ミーガン2.0
ジェラルド・ジョンストン監督

 イランのトルコ国境付近で、観光客らしい女性がスパイを疑われて射殺される。
しかし彼女は火葬場で立ち上がる。
彼女はその技術をアピールするために送り込まれたロボット「アメリア」だったのだ。
ところが彼女は救出するはずだった科学者を射殺し、姿を消してしまう。
 一方あの事件を乗り越えてなんとか2人で生きてきたジェマとケイディだったが、ある夜屋敷に複数の武装した侵入者が。
ところが何者かが彼女たちを守り・・・。

 ちうわけであのミーガンの続編である。
日本公開を楽しみにしていたのだが、突然の公開中止で仕方なく配信で観たのだった。
 とりあえずホラー要素は一切無くなり、新たな内容は要するにSFアクションで、1と2との関係ではターミネーターシリーズに最も近い展開といえば想像通りである。
しかし本作に限っては1がホラーだったから2もホラーでなくてはならないというようなことは全く無く、要するにミーガンのキャラクターさえ魅力的に描き切ってくれればなんでもいいのだ。
そういう意味ではまあまあだった。
この「まあまあ」というのがポイントで、監督はアメリカでの評判が芳しくなかったことに対して「ミーガンならなにをやってもいいと思ったが間違いだった」と言っているが、それがまた間違いで、真実は「なにをやってもいいがやった方向には突き抜けなくてはならない」だったのだ。
そういうところが圧倒的に足りていない。
例えばミーガンボディの初登場シーンはいきなり訓練みたいなシーンになるが、あそこでは「スタートレック ヴォイジャー」でセブン・オブ・ナインがやったような、神々しい登場カットが必要だった。
またミーガンの活躍シーンでも、あのミーガンらしい完璧な動きで敵を圧倒する描写が圧倒的に足りていないのだ。
しかし全然駄目というわけではなく、車のシーンであの曲を流すとか、盛り上がりポイントもいろいろあるので、実に惜しい。
また敵ロボットであるアメリアが魅力的に描けていて、むしろその見せ場はミーガンでやるべきだろうと思ったところも多かった。
 ちうわけで悪くはないのだが、突き抜けきれていない惜しい作品という感じだった。
それと1であれだけ印象的だったミーガンダンスがロボットダンスになってしまったのももったいない。

20251025(mixi日記より)
20251025


銀河乞食軍団4 宇宙コンテナ救出作戦
野田昌宏著

 ド・ロペス財閥の総帥の娘ドロレスは、チャリティーコンサートに出席するための準備で忙しかった。
チャリティーといっても刺激を求めた上流階級の女性たちが趣味でやっているだけで、興味の無くなった古着とかを貧乏人にめぐんでやって善行をした気になるのを楽しんでいたのだ。
そして彼女にとってはその後に開催される婚約披露のほうが重要なのは言うまでもなかった。
ところがそこにいきなり現れたのはドロレスの生き別れの姉であるエラ。そう銀河乞食軍団の金平糖錨地一番の整備士であるエラだった・・・。

 ちうわけで相変わらずな感じの乞食軍団である。
そしてやっぱりもう一つ乗り切れず、一歩離れたところから眺めている感じも相変わらず(汗)
本作は道士という謎の敵の登場、X200という軍の開発した特殊エンジンの強奪と、小惑星帯で漂流しているコンテナの回収が主な内容で、道士は菊地秀行のエイリアンシリーズに出てきそうななかなかの存在感を持った強敵なのだが、なんでかやっぱりもう一つ盛り上がらない。同一人物がエイリアンシリーズに出てきたらめちゃくちゃ盛り上がりそうなのだが(汗)
またX200の強奪の顛末も第1巻でやったのと似たような感じで、やっぱり予想の範囲内という感じが強くてなんとも(汗)
しかし相変わらず未来社会で一般化した巨大設備とかの描写はかっこよく、本作でもパンパネラ3号が金平糖錨地のブンカーに収容されるところの描写とかはしびれるものがあり、また最後にコンテナから出てきたものは「なるほど」と思わせるもので、プロット的な面白さも味わえた。
しかしだからこそなんだか乗り切れないのがもったいない。う〜〜〜ん。
 ちなみにパンパネラ3号の「パンパネラ」はパタリロから借用したそうな(笑)
そんで表紙の宇宙服に描かれているキャラクターもたいがいやぞ(笑)
番組を作っていたのが著者なのでいいと思ったのか。まさか個人で権利を所有していたりしないよね。

20251028(mixi日記より)
20251028


サンバーン
リチャード・C・サラフィアン監督

を昨日観た。
 メキシコはアカプルコの酒場で金を届けに来るのを待っていると、その男が乗った車が現れたかと思うとそのまま店に突っ込んで爆死。
それは事故死と判定され、多額の生命保険料を支払わなければならなくなった保険会社は危険な男ジェイクに調査を依頼。
怪しまれないように偽の妻として派遣されてきた若く美しいエリーとともに、死亡した男の家の近くに家を借りて調査を開始するが・・・。

 70年代の雰囲気むんむんのぬる〜〜〜〜いミステリー・サスペンス・アクション・コメディ。
しかしこの映画はファラ・フォーセットが可愛く撮れていればそれでよく、そしてそれがきちんとできているので全く問題ない(笑)
いや〜〜〜可愛いんだこれが(笑)
日本でよく見かけた彼女のビジュアルはまさにアメリカンな金髪美女の代表という感じで、つんとすました表情が多いのだが、実はめちゃめちゃ可愛い系のキャラなのだ。
衣装もコロコロ替えて、スキューバダイビングのウェットスーツ姿まで披露。
彼女以外も、コンコルド、ラジカセ、カーアクションなど、出てくる要素も一通りそろっているし、70年代の雰囲気は上記の通りむんむんだし(笑)、そういうのが好きな人はそれなりに楽しめるのではなかろうか。
とりあえず化夢宇留仁は楽しんだ(笑)
しかし最後の止め絵が白目なのはなんとかしてほしかった(汗)

20251106(mixi日記より)
20251106


QD弾頭を回収せよ
クライブ・カッスラー著/中山義之訳

 1954年1月。コロラド州の空軍基地より飛び立った輸送機が消息を断つ。
その機には人類が滅亡しかねない恐るべき兵器が積み込まれていた。
 1988年9月。ダーク・ピットは最近の恋人であるコロラド州の婦人下院議員ローレン・スミスの山荘で、古い飛行機の酸素タンクと前輪を見つける。その基部がねじ切れているのが気になり、調査を開始するピットだったが・・・。

 ダーク・ピットシリーズ第5作(発表当時は第4作だと思われていた)で、タイタニックを引き揚げてからだいたい3ヶ月後からの出来事が描かれている。
表紙を見て巨大なタイタニックの次が、輸送機とはいえタイタニックと比べれば遥かに小さな飛行機で二番煎じな上にスケールダウンしすぎなのだが、もちろんそれは杞憂で、本作は輸送機を引き揚げてからがむしろ本番なのだ。
とはいえ失われた機体を見つけ出すまでの展開も、相変わらずめちゃくちゃワクワクさせてくれる。
特に2つの遺留物の共通点が明示されたときには思わず膝を打った。
 そして本作ではピットたちの物語とは別に、もう一つ全く異なる物語が同時進行する。
それが南アフリカ連邦(現南アフリカ共和国)を舞台としたAAR(アフリカ革命軍団)にまつわるもので、ここで元英海軍大佐であるパトリック・マッケンジー・フォークスを襲った悲劇から驚くべき計画が動き出すのだ。
このフォークス大佐が見た目といいやることといい、ワンピースに出てくる白ひげみたいなやつで、滅茶滅茶かっこいい。狂ってるけど(汗)
 そういうわけで2つの物語が最後には別々なまま同じところに集約するというなかなか珍しい展開なのだが、そこに至るまでも、ラストの盛り上がりも見せ場の連続でまさに息をつく暇もない。
ネタバレになるので書かないが、後半にはやっぱり巨大で一部では有名なあれも出てきて大暴れしてくれ、それを日本人が読むと「それはあの頃日本がやりたかったことや〜〜〜」と思うのだ(笑)
その「あれ」の喫水線を下げる理由が判明することろもこれまた膝を打つ。
 ちうわけでいつものカッスラー節なのだが、相変わらずかっこいいおっさんが山程出てくるし、文章も読みやすい上に想起させる映像がかっこよく、まさに冒険小説のお手本といえる内容なのだった。
「タイタニックを引き揚げろ」は素晴らしいできだったが、本作も負けてない。
・・・・・・しかしあれは34年間もどうやって生き延びてたんだ???

20251108(mixi日記より)
20251108


HOUSE
大林宣彦監督

 オシャレをはじめとした女子高生7人組は、夏休みの予定を語り合う。
オシャレ以外の6人は合宿に行く予定で、行き先の民宿は東郷先生の妹がいるのだが、その妹のお産が予定より早まったということで中止になってしまう。
一方オシャレはイタリアから帰って来る父親とともに軽井沢に行く予定だったが、父親が再婚相手を連れてきたのにショックを受け、小さい頃に1度だけ行ったおばさんの家に6人の友人たちも連れて行くことに。
ところがそこはあまりにも僻地な上に、おばさん1人が住むにはあまりにも巨大な家で、どこもかしこもクモの巣だらけで・・・。

 ものすごいものを観てしまった(汗)
とんでもない映画だということは聞いていたのだが、予想の3倍とんでもなかった(汗)
まず1カット1カットに神経が行き届いている・・・というか、執拗なまでに特殊効果が施されており、目がチカチカしまくる(汗)
再婚相手が映ると風が吹く(笑)
演技のノリと言うか勢いがすごく、ほぼ全てが滅茶苦茶なのになんとなくそういうものということで進んでいく。
他の映画のパロディがいくつか挿入されるが、全然ギャグになっていない。
山奥の一軒家で友達が暗くなってからも帰ってこないのにほとんど気にしない。
合成とか超雑で逆にちょっと不気味(笑)
脚本はもちろん終わっている。
 しかし女の子たちを可愛く撮るのは流石にCM畑から来ただけあると思わせるもので、無意味におっぱいが拝めるのもいいが、なにより後半はクンフー役の神保美喜がタンクトップとパンティーみたいな格好で大暴れしまくり、文字通り目が離せない。
 いや〜〜〜上映当時初めて観た人はびっくりしただろうな〜〜〜(笑)

20251108(mixi日記より)
20251109


ゲゲゲの鬼太郎 60's 第15〜16話

第15話 吸血鬼エリート(前編)
 

 花菱コンツェルンの会長が奇妙なギターの音を聞いた直後に吸血コウモリの群れに襲われた。
バケツいっぱいの輸血で命をとりとめた会長だったが、そこにお見舞いで送られた花束には吸血鬼エリートが再び採血に来ると書かれていた。
 腹が減って気が立っているねずみ男は、更に腹が減ってよろめいている鬼太郎に出会って張り倒す。
しかしその後鬼太郎は花菱コンツェルンの会長に雇われて羽振りがよくなる。
 ねずみ男は吸血鬼エリートに雇われる。
鬼太郎はエリートのギターの音色におびき出されて捕まってしまい、最後まで協力を拒んだ結果肉体を溶かす注射を打たれ・・・。

 
 おおむね原作に忠実に作られている。
まあ元々原作が長編なので追加する必要もなかったのだと思うが、鬼太郎の親父がトイレに落とされる展開はカットされている。
まあ無理もない(笑)
また溶かされた鬼太郎は原作では骨は残っていたが、こちらでは骨まで全て溶かされている。

第16話 吸血鬼エリート(後編)
 
 鬼太郎にコントロールされているリモコン下駄を履かされてえらい目にあうエリート。
鬼太郎が液体になっても生きているのを知ったエリートは気味悪がってアジトを放棄し、そのまま1000人吸血プランを実行に移す。
ところが鬼太郎の下駄はエリートを追い・・・。

 
 前篇に比べると様々なところがアレンジされており、特に原作では一件落着してから恐山で復活した鬼太郎が本編中に復活し、エリートと対決している。
さすがに主人公が最後まで溶かされて壺の中に入ったままというのは子供向けアニメでは無理があるとは思うものの、やはりこのへんは原作のほうが趣がある。

 ちうわけでエリート前後編だが、非常に面白かった。
上では書かなかったがとにかくエリートのキャラクターが魅力的で、他に代えがたい笑顔で牙をむき出した表情や、やたらにフレンドリーで頼りになるところとか、とにかく正直で素直なところとか、化夢宇留仁は彼の部下になりたい(笑)

20251111(mixi日記より)
20251111


Mr.Boo!ミスター・ブー
マイケル・ホイ監督

 女性の後をつける男の足。
しかし靴がボロく、進むうちに更にボロボロになってやがて靴とは言えないボロ切れ状態に。
その靴の持ち主は私立探偵のウォンで、工事現場の監督とその女性の浮気現場を撮影するが、危うくエレベーターに潰されそうになり、さらに水の溜まった竪穴にに落ちてしまう。
 ウォンは助手のチョンボと秘書ジャッキーとともに探偵事務所を営んでいるが、依頼はしょぼい案件ばかりでしかもウォンはケチな上にドジばかり。
 一方ジュース工場で働いていたキットは遊んでいるところを見つかってクビになり、ウォンの探偵事務所にやってきて雇ってくれと言うが・・・。

 あたかもシリーズ1作目のようなタイトルだが、それは日本での公開が本作が最初だっただけで、実はホイ3兄弟の作品では3作目である。
それにしてもなんて似ていない兄弟なんだ(笑)
そして実は5兄弟らしい(笑)
それはそうと、本作はしょぼい私立探偵が様々なしょぼい事件に遭遇するという展開で、その都度ウォン(マイケル・ホイ)がドタバタしては酷い目に合うという感じでほとんど流れというものは存在しない。
しかしそこがぬる〜〜〜い感じでなかなか楽しい。
全編小汚い映像にブサイクなおっさんばかりが出てくるが、女性は可愛くてスタイル抜群なのが当時の香港映画のいいところ(笑)
その小汚い映像で映し出される当時の香港の様子もどこもかしこも興味深い。
またギャグはそれなりにテンポよく繰り出され、どれも悪くない。もちろん特別よくもないが(笑)
 そして音声はもちろん日本語吹き替えで。
マイケル・ホイの広川太一郎は当然として、他の2人はツービートが当てているのだ。
2人ともなかなか上手い(笑)
また一応メインの敵役として出てくる強盗団の首領は「燃えよドラゴン」でブルース・リーと死闘を繰り広げたシー・キエンで、本作でも男前である(笑)

20251112(mixi日記より)
20251113


剣客商売十三 波紋
池波正太郎著

消えた女
 小兵衛が一泊して旧交を温めていた松崎助右衛門宅を出、十二社の権現さまにお参りしてから帰路についたところ、途中の林から出てきた傘屋の徳次郎と出会う。
徳次郎は捕物の準備中で、聞けば少女を囮に賊を捕らえようとしているということだったが、その少女を見た瞬間小兵衛の顔色が変わる。
その少女はかつて四谷の道場に住み込みで働いており、小兵衛が手を出したおたみに瓜二つだったのだ・・・。

 「黒白」で言及された24両あるのに10両しか盗まなかった女中おたみに関する後日談と言える内容。
もちろん少女はおたみと関係があり、しかも徳次郎たちが捕らえようとしているのは少女の父親(ということになっている)で、弥七の親分である永山精之助を斬り殺した極悪人。
まあいろいろあって一件落着するわけだが、そうなっても様々な謎を残しているおたみというキャラクターが実に魅力的だと思う。

波紋
 秋山大治郎は老剣客・藤野玉右衛門の見舞いに行ったのち、おはると三冬の好物である黒飴を買って帰ろうと目黒不動の門前にある桐屋へ向かうが、そこで複数の賊による待ち伏せに合う。弓矢まで持ち出してきている剣呑さだったが、そこは大治郎のこと怪我もなく切り抜け、そのあとちゃんと黒飴を買う(笑)

 「消えた女」で徳次郎に情報を伝えた隻腕の繁蔵と、その腹違いの兄七助と、七助の女房を寝取った関山百太郎、そして繁蔵の腕を切り落とした井上権之助。そして後者2人は大治郎襲撃犯でもある。
キーになる登場人物が多く、それぞれがなかなか複雑に絡み合ったプロットになっており、電車で読んでいたらわけがわからなくなって絶対遅れられない乗り換えを乗り過ごすところだった(汗)
タイトルの「波紋」はバタフライ・エフェクトと同じような意味合いでつけられたものかと思う。

剣士変貌
 大治郎宅で孫と戯れた帰路、小兵衛は菓子鋪「笹屋長蔵」の後妻お吉の姿を目にとめ、こんな離れた船宿で見るとは思わなかったその姿に違和感を覚えているところに、今度は立派な風采の侍が姿を見せる。
小兵衛はその侍のかつての姿を知っていた・・・。

 実に微妙な距離感で事件の進展を見守る小兵衛だが、ことが煮詰まった瞬間にホームズ並の推理を働かせて行動に出るのがかっこいい。
またこの話ではいつもの弥七と徳次郎が別件で出かけており、代わりに久しぶりの文蔵の活躍が見られるのも嬉しいところ。


 料理屋「嶋屋」から出てきた立派な侍は酔っていた。
そこに浪人が現れ、その侍を棍棒で打ち据えて気絶させると姿をくらませる。
その浪人は中沢春蔵といい、10両で悪い侍を気絶されるだけという条件で襲撃したのだが、彼が秋山大治郎の家にいるときに昨夜の侍が胸を一突きにされて殺されているのが見つかったと知り、しかもその侍は大治郎にとって大事な人らしかった・・・。

 最後の大立ち回りが、もう大混乱としか言いようのない状況で面白い。
また中沢春蔵のキャラクターが魅力的で、再登場をねがいたいところ。

夕紅大川橋
 秋山小兵衛と横山正元が飲んでいると、眼の前の川に信じられない光景を目撃する。
そこには小兵衛よりも10も歳上の同門内山文太老人が、どう見ても岡場所の者である若い女と舟に乗っていたのだ。
その後更に驚いたことには、内山文太が行方不明に・・・。

 色々と切ない話だが、なにより「老い」の切なさが全編にわたり、いろいろと考えさせられる。
希望の光は変な人とくっついてしまった彼女の顛末で、ぜひその後の展開を読んでみたい。

 ちうわけで相変わらず面白すぎる本シリーズだが、解説にもあるがだんだんプロットが複雑になってきている。
それはそれでいいのだが、たまにはストレートな話もはさんでほしいかな。

20251113(mixi日記より)
20251114


無敵鋼人ダイターン3 第31話 美しきものの伝説
富野善之監督

 
を昨日観た。
 世界一の美貌を自負する女性コマンダー・ゼット。しかし彼女のコンピューターミラーはこの世で最も美しい女性として女優ランを映した。
ゼットは彼女を標本にして鏡に映らないようにしようとするが、なぜかランのボディーガードには波乱万丈がついていた・・・。

 
 とりあえず美女がいっぱい出てくるのでそれなりに満足した(笑)が、今回のコマンダーはこれといった任務も負っておらず、ひたすら自分の美貌を世界一にするために動いており、いつものコロス様の介入も皆無だった。
オフだったのだろうか・・・(笑)

20251115(mixi日記より)
20251115


ヴイナス戦記
安彦良和監督

 ヴイナス歴72年。金星(ヴイナス)はアフロディアとイシュタルという二つの勢力に別れ、戦乱が続いていた。
地球からヴイナスにやってきた若い女性記者のスゥは、酒場でイシュタルがアフロディテの首都であるここイオ・シティにも攻めてくるかもしれないと聞くが、その直後にイシュタルの奇襲が開始される。
イオ・シティの少年ヒロは、バイクレース「ローリングゲーム」のライダーだったが、イシュタルに占領された街ではどうしようもなく、不満を高まらせていたが・・・。

 映画「クラッシャージョウ」で見事な腕の冴えを見せた安彦良和がまあまあ面白い原作漫画を書き、それを本人が監督して映画化したのだから面白くならないわけがないのだが、不思議なことに全然面白くない(汗)
化夢宇留仁は原作も読んでおり、本作は劇場で観たあとビデオでも何回か観ており、今回は数十年ぶりに再見したのだが、当初から「主役の声優が下手」「ストーリーに深みがない」「歌が酷い」「モノバイクはかっこいい」「煙の描写だけはすごい」という感想で、今回も同じだった(笑)
主役の声優に関してはなにしろ少年隊なので仕方がないとして、ストーリーに深みがないのは致命的。こっちは原作ではそんなことはなかったのに、なんだか若い者たちの青春の1ページみたいなところだけを切り取ったような感じで、化夢宇留仁的には面白いところを全部削ぎ落とされたイメージ(汗)
結果感情移入できるキャラクターは1人もいないし、誰がどうなっても構わない感じ(汗)
歌が酷いのも上記の青春の1ページ感を強めている。
原作から1輪車に変更されたモノバイクは丘の向こうからドンドン出てくる描写とか、どこもかしこもかっこいいのだが、ドラマツルギーとリンクした見せ場がほとんど無いのが切ない。
煙の描写がすごいと書いたように作画はがんばっているのだが、少々浮いているかも(汗)
また今回HD画質で観て線の太さに驚かされたのだが、どうやらクラッシャージョウと同じく「貧乏ビスタ」(セルの上下を切り取ってビスタサイズにする)っぽい。
とりあえず化夢宇留仁は2度と観ることはないだろう(笑)

20251115(mixi日記より)
20251116


ウルトラマン 第5〜7話

第3話 ミロガンダの秘密
 

飯島敏宏監督
 夜のゲート下で事故を起こした乗用車。運転手はなんとか無事に車から脱出したが、車に積まれていたガラス瓶が割れ、その中から出てきた緑色の粘液が怪物の姿に。
運転手だった新聞記者の小林は窒息死体で見つかった。
さらに地質学者の松尾博士も自室で窒息しているのが見つかる。
5日前には大室公園で植物学者の山田博士が同じように窒息死しており、アラシとイデがビートルで向かう。
キャップとハヤタは東京の事件現場へ。
そこには奇妙な緑色の粘液が・・・。

 

 
 ミステリーっぽい展開だが、脚本&演出が舌足らずなのでもう一つ盛り上がらない。
しかし見どころはなかなか多く、大室公園のロケ撮影やそこにビートルが着陸する合成カット、相変わらず美しい国際的女優若林映子、巨大化したグリーンモンスと夜の街で対峙するウルトラマンなど。
制作順で言えば第2話らしく、いろいろと手探り状態だったらしい。
ウルトラマンのスーツ(旧型)が、正面から見るとにせウルトラマン並に目がつり上がっているのが印象的だった(笑)

第6話 沿岸警備命令
 
野長瀬三摩地監督
 科特隊は最近の輸送船の沈没事故の多発の調査を進めていた。
 ホシノ君と友達2人は横浜の山下公園にやってきた。双眼鏡で南米航路のコロンビア丸がカカオビーンズを荷下ろししているのを見ていたが、友達の男の子が怪獣を目撃する。
ところが双眼鏡を取り戻したホシノ君の目に入ったのは全国指名手配の宝石密輸犯ダイヤモンド・キックだった・・・。

 

 
 この冒頭の少年2人、少女1人の会話の噛み合わなさがすさまじく、気が狂いそうになった(笑)
その後宝石密輸犯と怪獣ゲスラの顛末が2重プロットっぽく進むのだが、色々とつっこみどころが多く、なかなかノリ切れない。
それとウルトラQの頃から気になっていたが、このシリーズ独特の、実は外国では知られている生物が巨大化というパターンが、(「ミロガンダの秘密」もそうだが)この話では顕著で、カカオビーンズはゲスラのおかげで収穫できているとか、嘘の基本設定をしたり顔で説明するのが変すぎる。
これをはじめたのは一体どこの誰なのか?
 派手派手なゲスラは映っているカットも多く、見ていてなかなか面白いが、あれは「触覚」じゃないよね・・・。

第7話 バラージの青い石
 
野長瀬三摩地監督
 中近東に巨大な隕石が落下し、それ以来付近を通過する航空機が次々に消息を絶っていた。 科学特捜隊パリ本部、トルコ支部、インド支部が調査隊を派遣したが、いずれも行方不明になり、とうとう日本支部に出動が要請される。
フランス本部の連絡員のジムも合流し、ビートルで現地に向かうも、突然前方に虹色に輝く光の柱が現れる。
それは強力な磁力ビームで、ビートルはエンジンと通信機が故障して不時着してしまう。
磁力ビームを出しているのは怪獣だった。
一行は砂漠を進み、伝説とも言われているバラージの街にたどり着く。
アララット山の近くにあるその街には、老人たちとテレパシー能力を持った美しい女性チャータムが住んでいた。
バラージを5千年前から怪獣アントラーから護っているのはノアの神であると、その神の像を見せられるが、それはどう見てもウルトラマンだった・・・。

 
 非常にテンポがよく充実した内容の脚本で、また海外ロケをしたとしか思えないような大規模なセットも相まって非常によくできたエピソード。
怪獣アントラーの造形も素晴らしい。
1つだけ気になったのは、5千年も襲われなかったバラージの街が今回はアントラーに襲われた理由の説明がなかったところくらい。
そしてアントラーは、スペシウム光線を全く受け付ず、結局ウルトラマンは手も足もでなかったという、実はゼットンクラスの最強レベルの怪獣である。

 

 

20251116(mixi日記より)
20251117


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