惑星大戦争
福田純監督

 金星が発信源の怪電波で各地の連絡が途絶え、UFOの目撃情報も。
国連はこれを異星からの侵略行為の可能性が高いと判断し、建造を中止していた地球防衛宇宙戦艦「轟天」の建造再開を指示するが、異星人の魔の手がすでにのびており・・・。

 一言で言ってしまえばスターウォーズ人気にあやかって作られた子供だまし(汗)。
子供だましと言っても、当時の東宝映画スポンサーや制作スタッフにSFをまともに理解していた人が存在していたかどうかも怪しいので、本気で作っても大した違いは無かったかもしれない。
しかし製作期間は2ヶ月(笑)らしいので、本気で作っていないことも確かだろう。
宇宙船内の真っ白さや、宇宙服のデザインなど、2001年をまんまパクっているのだが、宇宙服の足の裾が開放されているとか、完全に投げやり(笑)
特筆すべきはキャストの濃さで、森田健作、沖雅也、宮内洋、浅野ゆう子が狭いボックス席で乾杯している画は濃すぎて目が開かない(笑)
また浅野ゆう子扮するジュンがエイリアンに捕まるとなぜかエロエロなボンデージ風衣装に着替えさせられているのはこの作品唯一の高得点ポイント(笑)
 注目すべきは勿論宇宙戦艦の戦闘シーンだが、残念ながらほとんど見るべきところはない。
ただし艦載機のリボルバー式発艦装置はすごかった(笑)
しかしあとで同じ穴からビームを出しちゃって台無しに(汗)
構造的にミサイルだったら問題なかったのだが。

20220508(mixi日記より)
20220512


海の男ホーンブロワー2
スペイン要塞を撃滅せよ
セシル・スコット・フォレスター著/高橋泰邦訳

 西インド諸島に向かう戦列艦レナウン号に乗船したウィリアム・ブッシュ三等海尉は、その艦長ソーヤーが偏執狂であることを知り、困惑していた。
志願兵の士官候補生ウェラードが艦を守るために行った艦長命令への不服従を、ソーヤーは謀反と受け取り、ウェラードを弁護しようとしたホーンブロワー五等海尉をも巻き込み、やがては副長やブッシュまでもが謀反を企てたとして軍法会議に掛けられかねない状況に。
 やがてレナウン号は目的地であるサント・ドミンゴ島のスペイン要塞攻略に向かうが、要塞の高所からの砲撃は強力で、レナウン号は被害を受けて撤退することに。
しかしホーンブロワーは逆転の秘策を持っていた・・・。

 連作短編集だった1冊目に対し、本作は本格的な長編になっている。
上記にある通り主にブッシュという人物の視点で語られ、長編ということもあって当時の生活や要塞攻略の様子も丁寧に描写されており、実に興味深い。
 今回特に印象的だったのは、著者の人物の思考の描写が非常に巧みだったことで、頭はよくてもこういう系統の思考はできないタイプとか、微妙な脳みその出来(笑)の違いをわかりやすく表現しているのが興味深かった。
 またラスト近くでは終戦を迎える。
終戦と聞くと我々は無条件で喜ばしいことのように思ってしまうが、9年も続いた戦争で若い頃からバリバリの海軍軍人として過ごしてきた人物にとってはそうとは限らず、むしろ浮浪者同然の悲惨な状況に陥ってしまうのも、非常にリアリティがあって面白かった。
 この時代ならではのあり得ないほどの現在との常識の乖離を受け入れられない人もいると思うが、超一級のエンターテイメントシリーズなのは間違いないと思う。
要するにすごく面白い(笑)

20220513(mixi日記より)
20220514


バットマン・ビギンズ
クリストファー・ノーラン監督

 ゴッサム・シティの富豪の息子であるブルース・ウェインの両親は路地で強盗に襲われて殺された。
ウェイン夫妻殺害の犯人ジョー・チルが仮釈放されるのを聞いて復讐しようとするブルースだったが、それは彼の無力さを思い知るきっかけとなり、やがてブルースはアジアの「影の同盟」に入門することになった・・・。

 なかなか評判のいい本作だが、化夢宇留仁の予想よりも面白かった。
荒唐無稽なヒーロー像を、あくまでリアルにダークに描くのに専念しているのが心地いい。
しかし少々長すぎるきらいはあるか。
それにしても豪華すぎて気持ち悪くなるくらい(笑)のキャストにはびびった。

20101010(mixi日記より)
20220517


ストレンジャー・シングス 未知の世界
シーズン3 第1〜2話

第1話 スージー、応答せよ Suzie, Do You Copy?
 1984年6月。ソ連で行われた裏側の世界への道を開ける実験は失敗に終わった。
1年後のホーキンスでは新しくオープンしたスターコート・モールが大盛況だったが、客を取られた小売店がつぶれており、問題になっていた。
1ヶ月も旅行に出ていたダスティンは仲間たちに発明品を披露し、中でも目玉がユタ州の彼女とも連絡ができる組み立て式のアンテナで、みんなはアンテナよりもダスティンに彼女ができたことに驚く。
一方マイクとエルは超イチャイチャしており、ホッパーは気が気ではなかった。
ところでプールの監視員をしているビリーは、廃工場で怪物に襲われ・・・。

 

第2話 モール・ラッツ The Mall Rats
 
 ホッパーに脅されたマイクはエルに嘘をつき、怒ったエルはマックスとモールへ。
新聞社で働いているナンシーとジョナサンは奇妙なネズミが出たという通報のあった家に向かう。
ダスティンが録音したロシア語の暗号は、スティーブの働くアイスクリーム店の同僚のロビンが翻訳はしたが、意味がわからない。しかしその中で流れていた音楽が・・・。

 ちうわけでシーズン3開幕。
とりあえずはマイクとエルが超イチャイチャバカップルになっていたのには笑った(笑)
あとは先生の趣味の1つがフィギュアペイントという渋いところを攻めてきたり(笑)、相変わらず見どころが多い。
ワンダーウーマン1984でも出てきたモールはやっぱり80年代を代表するものなんだなあ。

20220501(mixi日記より)
20220519


キャプテン・フューチャー 惑星タラスト救出せよ!
エドモンド・ハミルトン著/野田昌宏訳

 ハレー彗星から救出された火星の科学者チコ・スリンがキャプテン・フューチャーに緊急呼び出しを掛けた。
何事かと火星の衛星ダイモスに行ってみると、そこには20億光年離れた別な宇宙からのゲストが迎えられていた。
彼らの宇宙では太陽が全て燃え尽きようとしており、更には<冷たきものたち>と呼ばれる者たちに蹂躙され、滅びる寸前なのだという。
彼らには勇者カフールが復活して助けてくれるという伝説があり、なんとカーティスにその勇者になってくれと言うのだった・・・。

 これまで読んだシリーズの中では最もまとまりのよい作品だと感じた。
最初から最後まで中だるみなく一定のリズムで進み、珍しくいくつか配置していた伏線の回収もビシッと決まってスキッと終わる。
ハミルトンも円熟に達してきたということか。
科学的な部分も、途中の「宇宙の泡」と質量の関係にはぶっとんだが、重要な秘密の鍵はなかなか納得の行く内容で、いつになくSFっぽかった(笑)
逆に言うとちょっと大人しい作品とも言えるかも知れないが、化夢宇留仁的には十分に楽しめた。
そしてジョオンがすでにキャプテンをコントロールしつつある気が・・・(汗)

20220517(mixi日記より)
20220520


アルゴ探検隊の大冒険
ドン・チャフィ監督

 ペリアスは謀反によって王アリストを殺してテッサリアの王座を奪ったが、神の使いから「片足のみ裸足の男」によって王座を奪われると予言される。
アリストの一族を根絶やしにしようとするペリアスだったが、アリストの娘のブリセイスを女神ヘラの神殿で殺し、女神ヘラはこれを神殿への冒涜としゼウスに文句を言い、生き残ったアリストの息子ジェーソン(イアソン)に力を貸すことにする。
20年後、ペリアスが池で溺れそうになっているのを助けたのは成長したイアソンだった。
ペリアスは彼をイアソンだと見破り、不可能だと思われる黄金の毛皮を見つけ出す旅に送り出す・・・。

 皆さんご存知の超名作(笑)
勿論脚本やら演出やらをどうこう言う作品ではない。
やはりハリー・ハウゼンの特殊効果に尽きる。
巨大なテイロス(タロス)、老人を襲うハーピー、毛皮を守るハイドラ(ヒュドラ)、そして骸骨戦士との死闘。
コマ撮りばかりがクローズアップされるが、崩れる岩壁を押さえて船を通してくれたトリトンのライブ合成も迫力満点で実にかっこいい。
 

 
しかし出色はやはり7体の骸骨戦士のシーンで、ここに限らずこの映画の特撮シーンはアートに満ちていて、勿論リアリティでは現代のCGIには敵わないが、映像の面白さという点ではまだまだ圧倒していると思う。
こんなのを子供の頃に観たら洗脳されるのは確実で、変な少年を山ほど生み出した罪な作品とも言えるだろう(笑)。
ちうか化夢宇留仁は今回渋いオープニングの画だけでもガツンと来た(笑)

20220517(mixi日記より)
20220522


神への長い道
小松左京著

宇宙鉱山
 宇宙艇は金属質の隕石群に取り囲まれて身動きもままならない状況に陥っていた。
隕石群は粉末状の微小なものから数mの大きなものまで混じっており、レーダーは光点だらけの上に細かい隕石の衝突によって船体外皮に取り付けられた装備は片っ端から破壊されていた。
しかしそもそもなぜ隕石群はどんどん加速しつつ密度を高めているのか?
その理由を突き止めるために、隕石群の向かう地点に行ってみると・・・。

 実にSFらしい好編。
小松の理数系知識の積み重ねの確かさも感じさせる。
最後にタイトルの意味がわかる仕掛けも面白い。

飢えた宇宙(そら)
 ジョーが行方不明になり、残ったのはアキオとマリアの2人だけになってしまった。
しかし彼らはいったいどこに行ってしまったのか?
ここは宇宙船の中だというのに・・・。

 ちょっと練り込みが甘いかも。いくらなんでもその計画は無茶すぎる。
これだったら「ブラインドサイト」のやり方のほうがスマートだろう。

宇宙(そら)に嫁ぐ
 火星移民船に乗り込む男と結婚することになった娘が体験する「結婚式」とそれによる変化。

 なぜ処女でないといけないのかが読み取れなかった。
もしかしたら執筆当時の「処女」と、今の「処女」とは大きな乖離があるのかもしれない。

星殺し(スター・キラー)
 豊かな自然に覆われたその惑星は地球そっくりだったが、昆虫以上に大きな動物は存在しないようだった。
しかしこの惑星で2つの調査隊が消息を絶っているのだ。
第2調査隊にはT・Kの友人が乗り込んでおり、彼は前調査隊の一行がどうなったのかをどうしても突き止めたかった。
しかし彼の属する第3次調査隊のメンバーも様子がおかしくなり・・・。

 同性愛絡みの内容だが、特殊なことのような書き方をせず、当時としては非常に自然な状況に描けているのは流石に先見の明の塊左京先生だと思わされた。
落ちは少々唐突ながら(なぜそんな装備を・・・)、これも最後にタイトルの意味がわかる仕掛けでなかなか面白い。

再会
 海中で高度な文明を発達させた種族のいる惑星に、真空で高度な文明を発達させた種族がコンタクト。
しかし彼らは・・・。

 雰囲気がよくてこれからの展開が楽しみ!っと思ったら終わった(笑)
これを冒頭にした長編が読みたかった。
これもタイトルがオチと連動している。

神への長い道
 21世紀の地球に飽き飽きしたフジはコールドスリープによって未来に希望を掛けた。
彼が目覚めたのは56世紀の未来だったが、事態はますます悪化していた。
最後の望みと恒星間宇宙船に乗り込んだフジがたどり着いたのは、滅び去った異星文明の遺跡だった・・・。

 非常に壮大な内容を変化に富んだ展開で描き出している。
昨日NHKスペシャルの立花隆の特集を観たのだが、それと重なる部分が多くて驚いた。
ただし小松の思考は人類だけではなく宇宙全体に及ぶのが流石SF作家は違うと思わせる。
書かれたのはおそらく60年代末期〜70年代前半だと思うのだが、この時点で地球温暖化による海岸線の後退まで導入しているのは流石すぎる。
少し残念だったのは後半がほぼ台詞による説明で構成されていたところで、内容的にある程度は仕方がないとは言え、もう少し工夫してほしかったかも。
ちなみにこれも最後にタイトルの意味がわかる仕掛け。
こういう仕掛けに凝っていたのか(笑)?

 ちうわけでひさ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜しぶりに読んだ左京大先生の作品だったが、ほんとに申し訳ないけど今まで著者のことをなめていた(汗)
これまでに読んだことのある作品が偏っていたというのもあるかもしれないが、こんな本格的なハードSF短編も書ける人だったのね(汗)
ちうかSF御三家ではSFらしいSFという意味ではまさに旗手だったんだと再認識させられた1冊だった。

20220520(mixi日記より)
20220524


マッドマックス2
ジョージ・ミラー監督

 2大国の戦争によって文明は崩壊した。
凶悪な暴走族がガソリンを求めて略奪を繰り広げる荒野を彷徨う者の中にマックスもいた。
ある日オートジャイロが停めてあるのを見つけるマックスだが、それは罠で毒蛇が仕込まれていた。
しかしマックスは毒蛇を捕まえ、隠れていたジャイロ・キャプテンの襲撃もかわし、逆に捕虜にする。
ジャイロ・キャプテンはガソリンがいくらでもある場所を教えると言い、行ってみるとそこは石油精製所で、暴走族の襲撃にさらされていた・・・。

 とにかく改造カーで走りまくって破壊しまくるこんなバカな映画を作るとは、尊敬するしか無い(笑)
1で悪夢の様相を呈していた文明社会は綺麗さっぱり消えて無くなり、世界は完全に北斗の拳に(それ逆/笑)。
ちうかそれにしても北斗の拳はよくもここまでパクったものだね。主人公や悪役の衣装とかそのまんまやし(笑)
そして完全に一本調子の脚本。
この内容にはそれが最高の選択なのは疑いなく、制作当時に脇目もふらずに一本調子に作れた勇気を称賛したい(笑)
新鮮だったのはナレーションがほとんど「コナン・ザ・グレート」だったこと(笑)
マックスはもはや人をやめかけている(笑)伝説のヒーローなんだなあ。

20220521(mixi日記より)
20220526


無敵鋼人ダイターン3 第1〜2話
富野由悠季監督

第1話 出ました!破嵐万丈
 

 サンドレイク卿主催のミスコンが開催される。
優勝したのはビューティフル・タチバナ。
会場に突然乱入してきた男が。彼こそはメガノイドの野望を打ち砕くため戦う噂の男、破嵐万丈だった。
サンドレイク卿はメガノイドで、美女たちを仲間に引き入れようとしていたのだ・・・。

 

 何の説明もなく開幕し、美人コンテストが開催され、万丈が乱入。
サンドレイク卿は言い訳の一つもせずに正体を明かして戦闘に突入。
乱戦の末サンドレイク卿はメガボーグに変身して巨大化。
万丈はダイターン3を呼んで戦闘。
勝利。
美女たちに取り囲まれてハートマークで終幕。
 おっもしれ〜〜〜〜〜〜(笑)
とりあえず第1話終了時点ではメガノイドも万丈も、なんでそんなことをやっているのかの説明は一切なし(笑)

第2話 コマンダー・ネロスの挑戦
 
 エディントン市上空に突然浮遊物体が現れ、ここで人工重力実験を行うこと。人間のぬるぬるした血反吐など見たくないので直ちに出ていくこと。この2つを宣言した直後に大地震が襲い、都市の中心部が空中に浮き上がる。
これを聞いた万丈とレイカが急行。
ビルの中でトッポという少年と出会い、ネロスの居場所を突き止めるが・・・。

 
 この話で初めて万丈の屋敷とギャリソン時田も登場。
またメガノイド側も首領であるドン・ザウサー、副官(?)コロスも顔見せ。
ちうか最初からザウサーが木偶人形にしか見えないんですけど(笑)
そしてこの話の本命は金田作画で、全編金田節が炸裂しまくりで面白すぎる。
なんかメチャクチャだけどすごい(笑)
 関係ないけど生ハムとチーズとバケットをかじりながらフルボディの赤ワインを飲みつつダイターン3を観る日曜の午後って優雅だな(笑)

20220522(mixi日記より)
20220528


スパイダーマン
サム・ライミ監督

 大好きな幼なじみのMJに声もかけられないピーター・パーカーは、コロンビア大学の研究室で遺伝子改造を施された蜘蛛に噛まれ、奇妙な能力を手に入れる。
その能力を使って地下プロレスで小遣いを稼ごうとしたが騙され、怒ったパーカーはそこを襲った強盗をわざと見逃したが、その強盗は彼の叔父を・・・。
 一方ピーターの親友であるハリーの父親ノーマン・オズボーンはライバル企業との争いに敗れて長年の研究が無駄になりそうになり、最後の手段と自らを人体実験の標本にするが・・・。

 あらためて見てみて、やはりよくできた映画だと再認識した。
スパイダーマンが大好きな監督が大事に大事に丁寧に丁寧に作り込んでいるだけあって素晴らしい完成度。
しかし・・・辛気臭い(笑)
元々のストーリーがそうでもあるのだが、監督は勝手に「ダークマン」みたいな孤高のヒーローを創り出してしまうほどなので、「大いなる力には大いなる責任が伴う」とか、叔父さんの顛末とか、彼女の家庭環境とか、親友との絡みとか、とにかく切ない展開ばかり(汗)
それぞれちゃんと描けていてドラマの面白さにもつながっているのだが、そもそも「スパイダーマン」という映画にどんな内容を期待するかと考えれば、ちょっとニーズとはずれていると言わざるをえないだろう(笑)
もちろん期待通りのアクションシーンもてんこ盛りではあるのだが・・・。
とりあえずMJのおっぱいは好き(笑)

20220523(mixi日記より)
20220530


SAS プリンス・マルコ
イランCIA対マルコ
ジェラール・ド・ヴィリエ著/大友徳明訳

 テヘランの空港に降り立ったマルコ・リンゲは、夜中の1時だというのに熱気に溢れた空気に眉をしかめ、迎えが来ていないことに困惑していた。
美しいドイツ人スチュワーデスのヒルデガルデに空港関係者が乗るバスに便乗させてもらってホテルにはたどり着いたものの、マルコの心配は尽きなかった。というのも彼の抱えている鞄の中には1千万ドルが入っていたのだ。
彼の任務はその金をシャルバーグというイランCIAの責任者に渡すというものだったのだが・・・。

 もちろんその金は奪われるのである(笑)
今回のマルコは不慣れなイランの複雑な状況に翻弄されまくり、ほとんどいいところがない。
まあそれはこのシリーズ通していつものことなのだが(笑)
出色は現地で雇ったドリューのキャラで、むしろ主役は彼の方だと言っても差し支え無さそうである(笑)
一番興味深いのはイランの文化、政情、食べ物、などなど、その空気感とでもいうべきもので、この作者はほんとにそういうのを描くのがうまい。
漫然と見知らぬ国の雰囲気を感じつつ、いつの間にかCIA、イラン秘密警察、ソ連も絡む謎めいたプロットに乗せられ、最後は絶望的な状況で一発逆転の賭けに出て盛り上げる。
旅行記がいつの間にか本格的なスパイ冒険小説になっているような感じで、非常に楽しめた。
こんな展開の中で3人もヒロインを登場させるのも、もはや著者の執念とも言えると思うが、ちゃんと成立しているのは見事。
このシリーズは読むごとに予想よりも楽しませてくれて嬉しい♪
表紙のおばちゃんはなんとかしてほしかったが(汗)

20220523(mixi日記より)
20220601


ストレンジャー・シングス 未知の世界
シーズン3 第3〜4話

第3話 消えたライフガード事件 Chapter Three: The Case of the Missing Lifeguard
 
 マックスの提案で、エルは超能力でマイクやほかの人たちの様子を「見る」
マイク達男衆の様子に呆れるエルだったが、ビリーを覗いてみるとヘザーという女性を監禁しているかのようなビジョンに遭遇する。
エルとマックスはヘザーがプールのライフガードの1人だと突き止め、彼女の家に行くが・・・。
 一方ナンシーは新聞社でネズミの異常行動の報告を相手にされず、独自に行動することに。
突然磁石が磁力を失った原因を探るジョイスは、ホッパーを説得して閉鎖されている研究所に侵入するが、そこでホッパーは何者かに襲われ・・・。
 ロビンは暗号を解き明かし、ダスティン、スティーブ、ロビンの3人で夜のスターコートを見張っていると、怪しいロシア人達が・・・。

 
 5月28日に視聴。
まだ「承」な感じ。
ロビンがいい感じになってきた。

第4話 サウナテスト Chapter Four: The Sauna Test
 
 ヘザーの父親は新聞社の管理職のトムだった。ジョナサンとナンシーは彼に新聞社を解雇され、2人の仲にも亀裂が。
 ウィルはマインド・フレイヤーが復活していると告げ、様子がおかしいビリーが憑依されていないかテストすることに。
 ホッパーとジョイスはホッパーを襲った怪しい男が市長のところに出入りしていたのを思い出し、市長から話を聞こうとするが・・・。

 明らかな「転」(笑)
それぞれのチームの展開がそれぞれで緊急事態に。
「童夢」味の対決も盛り上がったが、ここに来て江戸川乱歩味も追加されたのには驚いた(笑)
それにしてもロビンがいい感じだ(笑)
そしてもやもやするマイクとエルの関係(笑)

20220530(mixi日記より)
20220602


ターザンの逆襲
エドガー・ライス・バロウズ著/長谷川甲二訳

 ターザンが一人息子を取り戻してから10年。
なんとジャングルに取り残されたアレックス・パウルヴィッチは生きていた。
彼は長年現地の食人族の慰み者にされてボロボロになっていたが、なんとかイギリス行きの船に拾ってもらい、アフリカを脱出した。
また途中立ち寄った島では人を探しているような奇妙な様子を見せる猿人も収容した。
その猿人はかつてターザンとともに冒険を繰り広げたアクートだった。
イギリスで頭の良いアクートを見世物にして稼いでいたパウルヴィッチだったが、ある日猿人がターザンの旧友であることを知り、しかもターザンの息子のジャックが猿人と仲良くなったのを利用してジャックを殺して復讐しようと企み・・・。
 フランス外人部隊の誇り高きアルマン・ジャコー大尉の7歳の娘ジャンヌが誘拐され、とうとう見つからなかった。
幼いジャンヌはジャコー大尉が捕まえて死刑にした男の叔父であるアラブ人の族長のところに拉致されており・・・。

 まず表紙を見て思うことは、今回は加藤直之先生がイラストを描いているということ。
そして表紙にターザンがいないということ。
ちうか読み始めるとわかるのだが、本作はターザンの息子であるジャックが主人公である。
しかしそのジャックもいない(汗)
ちうかジェーンは金髪だし、そもそも表紙の黒髪の女は誰なのだ???っとクエスチョンマークが飛び交うのだが、もちろん彼女が本作のヒロイン、メリームなのである。
ちうかこのメリームの境遇が小公女セーラが裸足で逃げ出すほど(笑)悲惨なもので、唯一の友達が汚い人形のジーカ(ちなみにネズミの皮とかでできている/汗)。
言われてみれば表紙の女性も汚い人形をぶら下げている。言われるまで気づかなかった(汗)
そこまで来ると加藤先生がなんで彼女を表紙に描いたのかがわかりすぎるほどわかる。
そこにたどり着くと、もはや読者の化夢宇留仁もメリームにメロメロなのである(笑)
 あまりにもヒロインが魅力的だったので後回しになったが、ターザンの息子であるジャックももちろん只者ではない。
猿人アクートと共にジャングルで暮らすのだが、アクートが彼につけた名前「コラク」は「殺し屋」という意味である(笑)
印象的なのが、何度か襲われて死にそうになるのだが、そういう状況で絶対に声を上げず、例えば首を絞められながらも黙ったまま反撃の機会を探るというゴルゴみたいな性格(笑)
彼はこれでも少なくとも10年以上イギリスで何不自由なく成長してきた少年なのだ(笑)
 本作はバロウズ大先生ノリノリの執筆だったようで筆が冴えまくりで、前にバロウズの作品は最初の方は地味だがだんだん盛り上がると書いたが、本作では序盤から怒涛の展開&可哀想過ぎるヒロインの登場でいきなり大盛り上がり。
そこに更に畳み掛ける無慈悲な時間経過。
本作が始まった時点で前作から10年が経過しているのだが、その後本編内でもどんどん時間が過ぎていく。年単位で(汗)
子供が行方不明になった。そして5年経過(汗)
再会するはずがすれ違いになった。そして1年経過(汗)
ってな感じで、あまりにも無慈悲に時間が経過し、それがどんどん切ない状況に盛り上げていくので、読んでいて息もつけない(汗)
そんな調子で前半から飛ばしまくるので、後半に来てまだまだ盛り上げる気満々のバロウズ先生に読者である化夢宇留仁の方が心が折れそうになり、もう許してあげて・・・と祈るばかり(笑)
いやほんとにお腹いっぱいの超傑作大河冒険ロマン大作だった。
何度も書いているが、これだけ多作なのに1作あたりの密度までこんなに高い作家は他に思いつかない。
バロウズはほんとにすごい。
 それにしてもまだ20冊近くあるのに、4冊目にしてこんなにターザン老けちゃって、火星人みたいに寿命が長いわけでもないのに大丈夫かと少し不安になった(笑)
そして「ターザンの逆襲」というタイトルは内容と全然違う(笑)
ちうか原題は「THE SON OF TARZAN」である(笑)

20220531(mixi日記より)
20220603


ゾンビ アメリカ公開版
ジョージ・A・ロメロ監督

 TV局勤務のフランシーン、パイロットのスティーブン、SWAT隊員のピーターとロジャーは、ゾンビから逃れ、ヘリで脱出。郊外のショッピングセンターに落ち着くが、そこに暴走族たちが乱入し・・・。

 小さい頃に観て死ぬほど怖かった本作だが、今となってはほとんど様式美と化していて、笑いが絶えない。
しかしやっぱり面白い。
ロメロ偉大

20101012(mixi日記より)
20220604


ダークナイト
クリストファー・ノーラン監督

 銀行強盗が発生。しかし彼らの内の1人が他を皆殺しにし、大金を独り占めにした。
その正体はジョーカーと名乗る、犯罪をジョークとして楽しむ男だった。
 バットマンはジム・ゴードン警部補と協力して、マフィアのマネー・ロンダリング銀行を捜査する。
新任の地方検事ハービー・デントもバットマンを支持し、ゴッサム・シティからの犯罪撲滅を誓う。
資金を絶たれて悩むマフィアのボスたちの会合に、ジョーカーが現れ・・・。

 ビギンズが面白かったので、早速ブルーレイディスクを購入して視聴。
おっもしれ〜〜〜〜〜〜〜!!!
全然ぶれないびっくりするくらいの安定感。
素晴らしい。
はらしょ。

20101013(mixi日記より)
20220605


007 慰めの報酬
マーク・フォースター監督

 ヴェスパーを操っていた男ミスター・ホワイトを、イタリアの古都シェーナでなんとか確保したボンドだったが、M16内に潜んでいたスパイによってホワイトは逃走。
裏切り者を追い詰めて殺したボンドは、男の持っていた紙幣が違法取引と関わりがあることを突き止め・・・。

 昨日(20101013)観た。
カジノロワイヤルの直接の続編という形で、前作で起こった出来事の後始末的な展開。
アクションてんこ盛りで面白かったが、最後はびっくりするくらいあっけない印象。
しかしダニエル・クレイグのボンドは本作でまさに完成されており、続編が待ち遠しい。

20101014(mixi日記より)
20220606


レント
クリス・コロンバス監督

 1989年のクリスマス・イヴ。映画監督を目指すマーク・コウエンとルームメイトのロジャー・デイヴィスは、大家のベニー・コフィン3世から溜まっている家賃(レント)を請求される。
トム・コリンズは強盗に遭う。
ストリート・ドラマーのエンジェルとコリンズはお互いがエイズであることを知る。
ロジャーのところにストリッパーでヘロイン中毒のミミが訪れる。
そしてクリスマス当日・・・。

 エイズはびこるニューヨークで貧乏ながら強く生きている自称芸術家達のミュージカル。元々ブロードウェイでロングランしていたミュージカルで、内容もそれっぽい。
とりあえずみんな歌がうますぎ。
はっきりとストーリーと言えるものがある感じではなく、大きな変化が起こるわけでもないが、それがダメというわけでもない。
なかなか面白い。

20101016(mixi日記より)
20220607


時の支配者
ルネ・ラルー監督

 惑星ペルディドで地球人の父子を乗せた車が黒い雲に追われて大破し、父親は息絶え、幼いピエール少年だけが生き残る。
クロードが発した救難信号を受信した宇宙船ダブルトライアングルズ22号はペルディドに向かう。
立ち寄った星で、番人のシルバード老人に少年救助の協力を依頼するが、その老人こそは・・・。

 古いフランスのSFアニメ。
今となってはなんともチープな画面だが、メビウスのセンスは光っており、人知の及ばない異星の雰囲気は満点。
また豆に手足をつけたような「花の妖精」の飛行はあからさまに金田伊功に影響を与えてるのが分かって愉快(笑)
そして最後の10分の急展開にはびっくり。
色々な意味で観ておくべき作品かも。

20101017(mixi日記より)
20220608


ニムロデ狩り
チャールズ・シェフィールド著/山高昭訳

 コブウェブ・ステーションでは研究が進められていたのは、敵対知的生命体に対処する人工生命体だった。
しかしその17体の人工生命体が脱走。
戦闘用に生み出された彼ら「ニムロデ」を一刻も早く見つけ出して抹殺しなければならない・・・。

 ハードSF?アクション?ラブストーリー?
興味深いところや山ほどあるが、物語的には盛り上がりに欠ける。
それにSFとしての説得力ももう一つ。
ニムロデはどういうきっかけでどういう理由で誕生したのか?
果たして殺意のない知的生命というのは誕生しうるのか?
結局恐怖の根元はなんだったのか?

まとめると「微妙」(汗)

20101021(mixi日記より)
20220609


BACK 記録&感想トップ NEXT

HOME