きの遠藤らと仲良く本の話をするようになると滅茶苦茶面白くて止められなくなる。
とりあえず定番(?)の本の紹介マンガ的な要素もあるにはあるのだが、それらの本の内容をうまく絡めた4人の関わり方が一番の見どころで、特に神林の微妙なツンデレ属性とか、そのへんの感情の表現が抜群にうまく、引き込まれる。
そしてもちろんそんな世界に自分の好きな本が出てきたりすると嬉しくなる。
まさか「シャーッロック・ホームズの宇宙戦争」がそんな扱いになるとは(笑)
 ちうわけで全然派手な展開があるわけではないが、著者の読書の幅と質、それに思考&感情表現力がすごくて結構魂を掴まれる面白さがある。
7巻で終わりというわけではないのだが、多分著者が死ぬまで終わらないと思うので(笑)、とりあえず今出ている分だけ読んで感想を書いた。

20250714(mixi日記より)
20250719

追記:この感想を書いてからもう3回以上読み直した(汗)
このマンガはなかなかやばい。

ローダンシリーズ39
還らぬトーラ
松谷健二訳

永遠の囚人
クラーク・ダールトン著
 ドルーフとアルコンの戦闘が激化する中、ドルーフの母星ドルーフォンへ偵察に向かうドルスス。
しかし地球からの緊急連絡を受け、急遽地球へ。
地球のテラニア近くにはピラミッド型の霊廟があり、その地下に眠っていたのは・・・。

 ちうわけでドルーフの科学者オノトに入っていたのは、予想通りのあいつだった(笑)
他に選択肢が無いとも言える。

還らぬトーラ
クルト・ブラント著
 アルコンでも不治の病であるF・アルコン病が発病し、トーラがいつ命を落としてもおかしくない状態であると判明。
苦悩するローダンはブリーの説得によって、アルコンから100隻の球形船を借り受ける任務にトーラを参加させる。
ところが摂政はトーラとデリングハウスを捕らえて洗脳し、地球のポジションを探り出そうとしており・・・。

 ちうわけでトーラが死んでしまった。
最後のトーラが命を落とすシチュエーションなど酷いもので全然納得の行く展開ではなかったが、これを節目として少し本シリーズに対する不満をまとめてみようと思う。

 とにかくキャラクターが薄っぺらなところに尽きる。
アメリカのスペオペの隆盛もあって、おそらく少年〜青年向きのスペオペシリーズとして発足し、しかも週刊という恐るべきペースで書かれていることを鑑みれば、そもそもキャラクターを描くというよりもSFらしいプロットでどんどん引っ張っていくのが元々の趣旨だというのはわかる。
しかしそれにしてもあんまりだと思う。
 要するに有能なやつは活躍し、無能なやつはそうじゃないという状態で、その筆頭がブリーである。
本作でも唯一ローダンに意見のできる友として強い言葉で説得するというシーンはあるものの、実質はこれまでブリーが頼りになるやつという描写はほとんど無く、むしろ足を引っ張っているイメージで、単にローダンの昔なじみだから今の立場にいるやつにしか見えないのだ。
多数存在するミュータントも、結局グッキーが万能になってしまってめっきり出番が減り、存在感が無い。
そこは各自の能力と個性を活かすところだと思うのに、なんで万能キャラを出してしまったのか・・・。
 そしてクレストとトーラ。
クレストがまともに活躍したのは第1巻だけじゃないか(汗)?
トーラに至ってはひたすら文句を言っていただけなのに、いつの間にかローダンと結婚して子供もでき、本作では実はトーラがローダンを導いていたとか書かれているが、その説得力のなさは筆舌に尽くしがたい(汗)

 ちうわけでこれまでシリーズを読んできて少しずつ溜まってきた不満点をまとめてみた。
この先現在出ているだけでも700巻を越えているわけだが、このキャラクターの薄っぺらさは変わらないのだろうか。
それとも少しずつでも改善されるのだろうか。
流石にこのまま全く変わらないのだとしたら先を読むのも辛いものがある(汗)

20250717(mixi日記より)
20250720


日常の西餅(1〜12巻)
西餅著

をキンドルで読んだ。
 X(旧ツイッター)に上がっていたものをまとめた日常エッセイマンガ。無料。
12巻で完結というわけではない。
西餅氏はスポーツ観戦が好きな漫画家で、旦那と仲がいい。
最初から血便の話だったり、デッサン教室で先生に呆れられる話だったり、大谷翔平を担ぐ話(?)だったり、なんだか地に足ついた感じがよい。
どれもしょうもない話だが、どれも一定以上の個性というか、視点の面白さのようなものがあり、それなりに満足感はある。
ただしもちろん何度も読み返すようなものではない。
化夢宇留仁は2〜3回読み直しているが(笑)

20250720(mixi日記より)
20250721


川尻こだまのただれた生活(1〜15巻)
川尻こだま著

をキンドルで読んだ。
 川尻こだまという漫画家の酒とジャンクフードの日々を描いたエッセイ漫画。もちろん15巻で完結というわけではない。無料。
 とりあえず著者はだらしない在宅生活者の代表みたいな存在で、やることなすことだらしなさすぎて呆れるのだが、読んでいるうちに自分も同じことをしている(もしくは過去にしていた)ことがちょくちょく現れ、文句が言えなくなった(汗)
 こういうマンガはだいたいそうだが、誰もが思ったりやっているけど隠しているようなことを赤裸々に描くことで共感を得るというパターンなので、基本的に得るものはなにもない(たま〜〜〜にジャンクなレシピとかは参考になるかも/笑)。
まあそれにしても著者の無法な食べっぷりは特別だと思うが(汗)
 読んでいても特別面白いうということもない(汗)
面白くなくもない(笑)

20250720(mixi日記より)
20250722


ウルトラマン 第2話 侵略者を撃て

 
飯島敏宏監督
 イデ隊員の右目に大きなアザができた経緯を説明する。それは36時間前から始まった・・・。
東京上空で怪電波を発していた飛行物体が消息を絶ち、アラシ隊員が現場である科学センターに向かうも、宇宙人の光線によって硬直させられてしまう。
ハヤタが応援に来るが、相手の正体がつかめず、いったん退却し・・・。

 
 言わずと知れた超名作回。
今更バルタン星人の凝りまくった合成による素晴らしい描写はわざわざ書かないが、知っていてもやはり魅力的。
構成もイデの回想になっているとかなかなか凝っている。
いくつか気になった点を示すと、まず移住を希望するバルタン星人の人口が20億3000万人と聞いて、イデが世界の人口も22億しかないと言うのだが、制作当時の1966年の世界の人口は33.89億である。
これはウルトラマンの舞台設定が未来であり、人口も調整されているということなのだろう。
そして軍の最新兵器核ミサイル「はげたか」を少なくとも科特隊のメンバーは近くにいる状態で連射してバルタン星人に命中させるという展開・・・まああの効果を見ると核ミサイルとは到底思えないが、なぜわざわざ「核ミサイル」と言ったのだろうか・・・。

 
 そして最後は具体的には見せないが、明らかにウルトラマンによってバルタン星人20億3000万人が抹殺されている(笑)
大虐殺どころの騒ぎではない(笑)

20250721(mixi日記より)
20250723


マーダーボット・ダイアリー
システム・クラッシュ
マーサ・ウェルズ著/中原尚弥訳

 異星遺物に汚染された旧植民地での騒動は一段落し、こんな危険な惑星からは一刻も早く脱出したい一行だったが、残念ながらやり残したことがまだあった。
残った植民者たちを放っておけば企業リムに奴隷化されるのは明らかなのだ。
そして予想通り横槍を入れてくるBE社。
更には一行には初耳のコロニーに生存者がいる可能性が提示され・・・。

 前巻から全然つながっていないのはどういうことかというと、本作は第2巻「ネットワーク・エフェクト」の直接の続編なのだ。
じゃあ第3巻の「逃亡テレメトリー」はなにかというと、「ネットワーク・エフェクト」より過去の時間の出来事なのだった。
ややこしいからこういうことはやめてほしい(汗)
 で、物語的な前作「ネットワーク・エフェクト」の後始末的な展開が始まるのだが、正直前半はまあまあ退屈だった。
しかし後半からは「弊機」が人間とやりとりしているとつまらないのだが、他のAIとのやり取りが始まるとめちゃくちゃ面白くなるというまさに本シリーズにしかない特徴が炸裂し、分離派コロニーを管理するAIアダコル2号と「接触」したあたりからぐぐっと盛り上がる。
その後はなぜかドキュメンタリー映画の自主制作はするは(笑)、敵対警備ユニットと死闘を繰り広げるはでやっぱり大盛りあがりで、仕事中もトイレで読み耽る化夢宇留仁なのだった(笑)
それにしてもアダコル2号が可愛かった(笑)

20250725(mixi日記より)
20250726


ゲゲゲの鬼太郎 60's 第12話 妖怪ゆらりひょん

 
 客船、旅客機、新幹線が爆発する。それは妖怪ぬらりひょんの仕業だった。
ぬらりひょんが豪華なマンションに帰ってくると、妖怪おばばが待っていた。
おばばは鬼太郎に感づかれる前に始末するべきだと言う。
 パチンコをしていたねずみ男は隣りに座っていた金持ちの老人と玉の取り合いになったのをきっかけに知り合い・・・。

 
 おばばが最初から出てきたり細かいディテールが異なっている以外はおおむね原作通りで、鬼太郎とねずみ男がコンクリートで埋められるのも同様(笑)
残念なのはおばばの家やラストの先祖流しの小屋が原作ではかっこいい藁葺の家だったのが今風の掘っ立て小屋になっていたところで、こういうところで雰囲気が全然違ってくるので再現してほしかった。
あとストーリーには全然関係ないが、冒頭ぬらりひょんが蕎麦屋でざるそばを食べているシーンもカットされていたのが残念だった(笑)

20250727(mixi日記より)
20250728


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